ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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アクセス【【削除依頼】】
日時: 2020/08/01 19:44
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: hsews.TL)

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登場人物>>2>>3>>4
はじめに>>1

01章 URL=スタートボタン>>5>>6>>7
02章 少女二人の決意>>8>>9
03章 朝、少女は動きだす>>10>>11
04章 着いた場所、そこは空港>>12>>13
05章 そこで私達は出会った>>14>>15>>16
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は>>17>>18>>19>>20>>21
07章 そして四人は誓いを建てた>>22>>23
08章 逃げ惑う,迫るは危機>>25>>26>>27>>28>>29
09章 ドミノ倒し>>30>>31>>32
10章 強制退場>>33>>34>>35>>36>>37>>38
11章 彼女の長い夢>>39>>40>>41>>42>>43
12章 冷笑の奥は>>44>>45>>46
13章 違反者と参加者の>>47>>48>>49>>50>>51>>52>>53>>54>>55>>56>>57
14章 霧崎+ナイフ>>58>>59>>60>>61>>62>>65
15章 絶たれた糸>>66
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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.11 )
日時: 2009/12/01 20:19
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

「 舞…舞…起きてって…。」

  十一月十一日 午前七時十分

  私は 美希の声で目が覚めた。

  美希はすでに起きていた様子で、服を着て髪の毛をブラシでとかしていた。

「 おはよー。あと二十分後に此処出るから。」

「 は ? 」

「 ほら、なるべく早めに着いたほうがいいでしょ。」

「 あと二十分って…。早く起こしてよぅ。」

「 起こしてあげただけでも有り難く思え。」

  それもそうだが二十分って…。

 いそいで舞はシャワーを浴びて、制服に着替え鞄に荷物を詰め込んだ。



「 よしっ ! 行こっか ? 」

「待って待って…今、髪の毛しばりおわるから…。」

  急いでしばって、ピンを×の形でとめた。

「 鞄に入れ忘れたもの、ないよね ? 」

「 うん。大丈夫。…じゃあ行こう。」

 そういって、自分達の泊まった部屋を後にした。

 金額を聞いて決めたホテルだったため、とりあえず泊まった分は払うことができた。
 しかし、所持金はずいぶん減っている。

「 私、こんなに使った覚えないけどなぁ〜。」
「 あんた、無駄にお菓子とか買ったじゃん。」

「 無駄じゃないよ ! このお菓子は非常食になるんだからっ。」

「 はいはい…〝非常食〟ね…。」

 美希はそういって受け流した。
 
 徒歩で空港までとは 少し遠い距離だったが二人で話しているから疲れは感じなかった。


  この五日間。
  家に戻ることにならなくてよかったと思う。
  中学生二人が、ホテルに泊まっている時点で補導されかねない。

  はっきり言って、捜索届けが出されていると思う。

  ただし、自分達のもともといた場所からかなり遠い此処まで来たのだ。 
  そう簡単には探せまい。
  それになにより、舞の場合は制服を着ているので見つかりづらいだろう。
  極力、外出は控えたのもよかったかもしれない。


  つくづく、子供二人でよくやったと思った。




 二人は話しているうちに、空港についた。

 二人とも、この先、本当にどうなるのかわからなかった。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.12 )
日時: 2009/12/01 20:20
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

  心臓の音がやけに大きく聞こえる。

 「 舞、携帯でクリックしたページを開いて見てみよう… ? 」

 「 …そうだね。」と美希は短く言った。

 空港の中に入り、すぐ携帯を開いた。

 ゆっくりと画面をスクロールしてみてみる。

 
 メールや着信履歴はない。


 美希の携帯画面も同じで、特に何もない。


 「 まさか…嘘じゃないよね。ここまで、来たんだから。」

  いや、そのまさかもありえるかも。
  やっぱりただのいたずら… ?

  そうだったとしたら……。

 「 いや、まだ待ってよう。分からない。」真剣な顔つきで地面を見つめた美希。

 
 「 でも、どうすればメールとか…」
 「 …舞、周りを見て気がつかない ? 」
 「 え…。」

  何が…
  普通に人が歩いている空港の中。
 
  人…
  歩いている、人…

 
 「 子供が多い ! ! 」
 「 そう ! やっぱり、私達だけじゃない…。」

 「 でも、子供だけで此処まで来れるわけないよ。」
 「 近くに大人がいるでしょ。きっと家族に決まってる。それに遠くで見ているとか。」

   なるほど。
   美希、すごい…

   確かに、ほとんどの子供(といっても十三歳位が多い)が携帯を見ている。

   不思議な光景だ。

 

 そのとき、自分の携帯かばんの中でブルブルと震えているのに気がついた。
 
 すると、ほとんどいっせいに周りで携帯から鳴り響く音楽が聞こえた。

 「 舞、別のところ移動しよう。」
  確かに、と思い無言でうなづき 飛行機の見えるガラス張りの部屋へ入った。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.13 )
日時: 2009/12/01 20:21
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

  私は、飛行機が轟音で飛び立ち、遠くの空へと消えていくのを眺めながら、携帯を握り締めていた。
 
 自分の手が、僅かに震えているのにも気がついていた。

 
 ここはどうやら、休憩所みたいな場所のようだ。
 舞、美希がこの部屋に入ったときには一人の少女と高校生ぐらいの青年が椅子に座っているだけだった。

 自動販売機のところで、美希はジュースを買っていた。

  私って、結構心配性かな… ?

  何で美希はあんなに普通でいられるのかな……

 そう、さっき一斉に送信されたメールの内容はこうだ。

=====================================================

 本日行われるゲームについてのルールです。〝必ず〟お守りください。
破ったとすれば、〝退場〟となります。

・ただいま、問題がこちらで発生したため、ゲーム開始は明日の十二日、午前六時からに変更します。
・現在、プレイヤー方(参加者様)が所持している銃は本物です。
使うかどうかはご自身の自由です。
使用した場合、自己責任です。
・個人でゲームに参加してもよいですが、多人数でのグループを組むのも良しです。
・ゲーム退場はできません。
・百七十人の中で三十人の方だけ〝残って〟もらいます。
残りの人数のほうは、こちらで計算します。
・逃げて残るのも良し、隠れるのも良し、騙すのも良し、殺すのも良しです。
とにかく、三十人残ればいいのです。

・皆さんがにげていてはしょうがないので、こちらもこちらでいろいろと考えさせてもらいます。
・ゲーム情報はみなさんの携帯にリアルタイムでメールで送信します。

・命の保障はできません。私達の計画しているゲームについて、警察に話してもかまいません。

それでは(^ ^)ノシ
=====================================================
 
  何度読み返しても、ふざけているとしか思えない。
 でも、本当だったのだ。

 子供が銃を持つ。

 危険というレベルではない。

  明日という日が、想像できなかった。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.14 )
日時: 2009/12/01 20:21
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

  「 舞…あんた、顔色やばいよ ?」
  「 …だって……。」

  「 どうする…警察 ?」

  「 ちょっと、こんなところで警察なんて言わないでよ…。」

 
  そういえばと思い、前を見ると舞の座っている前の椅子には同じ年ぐらいの少女が。そしてその左隣に青年。

  青年は外を眺めている。
  いや、そんなことはどうでもいい。
  少女がしきりに、携帯をパカパカと開いては閉じている。

  もしや…彼女も… ?

  恐ろしい。恐ろしすぎる。
  前に敵がいるなんて…。

 美希に耳打ちでそのことを話した。
 美希はなるほどと言った表情で聞いていて、突然その少女の前に立つ。

 「 あ、美希…」
 
 「 あなた ! ! あなたも参加者なの ?」

  単刀直入…お前…。
  みていられない…初対面の人に…。

 少女は、顔を上げてつけていたカチューシャのような形の真っ白いヘッドホンをとる。

 雪のように白い肌に、黒い大きく開かれた目に同じく墨のような黒のベリーショートヘア。
 そこにショッキングピンクカラーの濃いパーカーを羽織っている。

 「 私…ですか ?」
 「 ええ ! ! そうよあなた ! 」

  女王様か。
  ヘッドホンとってんだから聞こえるだろうに…。

 「 えっと、はい。」
 「 じゃあ同じ参加者ってわけね。よろしくね。私は美希。こっちは友人の舞。 」

 「 は ?」

  なにどさくさにまぎれて紹介を…。
  しかも本名…。
  やっぱりお前…。

 「 どうも…。舞さん、美希さん」 そういって微笑んだ。

  かわいい ! めちゃくちゃかわいい !
  いいよね、笑顔の似合う子は…。

  ていうか、何考えてんだろう私。

 「 こちらこそ。」といって軽く舞はお辞儀した。

 「 私は恵梨です。こちらは、祐樹…兄です。」

 「 え…お兄ちゃん…なの ?」美希は本気で驚いたようで聞いた。

 「 はい。話すと長くなりますが…いろいろあって。」

  妹と兄。
  二人がクリックしたというのか ?

やはり似るのか、そういうところも…。

 「 妹と兄か…。うむ。そういえばふぁいばーも兄いたよね ?」

 「 わっ馬鹿 !!!!! 何を言って…」

  こいつ…ふぁいばー言いやがった。


     沈黙。

 恵梨は笑顔を浮かべて言った。
  「 ふぁいばーさん! 知ってますよ。ネットの ! !」

  「 あぁ…いや…。」しどろもどろしてしまった。

  後で見てろよ、美希…。

  「 そうですか、実は私。ネットでの名前は〝エリ〟そのままです。
で、お兄ちゃんが〝ステハンですが@七誌さん〟です。」


  「 え…。」
  「 え…。」

    
 エリって、、、話したことある。
 
 ステハンは…もっとある。

   そのとき飛行機が轟音で飛び立っていった。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.15 )
日時: 2009/12/01 20:22
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 恵梨…勝手に言うなよ…。」

クスっと恵梨はかわいらしく笑った。

 
   なんなの…
   なんなのぉーっ ! ?

  コイツが…あの有名な。
   信じられない…ていうか、以外。

ツンツンした黒髪で、妹同様の肌の白さ。
が、何故か制服という格好で膝の上にはミニノートパソコンが乗っている。

 「 ステハンってあの掲示板で…。」美希が考え込むようにしていった。

 「 え…ステハン ?」
確認するようにして、舞はもう一度聞いてみた。

 「 あぁ…。お前がふぁいばー ?」
 「 うん。そう…そう ! 私がふぁいばー !」

  信じられない…オフ会みたいじゃん !

美希と舞は深く椅子に座った。

 「 ステハン…URLクリックしたの ?」

「 冗談じゃない。俺があんな怪しいサイト踏み込むわけないだろ。」
 「 えぇっ ! じゃあなんでここに…」

 「 妹の付き添い。」

 「 え ! ! ちょ、ちょっと ! アリ ? そういうの !」

 「 特に書いてなかったし…別にいいだろ。」

  軽っ
  やっぱり相変わらずな感じがする…

 「 すいません。ちょっと一人で来るのが怖くて…兄に頼んで来てもらったの。」

 「 そりゃあそうだよね。いいよね〜頼れる人が来てくれて。」
 
美希にも兄がいるが、美希曰く頼りない らしい。

 「 いえ、ちょっと無理やり連れて来たんです。私が。」と言って微笑みながら隣の兄を見た。

 「 ステハン…引きこもりじゃないの ?」

「 はいはい、そうですが ? 何か ?」

「 いいの ? 外に出て ?」

「 いや、別に病気でもないんだから…まぁ…いいんだけどさ。人の集まっているところは勘弁だが。」

  だから此処にいたのか。
  納得。把握。

そこで、美希と恵梨が同時に同じことを話した。


 『 この四人でグループ組んでみない ?』
「 それ……賛成 !」

  笑顔で言っては見たものの、ただ単に、私はグループでの方が助け合えると思ったからで。
  
 「 でしょ ? 恵梨ちゃんはどう思う ?」身を乗り出して恵梨にたずねる美希。

 「 賛成ですよ。そのほうが、心強いですし…。いいよね、お兄ちゃん ?」

 「 え ? ああ、いいと思うよ。」

 「 決定 ! よろしくね !」美希は立ち上がって言った。

そういって全員で握手を交わした。



気がつくと、すでに外は薄暗くなってきた。

 「 で、どうするよ ? これから。」
 「 その前に、ステハン、本名教えてよ。」
 「 は ?」
 「 実名で呼んだほうが…いいと思って。」

 「 …桐嶋祐樹。これが本名。」

 「 祐樹、恵梨、舞、私。全員下の名前で呼び合おうね ! ネットでの名前じゃ、ゲーム中だとすぐに分かっちゃうし。」

 『 なるほど。』美希以外の三人が、深くうなずいた。

 「 夕方か…四時過ぎたら、中学生ってうろうろしてたら怪しいよな。」

 「 でも、五日間ぐらい家はなれてたけど 大丈夫だったよね、舞。」

 「 うん。補導されているのも見なかったし。」

 「 〝今まで〟はな。これからは分からない。
   もし深夜に出歩く奴らが多くなったら、補導されやすくなるだろ。」

  確かに…。
  警戒して補導員の人数が増えたら困るし。
  

  補導員は大活躍だろうけど…

 「 暗くならないうちに、ここ出ようよ ! もういなくていいんだろうし。」美希は外を見ながら不安げに言った。

 
 十一月。暗くなるのはあっという間だった。


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