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【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【感想募集!】
日時: 2016/07/23 20:29
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: GrzIRc85)

初めに

本作はモンブラン博士のリクエストにより、モンブラン博士のオリジナルキャラクター五人全員を登場させる短編集となっております。そのため、パクリ、盗作等では決してありません。

目次

第一話『最弱、故に最強。』 >>01 >>04-05 >>9-11 >>14-23

感想 >>02

第二話『他人の不幸は蜜の味』 >>26-27 >>30-33 >>35-42

第三話『不動の意志』 >>43-46 >>49-53 >>55-74

※注意

・作品の内容によっては、登場キャラの口調や設定が、一部異なっている場合があります。
・本作は二次創作です。そのため、本家様とは作風が異なります。

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Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ【六百回突破!】 ( No.45 )
日時: 2016/04/16 19:20
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: GrzIRc85)

           *

「それで、総一郎君。君は不動をどう見る?」
 社長は大机に両肘を突き、試すような視線を投げかける。
 一方の早美双一郎は、待ってましたとばかりに意味なくスーツをガバリと開き脱ぎ捨てた後、片手でザッと髪を掻き上げ、首に手を添えるお決まりの決めポーズ。
「そうですねぇ、不動の基本的な戦闘スタイルは近接戦闘だと思われるので———」
「ふん。そのくらい、俺なんかここに配属される前から知ってたね!」
 ちゃちゃを入れる元連絡員。
「構わない。続けてくれ」
 無視される元連絡員。
「思われるので! 例えば不動を中心とした半径三百メートル圏内にスナイパーを等間隔で円形に配備。互いにGPS機能付きの無線で連絡を取れるようにし、一斉に射撃させます。こうなると不動は、当然すぐに反撃にでようとしますが、半径三百メートル先に隠れたスナイパー達を見つけることが困難な上、仮に一部発見できたとしても、GPSによって常に互いの位置関係を把握しているスナイパー達は円形を保ち続けることができ、不動がそこへ向かい襲う間、必ずどこかしらの方向へがら空きの背を向けることになります。もし不動にGPSが奪われたとしても、そこに表示されるのはあくまで位置関係。具体的な距離感は分かりません。そして持ち前の筋力で岩や柱を使って大雑把に一掃しようものなら罪のない一般市民を巻き込み国を、引いては世界を敵に回すことになるため、それはそれで作戦成功です」
「なるほど、素晴らしい。噂通りのキレだね、君の頭は」
「あくまでも、不動に効く銃弾があればの話ですがね」
「じゃあ駄目じゃねーかー!!」
 野次を飛ばす元連絡員。
「君の活躍には、期待しているよ」
 外へ連れ出そうとする警備員。抵抗する元連絡員。
「ありがとうございます。ご期待に添えるよう、精一杯努力します」
 抱え上げられ、連行される元連絡員。そして、その脇を悠々と通り過ぎていく、早美総一郎。
 水を打ったように静まり返った社長室で、二代目田中社長は一人、重々しい溜め息をつくのだった。
「今度こそ、大丈夫なんだろうね……」

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ ( No.46 )
日時: 2016/04/21 18:17
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: GrzIRc85)

 ————数ヵ月後

 力加減のされた小気味の良いノックを、社長、田中は久々に聞いた気がした。
 そして今まで蹴破るか体当たり気味に突っ込むかでほとんど遮蔽物でしかなかった扉がきちんとドアノブを回して開かれ、扉もまた、久々に扉らしい開かれ方をした。
「————社長」
 そこから顔を出した男も、もちろん冷や汗一つかかず、一歩一歩きちんと地に足を踏みしめて平然と歩いて来る。……相変わらず目を見張るほど速いが。
「どうやら順調のようだね。早美君」
 あの連絡員をクビにして以来、社長室には結成当初の平穏と程良い慌ただしさが戻りつつあった。
「はい。打倒不動も、時間の問題でしょうから」
「何? もうそこまでか!?」
「えぇ、後は調整だけです」
 目を剥いて驚く社長を前に、早美は依然として自身に裏打ちされた、良すぎてやや海老反り気味になってしまっているその姿勢を崩さない。
「一体、どうやって倒すんだい? あの不動を————」
「社長。不動を倒すのは、我々ではありません。世界最強たる不動仁王を倒せるのはただ一人、不動自身なのですから」
「え……?」
 社長は、理解の範疇を超えたその言動に、絶句した。

ザ・オールスターズ ( No.47 )
日時: 2016/04/22 19:40
名前: モンブラン博士 (ID: MQ1NqBYl)

これからどうなるのか楽しみです。不動を倒せるのは不動だけとは……よりワクワクする展開になってきましたね!

Re: 【リクエスト作品】ザ・オールスターズ ( No.48 )
日時: 2016/04/22 19:43
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: GrzIRc85)

モンブラン博士へ

コメントありがとうございます!
今回中々誰にも何も言われないから正直心配だったんですよ。

Re: ザ・オールスターズ【七百五十回突破!】 ( No.49 )
日時: 2016/04/22 21:37
名前: 全州明 ◆6um78NSKpg (ID: GrzIRc85)

「不動、自身? それは、一体……」
 社長はまるで落ち着かないと言った様子で早美に問う。
「言葉の通りですよ、社長。もはや不動は自ら世界最強と豪語しても誰一人として首を傾げない究極の存在。ならば———」
 深々と息を吸い込むその動作が、次に出るその言葉の重要性を物語っていた。
「不動と不動を、戦わせれば良いのです」
「なっ……! そんなことが、本当にできるのかね?」
 思わず息を呑み、目を見開く社長。
「お忘れですか、社長。我が社のクローン技術を」
 あまりに突飛な発想に未だ呆気にとられ困惑する社長の瞳には、依然として意気揚々とほくそ笑む、早美総一郎の顔が映っていた。

           *

 案内されたのは、地下二階。ここには日本で一二を争うほどのトップクラスのバイオテクノロジー研究施設があり、日々いかにして不動の生命維持不可能な環境を造り出すかを主に研究がなされているのだ。
「ジャック!」
 早美が一声かけると、一見閑散とした部屋の一角を埋め尽くす資料の山からひょこりと小さな頭が顔を出し、小走りで駆け寄って来る。
「……へへ、お呼びでしょうか総一郎様」
 鼠のように横に伸びた細い髭を生やし、わざとらしく手をこまねきながら話すその小男に、社長はまるで見覚えが無かった。


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