完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~
*97*
士
「...これが、アナザーワールドって奴か? 」
ムニャウ
「恐らくそうにゃむね」
サザンカ
「えーうっそー!?ちょっと撮らせて!!」
サザンカ
『あ、ダメだって!私に近付いたらそのまま腐るから!』
ムニャウ
「えっ」
サザンカ
『ほら、エレメント能力で』
Sonic.exe
「いや待て、エレメント能力は人体に害を出さないように一部生き物には効かないはずではないのか」
ムニャウ
「そうなのかにゃむ?」
Sonic.exe
「ああ、能力の中には穴を開ける物もあるからな」
サザンカ
『あはは...ああ、それね!確かにあったよ、つい昔までは』
サザンカ
「つい昔って?」
サザンカ
『ある時だったかなぁ、私の世界のこの学園に爆弾が落とされたの、爆弾といっても殺傷力がある物とは違うの』
サザンカ
『その爆弾っていうのが、エレメント能力を何倍にも増幅させて暴走させる危険な物』
サザンカ
『これで私のクラスメートは能力を制御できなくなって大混乱しちゃったの』
士
「能力の暴走...考えたくもないな」
Sonic.exe
「ああ」
サザンカ
『空が飛べる人は地面に足がつかなくなって...透明になれる女の子は消えたまま戻らなくなって...さっき話していた穴を開ける能力は辺り一面穴を作りまくって...』
ムニャウ
「それは大騒ぎにゃむね、そんな世界からどうにか逃げてきたって事にゃむか」
サザンカ
『逃げた...っていうよりは、捨てた、が近いのかな』
サザンカ
「へ?捨てた?なんで?」
サザンカ
『もう誰もいなくなったから』
溜め息を吐いて、アナザーサザンカはスカーフをめくると...その顎の部分からは白いものがちらついていた
サザンカ
「きゃっ!!」
サザンカ
『ごめん、驚いたよね?でもこういうことだよ』
士
「...まさか、お前...エレメント能力の副作用で...」
サザンカ
『うん。』
サザンカ
『確かに大騒ぎにはなった、でもそれは数日の間だけ』
サザンカ
『私のエレメント能力は腐食力』
サザンカ
『その能力は文字どおり【腐らせる】こと...そんな力が暴走したら、どうなるか分かるよね?』
サザンカ
「え、あっ...じゃあ...」
サザンカ
『皆私が殺したようなものだよ』
サザンカ
『愛しいカイエン様もシュレード様も、沢山の友達も、理事長さんも、そしてこのアクエリオンも』
サザンカ
『皆私が腐らせてしまった、腐って醜く死んでいく所を見ているしかなかった』
サザンカ
「.....」
アナザーサザンカの話を聞いて、士は何かを思い出したかのように答えた
士
「そういえば、ヘリオスの本部でこんな情報を見つけたんだ」
【アナザーワールドと元の世界は表裏一体、どちらかの世界で消えれば、片方の世界でも存在が消える】
サザンカ
「じゃあ、私しかいないのって...」
サザンカ
『私のせいだね、ごめん』
サザンカ
「いや、そうは言われても急には飲み込めないって言うか...その、顎から見える白いのって...」
サザンカ
『見たまんま骨だよ?どうやら私の体も耐えきれず腐り始めたみたい、少しずつみたいだけど』
サザンカ
「...それって痛いの?」
サザンカ
『まぁ、肉を少しずつ削がれてるのと同じだからね...でも皆は、そんな苦しみを味わった』
サザンカ
『だから仕方ないよ』