コメディ・ライト小説(新)

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地味子の恋嫌い
日時: 2017/09/18 14:43
名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)

昔から、恋だの愛だのしろって言われてあーうるさい。
恋愛のない世界に生まれたかったなぁ。
そしたら、あんなことに巻き込まれずにすんだのに。

建物などなく、自然豊かな野原で寝そべって本を読んでいる私。
私の名前は雨宮千里あめみや・ちさと15歳の高校1年生。
地味で中学の時はイジメにあって人間不信になっている。
なぜ、地味かって?今に分かる。
私は今家に居るのが嫌でここで優雅に読書を嗜んでいるところだ。
風が気持ちいい。
今は秋、4月から泉水高校に通い始めた。
でも、友達とかが出来ず不登校になった。
まぁ、いずれはまた通うから今は休憩というところかな。
自己紹介はさておき。
また、読書をし始めようとしたとき、
「なぁ、ここで何してんの?」

Re: 地味子の恋嫌い ( No.58 )
日時: 2020/08/11 00:53
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

私の目を拭いている晃の手を掴んで離した。
私は自分の涙を拭って「大丈夫、晃は私の心配なんてして欲しくないの。自分のために精一杯生きて欲しいの。」少し細々と言った。
私の言ったことにまだ心配する晃、私は人に心配されたくない。
だから、あえてそう言ったのだ。
しかし、晃は、「それも嘘だよね。僕、分かるんだ。千里ちゃんと何年も一緒にいるから分かるんだよね。そんなに本当のこと話してくれないの?なら、僕は今日で千里ちゃんと友達やめるね。」
と言って私を置いて歩いてしまった。
え、これからどうやってやっていけばいいの?
晃がいないと私は、なに?
どんどん晃は私から離れていく。怖い。
私はその場で頭を抱えながらうずくまり、また涙が出てしまった。
近くに海があるため波の音が私の心に入り一層に悲しくなってしまう。
今のシチュエーションと波の音がマッチしていてもう切なくなる。
私は、少しの間、泣いた。
どれだけ晃の存在が大きかったのか。
いじめにあったときは陰で支えてくれた。彼は何もしてないって言うけど。私にとってずっといて欲しかった存在。
うずくまって泣いてから少し経った。
誰かの足音が私の方に向かって歩いている。
前を見ると、
「あ、き、ら?」


Re: 地味子の恋嫌い ( No.59 )
日時: 2020/08/24 00:27
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

晃ではなくぶらぶらと歩いているおじいさんのような人だった。
いや、
「おや、そこにいるのは先ほど男の子と一緒にいた子ではないですか。」
私の目の前に立った人は、さっき晃から教えてもらったあの喫茶店のマスターだった。
おそらくだが、ごみ捨てか波の音を聞きに散歩しに歩いていたに違いないと少し思った。
私は涙を袖で拭いて、はいと答えた。
「どうしたのかね、こんなところにいては風邪をひいてしまう。理由はあとで聞いてあげるから私の店に来なさい。」
と言われて私はマスターと一緒に店に戻った。

店の中は、がらんとしていてお客さんが1人もいない。
しかし、ジャズミュージックが店内で流れていて1人でいても安心するくらいだ。
私はカウンター席の一席に座り、マスターは私のためにミルクティー準備してくれた。
「どうぞ。」
ミルクティーはさっき飲んだが、ほんのり甘くてどこか苦いというさっきの私と晃の状況に似ているような気がする。
マスターは私の向かいに立って自分用だと思うコーヒーの入ったマグカップを手に取り少し飲んで、コースターの上に置いた。
「この時間が私の安らぎの時間なんです。」
「そうなんですね。」
「ところで、先ほど私の姿を見て誰かの名前を言っていましたが、その方と喧嘩でもしたんですか?」
「はい、マスターの前で言うのもなんですが、喧嘩した相手はマスターのお孫さんとなんです。」
私がそう告げたときマスターは驚きの反面少し微笑んだ表情をしていた。
「そうでしたか、晃君と喧嘩とは。もしや貴方が千里さんですか?」
「はい、私が雨宮千里です。晃君とは小さいころからの幼馴染です。」
「聞いておりますよ、私の店にたまに来ますが千里さんの話ばかりしていますね。貴方のことはどんな危険な目にあっても絶対に守らなければいけない存在なんだといつも言っていました。それから貴方と一緒にいることが楽しくて今度私に紹介したいと言っていましたが晃君がいない間に対面していましたね。」
とても穏やかな人だと改めて知ってしまった。
「そうでしたか、晃がそんなことを、、、、、、、私、晃に私の心配なんてして欲しくないって言ってしまいました。それで嘘だと怒られてしまい。ほんとに私ってバカなことをしてしまったなって後悔したんです。晃君は私にとってとても大事な人です。」
私が顔を上げると、マスターは少し涙を浮かべて私の方を見ていた。
私は慌ててマスターに、「ど、どうしたんですか、私何か悪いことでも申し上げましたか?」
と声をかけた。
マスターは無言で首を少し振り、「そうじゃないんだ。いやあ、つい嬉しくてね。孫のことを大事な人だと言ってくれてありがとうございます。このことを本人に聞かせてあげたいですね。」
「そうですね、あの、今晃君はどこにいますか?」
「さあ、ここには来ていないはずです、、、、、、、「いるよ」
どこか近いところからマスターではない声が聞こえた。
私とマスターは声の主を探した、しかし、近くにはいない。
幽霊かと思ったが、声の主は2階へと続く階段をゆっくりと降りてきて姿を現した。晃だった。
「あ、晃、どうして、、、」
「おじいちゃんがゴミ捨てに行っている間にここに来たんだ、おじいちゃんとはすれ違いだったんだ。暇をつぶしている間に下からおじいちゃんと女の人の声が聞こえてきたから降りてきたんだ。女の人の声がさっき喧嘩した相手だとは想像しなかったよ。」
私は俯いて何も言わず黙った。
「でも、嬉しかった。僕が千里にとって大事な人だとは。」

Re: 地味子の恋嫌い ( No.60 )
日時: 2020/09/14 00:02
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

晃は、私に近づいて私の頭を優しく撫でた。
「ありがと。」
その一言に私は顔を赤らめてしまった。
幼馴染でもこんなにも恥ずかしくて少しドキッとしてしまうような感覚を感じてしまうなんて。
私はうんとしか言えなくなった。
「千里、これからどうするの?」
「え?」
「もう遅いし、千秋さんや時雨君も心配しているんじゃないかな。」
確かにそうだ。私はついさっきの記憶が今一瞬消えてしまったが思い出した。
「私、家に帰る。」
「なら、私が送って差し上げましょう。こんな可愛いお嬢さんを一人で帰らせてはここのマスターとして恥だといいます。少しドライブとかねて千里さんを送りますか。晃も一緒に来てくれますか?」
「いいよ、暇だし、それにもっと千里を一緒にいたい。」
私はミルクティーのお礼をして、マスターは少し準備をするため奥の方へと行ってしまった。
私と晃の2人の空間。どのような顔をしたらいいのか分からなくなってしまった。
「千里ちゃん!ごめんね。僕、怒っちゃったね。」
私は笑ってしまった。晃が私をまたちゃん付けして呼んでくれるから。
「いいよ、私の方が悪かったって思っているし、それに晃がいないと私寂しくて少しつらい。」
互いに目を見つめて笑っていた。
この空気が私にとって一番好き。晃は私が好きで、私は晃が大事な人。
少し話をしてからマスターが奥の方から出てきてやっと準備ができたそうだ。
私たちは外を出て、マスターの車に乗った。外車なのかすごく高そうな車なんだって分かった。
マスターの後ろの席に晃、私と順番に座って、車が走り出した。
海の見える道を車の中で見るのはいいと思う。でも暗いからよくは見えない。
「千里ちゃん、千里ちゃん。」
晃が私に話しかけてきた。千里ちゃんって呼ばれるのは何だか嬉しい。
「どうした。」
「明日の学校来るよね?」
「あーその話か、うん、来るよ。当たり前じゃん。」
なんて、嘘。
本当は転校するんだよね。
晃はホッとした顔をして静かになった。
「千里さんは、晃くんと一緒なクラスですか?」
今度はマスターが話しかけてきた。
「はい、でも学校ではあまり話しかけてきてくれません。」
「そ、それはいつも千里ちゃんがどこかに行ってしまうからでしょ!」
「そうだけど、いいじゃん私の勝手。」
「勝手って、じゃあLINEでも話そうよ。」
「えー、めんどくさい。」
「なんだよー千里ちゃん。」
楽しい。このやり取りがずっと続けばいいのにな。
「千里さん、家の道はこのあたりでいいですか?」
晃との楽しい時間があっという間に過ぎていってしまった。
確か一度マスターは私の家に来たことがあるはず。。。
海の見える道をまっすぐ行ってどこかで曲がって少し国道を走ってまた曲がって自然の多いところをまっすぐに行けば私の家が見える。なんせ私の家は豪邸のような大きい家なのだから。
「はい、近いです。」
そしてついに自分の家についてしまった。
辺りは真っ暗で何も見えないが、玄関の明かりだけ見える。
私は車から降りて一礼し、晃にはバイバイと手を振って玄関まで歩きだした。



玄関のドアを開けて、
「ただいまー」と声を出したがシーンと一旦静かになったが、誰かがバタバタと走ってきて、
私に抱き着いてきた。

Re: 地味子の恋嫌い ( No.61 )
日時: 2020/09/14 12:43
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

この状況前にあったような、、
笹ヶ峰だった。もう寝るのか知らないが、男の姿をしていてパジャマ姿になっていた。
笹ヶ峰にしてはかっこいいんじゃないの。
「ど、どうしたの、早く離れてよね。」
まだぎゅーっとしている。暑苦しい。
私はがばっと笹ヶ峰の体を引き離した。
「うざいよ。一体何があったの。」
まだ何も言ってくれない。
少しため息をついて、自分の部屋に行こうとした。
笹ヶ峰は私のあとをついてきていた。なにも言わずに。。
何を考えているのか分からない、怒りたいがもうどうでもよくなったのでそのままにして自分の部屋につき、ドアを開けて早速ソファに座った。
後ろを振り返ると笹ヶ峰がまだいた。
「おい、いい加減にしな。」
笹ヶ峰は私のところに来てボソッと何か言い始めた。
「ち、千里は俺から離れるのか。。?」
やっと口を開いたかと思えば、なんだ。
不思議でたまらない。
「離れて欲しければ私はどこでも行く。」
「じゃあ、離れるなって言ったらどうする。」
「それでも行ってやる。」
「行くな。」
「は?急にどうした、気持ち悪いぞ。」
「さっき、俺のスマホから知らない電話番号の着信が来て、出てみたら蒼って人から千里はいないか?帰ってきたら連絡しろって言われて切られた。なあ、これどういうことなんだよ!」
自分のカバンの中にずっとしまっていたスマホを手に取りだしすぐにロックを解除し、LINEを見ると蒼から何件ものメッセージが来ていた。

Re: 地味子の恋嫌い ( No.62 )
日時: 2021/12/23 10:40
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

『何をしている、迎えに来たから。』
『笹ヶ峰という男にはなにも言うな。』
『俺とゆりは千里のことを信じている。』というLINEが来た。
さっき拒んでしまった。
でも、行きたい。
あらかじめ用意しておいた荷物を持って、なにも言わず、玄関まで行き、時雨の顔を見ないで玄関を出た。
出たら、もう車が停まっていた。
蒼が車から出て、私を迎えに来てくれた。
「待ったよ。さっきはごめん。強制的過ぎた。本当に謝る。」
「大丈夫、そういうのに慣れてなかったからびっくりしただけ。」
「そっか、さっ乗って。」
そう言われて私は車に乗った。

車の中は快適過ぎて眠たい。
私は蒼の隣に座り、うとうとしながら蒼の話を聞いた。


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