コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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俺と魔王の女の子!?
日時: 2010/12/27 08:10
名前: 零十 (ID: Fjgqd/RD)

初めましての方は初めまして、初めましてじゃない方も初めまして、零十です。
この度この『俺と魔王の女の子!?』の小説を書き進めることにしました。

実はこの小説、俺のksブログ「虎の寝言」に掲載しているものなのですが、この小説を、もっと多くに人に読んでもらいたいと思い、スレを立てました。
作者の俺が言うのもなんですが、中々の自信作です。

蛇足ですが、この小説、俺が作成した小説『ガールフレンドは都市伝説』と繋がっている部分があります。

※千流目線で進めたり、ナレーション目線で進めたりと、不安定です。
※更新は不定期です。

〜目次的な何か〜

>>1『プロローグ』
>>2-12『魔王の女の子との出会い』
>>13-23『お騒がせ魔王』
>>24-58『魔術』
>>59-『種別を超えた絆』

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Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.12 )
日時: 2010/10/09 22:52
名前: 零十 (ID: YD0nNCEn)

さて、俺こと鈴原千流は、現在進行形で困っている、本当に困っている。カオスとしか言いようが無い状況にとても困っている。
目の前に居る、頭に角が生えていて、本来なら、彼女の頭に乗っているであろうティアラを指先で弄り、元気なくアホ毛が垂れている彼女に。
何処から来たと聞けば、魔界から来た。名前は? と聞けば無い。と言われた。

何だよこのカオスな、非日常な、苦笑いすら出てこねぇ展開は?
笑えばいいのか?

彼女はティアラを弄るのを止め、頭に乗っけた。容姿が子供なのに対し、似合う。
だが、彼女の頭には少し目立つ長めのアホ毛は、元気なく垂れていた。

「あのさ、今更な質問だが……君は魔界の何者なんだ?」
「我は、魔界を統べる魔王だ」
「へぇ〜、魔王ねぇ。魔王……魔王!?」

魔王って、あれだよな? RPGとかのラスボスを勤しんでるやつだよな。
一瞬、○ーマとか、ラプ○ーンを思い浮かべて、目の前の少女を見る。
確かに、魔王らしき風格は持っている。角とか。だがそれを除けば、コイツはただの子供にしか見えない。

「あのさ、それって冗談抜きでか?」
「む、我は嘘は言わぬ、魔王たるもの、常に正直であれ! これ、父上の教えだ」
「はぁ……さ、さいですか」

父上殿が余程好きなのか、さっきまで元気の無かったアホ毛はピンと立たせ、彼女は胸を張った。
どうやら、この子の住んでいる魔界ってのは、RPGゲームの舞台には似合わないほど平和なようだ。
恐らくだが、生活の仕方も俺達とほとんど変わらないだろう。
頭の中で魔界の構造を想像して、俺は薄く笑った。

「だが……」
「?」
「魔界はもう、無くなってしまった」

思わず「えっ……?」と呟いてしまった。
この子の故郷は魔界で、それが無いって……。
魔王はベッドに座ったまま俯く、アホ毛も元気なく垂れた。

「父上、母上、家臣の皆に会いたい……」
「……お前、名前が無いんだったな」
「……」

全く——

「なら、俺が付けてやるよ、お前の名前」

苦笑いすら出てこねぇ。

「アリサ、お前は今日から、アリサだ」

Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.13 )
日時: 2010/10/10 16:28
名前: 零十 (ID: YD0nNCEn)

第二章『お騒がせ魔王』

「アリサ……我の名……」
「ネーミングセンスが無くて悪いけどな!」
「ふむ、確かにありがちな名前だ。センスの欠片もない」
「おい……」

はっきり言われると俺だって傷付くんだが。
急に考えたんだから仕方ないじゃないか。

「でも……ありがとう、人間」

……意外と素直らしい、名前も、センスがねぇと言いつつも気に言ってくれたようである。
だが、まだ俺の自己紹介をしていない事に今更気付いた。いや、言うタイミングが無かっただけか?

「俺は鈴原千流だ。覚えといてくれ」
「セシル? 汝はセシルと申すのか……覚えておく」

魔王様に名前を覚えて貰えるなんて光栄だな、覚えておいてと言ったのは俺だけど。
何となく、アリサの頭を撫でてやる。くすぐったそうに抵抗する姿が可愛らしい、魔王とは思えない。

「なぁ、セシルは、我を一人にしたりしないか?」
「ゑ?」

アリサはベッドから降りた。そして、胡坐をかいている俺に近づく。
上目遣いで俺の目を見て、瞳には薄らと涙を浮かべて、言う。

「一人にしないか?」
「……わぁったよ、今日から俺等はダチ同士だ」
「ダチ……? それはどういう意味だ」
「友達って言えば分かるか?」
「む、バカにするでない!」

しかめっ面も可愛いな、おい。
ふと、時計を見る。既に午前四時を回っていた。
あれからニ時間近く経っている事になる、今更ベッドに横になっても眠れないだろう。

だが俺は、何か大切な事を忘れていた。
俺がそれに気付くのは、三時間後の事である。

Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.15 )
日時: 2010/10/15 13:38
名前: ゆう (ID: pkkudMAq)

私の小説に来てくださってありがとうございます!!
やっと見つけました ていうか、探しました

Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.16 )
日時: 2010/10/15 17:17
名前: 零十 (ID: lUcqHz23)

>>ゆう氏
書いている小説はこれだけではありませんがねw
改めて宜しくお願いしますね。

Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.17 )
日時: 2010/10/15 22:25
名前: 零十 (ID: lUcqHz23)

「あ、はは……苦笑いすら出てこねぇ」

再び現在進行形で困った千流を助けてくれる手は……あるわけが無かった。
ちらっと、彼のベッドの上で安眠を貪る少女、否、魔王の女の子を見る。
魔王とは言え、子供だ。遅くまで起きていたら眠くなるのは当然だろう。

千流は勢いで「ダチになってやる」と言った、だが一つ大きな問題がある。
アリサは魔界が無くなったと言った。すなわち、この子には帰る場所が無い、なら、ダチの千流が彼女を預かるしかない訳だ。
だが、この家には千流以外にも、母親である鈴原日和がいる。
アリサの事をどう説明すればいいのか。それが問題だった。

「変に説明しても無駄だよな……本当の事を言ってみるか?」

いやいや待て。それが一番やってはいけないパターンではないか。
頭をブンブン振って、千流は立ち上がる。だが、それだけだった。
ほとんど寝ていなかったせいか、急に睡魔が千流の頭の中を支配し始めたのだ。
無論、睡魔の進行を止める術は無く、千流はベッドに倒れ、意識を手放した。


「……? あれ、俺いつの間に……」

まだぼやけている頭で、千流は時間を確認した。九時を過ぎて少し。と言ったところだ。
大きく欠伸をして、ベッドから起き上がり……千流は凍った。
アリサが居ないのだ。

「アリサ! 何処だ!」

呼んでも返事は帰ってこない。替えてって来るはずが無い、彼女は居ないのだから。
千流は半狂乱になって階段を駆け下り、すぐに右の廊下へ曲がり、転んだ。
思い切り転んだ千流を見て、その母、日和は不思議そうな芳情を浮かべた。

「千流どうしたの? そんなに慌てて」
「いや、なんでも……てか、その横に居るのは?」
「あらあら。自分の妹の事を忘れちゃった? 当たり所が悪かったのかしら?」

『妹』その言葉に、千流は驚愕した。当たり所が悪かったのかしら? の部分は彼に聞こえていない。
母、日和の横にいる。小さい女の子、紫色の頭髪に角。彼女の威厳を表しているであろうティアラ。
ドレスの代わりに、青色のノースリーブワンピースを着ていたが、確実に分かる。

「アリサ、お前そこで何してる?」
「良かった。思い出したみたい! じゃ、千流、アリサ、朝ご飯出来てるからちゃんと食べるのよ」
「分かった、日和」

鼻歌交じりに、日和は別の部屋に移る。代わりに沈黙が訪れた。
沈黙が破れるまで、10秒と掛らなかったが。

「どう言う事だ? お前、普通に母さんと喋ってたじゃねえか!」
「魔術を用いた。我が家族だという記憶を埋め込んだのだよ」
「なんでもアリだな、おい」

苦笑い、否、呆れた表情を浮かべる。魔王の魔術は何でもありなようだ。
すくっと千流は立ち上がり、次にアリサの頭を撫で、呟いた。

「心配したじゃねぇか、バーカ」
「む! バカとかなんだ!」
「ははは、ホラ、飯食いに行こうぜ」
「無視するなー!」

騒がしい一日の始まりである。


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