コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- これってラブコメ?
- 日時: 2014/11/25 17:46
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
こんにちは!夕陽です。
前作が完結したので新しいのを書き始めることにしました。
アドバイスなどをいただけると嬉しいです。
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- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.8 )
- 日時: 2014/01/04 22:26
- 名前: 夕陽 (ID: TyWmpdO/)
四話 学校の通学路には恋をしている少女が歩いているらしい
放課後、天が
「よし、今日は用事ないよね? 一緒に帰ろっ」
とどう考えてもうきうきしている様子で言った。きっと、早く恋バナしてほしいという意味だろう。私は
「はいはい、分かったよ。じゃあ早く帰ろう」
とバッグを持った。
下校中、天が
「でさ、早く教えてよ。その人を好きになった訳」
と催促してきたので翼は
「うん、分かったよ。じゃあ話すよ」
と話し始めた。
翼が中学一年生のとき、はじめて紅葉学園に来た時の事だ。
紅葉学園は中等部、高等部と別れていて広い学校だ。そのため翼は迷子になっていた。
何度も同じところを通ったりしても気付かずぐるぐるさまよっている様は他人からみたらおかしいかも知れないが翼はかなり困っていた。
しかも翼は結構人見知りをするタイプだ。なので他の人に声をかける事もできないままおろおろしているばかりだった。
しかし、声をかけてくれた人がいた。
その人はネクタイの色を見る限り翼より一学年上の男子だった。
——そして今の好きな人だ。
その人は迷っていて困っていた翼を案内してくれた。
何とか見慣れた風景にたどり着いた時翼はほっとして涙が出そうになった。
その人にはお礼を伝える前にどこかにいってしまったのでその心残りもある。
「こんな話だよ」
そういい私は話を締めくくった。
しばらく二人は呆然としていたが
「へえ、なるほどねえ」
とにやけ顔で天が
「すごくいい奴だな、空は。もっと無愛想の奴かと思ったよ」
と感心した顔で真琴が言った。
はじめ私は天のにやけ顔にいらっときたがそれよりも真琴のせりふのせいで吹っ飛んだ。
「空ってだれ?」
そう。真琴の口から出てきた「空」という言葉だ。きっと雲が浮かんでいる空ではないはず。
真琴はびっくりしたように
「空の事知らないのか……。自分の好きな人の名前なのに」
と言った。でもしょうがないと私は思う。だって
「しょうがないじゃん。私その人に会ったのその一度だけだし。それにその時名前聞き忘れたんだから」
このとき以降私はその人に会ってない。会ったとしても廊下ですれ違った位だ。
「えー、翼自分の好きな人の名前も知らなかったの? ありえない」
うざいテンションで指摘してきたのは天だ。まったく天は……。
「だってさ、それくらい自分で聞いたりその人を知っている人を聞いたりして教えてもらえばいいじゃない。これだから最近の若者は……」
いや、一応今は中学生だから最近の若者に自分も含まれているだろう。まあ、本当の年は分からないけど。そしてきけばいいじゃんといわれても無理だ。
「あのさ、天。私極度の人見知りなんだよ? だから自分で訊くのは無理。そして残念な事に私の狭い情報網にはその人を知っている人がいなかったんだよ」
そういうと天は
「そうか……、友達いないんだね」
と哀れみのまなざしを向けられた。う、うるさい。友達くらいいるしっ。……少ないけど。
「ところで告白はいつするんだ?」
急に爆弾を落としてきた奴が一人。ちなみにそいつは元悪魔です。堕天使ならぬ堕悪魔です。
「おい、なんか僕の説明は毎度ひどいよな!」
そんなことはありません。ってそれより、
「こ、こ、告白なんて出来るわけないでしょっ」
「なんで〜? 好きなら告白しちゃいなよ」
相変わらずうざいにやけ顔で聞いてくる天。
「うざいって言うなっ」
「うざいのは天じゃないよ、真琴だよ」
「それならよし」
「いや、僕は良くないからっ」
ふう、うまくごまかせた。
「話が脱線した。真琴のせいで」
「脱線させたのはお前らだろうが!」
「本題に戻って、告白はしないからね。絶対」
これは本当だ。別に付き合ってデートしたいとかそういうわけではないから。
「なんで付き合いたくないの〜? それにさ、付き合ってくれないと私たち帰れないんだよね、泉に」
それは困る。私は右に告白、左に天に住みつかれるを天秤にかける。どちらが嫌か。そうするとすごい勢いで左が下がった。
「ひどいなあ、そんなに私に住みつかれたくないの?」
そんな天を無視し私は宣言した。
「私は、自分の好きな人に告白する! ……いつか」
ちなみにこの言葉を言ったのは人通りが多くはないものの全くないわけではない。つまり、他の人に聞かれた。
クスクス笑われたり、がんばれよーと応援されたりして私は恥ずかしくて真っ赤になってしまった。
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.9 )
- 日時: 2014/02/06 18:37
- 名前: 夕陽 (ID: NbE37YYW)
五話 翼の家では空に関する会議が実施されているらしい
「全く、天のせいで恥かいた」
私がむくれながら言うと天は
「あははー。だって急に大きい声になるなんて思わなかったもん。自業自得だよ」
とにやにやしながら言った。う、確かに。
「まあ、それはおいといて」
「私、恥かいたのに……」
天の発言にショックを受けた私。けれどそんな言葉を無視するように言葉を続ける。
……天は天使の姿をしているが悪魔ではないのだろうか?
「じゃあ、とりあえず第一回翼の告白成功大作戦会議始めるよ〜」
「え、ちょ、まって」
いきなり何を言いだすのだ、この天使は。しかし私の驚きに気付かずさっさと会議を始める。
「まっ、そういうことで意見ない? 真琴」
「うーん、僕があわせてあげようか?」
「いいね! それ。プラン1はそれでいいか」
「ちなみにプラン何まであるの?」
「まだ一個だけど……。これから増やすんだよっ」
いい加減だ。ほんとに天使なのか……。
「じゃあ次、私の意見なんだけどもう告白しちゃおうよ! “あたって砕けろ! 作戦”だよっ」
「あたって砕けろって……」
砕けたってことは失恋しちゃうじゃん。
「ちなみにこれはプラン2ね」
しかも普通にプランにされているし。
「じゃあ、後は翼の意見だけだね。翼、なんか意見ある?」
うーん、意見か。どちらかと言うと告白したくないからな……。そうだ!
「告白しないっていう——」
「却下」
却下するの早いっ。
「なんでー。告白しなきゃだめなんてルールないじゃん」
「いや、ある。私が決めた」
天使にはこの世界の常識は通用しないのか……。
「じゃあ、この二つから選ぶか」
え、どっちも嫌なんだけど……。
「プラン1の方がいい人ー?」
私の気持ちを読めるくせにこういうときは読めない振りをしている。
もう悪魔でいいんじゃない——。
「なんか言った?」
とてもすばらしい天使様は神々しい笑顔で言いました。
「それでよし。で、プラン1の方がいいの?」
私は右にプラン1、左にプラン2をかける。
嫌な方はと考えると、かすかにプラン2が下がった。
私は即座に
「プラン1のほうがいいっ」
と答えた。真琴に“真琴もそっちのほうがいいよね?”と有無を言わせない視線を投げかけると真琴は震えて何度も頷いた。
これでプラン2の線はなくなったはず……
「じゃあ、私はプラン2の方がいいからプラン2に決定!」
じゃなかった!
「さっきまでの多数決は何だったの!?」
「うーんとなんとなく?」
まさかの考えていないパターンだった。この天使は自由すぎる。
「だめ、絶対だめだからね」
「なんでー? 別にいいじゃん。そっちのほうが面白そ……すぐ終わるし」
今普通に面白そうって言いそうになったよね?
「そ、そ、そんなことないと思わない事もないような思う事もあるような」
すごい慌てているなあ。慌てぶりが面白いので水に流そう。
「ふっふっふ。引っ掛けるのはちょろいな」
今小声だったけどしっかり聞こえた。全く、天使なのに悪魔っぽい。
「とにかくプラン2はやらないからね」
とりあえず釘をさしておく。
「じゃあ、プラン1はやるんだよね? 自分で決めたもんね」
まあそういうことになるよな、と私は考えそこでもしかして……と思い訊いてみる。
「あの、もしかして天これを狙ってた?」
「これって?」
意味が解らないというように首をかしげる天。しかしよくみると目が笑っている。
「はじめにましな意見と絶対いやという意見を出して絶対いやな方の意見をすすめる。そして私はもう一つのほうを選ばせる。そうすることによって自分で選んだ事だからと断れなくする。違う?」
「なーんだ。解ってたんだ。うん、そうだよ」
悪びれもせずいう天に私は苛立ちを覚えた。しかし
「だってさ、そうしないと翼が前にすすめないじゃん。私は早く翼の恋が叶ってほしいからさ」
という天の一言にその気持ちは吹っ飛んでしまった。
前は天は天使の姿をした悪魔だと思っていた。
けれど本当は天使の姿の天使なんだ。
「まあ、どれくらい翼が純粋かを確かめたかったっていうのもあるんだけどね」
その一言で訂正した言葉を訂正したくなった。
やっぱり天は天使の姿をした小悪魔だ。
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.10 )
- 日時: 2014/01/06 22:22
- 名前: 夕陽 (ID: HTruCSoB)
六話 紅葉学園には待ち合わせ場所に有名な場所があるらしい
恋愛会議をしてから次の日。
私は昼休みに空さんに会いに行く事になった。
もちろん、真琴が中継してくれたがほとんど初対面に等しいのですごく緊張している。
ちなみに、待ち合わせ場所は紅葉学園の中にある待ち合わせ部屋だ。
ドアを開けてみると、もう二人は来ていた。
「あ、天と翼、こっちこっち!」
私たちの姿を見つけるとすぐに真琴は私たちに向かって手を振った。もちろん隣には空さんがいる。
「こんにちは、小池翼です」
「私は谷口天だよっ」
「こんにちは……。望月空……っていう」
と一通り自己紹介を済ませ、中庭に移動した。
紅葉学園の中庭は赤を基調とした花で囲まれている。
そしてその花の周りにテーブルといすが置いてあり談笑にはもってこいの場所だった。
「それで……僕に……何の話?」
途切れ途切れに話す空さん。その言葉に天の目がキラッと光ったのを私は見逃さなかった。
「実は、翼があなたの事を——」
「いや、何でもないですからっ」
危ない危ない。やっぱり天の目が光るとろくなことがない。
「あれ……、もしかして迷子……になっていた事がある……?」
空さんは私の目をとらえ尋ねてきた。
私は覚えていてくれたんだ! という嬉しい思いと、どうして気付いたんだろう? という疑問が同時に襲ってきた。
「はい、そうです。実はその事でお礼が言いたくて……ありがとうございました」
とりあえずそう言い、頭を下げる。
空さんはびっくりしていたが
「そう……。役に立ったようで……なにより」
と言ってくれた。よし、これでもう今日は逃げよう。
そうして立ち上がろうとしたが体が動かない。何とか動く目で原因を探すと天がにやりと笑っていた。
そして、ほしいおもちゃを買ってもらうために嘘泣きをした子供のような表情になり何かつぶやき始めた。
空さんが帰ろうとしたその時、今まで体が動かなかったはずなのに勝手に口が言おうとは全く思っていなかった言葉が出てきた。
「あのっ、もしよければお礼に何かおごります! 今日の放課後、あいていますか?」
空さんは少し考えた後
「別に……ないけど……」
と言ってくれ、帰るために立ち上がった。そして
「じゃあ、放課後……待ち合わせ部屋に……いる」
とつぶやきその場を立ち去った。
体が軽くなった時、天にさっきの事を問い詰めてみると
「あ、ごめーん。翼ったら告白どころかもう一生会わないように感じちゃったからちょっと魔法使っちゃった。でもいいじゃん、デートできると思えば」
「で、で、デート?」
こうして私はなぜか自分にも不本意な形でデート(?)をする事になった。
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.11 )
- 日時: 2014/01/09 22:01
- 名前: 夕陽 (ID: mUHujcko)
七話 紅葉学園の近くには変わった喫茶店があるらしい
今、私は待ち合わせ部屋にいる。
なぜなら今日は約束があるからだ。
しかし、高校生はちょっと遅いようだった。なので私は周りを見渡して見る。周りにはゲーム機や本、メモ帳などがきれいに整頓されており待ち合わせの待っている時間にそれらの利用が可能だ。
「何をしていよう?」
そう迷っていた時、ドアが開いた。
「待たせて……ごめん」
空先輩だった。
「いいえ、こちらこそ無理にお願いしてしまってすみません。えっと、行きたいところありますか?」
空先輩はしばらく考えていたが
「そういえば……前……開店したところに……行きたい」
確かに前開店した喫茶店があるらしいとクラスメイトが話していたのを思い出した。
「分かりました。じゃあ、行きましょう!」
そう言って学校を出てそのまま喫茶店に向かう。
——“レインボーライト”
それがこの喫茶店の名前だった。
その名のとおりこの喫茶店には七色のライトがあるらしい。
「じゃあ、空先輩、中に入りましょう」
そう言って喫茶店に入ると噂のとおり七色のライト(もちろん虹の七色)が部屋ごとに分けられて光っている。
「空先輩、どの色の部屋に入りますか?」
「……青」
青色の扉を開けると思ったとおり青色のライトが真っ先に目に入った。そして次に目に入ったのは全体が濃さが違うものの青系統でまとめられた部屋だった。
とりあえず瑠璃色のテーブルと椅子の席に座りメニューを見る。
メニューはカキ氷(ブルーハワイ)、ブルーベリーパイなどの青色のものばかりだった。
「空先輩、何を食べますか?」
一応訊いて見ると
「……ブルーベリーパイ」
と答えてくれたので
「ブルーベリーパイと海のゼリー一つずつください」
店員さんにそういい、厨房に戻っていった。
「…………」
「…………」
どうしよう、気まずい……。大体天が無理やり約束を決めるんだからこんな風になるんだ。と天を恨めしく思ったがそんなことをしても状況は変わんない。
なんか、会話ないかなあ……。
引っ込み思案の性格のせいかあまり会話した事がない私はこういう時は嫌いな性格だ。
空先輩も無言で居心地悪そうではないからこのままでもいいかな……。
そんなことを考えているうちにどうやら注文の品が来たようだ。
「お待たせしました〜。ブルーベリーパイと海のゼリーです」
その声のしたほうを向くと上品そうなお嬢様らしき人が立っていた。
「……なずな……?」
どうやら、空先輩の知り合い?
もしかしたら……
彼女……?
空先輩も驚いているのかいつも無表情な顔なのに驚きの表情が見て取れた。そのお嬢様みたいな人、なずなさんは
「あら、空じゃないの? その子彼女? やるじゃない、こんなきれいな子を捕まえてきて。さすが、私のいとこね」
「なずなは……彼氏いないじゃないか。なずなのいとこって事は……関係ない」
どうやらいとこだったらしい。でも彼女って……。
空先輩に迷惑かけちゃうなあ。こんな私が彼女なんて思われたら。
しかも、空先輩なずなさんといると楽しそうだなあ。
いつもよりも表情が明るいし、全然しゃべらない私と一緒の時とは違う。
もう、帰ろうか。
そう思い席を立つ。しかし、会計が必要なはず……。
おごるといった手前お金だけ置いてさっさと立ち去ろう。
バッグの中から財布を取り出そうとバッグの中に手を入れるが財布が見つからない。
あれ? そう思いよく中を探していみるが財布は見つからない。
財布、忘れた……?
「あの、空先輩。ちょっと財布忘れたんでとってきます」
空先輩はなずなさんと仲良く話していたが中断してこちらに向き直り
「別に……僕が払うから……いいよ」
といつもの様に淡々と言ってくれたが
「いいえ、悪いんで取ってきます」
とバッグを置いて家まで駆け出した。
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.12 )
- 日時: 2014/01/12 21:23
- 名前: 夕陽 (ID: 8JrV/Llz)
八話 小池家には天使が忍び込んできたらしい
「はあ……」
このため息は何度目だろう、と考えるとまたまたため息が出てきた。
家について財布を探し出し何とか会計して帰ってきた。
でも、もう疲れた。なずなさんと空先輩はただのいとこじゃない。そのことが分かってしまった。
あくまで勘だ。しかし確信に近い。
空先輩の表情がいつもと違った。僅かな変化だけど違ったんだ。
そんな暗い表情を振り切ろうと気分を変えて音楽を聴こうとするが流れてきたのは失恋ソングだった。更に気分が落ち込む。
しかし、そんな表情にも終止符が打たれた。
「どーしたの? 翼。いつもより表情が暗いよ?」
顔を上げると天がいつもとは違う優しい笑みで立っていた。
私はいつもと違う天に驚きつつ、慰めてくれたので
「ありがとう」
と感謝の言葉を口にした。すると天は
「立ち直った?」
と左に首をかしげた。
「うん、まだ少し尾を引いているけど……」
私は力なく微笑んだ。
「じゃあ、その気持ちに区切りがついたらもう一回作戦開始だよっ」
天はVサインをして私の部屋から出て行った。
その日の夕食、私はもう大体回復していた。
明日から空先輩達にゆっくりと聞いていこう、と決意をするほどに。
その日はいつもよりゆっくり食べながらいろいろ考えていた。
どうやってこのことを確かめようかとか、もし私が予測した出来事だった場合どうするかとか……。
しかし考え事をしながら食べていたせいで天に
「翼、から揚げ食べないの? じゃあ私がいただいたぁ!」
とひょいと右手で持った箸に奪われてしまったが。
「こら! 勝手に人のものを食べちゃだめだよ、天」
真琴がしかってくれたがその頃の私はまた考え事を始めるのだった。
* * *
皆が寝静まった頃、アタシは小池家にいた。
小池翼はアタシの敵だ。
だから空となずなの記憶を消さなくてはならない。
もう二人の記憶は消し終わった。
あと、翼だけ。翼だけで終わりだ。
ついでに翼は空に関わること全てを消しておこう。
そうすればもう主の恋は叶う。
今の空の心は主と翼の間で揺れているのだから……。
アタシが翼の記憶を消そうとしたその時、
——コトッ
と小さなしかし人がいるという合図ともなるべき音が聞こえた。
ここにいてはまずい。
そう判断し私は主の元へと向かう。
翼の記憶を消すのは明日でもいい。しかし人に見られると後々大変だ。
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