コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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あ、そうだ!
日時: 2015/01/01 00:00
名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)

はじめましての方が多いと思います。

いろんな作品を書かせて頂いている夕陽です!

自分の作品の一つが終わったのと新年になったので前々から考えていた作品を書こうかと。(といっても考え始めたのは12月中旬くらいからですが)

内容は生徒会メンバーが巻き起こすイベントみたいな感じです。

よろしくお願いします!

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Re: あ、そうだ! ( No.60 )
日時: 2017/03/26 09:44
名前: 夕陽 (ID: cyfiBIbN)

12月 あ、そうだ! クリスマス会をしよう!

「あ、そうだ! クリスマス会をしよう!」
「それより先にやることがあるだろう」

 何故かもうクリスマス気分の美琴はサンタ帽を被っていた。
 それを見て聡がため息をつく。
 聡が言っているのは大掃除や2学期末の会計報告などの仕事。
 生徒会室は生徒会役員以外ほぼ入らないので、掃除も生徒会役員がやることになっている。

「いいじゃん、クリスマス会。去年もやっていたよ!」

 美琴はそう反論されることを予想していたので去年の活動記録のコピーを聡に突き付けた。
 そのプリントには確かに授業の最終日にクリスマス会をしたという記述があった。
 しかし問題は、

「それは2年生が企画した1、2年生限定の企画だろ。3年生が企画するものではない」

 聡は呆れ気味に言う。
 センター試験が迫っている12月。
 去年の生徒会長は会議に顔を出してはいたが企画などの仕事はほぼ1、2年生に託していた。

「だって〜、美琴も企画したいもん」
「去年やっただろ」
「去年は会長の意向で一昨年のパクリだった」

 美琴は口を膨らませて訴えた。

「誰が企画するかはさておき、クリスマス会って楽しそうですね!」
「確かに。もし美琴さんが企画したいなら実際の準備は僕たちがやりますよ」

 双子がそれぞれ口を挟む。

「うーん、でも企画だけしてあと放り投げるのもなんだかなあ……」

 美琴は困ったように腕を組んだ。
 企画を話して二人にやってもらうことならそれほど受験の妨げにはならないだろう。
 しかし美琴は企画の準備は最後までやりたいと考えている。
 だが、一応美琴も受験生。
 そんな準備に時間がとられたら勉強がおろそかになってしまう。

「じゃあ、今回は双子に全部任せたらどうだ? 企画も準備も全部」

 そんな美琴に聡は提案を出す。

 来年になったら美琴はいなくなる。
 そうしたら恐らく役職は何かわからないが双子が生徒会役員になるだろう。
 その時何もできなかったら困ってしまう。
 そのための訓練だ、と聡は続けて説明した。

「まあ、二人の能力は私も信じているし。今回はお願いできる?」

 美琴は少し考えたが、やがて結論を出した。
 そして二人を見て頼み込む。

『もちろんです』

 二人は声を合わせて答えた。

     *     *     *
なかがき
更新遅くなってすみません。
今回は修学旅行に引き続き2年生が中心になりそうです。

双子が考えるクリスマス会を楽しみにしていてください!

また、話は変わりますが参照2000越えありがとうございます。
前の更新が連載2周年記念で番外編が続くと本編更新が止まってしまうかも……と思い本編を更新しました。
何か企画はやるつもりですが、遅くなるかもしれません……。

次回は参照2000突破感謝企画になると思います。
なるべく早めに更新したいです……。

Re: あ、そうだ! ( No.61 )
日時: 2017/03/28 11:03
名前: 夕陽 (ID: cyfiBIbN)

参照2000突破感謝!

皆様のおかげで参照2000突破が出来ました!
本当に感謝してもしたりないくらいです。
これからも遅いとは思いますが完結まで更新する予定ですのでよろしくお願いします!

また、丁度いい区切りなのでカットされた修学旅行の2日目&3日目を投稿したいと思います。(時系列的には2と3の間です)

     *     *     *

「ねえ、明日は午前はクラス別行動で午後は班別行動だよね?」
「うん、そうだよ〜。で、明後日が自分でコースを選ぶやつで最終日は水族館だけだった」

 ホテルの中、既に寝るだけとなった希と陽は明日の予定を確認していた。
 修学旅行のしおりと地図を持って班別行動の場所を確認している。

「あー、楽しみ! 明日はたっくさんお土産買って、料理食べよう」
「陽は巻き込まないでね〜?」
「でも陽も同じ班だから必然的に巻き込まれるのでは?」
「そういう和香もね」

 ドライヤーで髪の毛を乾かし終わった和香も会話に入る。
 そう、この3人は同じ班である。

「でも、いざとなったら私が止めます!」
「和香も首里城での行動を見てると危ない気がするけど〜?」

 そう言って陽はちらりと明らかに存在感を放っているお土産が入った袋を見る。

「……そんなこと、ないですよ?」

 目をそらしつつ和香は言った。

     *     *     *

 クラス別では、ひめゆりの塔、平和記念公園に行った。
 ひめゆりの塔では資料館の資料に夢中になって読みふけり、平和記念公園ではあまりの平和の礎の多さに圧倒されていた。

 そして班別。
 既に決められていた班で国際通りを回る。

「じゃあ、行こうか!」
「あ、希ちゃん待って」
「希、幼稚園児みたいだね〜? 1人で勝手に行くところとか」

 勝手に行こうとする希を慌てて追いかけようとする和香。
 その前に陽が目が笑ってない笑顔で圧をかける。

「わ、分かったよ」
「全く、全員そろってないのに勝手に行動しない! というか和香もしっかり止めないと駄目だよ?」

 陽が班長ではないか……と二人が錯覚するほどしっかりしている。

「ごめん、どこにいるか分からなくて」
「ごめんね?」

 そんなことを話しているうちに男子2人が来た。
 班決めは男女別で組んでその後男女の組み合わせはくじだったので2人と希たちはそこまで仲がいいわけではない。

 最初に謝ったのが大人しく大人びている臨(りん)。
 女装コンテストに出場させたら優勝間違いなしだとクラスのほぼ大半が思っているほど中性的だ。
 そしてもう1人は爽(そう)。
 学年では有名な気さくなイケメンである。

「じゃあ、早速行こうか!」

 希はウキウキと駆け出した。

「さっきの約束、覚えてるよね〜、希?」

 その後ろからかけられた声に希はすぐ戻ってきた。

「も、もちろん忘れてなんかいないよ?」

 しかし、目が泳いでいるので嘘だとバレバレだ。

「お昼だし早めにご飯食べに行かない? もう少しすると混みそうだし」

 そんな2人を見てか、爽が提案を出す。

「そうですね、確かにそのほうがよさそうです」

 人が多くなると最悪昼ご飯抜きもあり得るかもしれない。
 和香はその提案に乗っかった。

「食べたいものはステーキだよね? 多分30メートル先にあるよ」

 スマホを片手に臨が言った。

「そこでお昼食べるか」

 希は3度目の失敗をしないように落ち着いて歩き出した。

 そして、初日のようにお土産爆買いにならず平穏に2日目を終えた。 

     *     *     *

「皆、選択別行動は何にした〜?」
「私はマリンスポーツだよ! ダイビング!」

 陽の言葉に希は楽しそうに答える。

「私は文化体験です。私のお店に生かせるかもしれませんので」

 和香は将来を考えて選んだようだ。
 この手の生徒は毎年そこそこいる。
 水花学園の生徒はお金持ちが多く、次期社長や許嫁がいるといった人も珍しくないからだろうか。

「そういう陽は?」
「陽はシュノーケリングだよ」
「皆さんバラバラですね」
「じゃあ、帰ってきたら感想教えてよ!」
「それ、いいね〜」
「賛成です!」

 そう言って3人はそれぞれの活動の集合場所へ散った。

     *     *     *

「ダイビング楽しかった! すごく深くまで潜ったんだよ!」
「文化体験、本当にためになりました。新作の案が思いついたので両親に相談してみます」
「シュノーケリング海も魚も綺麗だったよ〜。また行きたいなあ」

 3日目終了後、3人はそれぞれ感想を口にした。

「本当は全部やってみたかったんだけどね……」
『同感(です)』

 希に2人は賛成する。

「まあ、将来また沖縄に来ればできるかもしれませんけどね」

 和香が優しく笑いながら言う。

「そうだね〜」

 陽はそんな和香に頷いた。

Re: あ、そうだ! ( No.62 )
日時: 2018/03/09 23:03
名前: 夕陽 (ID: cyfiBIbN)

12月 あ、そうだ! クリスマス会をしよう! 2

「とりあえず。去年のクリスマス会の報告書でも見る?」

 美琴に任せられた次の日、希と望は二人で生徒会室に来ていた。
 普段は美琴が先陣を切ってやる企画の内容決めなので、自分からというのは変な感じだなと二人は思っていた。
 しかし全く思いつかないというのも美琴に申し訳ない。
 そして考えた結果が去年のクリスマス会を参考にする、という単純なもの。
 単純だがほとんどの代の生徒会は去年の模倣(もしくは+α程度)なので別におかしくはない。

 ただ一つ、問題があったとするなら——

『前の代頑張りすぎじゃない!?』

 その前の代というのが美琴達だったせいかかなり突飛だった。
 有名人の招待、校内にもかかわらず高級ホテルを思わせるような飾りつけ、参加者全員が参加できるゲームなどなど恐らく美琴のポケットマネーも使ってやったであろう豪華な内容であった。
 とてもじゃないが少しお金持ち位の希達にはやりにくい内容だった。

「一昨年のは?」

 希が声をかけると、望は別のファイルを引っ張り出す。

「これかな?」

 一昨年の年が記されているファイルをめくると

『今度は地味すぎる!』

 声をそろえて叫ぶ。
 なぜなら書かれていた内容は

 飾りつけは大きいクリスマスツリーのみ。
 会食パーティー形式
 プレゼント交換有(上限5000円)

 だったからだ。
 他の年をみてもクリスマスツリーとプレゼント交換は必ずあるという代り映えしない内容だった。

「やっぱり美琴さんすごいね……」
「ここまで改革するの珍しい……」

 二人は呆気にとられたようにつぶやいた。

「どうする? 私たちも一昨年より前の前例に従う?」

 希が望に問うと、

「うーん、何か言いにくいんだけど、もう少し工夫したいかなって思う」

 言葉を選ぶように望が答えた。
 別に地味でも悪くない。
 けれど何か物足りないように思えたのだ。

「やっぱ? 私もそう思っていたんだよね!」

 その言葉に希は嬉しそうに頷いた。
 やはり、少し違和感を感じていたらしい。

「まあ、クリスマス会だしクリスマスツリーとプレゼント交換は採用でいいかな」
「それは賛成。時間はどれ位がいいかな? 今までは大体三時間くらいだったけど」
「それはやる内容次第かな」

 一度考え始めたらどんどん決めなくてはいけないことが見えてきて話が進んでいく。

「とりあえず後は家で考えよう。もう下校時間だし」

 望がそう言い出すころには既に窓の外は暗闇に変わっていたのであった。

     *     *     *
なかがき

お久しぶりです。
この前の更新が2017年の3月ということで1年近く放置していたことに……。
本当に申し訳ないです。

ですが、とりあえず忙しさの一区切りがついたので3月いっぱいは早めに更新できると思います。
4月からまた忙しくなるかもしれないので3月中にクリスマス会を終わらせたいです。(願望)

さて、この話に戻りますが今回は希と望の二人で計画するイベントです。
美琴みたいに派手さはなくなると思いますがぜひ二人が考えるクリスマス会を楽しみにしていてください!

Re: あ、そうだ! ( No.63 )
日時: 2018/03/14 21:07
名前: 夕陽 (ID: cyfiBIbN)

12月 あ、そうだ! クリスマス会をしよう! 3

「それにしても、ここまで企画するのが大変だとは」

 ソファに座って希はぼやいた。
 ソファの前にあるテーブルの前で望も考え込んでいた。

「でも、これなら予算以内で収まりそうだしいいんじゃない?」

 いくつか案を出したが結局その中で望がいいと思うものを選んだ。

「私はこっちの方がいいなあ」

 希はソファから立ち上がって一枚の企画書をとる。

「でもそれって予算オーバーしそう」
「むーの案は盛り上がりに欠けると思うけど」

 望は予算以内で収まるどちらかというと保守的なもの、希が選んだのは予算は厳しいがやや美琴が企画した案に近いものを選んだ。

『なんとかならないかなあ』

 二人で同じことを言ってまるで鏡に映っているかのように揃ってため息をつく。

「よし、とりあえずいろんな人に聞いてみよ。やっぱり生徒会は生徒のための会だし」
「それが一番確実か」

 希の提案に望が頷き二人は夕飯ができたと呼ぶ母に返事を返した。

     *     *     *

「どんなクリスマス会がいいのか?」

 陽は希の問いに首をかしげる。

「そういう企画は会長さんが立てるんじゃないの?」

 例年既に三年生は引退している時期だが、美琴の場合は特例だった。

「それが……」

 希はこれまでの顛末をかいつまんで話した。

「あー、そういうことね〜。分かった、それなら陽に任せて〜」
「私も協力したいです。友達ですから」

 隣にいた和香も口を出した。

「二人ともありがとう!」

 希は二人にがばっと抱き着いた。

「よし、そうと決まったら今日私の家で作戦会議だ!」

     *     *     *

「これが私が選んだ案でこっちがむーが選んだ案」

 希は昨日考えた二つの企画書を二人に見せた。

「大体の流れは一緒ですね」

 和香はその紙を一通り見てから言った。
 確かにどちらの企画も飾りつけは大きいクリスマスツリーを中心にリースなどをところどころ飾るという簡単だがクリスマス感を感じるもの。
 内容も始めに挨拶でその後ゲーム、プレゼント交換は大まかな流れだ。
 更に立食パーティー制で好きなときに食べてよいという形式も同じ。

 違うのは——、

「最後を映像を作って終えるか、挨拶で終えるか、なのか〜」

 陽はそう言って企画書を希に返した。

「だって挨拶で終わるってありえなくない!? 折角のクリスマス会なのに!」

 希はまくしたてる様に言う。
 その勢いに押され気味の二人。

「でも、この映像、この会社に頼むってことは……」

 和香が遠慮がちに言いかける。
 希が頼もうとしている会社は誰もが知る一流の会社だが、頼むとしたらかなり高いだろう。

「それが問題なんだよな」

 希もそこは百も承知なのか悩ましげに言う。

「あ、そうだ! いい考えがあるよ〜」

 陽はそう言って笑った。
 その笑顔は面白い遊びを見つけた子供のような無邪気な顔だった。

Re: あ、そうだ! ( No.64 )
日時: 2018/03/29 11:07
名前: 夕陽 (ID: cyfiBIbN)

12月 あ、そうだ! クリスマス会をしよう!4

「映像はいい案だと思うよ〜。だけど、それだといくら何でも予算オーバーになるんだよね?」
「それは分かっているけど……」

 陽の言葉に希は言葉に詰まる。
 その表情は納得いかなそうだ。

「でも挨拶だと味気ないよね〜」
「だよね!」

 希は身を乗り出して頷く。

「だったら、映像を私達で撮ればいいんじゃないかな〜?」
「それ、いいですね」

 陽の言葉に和香は頷く。
 業者の手が通らないならカメラやその周辺機器だけで物足りる。
 しかも幸いなことに、そういった機器は生徒会室に揃っている。
 つまり、ほぼ予算を使わずに撮ることが可能だ。

「なるほど! さっすが陽!」

 希も目から鱗だったのかいきなり立ち上がり、陽の手を握ってぶんぶん振る。

「よし、そうなったら映像のテーマ決めなきゃ! 二人とも、ありがとう!」
「また、何かあったら相談に乗りますね」
「頑張って〜」

 希が居ても立っても居られないというようにすぐさま自分の部屋に戻りたそうだったので二人はそれぞれの言葉をかけて帰っていった。

     *     *     *

「というわけで、映像のテーマとか内容とか考えてみた!」

 次の日の生徒会室。
 希と望だけの会議で希は早々企画書を見せた。

「吹奏楽部にBGM頼むのか。で、それに合わせて写真部や美術部の作品をスライドショーとして流す、と」
「うん! 予算を抑えて、かつ生徒会っぽくない?」
「内容はいいと思うけどさ、これお願いしてすぐ出来ると思う? クリスマス会まで後二週間なんだけど」

 希の企画書を読み上げた望は眉をひそめる。
 それぞれの部活に交渉にいっても必ず良い返事が返ってくるとは限らない。
 そして、出来上がったとしてもそれを編集する手間もある。
 二人ともそこまで機械に詳しくないのでかなり大変だろう。

「そうなんだよね。運動部だったら私が頼めば多少は動いてくれそうだけど、文化部だとなあ……」

 希は運動部には顔が広いが、文化部にはそこまでではない。

「そこでむーの出番です。私が慣れない頭脳使う仕事したのもそのため!」

 胸を張って言う希に望はため息をつく。
 望はどちらかというと文化部に友達が多い。
 何人かは部長になっている。
 ただ、部長といえども簡単に仕事を引き受けることなど出来ないだろう。
 大体人脈を使う仕事は希のはずだが、今回は分が悪い。
 望はそう考えるとどうやって説得しようか頭を悩まし始めた。


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