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【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【感想募集!】
日時: 2016/07/23 20:29
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: GrzIRc85)

初めに

本作はモンブラン博士のリクエストにより、モンブラン博士のオリジナルキャラクター五人全員を登場させる短編集となっております。そのため、パクリ、盗作等では決してありません。

目次

第一話『最弱、故に最強。』 >>01 >>04-05 >>9-11 >>14-23

感想 >>02

第二話『他人の不幸は蜜の味』 >>26-27 >>30-33 >>35-42

第三話『不動の意志』 >>43-46 >>49-53 >>55-74

※注意

・作品の内容によっては、登場キャラの口調や設定が、一部異なっている場合があります。
・本作は二次創作です。そのため、本家様とは作風が異なります。

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Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【百回突破!】 ( No.20 )
日時: 2015/07/08 21:53
名前: 全州明 (ID: JEeSibFs)

 それにこの男はサングラスをかけている。これでは刀の効果は薄そうだ。
 振り替えり、不良たちをみる。何度数え直しても十一人。だけど一人ずつみてみれば、足が震えていたり、腰が抜けていたり、おどおどとして、落ち着きがなかったり・・・・・・
 とても強そうには見えない。それどころか、戦力になるかどうかすら危うい。
 こいつらは、このホスト風の男の専属の部下というより、急遽集められた烏合の衆という感じだ。挑むなら、こちらかもしれない。両手にぐっしょりとにじんできた汗を、ズボンで拭いて、再び刀に手をかける。
「……猫衛門、君? 戦う、つもりなの?」
 刀を抜こうとしたその時、ヨハネスが、肩に手をかけてそれを制した。
 おかげで猫衛門は、正気を取り戻し、頭を振った。
 何をや労としているんだ僕は。この刀に、人を傷つける力なんてないんだ。これはあくまで護身用。逃げるために使うものなんだから。
 ん? 逃げるため?
 『勝つことを目的とするな。でなければ何も守れない。』
 先生の言葉が猫衛門の脳裏をよぎった。
 勝つことを目的にすると何も守れなくなる。それはなぜだろう。改めて考える。
 しかし、そうしている間にも、不良たちはホスト風の男の指示で、じわじわと距離を詰めてくる。考えている暇はない。猫衛門はヨハネスの手を取り、踵を返して駆け出した。不良たちが目前に迫るその刹那、眩いばかりの閃光が迸り、不良たちの目を眩ませる。さらにはけたたましいブザーが鳴り響き、ホスト風の男すらも、そのあまりの音量に眉をひそめ、耳を押さえた。猫衛門が刀を抜いたのである。
 しかし猫衛門は、戦うつもりなどなかった。間髪いれずに不良たちを押しのけ、強引に突破口を作り、その先へと駆け出す。その手には、確かにヨハネスの手が握られていた。
「猫衛門君! どうするつもりなの!!」
「わからない。とりあえず今は逃げよう!」
 猫衛門はようやく先生の言葉の意味を理解した。わかってみると、何も難しいことではなかった。勝てないのなら、逃げればいいんだ。そうすれば、勝つことはできずとも、大切な人は守れる。たったそれだけのことだった。今まで猫衛門は、一人で戦ってきた。その傍らに、大切な人など居なかったし、守りたい人も居なかった。だから今までの彼には、〝逃げる〟という選択肢が無かった。だから負けたのだ。逃げることは負けではない。しかし勝ちと言うわけでもない。強いて言うならば、勝敗を目的としない者の試合放棄だ。勝敗を目的とせず、はなから戦うつもりなどない。しかしだからこそ、大切な誰かを守ることができるのだ。
 背後から、大勢が走ってくる音と、怒号が聞こえてくる。それもかなり近い。物語やなんかのように、そう簡単に逃げられるものではないらしい。
「猫衛門君!!」
 ヨハネスが叫び、猫衛門が何事かと振り向くと、目の前には巨大な壁が立ちはだかっていた。

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【百回突破!】 ( No.21 )
日時: 2015/07/08 19:48
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

川村くんが何かに気づいたようですね。ホスト風の男が気になります!

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【百回突破!】 ( No.22 )
日時: 2015/07/08 21:57
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: JEeSibFs)

モンブラン博士へ

大幅に付け足しておきました。それからあちこちに修正も入れました。
その関係で先生の言った台詞が変わっております。ご注意を。

Re: 最弱、故に最強。(完) ( No.23 )
日時: 2015/07/08 22:11
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: JEeSibFs)

 行き止まりにならないよう幅の広い道ばかり選らんで走ったのが裏目に出た。
 この道幅の広さでは、不良たちはスムーズにこちらに向かってくるだろう。
 しかし見渡す限り壁。あるのは引き返す道のみ。しかし、その道の先に、不良たちの影がぼんやりと覗える。
「どうしよう……」
 ヨハネスは再び泣きそうな顔になり、猫衛門の裾を強く握り、すがりついてくる。
 猫衛門はヨハネスの両肩を掴み、大丈夫だからとなだめてから、再び鞘から刀を抜いた。
 光が出ることはなく、ブザー音もノイズが走り、途切れ気味になっているこの刀に、人を傷つける力などない。しかし猫衛門は振り返り、こちらへ迫ってくる不良たちを真っ直ぐに見据える。
 その目には、かつてないほどの、ゆるぎない闘志が宿っていた。
 猫衛門は、大切な者を守るため、戦うことにした。
 風を切って全力で駆けるその足に、迷いなどなく、一直線に不良たちの方へと向かう。
 勝てるわけがない。そんなことはわかっている。
 きっと今度は全治一カ月じゃ済まない。それはそうだろう。
 けれど、やるしかないんだ。
 大切なものを守るため、正義を貫き通すため、戦わなければならないんだ。
 体中が自らを称えるように熱くなり、猫衛門は雄叫びをあげる。
 この日彼は、最強になることを決意した。

Re: ザ・オールスターズ ( No.24 )
日時: 2016/02/03 07:06
名前: モンブラン博士 (ID: MQ1NqBYl)

第2話の更新を心待ちにしております!


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