コメディ・ライト小説（新）
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- よくある３つの恋愛物語
- 日時： 2017/04/27 19:29
- 名前： 日向花音 （ID: FqCQxaZS）
こんにちは～
前の名前は言いませんが、改名しました(笑)
前回辺りの小説でほとんど同じ名前のキャラクターを使用しているので、訴えられないようにです
概要はただただベタな恋愛物語です(笑)
皆さんに楽しんで頂けたら幸いです！
【登場人物】
来木 白代（くるき しらよ）…中学２年生。病弱でなかなか学校に来れない。帰宅部。優吾の不器用ながらも優しい所に惹かれてゆく。優吾はもちろん、宙也、桜良、かれんが大好き
戸賀 優吾（とが ゆうご）…中学２年生。サッカー部。見た目はかなり怖いが、根はとても優しく男らしい。少し熱血漢。宙也のライバル。白代が妙に心配。その心配が恋となかなか気付かない
浄内 宙也（じょううち ひろや）…中学２年生。サッカー部。クールで冷静沈着。優吾とサッカー部のエース争いをしている。１年の時に白代の儚げな所を好きになる。本当、優吾の色々な意味でのライバルであり、良き親友
五十嵐 桜良（いがらし さくら）…中学２年生。水泳部。少し男勝りな性格。優吾と同じクラスで何気によく絡む。白代をよく助ける。女子生徒からの人気が高い。幼い頃からカオルが好きだが、ずっと言えずにいる。
藤堂 カオル（とうどう かおる）…中学２年生。サッカー部。桜良の幼馴染。純粋なサッカー少年。それが故にかなり鈍感で桜良の気持ちに気づいていない。本人は全く気付いていないが、かなりモテる。少し天然な一面も。
凉野 駆（すずの かける）…中学一年生。水泳部。桜良をかなりリスペクトしているのと同時に桜良の事が好き。桜良のカオルへの想いは気付いている。けっこう先輩から可愛がられる。努力家で可愛いげのある性格。
木田 かれん（きだ かれん）…中学２年生。吹奏楽部。良家のお嬢様。6歳の時に兄の拓海を亡くしてからは 、『木田 拓海』として生きる。前に同じクラスだったカオルに想いを寄せるが、男として生きているため、叶わず複雑な気持ちを描いている。修とは幼馴染で行動をよく共にしている。
芥川 修（あくたがわ しゅう）…中学２年生。サッカー部。明るく前向きで努力家。サッカー部の二軍だが、諦めずに練習を続けている。ノリが軽く、絡みやすいからか、友達が多い。幼い頃によく遊んだかれんを想っていたが、突然いなくなってしまった為、想いはずっと伝えられていないままである。そのため、拓海の正体がかれんだということには気づいていない。
来木 厚人（くるき あつと）…白代の双子の片割れ。6歳の頃に交通事故で命を落とす。歌うことが大好きで、毎日音楽の世界に浸っていた。病弱な白代の事を最期まで心配しきっていた。
木田 拓海（きだ たくみ）…かれんの兄。11歳の時に交通事故で命を落とす。ピアノが上手く、よくかれんと弾いていた。優しく温厚な性格。
- Re: よくある３つの恋愛物語 ( No.9 )
- 日時： 2017/05/04 19:36
- 名前： 日向花音 （ID: n0SXsNmn）
「って、忘れてた！ミーティングミーティング！浄内も早く来いよ！」
「お、おう…じゃぁな白代。」
「うん。浄内君！戸田君！ばいばーい！」
そう言って優吾と宙也は颯爽とどこかへ行ってしまった。
まさか宙也と優吾があんなに仲がいいとは思わなかった、と白代はどこか嬉しそうに顔を綻ばせるのだった。
一方宙也は、白代と優吾に対して、ほんの少しだけ複雑な思いを抱き始めていた。
それからどんどん学校へ行くのが楽しみになった白代は、今まで沢山休んだ分を取り返すかのようにほぼ毎日学校に来れるようになった。
「はい。じゃあ、体育祭の競技の割り振りはこれでいいね」
そして今日は、１か月後に行われる体育祭の競技決めを行っていた。
ちなみに、体力に自信のない白代は、遅くてもあまり問題はない二人三脚を、桜良とペアでやることになった。
桜良だったら、白代の事をよく理解しているから安心だ。
ただ、白代が不安なのは最後にあるクラス対抗リレーだ。
ただでさえ体力がないのに、50mを走りきらなければならないのだ。
白代は小さく溜め息をついた。
明日に早速ある体育祭の練習が少しだけ憂鬱になった気がした。
- Re: よくある３つの恋愛物語 ( No.10 )
- 日時： 2017/05/05 13:36
- 名前： 日向花音 （ID: B81vSX2G）
2
プールに水しぶきが上がる。その瞬間、周囲から黄色い声援が上がった。
「五十嵐先輩～！相変わらず格好いいですね！」
そんな声は耳には届かず、彼女五十嵐桜良はあたかも人魚のように学校のプールを泳いだ。
25mを往復してプールサイドに上がると、また黄色い声援だ。
桜良は一応ゴーグルを外し、黄色い声援が飛ぶ方へ微笑んだ。
たちまちその少女たちはうっとりとするのだった。
暫く自分の出番は無いため、桜良は金網からグラウンドを見つめていた。
この学校の数多の女子を虜にしてきた彼女の瞳に映るのは、たった一人だけである。
そんな羨望の眼差しを受けるであろう彼は、桜良の視線には全く気づいていない。
桜良は幼い頃から彼と仲がいいからこそ知っているが、彼はずっとサッカー一筋で、恋愛には全く無縁である。
それでも桜良はそんな彼に惹かれていた。幼い頃からずっと、ずっと。
「…カオル…」
桜良は愛しくも切なく彼の名を呼んだ。
「せーんぱいっ！何見てるんですか？」
- Re: よくある３つの恋愛物語 ( No.11 )
- 日時： 2017/05/06 22:26
- 名前： 日向花音 （ID: m1bC2Py6）
急に声をかけられ桜良は思わず動揺してしまった。
話しかけてきたのは、桜良の後輩の凉野駆だった。
駆は可愛いげがあり、他の先輩にも人気があるにも関わらず、何故か桜良にすごくなついている。
理由は単純だ。
駆は桜良のことをかなり慕っており、憧れの人物なのである。
それと同時に、桜良に恋心を抱いていた。
しかし、それは叶わない恋だと分かっている。何故なら…
「す、すすす凉野！何でもないからなー？暇だっただけだ！」
そんな桜良を見て駆は何かを察し、サッカー部を見た。
明るい表情でボールを蹴る、くすみの無い笑顔の持ち主。
彼こそが駆の恋を諦めるきっかけとなっている人物であるカオルなのだ。
カオルと桜良を交互に見て駆は溜め息をついた。
「…姿勢が不安なので、見てくれます？」
少し不機嫌なのが分かってしまっただろうか？
どうせ今の桜良にはカオルしか見ていないだろうから、気づいてはいないだろうが。
たかだか1ヶ月前に出会ってばかりだ。桜良からカオルの事は聞いていた駆は「あっちは幼馴染だ。俺なんかに入る隙はない」と思うしかできなかった。
- Re: よくある３つの恋愛物語 ( No.12 )
- 日時： 2017/05/07 20:21
- 名前： 日向花音 （ID: ovjUY/sA）
なので、駆にできることは自分の恋心を抑えて、桜良を先輩として慕い続けるだけだ。
一方桜良は自分のカオルへの想いに気付かれていたらどうしよう、とドキドキしていた。
少なからず駆にはバレているのだが。
「ん。おっけー。見せてごらん」
そして二人は何事もなかったかのように部活に戻った。
「カオル！一緒にかえろ！」
「おう！」
部活が終わった夕暮れ時。今日はプールを使用したため、いつも終了時間の遅いサッカー部と帰りの時間が重なった。
なので桜良はすかさずカオルを誘って帰ることにした。
とはいっても、いつも桜良がカオルを待っているのだが。
元々ご近所で小さい頃からずっと二人で遊んでいたカオルと桜良は、小学生の時もずっと二人で帰っていたため、これが当たり前になっているのだ。
どちらかが遅くなっても、大抵はお互いに相手が来るのを待っていた。
カオルは、それが当たり前だから、そう特別な思いはないが、桜良にとっては１秒も無駄にはしたくない、特別な時間だった。
男勝りな自分が、少女らしくいられる、大切な時間なのだ。
- Re: よくある３つの恋愛物語 ( No.13 )
- 日時： 2017/05/08 19:58
- 名前： 日向花音 （ID: xZ7jEDGP）
「今日練習どうだったんだ？」
「あはは。相変わらずハードなんだよなぁ」
帰り道、カオルの家に着くまで二人は他愛もない話をしていた。
基本二人きりで、サッカー部の部活終了時刻が遅いだけあって、周りには皆無と言っていいほど人がいない。
中学に上がってからはずっとそうだったため、桜良は何度かカオルに想いを伝えようとした。
そして今日も…
「か…おる…カオルッ！」
「…んぉ？どうした桜良」
事情を知らないカオルは、間抜けな返事と共にポカンとした顔で振り返った。
桜良はカオルの目を見て今日こそは！と想いを伝えようとするが、肝心の言葉が出てこない。
物心ついた頃から一緒で、何でも話せる仲なのに、カオルへの想いだけは言えなかった。
桜良はこういう時だけ女々しい自分にずっと腹をたてているのだった。
また言えなかった、と桜良は悲しそうに微笑む。
「ううん。明日の天気、思い出せたからもう大丈夫。じゃあな！」
「…？じゃあな！」
そうして家に入って行くカオルの後ろ姿にさえ、「好き」なんて言えない。
これでまた、残り少ないてあろうチャンスを無駄にしてしまった。
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