コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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これってラブコメ?
日時: 2014/11/25 17:46
名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)

こんにちは!夕陽です。
前作が完結したので新しいのを書き始めることにしました。
アドバイスなどをいただけると嬉しいです。

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Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい  ( No.23 )
日時: 2014/01/25 15:44
名前: 夕陽 (ID: CrhN1.tR)

十五話 小池翼はついに告白するらしい

 放課後。部活がある人は部活動場所へ、ない人は家に帰っている。
 そんな中私は高等部へと足をすすめた。

 高等部に着き、私は真琴に頼んで空先輩を呼んでもらう。
「本当に告白するのか?」
 天から事情を聞いていたからか心配そうな顔をする真琴。そんな彼女に
「大丈夫だよ」
 と微笑むと、
「そんなに言うなら……」
 真琴は空先輩を連れてきてくれた。
 真琴が去っていくのを見届けて、
「空先輩、今時間ありますか?」
 と聞くと
「……うん」
 と答えてくれたので人目のつかないところに引っ張っていった。

 ここら辺でいいか、というところで立ち止まり、私は
「あの、空先輩に言いたいことがあるんです」
 少し緊張しながらもしっかりといえた最初の言葉。
 恥ずかしくて空先輩の目を見ながら言えなかったがまずまずの出だし。
「実は、私空先輩のことが——」
 私がその言葉を言いかけたそのとき、

——ピシッ

 まるで空気が固まってしまったかのような音がした。
 周りを見てみると、何もかもが止まっている。

 今まで風に揺れていた葉っぱ。
 陽気な音楽を奏でていた吹奏楽部の音。
 頬をなでていたやさしい風。
 そして

——空先輩。

「……何がどうなってるの?」
 私の呟きに返された言葉は
「時間が、止まってるんだよっ」
 どこかで聞いた事があるような声。
 徐々に現れる姿。
 その姿は、天だった。
「天っ。なんでこんなことするの!?」
「天じゃないよっ。ただ天の姿を借りているだけだしっ」
 その姿は確かに天なのによく見るとかすかに違う。
 雰囲気やしぐさが。
「あなたは……誰なんですか?」
 彼女はうーんとねと呟いた後
「秘密かなっ。でもヒントはあげるっ」
 ニヤリと笑い彼女は続ける。
「私はね」
 そこで一度区切り、彼女は恐ろしいくらい低い声で
「お前を、いらないって思っているんだよッ」
 ギラギラと獲物を狙っているライオンを思わせる瞳で彼女は言う。
「今から二つ選択肢をやる。選べるのはどちらか一つだ。いいか、よく聞けよ。一つ目は望月空に告白する。しかしその瞬間アタシがお前を殺す」
 そういい、彼女はさっと手を動かすとその場になかった剣が現れた。
「もう一つはなんですか?」
 私は彼女の瞳から目を放さずに言う。
「もう一つは、告白しない。撤回するんだ。その代わりアタシはあんたを殺さない。どうする?」
 どうすればいいのだろう。もし告白して空先輩にいい返事をもらえればこの天使は消える。けれどその前に殺されてしまうような気がするし。でも、私の心は決まっている。
「私は告白します」
「そうか……。じゃあアタシはお前を殺す。ただし、お前に聞きたい事がある」
 彼女は一回区切るとさっきとは違う、少し疑問を含んだ口調で聞いた。
「お前は、天使のルールを知っているのか?」
 天使のルール?
「簡単に言うと、お前達でいう規則だ。例えばこんなものがある」
 彼女は手帳を取り出し、左でひょいっと放った。
 その手帳はきれいに円を描き私の手に収まった。
「天使のルールが書いてある手帳だ。最初のページを見ろ」
 私は素直にページをめくる。
「十二行目だ。そこに書いてあるだろう」
 十二行目。そこにはこんな文字が書いてあった。

——天使は主の恋が叶ったら元の場所に戻る。そしてまた新しい主の元へいく。

 と。
「どうだ、分かったろう。これでも告白するというのか?」
 あざ笑うような口調だがそれに腹立つ事はない。
 それよりも
「天がいなくなる? 私の恋が叶っちゃったら?」
 そっちのほうがショックだった。
「そうだ、いなくなるんだ。どうする? 告白しなければそんなことにはならないぞ?」
「……やっぱり、告白やめる」
 私がそう呟いたのと
「それでいいんだよ」
 彼女がニヤリと笑ったのはほぼ同時だった。

Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい  ( No.24 )
日時: 2014/01/26 17:10
名前: 夕陽 (ID: CrhN1.tR)

十六話 山下真琴は実はすごい悪魔らしい

「なんで!? せっかく告白のチャンスだったのにっ」
 私が帰宅し、天にさっきのことを話すと天はいきなり怒り出した。
「だって、聞いちゃったんだもん。……天使のルール」
 天は驚いたように目を見開き、
「何のルール?」
 ときいてきた。
「天使は、告白して成功したら消えちゃうんでしょ? 聞いたんだよ、ある人に」
「確かにそうだけど……そっちのほうが翼はいいでしょ? 私がいなくなったほうがいいでしょ?」
 天はいつもと違い淡々とした表情で言った。
 確かに、最初はそう思っていた。
 天なんかいないほうがいいって。
 けれど、今は違う。私は天にここにいてほしいと思う。
「だって、天がいなくなるの、寂しいもん」
 私の消え入りそうな声は天に届いたのだろうか?
「とにかく、今すぐ告白してきてっ。そんな奴、翼が殺される前に私が邪魔するからっ」
 届かなかったようだ。
 もしかして、天は私のことが嫌いなのだろうか?
 私と暮らすのは、いやなんだろうか?
「天は私のこと、嫌いなの?」
 不意に出てしまったその言葉。
 言わなきゃよかったと後悔するが出てしまった言葉はもう戻せない。
「私は翼の事、嫌いじゃないよ」
 返ってきたのはそんな言葉。
 嫌いじゃないってことは好きでもないんじゃないの?
 今度はそんな不安が私を襲った。
「私は、翼のこと友達……ううん親友だと思ってる。親友の恋愛を応援するのは当たり前でしょ? たとえ私が消えても、翼の恋は叶って欲しいから」
しかし杞憂なようだ。でも天に消えて欲しくなんかない。
「なんかいい方法はないの?」
 天が消えず、私が告白できる方法。
 すると天はさも名案を思いついたとばかりに顔を輝かせた。
「そうだっ! 真琴だ。真琴に頼めばいいんだ!」
 真琴?
 何で真琴に頼めばいいんだろう。
「とにかく任せて!」
 天が安心してというように胸をたたくとどこかに電話し始めた。
 きっと真琴だろう。

 夕飯の時、真琴はいなかった。
「真琴、どこにいるの」
 と天に尋ねると
「こことは別の世界だよっ」
 と返ってきた。
 どうやら天と真琴が生まれた世界らしい。
「そういえば真琴になに頼んだの」
 私は疑問に思っていた事を訊く。
「うーん、教えてもいいのかな? まあいいか。真琴はね」
 そこで一度止めていたずらをする時のような顔をした。
 つまり、悪い事なんだろうな……。
「天使のルールを改定するように頼みに行ってもらったんだよっ」
 天使のルールを改定? つまり、天の個人的な意見で全体の意見を改定してもらうってことだよね。……いいのかなあ。
 そんな私の心を読んでか天は補足説明をしてくれた。
「まあ、ちょっと違うけど。改定じゃなくて私達だけ特例にしてもらおうかと」
 それはもっとだめでしょっ! そんなんじゃ認められないよ。
「大丈夫だよ。真琴の力があれば、ね」
 真琴の力を強調していった。
 真琴の力は確か物を動かせるとかそんな感じだったはず。
 それが役に立つ?
「違うよ。真琴の生い立ちと言ったほうが正しいかな」
 真琴の生い立ちかあ。
 そういえば全然知らないなあ。
「ねえ、真琴の生い立ちって聞いてみたい!」
 私の提案に天は
「真琴に許可とってからね」
 といいつつも話したくてたまらない様子で真琴に電話をかけた。
 数分ほど話すと天は
「オッケーもらったよ!」
 と真琴の過去を話し始めた。

Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい  ( No.25 )
日時: 2014/01/26 17:24
名前: 寂一 手伸 (ID: AwgGnLCM)

初めまして!
天使と悪魔と主人公の組み合わせがいいです!
すごくぴったり!
いやぁ〜…
今回の階なんて「消えちゃうんでしょ?」とかもう涙

Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい  ( No.26 )
日時: 2014/01/26 17:36
名前: 夕陽 (ID: CrhN1.tR)

寂一 手伸さん
コメントありがとうございます。
組み合わせはなんとなく天使と悪魔がいる話を書きたいなと思って出来たんです(どうでもいいですが)
天は消えるか消えないかは後々分かると思います。

Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい  ( No.27 )
日時: 2014/01/27 21:08
名前: 夕陽 (ID: CrhN1.tR)

十七話 真琴にはすごい過去があるらしい

「うーん、どこから話そうか」
 天がそういって話し出したのはこんな話だった。

 真琴は、はじめは普通の天使だった。
 そしてある時、天使の国で一番大きなテロが起こった。
 そのテロは大変たくさんの人が参加しており、その人達は皆倒されて終焉を迎えた。
 真琴の両親もそのテロに参加していた。
 天使の長は真琴や、真琴のような両親どちらもがテロに参加していた子供を悪魔界に送る事にした。
 それにより真琴は悪魔となったのである。

 つまり、真琴は元天使……?
「うん、そういうことになるね。私もあの泉に行ってはじめて知ったんだ」
 天はいつもより元気がない。
 きっとこの話は重いということを理解しているのかな。
 この空気のまま五分たった。
 さすがになんかしゃべらないと。そう思い口から出てきた言葉は
「そういえばさ、何で真琴が天使の国に行ったの? もしかして真琴の力と関係があるの」
 という前々からの疑問だった。
「ああ、そのこと。あのね、天使の長はこういった子供たちを怖がってるんだっ。またテロを起こされたくないからね!」
 どうやら調子が戻ってきたみたいだ。
 それにしてもそれっておどしじゃないの?
「そんな細かい事はいーの。それに規則を破るならそれなりの覚悟できてるよっ」
 いや、だめだろう。人間的に。
「それに、あの規則は守らない人結構多いよ? 私はただ許可取りに行っただけだし」
 まあ、このまま勝負をしても勝てないだろうし黙っとこう。
 そのまま数分が過ぎると、私の部屋のドアが開いた。
 そこから顔を出したのは真琴だった。
「おかえり、真琴。返事どうだった?」
「おかえりっ。返事もちろん、イエスだよね?」
 私、天の順番に声をかけると真琴は、
「ちょっとここじゃ話せないから天、外に散歩に行かないか?」
 どうやらここで話せない事情があるらしいので、外に散歩に行くらしい。じゃあ、私はここで待ってるか。
「いってらっしゃい」
 その言葉と共に二人は散歩に行った


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