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【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【感想募集!】
日時: 2016/07/23 20:29
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: GrzIRc85)

初めに

本作はモンブラン博士のリクエストにより、モンブラン博士のオリジナルキャラクター五人全員を登場させる短編集となっております。そのため、パクリ、盗作等では決してありません。

目次

第一話『最弱、故に最強。』 >>01 >>04-05 >>9-11 >>14-23

感想 >>02

第二話『他人の不幸は蜜の味』 >>26-27 >>30-33 >>35-42

第三話『不動の意志』 >>43-46 >>49-53 >>55-74

※注意

・作品の内容によっては、登場キャラの口調や設定が、一部異なっている場合があります。
・本作は二次創作です。そのため、本家様とは作風が異なります。

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Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ ( No.5 )
日時: 2015/05/30 14:10
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: JEeSibFs)

 翌日、猫衛門は浮足立って、浮かれに浮かれ、内容などまるで頭に入って来ないままあっという間に授業を終えて、下校時刻を迎えた。授業だけでなく、ほぼ全てが上の空で、ほとんど無意識のうちに行動していたと言っても過言ではないかもしれない。
 猫衛門は今日、学校であったことを、ぼんやりとしか思い出せないのだから。
 だから、校門の前に立つ先生に、悠聖に勝ったことを伝えるのも忘れて通り過ぎ、ろくに経過もせずに、近道だからと人気のない路地裏を突き進んでいく。背後を尾行する集団にも気付かずに。
「おい、昨日はよくもやってくれたな。しかも、あんな卑怯な手で」
 不意に声を掛けられて、振り返る。そこには、額に痛々しい青あざを負いながらも、気取って壁に寄りかかり、顔を醜く歪めて笑う、悠聖がいた。
 そして猫衛門はいつの間にか、悠聖の仲間と思われる集団に取り囲まれていた。
 手には小石や鉄パイプを握り、悠聖同様見下すような表情で、へらへらと笑っている。
 考えが甘かった。悠聖は猫衛門に呼び出されたとき、決まっていつも、一人で来ていた。
 しかしそれは悠聖が、猫衛門をなめていただけで、何も仲間がいないわけではなかったのだ。
 思えば悠聖はいつも、ターゲットを集団で取り囲むようにして、逃げられないようにしてから苛めると聞く。
 丁度今のように。しかし猫衛門は、ちっとも脅えていなかった。
 むしろ自分がこれほどの大人数でなければ倒せないと判断されたことに、優越感を覚えていた。
 悠聖に勝ってから、調子に乗っている猫衛門は、完全に正気を失っており、負けるとは考えもせず、その集団に、真っ向から立ち向かった。

 ————そして猫衛門は、全治一カ月の大怪我を負った。

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ ( No.6 )
日時: 2015/05/30 13:53
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

川村、調子に乗って大けがしてしまいましたね。
倒したのはいいですが、それを気に慢心してしまう事はよくある話ですので、納得がいきます。それも川村がすると説得力がありますね。
それにしても先生は校門にいたはずで、この状況を見て見ぬふりをしたのでしょうか……気になります。

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ ( No.7 )
日時: 2015/05/30 14:04
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: JEeSibFs)

いえいえ、決してそう言うわけではないのです。
ただ、ここまで浮足立って、いろいろと上の空な彼を描いているというのに、背景やらなんやらの細かい描写が入っていると、不自然ではないだろうかと考えた末に、そのことについては猫絵門の頭が冷えて、冷静になったところで思いだす形で書こうかと思いまして。
しかし、確かに疑問を抱く人がいてもおかしくありませんね。
やはり背景描写もこの時点で入れることにします。
ご指摘ありがとうござました。

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ ( No.8 )
日時: 2015/05/30 14:11
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: JEeSibFs)

追記:背景描写の修正が完了しました。

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ ( No.9 )
日時: 2015/06/01 19:26
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: JEeSibFs)

 あの日あの場所で、一体何があったのか、猫衛門は、あまりよく覚えていない。
 近道だからと人気のない路地裏に入ったような気もするし、意味もなく遠回りをして、通学路から遠く離れた、知らない町をうろついていたような気もする。
 ただ自分が、悠聖たちに負けたのだろうと言う事は、体中に巻かれた包帯を見るだけで、痛いほどよく分かった。ベッドから体を起こし、下半身を見る。幸い、軽いすり傷ができているだけで、足には大した怪我は負っておらず、退院は、一カ月も待たなくて良さそうだった。

 ……頭がぼんやりとする。うまく機能していないようだ。よほど長い間眠りについていたのだろうか。
 視界が霞み、はっきりとしない。自由に動かすことができるはずなのに、体がずっしりと重い。
 しかし頭はふわふわとして、まるで要領を得ず、何を考えようにもうまくいかない。
 まるで馬鹿にでもなった気分だ。重い体を引きずって、猫衛門はカーテンを開ける。外から光が差し込んで、一瞬目が眩む。ベッドからカーテンに至るまで、白に統一された、清潔感のある部屋。
 どうやらここは病院らしい。ようやく思考が追いついて、自分の置かれた状況を、なんとなく理解する。さっきも同じような事を考えた気がするけれど、どうだっただろうか。よく思い出せない。窓の外には、見知らぬ景色が広がっていた。
「おぉ、目が覚めたか。お前の友達が心配していたぞ」
 病室の扉が開き、先生が顔出した。腕にはたくさんの果物が入ったバスケットを持っていた。
 大柄で、怖そうな外見の先生が持っているせいで、酷く場違いなものに見えた。
「先生、ここはどこの病院なんですか?」
「あぁ、俺もお前と同じ救急車に乗ってきたもんだから、具体的にはわからないんだが、大事を取って、山奥の、設備の整った病院に運び込まれたらしいぞ」
「……えぇと、つまりここは、山奥なんですか?」
「そういうことになるんじゃないか? 多分」
 先生は、口にこそ出さないが、家に帰らずに、ここで一夜を明かしたのだ。
 そのせいか、目の下に、うっすらと隈ができていた。


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