コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- これってラブコメ?
- 日時: 2014/11/25 17:46
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
こんにちは!夕陽です。
前作が完結したので新しいのを書き始めることにしました。
アドバイスなどをいただけると嬉しいです。
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- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.43 )
- 日時: 2014/02/07 22:58
- 名前: 夕陽 (ID: KxjXeDNq)
十九話 秋山なずなと蘭は作戦を練っているらしい(なずな目線)
蘭からこの話を聞いたとき、私はびっくりしました。
「主、空先輩に告白しましょう」
どうして急に? 私はもう振られたも同然だというのに。
私はそういいましたが、蘭は聞く耳も持たず告白しろといい続けていました。
これは何かあるかもしれない。
私はとっさに思いました。なぜなら蘭は昼の散歩に行ってから様子がおかしかったからです。
何気なく聞いてみると彼女は
「天には負けられないからな」
と呟いていました。どうやら天に関係あるようです。
そういえば天も蘭と似たように恋を叶える天使だと聞きました。
翼の恋をサポートするために来たのだと。
私はもう空の目には映っていないのかもしれません。
代わりにいるのは彼女でしょう。
でも、とふと思うんです。
もし私が空の目に映っていたらどんなに嬉しい事だろうと。
もし、あの出来事が起こる前に空に告白していたら、私の恋は叶ったのかもしれませんね。
「主、どうかしましたか?」
心配の色を浮かべてたずねてくる蘭に私はこう答えました。
「私は空に告白します」
と。
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.44 )
- 日時: 2014/02/08 11:12
- 名前: 夕陽 (ID: HAs4igBW)
二十話 翼となずなは告白するらしい
今日は、快晴だった。
「なんか縁起がいいね。告白する日に晴れるなんて」
天が話しかけてきたが緊張していて返事が出来ない。
なんていったて今日は空先輩に告白する日なのだから。
告白するのは天と蘭が話し合って今日の放課後、レインボーライトに来てもらうように空先輩をサポートしている凛に伝えてもらってきてもらう。そこで2人同時に告白する、という流れだ。
その日は全く授業にも身が入らず、上の空で受けていた。
あまりにボーっとしすぎていて天に
「大丈夫? 翼、意識あるっ?」
と一日に何回も聞かれたくらいだ。
あんまり天を心配させたくはないものの、放課後の事に気をとられていてそのことばかり考えてしまう。
早く放課後になってとっととすませたい。
そんな思いとは裏腹に時計の針はゆっくりしか進まない。
やっときた放課後、私はレインボーライトへと向かっていた。
私はすぐさま指定された赤色の部屋へと入る。
そして予約席の所にいくともう天と真琴がいた。
「やっほー。翼、遅かったね!」
「緊張しているようだが、大丈夫か?」
いいよなあ。こんなに他人事に楽しめて……。
「だって実際他人事だしっ」
まあそうだど。
「あれ? めずらしいね。翼が噛み付いてこないなんて」
「そうだな。翼だったらなんか言い返してきそうだが。それほど緊張しているってことだな」
そんな会話をしているうちにまた人が来た。
「ここ、座らせてもらいますね」
「私も座らせてもらう」
なずなさんと蘭だった。
やっぱりなずなさんも緊張しているらしく、口数が少ない。
代わりに天と蘭がたくさんしゃべる。
「なずなさん、しっかり説得してきたんだねっ」
「まあな。天とは昔から勝負してきたが基本白黒つける前に終わったからな。やっと白黒つけられる」
蘭が皮肉混じりに言ったが天はまったく気にしていない。
いつも通りのにやりとした笑みを浮かべている。
「そうだねー。まあ後は空先輩しだいかなっ」
「遅れて……、ごめん」
「いや、主があやまる事はないわ。悪いのはアタシだから。ごめんなさい」
噂をすれば影というように空先輩と凛が現れた。
「いやいや、気にしなくていいよっ。私も5分くらい前に着いたところだしっ」
「本当にごめんなさい。じゃあ、後は三人に任せるわ。私達は他の部屋に行きましょう」
人間ではない四人は席を立ち、別の部屋へと移動した。
静かになるこのテーブル。
口火を切ったのはなずなさんだった。
「私は空に伝えたい事があります」
そこで一度区切り、少しためらうようなそぶりを見せた。
「私は空のことが好きです。異性として好きなんです」
全部言い切り、なずなさんはこちらに目配せする。
私は言いました。後はあなたの番です。
と言っているのだろうか。
私は口を開いた。
「あの、私は、空先輩のこと……」
あと一言。一言言えば終わるんだ。
しかしまるで固まってしまったかのように次の言葉が出ない。
どうして、やっとここまで来たのに……。
そのときだった。
——まるで金縛りにでもあったかのような感覚に襲われたのは。
そのまま私は思っていても出なかった言葉を、自分の口から伝えた。
「好き、なんですっ」
金縛りの効果が切れ私は少し脱力してしまう。
恐る恐る空先輩の顔色をうかがうと、きれいで吸い込まれるような黒い瞳を見開いていた。
いきなりの事で驚いているのだろうか。
「空、答えをこの場で出してくれませんか? 大変だろうと思いますが、凛から心に決めた人がいると聞いていますから。その人を選べばいいんです。この場にいなければいないと言って断ってくれても結構です」
突然なずなさんが空先輩の瞳を捕らえて言った。
空先輩は目を伏せて考えている。
「僕が……好きな人は——」
空先輩がゆっくりとでも確実に答えを口にする。
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.45 )
- 日時: 2014/02/09 11:57
- 名前: 夕陽 (ID: HAs4igBW)
二十一話 空は昔翼に会った事があるらしい(回想・空目線)
僕がはじめて彼女にあったのは、小学六年生の頃だった。
お母さんの実家に帰った時、いとこと一緒に公園へ遊びにいった。
しかし途中でいとことはぐれてしまった。
心細くなり、うずくまっていた時、彼女にあった。
彼女はびっくりしていたが、恐る恐るといった感じで話しかけてきた。
「あの、どうかしましたか?」
彼女はすぐに僕のことを迷子だと分かったらしく、案内してくれた。
何とか家にたどり着いた時彼女に名前を聞いた。
「小池翼です」
そう名乗った彼女の瞳はとてもきれいだなと思ったのを今でも覚えている。
「では、私もう帰りますね」
そういって走り去っていった彼女を見送り僕は家のチャイムを鳴らした。
家では僕が帰ってきてみんな安堵のため息を漏らしていた。
お母さんは後五分待って帰ってこなければ警察に連絡しようと思ったらしい。
その二年後、僕は彼女とあった。
今回は立場は逆だったけど。
しかし彼女は僕のことを覚えていなかった。
せっかく会えるのを楽しみにしていたのに……。
その言葉を飲み込んで僕は彼女と別れた。
後はごく普通の学園生活だった。
特に何事もなく平和に過ごしてきた。
しかし更に三年後、またまた再会を果たした。
それがどんなに待ち望んだ展開だったか……。
とにかく少しずつ距離を縮める事ができた。
そして更に月日が流れて。
僕は、告白された。
これは夢じゃないかと思った。
しかし夢ではなかった。
僕は、ゆっくりと、でも確実にこの言葉を口にした。
「僕が……好きな人は——」
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.46 )
- 日時: 2014/02/11 13:43
- 名前: 夕陽 (ID: o.w9FXPe)
二十二話 望月空は自分の好きな人に告白するらしい
「僕が……好きな人は——」
そう言って途中で言葉を切る。
緊張感の高まる中、空先輩が出した答えは……
「今ここでは……、いえない」
しかし、答えをしっかり出さないのが気に入らなかったのかなずなさんは食いつくように言った。
「空、何でですか!? 私も、翼もがんばって告白したんですよ? 今ここで答えを出してくださいっ」
結構大きな声だったが、周りには特に人がいないので注目されるのは避けられた。
けれど、近くに店員さんがいてびっくりされたが……。
そんな事を考えていると空先輩が口を開いた。
「じゃあ、凛と……相談する」
ポケットからスマホを取り出し、電話をかける。
電話が終わって数分後、こちらにかけてくる天使と悪魔の姿があった。
「主、なんか相談でもあるの?」
凛が真っ先に口を開く。
「ちょっと、聞きたいことが」
なんか小声で話し合っている最中、私は天たちに今までの経緯を話していた。
「へえ、翼がんばったねっ」
「私の主の方ががんばっている」
なんかこの二人でどちらの主の方が優れているか勝負しているが聞かなかったことにしよう。
「ところで、空はどちらの事を想ってるのか分からないのか?」
話を聞いていなかったのか、この悪魔もどき。
「翼、僕に対してだけはキャラ変わってるなっ」
そんな真琴の言葉をスルーし、私はなずなさんに話しかける。
「なずなさん、何で急に告白しようとしたんですか?」
今聞くことでもないのかもしれないが、なんとなく気になったので。
「そうですね……。蘭に言われたから、が一番の理由でしょうか?」
一番かあ。二番とか三番とかもあるのかな?
「ちなみに二番目はもっと昔に告白していれば……という後悔です」
どういう意味なんだろう?
「まあ、一対一での告白ならともかく、翼と二対一の告白なんてあんま意味ないと思います」
あ、いつも天と話していたから気付かなかった。なずなさんは心が読めないんだっけ。
それにしても、意味ないってどういうことだろう?
そんな事を話しているうちに、空先輩と凛は話し合いを終えたみたいだ。
「皆、聞いてくれ」
みんなの視線は自然と凛に集まった。
「主は、告白するらしい。しかし、ここではなく別の場所に移動しよう」
その言葉を聞いた瞬間、なずなさんの表情が微妙にゆがんだ気がした。
「ところでどこに行くの?」
天が首をかしげつつたずねた。
「それは主が決めてあるらしい」
さすがにそこまでは分からないようだ。
ついたのは、カラオケルームだった。
「じゃあ、入るよ」
凛はずんずん入っていく。
私たちも凛に続けて入った。
指定された部屋に入り、なずなは空に続きを言うよう促した。
「空、早く言って下さい」
空先輩は、無表情だけど少し緊張したような表情で言った。
「僕は、小さい時から……翼さんが好きでした」
不意打ち気味だったのでびっくりしてしまった。一体どういうこと?
「だから、空先輩は翼の事が好きだって」
天にもう一度言われてじっくり考える。
空先輩は翼の事好き……
「え? 本当ですか?」
つい、素で聞いてしまう。夢じゃないよね?
「うん……本当、だけど」
本当かあ。これで夢だったらすごく残念だ。
そうするとほっぺたに激痛が走った。
「イタッ」
私のほっぺたをつねったのは天だった。
「夢じゃないよ。だって、痛いんでしょ?」
悪びれもせず、さらりと言う。
まあ、夢かもしれないって言ったのは私だけど。
「確かに夢じゃないね」
つねられて赤く染まっているほっぺたを手で冷やす。
「やっぱり、そうですよね」
悲しく微笑んでいるのは、なずなさんだ。
なんか悪い事しちゃったなと思う。
「でも、想像できました。こっちに移動しようという言葉でどっちを振るかわかってましたから」
多分、やさしい空先輩の事だからなずなさんがバイトをしている所では振らないと言う事だろうか? バイト先だと後々面倒だろうし。
「あれ? 蘭の体がっ」
急に天が大声を出す。何だろう? と思いそちらを見た。
天の指差した先は蘭がいた。
——詳しくは半分透けている蘭の体があった。
「蘭っ」
なずなさんは、蘭の体に触れようとするがすり抜けてしまう。
「だんだん、元の場所に戻るようになってきてるんだな」
真琴は淡々と言う。
他の皆も驚いて声も出ないのか、何も言わない。
しかし、なずなさんだけは別だった。
「蘭っ、こっちに戻ってきてください!」
何度も何度も蘭に向かって呼びかけるが蘭は反応しない。
もう、ほとんどあっちの世界に魂がいきつつあるのだろう。
そして、更に体が消えていき何もなくなった。
「蘭っ」
泣きながら呼んだその名は返事が来なかった。
しばらく無言だったが、天が口火を切った。
「あのさ、なずなさん。もしまた恋をして呼び出せばまた、蘭に会えるよ?」
いつもに増してやさしそうな声音だ。
「そう、ですか……」
天の言葉で少し元気が出てきたようだ。その印に今まで流れていた涙が止まっている。
「とりあえず、今日はお開きにしましょ」
凛のその言葉で解散となった。
- Re: 森にある泉には天使と悪魔が住んでいるらしい ( No.47 )
- 日時: 2014/02/13 21:30
- 名前: 夕陽 (ID: DnKkGOto)
二十三話 凛は元の世界に帰るらしい
いろいろな騒動があった次の日。私の家に凛が来た。
なぜなら、
「今までありがとう。私は主の恋が叶ったので天使の世界に帰ることにするわ」
別れのせりふと
「天と真琴も帰るでしょう?」
勧誘の言葉を言うためだった。
どうやら、人の恋を叶えた天使は自分の意思で帰ることが出来るらしい。失恋した場合は、蘭みたいにすぐに消えてしまうが……。
凛は空と別れ、元の世界に戻るらしい。
「私は帰んないよっ」
天は自分の意思を曲げるつもりはないらしい。
「真琴は?」
凛は天の意見を聞き、真琴に問う。
「いや、僕もこちらに残る」
少し悩んだもののきっぱりと言い切った。
でも、真琴ってあっちの世界に好きな人いなかったっけ?
「いや、いない」
真琴は悲しそうに首を横に振った。
なんだかこれ以上聞く気にもならず私は凛の方に向いた。
「どうやら、二人は帰らないようです。もしよかったら凛さんもこちらに残ったらどうですか?」
何気なく誘ってみるが、
「いや、私はそこまでして残りたいわけでもないから帰らせてもらうわ。最後に、空と付きあってくれてありがとね。別れちゃだめだよ?」
大人っぽくくすりと笑い、彼女は消えた。
「もう帰っちゃったの?」
二人に訊いてみる。
「うん」
「ああ」
しばらくまってみるが全く戻ってくる気配はない。
なんか皆天使が消えていっちゃうなあ。
「そんなことないよ」
急に天が呟いた。
私に言っているよりもひとり言を言っているというような感じだ。
「だって、前までいなかった人間以外の何かの存在が感じるもんっ」
どうやらまた天使が来たのかな。
「天使だといいけどな」
悪魔かもしれない……って事? 別に悪魔でもいいんじゃないの?
「いや、天使は恋を叶えるのが仕事だが、悪魔は恋を邪魔するのが仕事だからな」
でも、真琴は私の恋を応援してくれたよ?
「それは真琴は元天使だからだよっ。普通は逆だよ!」
そうなのか。まあ、しばらくは天と真琴だけでいっぱいいっぱいだし来ないように祈るしかないかな、人間以外の何かが。
* * *
俺が呼び出されたのは、月が全く見えない新月の時だった。
主はどうしても許せない相手がいるらしい。
だからそいつの幸せをぶっ潰すため、俺が呼び出された。
そいつのことを調べてみるといろいろな事が分かった。
そいつは好きな人がいるらしい。
そして、恋を叶えるために天使と元天使がいるらしい。
また、友達はほとんどいない。
ここまで調べた時思った。
——主とは正反対だ、と。
主は恋などにうつつを抜かすなどありえないし、友達もしゃべる程度だったらたくさんいる。
それになにより、天使と元天使の力が弱すぎる。
きっと二人がかりでも俺の二分の一程度の力しかないだろう。
とりあえず、そいつ—小池翼—をめちゃくちゃにして、とっとと元の世界に帰ろうか。
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