ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- アクセス【【削除依頼】】
- 日時: 2020/08/01 19:44
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: hsews.TL)
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登場人物>>2>>3>>4
はじめに>>1
01章 URL=スタートボタン>>5>>6>>7
02章 少女二人の決意>>8>>9
03章 朝、少女は動きだす>>10>>11
04章 着いた場所、そこは空港>>12>>13
05章 そこで私達は出会った>>14>>15>>16
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は>>17>>18>>19>>20>>21
07章 そして四人は誓いを建てた>>22>>23
08章 逃げ惑う,迫るは危機>>25>>26>>27>>28>>29
09章 ドミノ倒し>>30>>31>>32
10章 強制退場>>33>>34>>35>>36>>37>>38
11章 彼女の長い夢>>39>>40>>41>>42>>43
12章 冷笑の奥は>>44>>45>>46
13章 違反者と参加者の>>47>>48>>49>>50>>51>>52>>53>>54>>55>>56>>57
14章 霧崎+ナイフ>>58>>59>>60>>61>>62>>65
15章 絶たれた糸>>66
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- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.26 )
- 日時: 2009/12/01 20:29
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
私達は それから二週間を過ごした。
食べるものも元々あった為困るということは無かった。
奇跡的に生き延びた、というのか。
特に四人はこの二週間でどこか変わったということも無く、しいて言えば家が散らかった位。
ただし、いつまでもこの家にいるわけにはいかないのだ。
それは誰もがわかっていた。
久々に、舞たち四人は外に行き、これからのことについて話し始めた。
「 もう私、これ以上はお金使えないよ ?」
ため息混じりに美希は首を左右に振りながら言った。
「 まぁ、1番手っ取り早いのは俺が働くって事だが……。」
「 でも…でも、祐樹が働いたとしようよ。もしその間、私達が誰かに追われてたらどうするの ?」
「 …そもそも、祐樹に頼るのも悪いよ…。」
とうとう、ここまでかな。
ゲームの進行状況は、スタート前と変わらない。
誰一人として、銃を使うようなことはいまだ無い。
だが、あの空港のときを抜かせばの話だ。
四人で空港を出た後、会ったあの銃発砲事件のことだ。
舞はその後、携帯からウェブのニュースを見て知ったことだが発砲したのは十四歳男子中学生。
このサバイバルゲームに関わっていたのは明らかだが、警察はそのことに関して調べていないようだ。
呆れた。
確かに、郵便で届いたというのが事実でも信じる大人は少ないはず…
発砲した少年は友達と何かが原因でもめる事となり、むかついたので銃を出したとのこと。
そのとき誤って引き金を引いてしまい、友人らの足元に撃ってしまった、ということだ。
何が誤ってしまっただよ…
殺してたらどうするんだか。
「 このまま、ゲームが続くということは無いですよね。何かイベントを起こすみたいですし…。」
恵梨が言ったとき、ちょうど携帯から音が鳴った。
舞は嫌な予感がしながらも、メールを開いた。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.27 )
- 日時: 2009/12/01 20:29
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
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はじめましてwBBRの代わりでメールを送信した〝姪華〟です(´∀`*)
よろしく。
さて、二週間が経過しましたが、状況に変わりがないですね。
つまらないの一言。
ということで、私達は皆さんにこれからあることをしてもらいます。
従わないと、違反者扱いね(^ ^ )b
取り敢えず、参加している人を一人、殺してください。
参加者の顔写真と名前をサイトに載せたから、それ見て探してネンw
ちなみに、銃以外でも殺し方はあるから自分達で考えてねー
誰も殺していないと、自分の命が無いと思ってね♪
あと、こっちで責任はとらないから。よろしい ?
参加したからには、その位のことはできるでしょ ?
んじゃー(*・ω・)ノシ
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「 ………。」
追い詰められた。
「 あの…これ見てください。」
恵梨がそういって、祐樹のパソコンを指差す。
黙ってみてみると、真っ白な背景のサイトには大量の名前、顔写真が載っていた。
それとともに、名前の隣にはひとりひとり現在の居場所まで書いてある。
気持ち悪い…
ていうか、何でわかるの… ?
やっぱり嘘じゃないんだ。
こいつら、本気で殺そうとしてる。
姪華…
「 私達がいる現在位置、…合ってます。」
「 こんなの…っ…ありえない ! 絶対ありえない…。」
「 このメールで分かったんだが、こいつら何人かいるな。」
「 BBRと姪華…まだいそうだよね。」
「 何が目的でこんなことしているんでしょうか… ?」
恵梨の言うとおり、全く相手の意図が分からない。
このまま銃を持つか、違反者になるか…
「 ここ、都会よね。もう田舎とかに逃げない ?」
美希の提案には賛成だ。
全額使ってでも、銃を使うことになるよりは…。
「 また…逃げるか ? 」
「 だって…殺すよりは…マシでしょ。」
「 行きましょう。深夜より明るいうちに動いた方がいいかもしれないですし。」
「 …行こう。」
そうして、舞たちは本格的に逃げることを選択した。
荷物をできるかぎり最小限にして、そのまま駅に向かった。
舞は制服、そしてカーディガンを羽織り、玄関を出た。
「 また、ここに戻れるといいね。」
美希は歩きながら家のほうを振り返った。
「 …きっと、四人一緒に戻れますよ。」
また、みんなで戻れますように…。
舞は立ち止まり、瞳を閉じて祈った。
「 何してんの… ? お前。」
「 お祈り。…ていうか、見ないでよ !」
美希、恵梨、祐樹が同時に笑った。
また、みんなで笑えたらいい。
ううん、また、みんなで笑おう。これでいい。
舞たちは駅へと向かっていった。
———ただし、これは決して良い判断ではなかった。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.28 )
- 日時: 2009/12/01 20:30
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
今思えば、もう少し警戒していれば異変に気がついた筈。
もっと気を配っていれば——
駅に着いたとき、私達は田舎を目指すため少し高い切符を買った。
これで、所持金はほとんど無くなった。
美希も残り少ししかないといっている。
だが、二週間過ごせただけでも凄いということを忘れていた。
そのまま改札口をとおり、電車を待った。
満員電車じゃないといいんだけど…。
電車を待っている間も、四人の中で誰一人口を硬く閉じたままであった。
だが、無理も無いことだ。
自分達は、これから追われるのだ。
捕まってはいけない、何をされるか分かったものではない。
良いことはされないに決まっているのだ。
ただし、人を殺すよりは何倍も良いというのが舞たちの考えであった。
電車が騒がしいホームに着き、たくさんの人が降りた。
車内に入ると、ほとんどの人がここで降りたらしく少ししか人がいなかった。
ドアが閉まり、ガタガタと電車は揺れながら走り出した。
———ん… ?
舞は自分達と同じ車両に乗ってきた中学生四人を、チラリと横目で見た。
何か様子がおかしい。
さっきからこちらを見ては、友達に何かを言っている。
ただし、距離があるため舞には聞こえなかった。
まさか…。
でも、こんな偶然なんてこと———。
美希も何かおかしい様子に気づいたらしい。
「 祐樹…次の車両移らない ?」
美希はそう小声で裕樹の背中に向かって言った。
無言のまま、祐樹は前の車両へ行こうとした。
美希と恵梨もついていこうとした。
「 …うっ…うごくなぁっ!!! これを見ろ!!!」
一人の少年が、突然大声で言った。
車内は騒然となり、隣の車両からも音が聞こえない。
ただ、電車が線路に沿って走る音だけが聞こえていた。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.29 )
- 日時: 2009/12/01 20:30
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
少年の震えた右手には参加者全員に送られた銃が握られていた。
「 …どうしよう。」
「 相手は中学生だぞ…殺せる勇気なんてあるわけないだろ。」
どうだろうか。
自分の人生と命がかかっているのだ。その位はやってしまえそうだと思う。
「 そのまま…そのまま手を挙げろ…。」
そのまま近くにいた同じ車両の乗客にもその少年は言った。
「…つり革につかまるんだ…。両手だぞ…早く……。」
私達も指示に従った。
少年はそのまま視線をはなさず、周りを見る。
「 よし…お前でいい。」
そう少年は言うと、いきなり恵梨の両腕を掴み、頭に銃口を突きつけた。
「 お前… ! !」
祐樹が驚きと怒りのこもった声で呟いたのが聞こえた。
「 いますぐ荷物を床に置いて。」
少年と一緒にいた一人の少女が淡々と言った。
その指示にしたがい、私と美希と祐樹、そして他の乗客も恐る恐る荷物を床に置いた。
あと少しで…次の駅に着く…そうすれば…
少年はそのまま銃口を恵梨に突きつけたままで、恵梨は顔を蒼白色に変えていた。
彼らは撃たない…いや、撃てないはず。
重苦しい空気が包み込み、次の駅の名前が聞こえた。
少年は焦った様子で仲間となにやら話している。今だ銃口は突きつけたままだ。
恵梨は口を〝逃げて〟と動かしている。
—————バンッ!!!
銃口の突きつけられた恵梨の頭の反対側から、血がスプレーのように噴出した。
大きく目を見開き、ゆっくりと床に倒れこむ。
少年は驚いた素振りで後ろへ後ずさった。
同時に銃は床へと落とされた。
祐樹が何か言っている。
美希は少年のほうへ駆けていく。
音の聞こえない テレビのように何にも聞こえなかった。
何も聞こえない。
何も———。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.30 )
- 日時: 2009/12/01 20:31
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 ………。」
その場は凍りついたようになり、次の駅へと着きドアが開いた。
なんで…なんで今… ?
こんなの…ってあり… ?
「 あ…ちっ——違う !!! 僕は…っ、手が滑って——。」
直後、少年は美希の拳を顔面にくらって倒れた。
「 ……っ。」
やっと音が聞こえてきたようだった。
駅には人が集まっている。特にこの車両に。
ちらっと見て通る人や、覗き込む人、誰かを呼ぶ人などさまざまだ。
人が撃たれたのに… ?
みんな…何でそんな目で見るの… ?
ほとんどの人が好奇の目で私達を見回す。
どうして——
そのとき、駅員の大きな声が聞こえた。
「 君達 ! 全員——。」
気づいたときには、駅員はホームに仰向けで倒れていた。
血、火薬の香り、恐怖がそこにいた者全てを支配し、再び無音になる。
誰かが、駅員を撃ち殺した。
反対側の閉じたドアに寄りかかり、舞は祐樹を見た。
その手には、先ほど少年が使った銃が。
「 あ…ゆうき…。」
震え、かすれた小さな声で舞は目を見開いた。
足元を見下ろすと、恵梨から流れ出した大量の血液が自分の所まで川のように流れてきていた。
「 …。恵梨… ?」
彼女からは返事が無い。
そのまま私のほうを向いた状態で———。
「 恵梨———。」
二、三発 銃声が近くで聞こえた。
ドタッ、ドタッと少年の仲間と見られる子達が壁に寄りかかるようにして座わりこんだ。
口をパクパクと金魚のようにあけたりとじたりしている。
「 ゆ……き…、あ…らは…。」舞は口を動かしたが、声にならない。
祐樹は突然、無言で美希、舞の片腕をつかみ、荷物を置いてホームに飛び出した。
電車から出るとき、はっと舞は恵梨を振り返った。
彼女の顔は、どこか悲しそうだった。
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