ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- アクセス【【削除依頼】】
- 日時: 2020/08/01 19:44
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: hsews.TL)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
登場人物>>2>>3>>4
はじめに>>1
01章 URL=スタートボタン>>5>>6>>7
02章 少女二人の決意>>8>>9
03章 朝、少女は動きだす>>10>>11
04章 着いた場所、そこは空港>>12>>13
05章 そこで私達は出会った>>14>>15>>16
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は>>17>>18>>19>>20>>21
07章 そして四人は誓いを建てた>>22>>23
08章 逃げ惑う,迫るは危機>>25>>26>>27>>28>>29
09章 ドミノ倒し>>30>>31>>32
10章 強制退場>>33>>34>>35>>36>>37>>38
11章 彼女の長い夢>>39>>40>>41>>42>>43
12章 冷笑の奥は>>44>>45>>46
13章 違反者と参加者の>>47>>48>>49>>50>>51>>52>>53>>54>>55>>56>>57
14章 霧崎+ナイフ>>58>>59>>60>>61>>62>>65
15章 絶たれた糸>>66
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.21 )
- 日時: 2009/12/01 20:25
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
最終電車を降り、私達四人は近くに公園があったのでとりあえずそこで休憩することにした。
しかし、季節は十一月。
休憩どころではない寒さ。
「 ちょっと…どっかの建物は入ろうよ…寒すぎ…。」
美希は舞の持って来たパーカーを着ているが、それでも寒いようだった。
「 明日の六時からゲーム開始…。おかしいな…。」
「 何が ?」
「 空港を出たとき、銃発砲事件があったんだけどよ…まだ始まってないのに撃つって…。」
あぁ…恵梨が見せてくれたなぁ…。
十四歳が銃発砲。。。
「 間違えて撃ったんじゃないの… ?」
「 それがなぁ…今新着ニュースで来たんだが、二人退場した。」
『 え ? 』
「 運良く俺達は空港を出て数分後だったみたいで…一人は十五
もう一人は同い年の男子を撃った…。」
「 お兄ちゃん…二人は… ?」
恐る恐る恵梨は聞いてみると、祐樹は首を振った。
「 退場だ。撃った奴も警察に捕まって三人が退場。つまり、残り百六十七人。」
夜ということで静かだったが、今、余計に静かになった気がした。
「 これから、どうなるのかな…私達。」
今の思っていることはこれだ。
本当にどうなっちゃうのかな…。
生きられる保障なんかどこにもないんだ。
「 とりあえず、どっか建物入らないか ? ここで寝たら凍死確実。」
そうだね、といってみんなで24時間営業の店を探した。
かといって、中に入って全員寝るのではない。
二人おきて、もう二人はおきている。
そうして、一時間ごとに店もかえて交代で寝るというのだ。
さすがに全員寝てしまったらとんでもないことが起こるだろう。
最初、ほぼ誰でもご存知のネットカフェという案が出たが未成年は入れないのでボツとなった。
そして最終的に、飲食店になった。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.22 )
- 日時: 2009/12/01 20:25
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 疲れたー眠いーもうやだー…。」
「 美希…まだ始まってないっていうのに…。」
飲食店を渡り歩き、三件目にはいった。
もともと都会付近なので、店は簡単に見つかった。
「 あと二時間で六時だ。」
「 …嫌だな…なんか。」
美希と恵梨はテーブルに伏せるようにして既に眠っていた。
「 じゃあ、何で来たんだよ。」
祐樹は注文したジュースを飲みながらいった。
「 それは…。」
みんなと一緒にいたかったから ?
本当にそうなのかな… ?
「 私は…みんなを残して一人逃げるような真似をしたくなかっただけだよ。」
「 ……現実とネットでの性格違うな。お前。」
痛いところをつかれた。
「 ネットで優しい人は、現実でも優しいよ。多分。」
だと思うんだ。
みんな、大人はネットで他人を信じてはいけないって言う。
でも、そうしたらみんな半信半疑でいることとなる。
誰かを疑い、自分だけを信じて。
言っていることは正しいかもしれない。
でも
何か引っかかるんだ。
「 何深刻な顔してんだよ」
突然祐樹に言われ、びっくりした。
「 祐樹は、ネットと現実でも…変わらないね。何にも」
安心した。
これ以上、何も変わって欲しくなかったから。
「 …そうか…。でも、いつかは変わるけどな」
「 そうだね、…そうだよね。変わらないことなんてない。みんな…変わってしまう。いつか」
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.23 )
- 日時: 2009/12/01 20:27
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
交代制で一夜を過ごした。
かといって、睡眠時間はかなり少ない。
美希に起こされた舞は顔をあげて、携帯で時計を確認する。
十一月十二日 五時三十分
「 もう…こんな時間… ?」
瞼が重い…あと五分だけでもいいから寝たい。
恵梨はすでに朝食を注文して食べていた。
あぁ、食欲なんてないよ…今の私には。
六時になったら殺しあうのか、それとも、逃げ惑うのか。
みんな、どうするんだろう ?
自分がもし一人でこのゲームをやっていたらなんて、舞には考えられなかった。
きっと母親にすがり付いていたのかも知れない。
「 舞、あんた、顔洗ってきなよ。」
「 え ? ああ、そうだね…。」
なんという平凡さ…。
どこかの家族のみたいな会話じゃん。
どこか、懐かしく感じた。
舞は立ち上がり、化粧室で顔を洗ってくる。
あまり気が進まなかったが、やってみるとすっきりした。
やはりこの時間だろうか、客が舞たち以外に二、三人いるだけで静まり返っていた。
鏡を見て、自分の顔をみた。
人を殺すようなことは、絶対にしない。
何が…あったとしても。
化粧室を出て、席に座るとボサボサになった髪の毛の祐樹が起きていた。
「 なんか注文して食べたら、この店でましょう。」
「 そーだね。ここに長居していても仕方がないし。」
美希は舞から渡されたメニューを見た。
あんまり無駄に使いたくない…。
どうしよっかなー。
メニューを見ていくと、あるものが目にとまった。
これ、いいかもしれない… !
「 ねぇ、これどうかな ?」
舞の指差したものは 八枚切りピザ。
金額もそこそこで、一人二枚ずつ食べれる。
「 あぁ、これいいな。」
「 これにしよう ! 」
ピザに決まり、注文した。
思ったよりも、早くあつあつのピザが運ばれてきた。
全員でそれをきれいに食べ、残り五分となった。
「 金、払ってくる。」
祐樹はそういって、全員からピザ代等のお金をもらい、レジへ向かった。
「 じゃあ、私達は外で待ってよう。」
恵梨と美希はうなずいて、荷物をまとめて外に出た。
そして 少し経ってから祐樹も店から出てきた。
その時 舞の携帯のアラームが鳴り響いた。
———— 十一月 十二日 朝 午前六時 ゲーム開始。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.24 )
- 日時: 2009/12/01 20:28
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 あ… ! メール来た !」
「 えっ ! あ、本当だ…。」
美希が最初に携帯を見て、その後、恵梨、舞と続いて見た。
あぁ…そっか…祐樹は元々ゲームに参加していないんだった…。
BBRからのメールはこうだった。
================================================
おはようございます(´Д⊂ )
六時になりました。ゲーム開始です。
みなさんのご健闘をお祈りしております…。
さて、ルールの方は覚えていますでしょうか ?
必ず、守ってください。
違反者がいた場合、ただちにこちらの人が向かいますので。
隠れていても、私達はあなたたちが何をしているかはわかっています。
ゲーム進行状況は、こちらのサイトでご確認できます。
では(`・ω・´)ノシ
================================================
ふざけているのがむかつく…。
こいつ…。
知らないうちに、舞は左手を強く握っていた。
恵梨は深くため息を付き、自分の携帯を兄に手渡す。
やるしかない…
今更、ゲームを抜けることはできない…
わざと違反者になったところで何が待っているかは分からない。
退場になる…すなわち、それは〝死ぬ〟ということ…
「 私達で…誓いませんか ?」
恵梨が突然、ブランコに揺られながら呟いた。
「 何を… ? 死なないとか ?」
美希が当然のことを言った。
「 そんなの…死なないなんて当たり前です。私達は、絶対に誰も殺さない。」
恵梨は、雲の上から差してきた光に目を細めた。
十一月だが、あたたかく弱い光がわずかに差している。
「 私も、誓うよ。誰も殺さない。」
そう……誰も、自分の引いた弾で傷つけない。殺さない。
そう誓う。
「 私も…銃なんて不要に決まってるし。」
美希も鞄から銃を取り出して眺め、再び鞄の奥底にしまった。
「 お兄ちゃん…行き先は… ?」
「 …どこにでも行けばいいさ。」投げやり気味に言ってベンチから立ち上がった。
私達は、これからどこへ行くのだろうか ?
そんなこと、誰も知らない。
知りたくない。
明日が来るかも分からない日を過ごすのか。
たとえ、どんな状況になろうとも 銃だけは使わない。
自分の手を汚してはならない。
私達は、そう誓ったのだった。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.25 )
- 日時: 2009/12/01 20:28
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
残りの所持金を私は全てきれいに使い果たし、恵梨と祐樹の家へ向かった。
二人の家は母親はいなく、父親は滅多に帰ってこないという。
舞や美希の家は、平日でも母親が家にいるため危険すぎる。
無事、四人は電車を使って二人の家へ着いた。
最初は、東京駅へ行ったの。そこでは子供が十人位になって駅のホームの端に集まっていた。
そのときは、流石に舞も緊張したが誰一人こちらに目を向けなかった。
きっとあの子達も…舞はそう考えてしまっていた。
それだけではない。
舞は中学生ぐらいの子供を見ると過剰に反応してしまうようになっていた。
避けたいと強く思っていたのだ。
これは、美希も同じだったようだ。
ただし、無事に桐嶋家に着いたのだ。
急に安心、疲れが襲ってきた。
「 当分の間は此処にいてもいいだろうな。」
祐樹はそういって、大きな紙袋をドンと床におろした。
「 あ、ちょっと ! 食べ物入ってるんだから大切に——。」
「 はいはい…。恵梨、サイト見た ?」
祐樹は美希の言葉を軽く流し、恵梨を見た。
「 ううん…。まだ見てないよ。」
ブンブンと首を振り、携帯を手渡す。
「 あ、いいよ。こっち使うから…。」
そう言って祐樹は自分がもともと持っていた鞄の中からミニノートパソコンを取り出す。
「 それ、祐樹の ?」
「 うん…そうそう。」
そっか…自分でパソコン持ってるんだ…
私は持ってないから、ちょっと羨ましいな…
「 じゃあ、私。お風呂沸かしてくるよ。」
そう言って恵梨は何処かへ行った。
「 いいよねー。妹がいろいろやってくれると。」
美希がソファに横になって呟いた。
「 あいつはそういう家事とか好きだから。俺もまかせっきりだったし…。」
「 ねぇ、お父さん帰ってきたらどうするの ?」
気になって祐樹に舞は聞いてみた。
「 別に。何にも言わないだろうよ。」
奥から、シャワーの流れる音が聞こえた。
そのとき、ふと、祐樹がキーボードを打つ手を止めた。
「 どうしたの ?」
「 いや、なんでもない。ただ、気になるニュースがあって…。」
語尾をのばして、そのまま祐樹は美希に何か耳打ちした。
何いってんのかな…まぁいいけど。
ああ、家っていいなぁ。
よその家の雰囲気は好き。
普段、恵梨が掃除とかしてるのかな… ?
家の中を見回して見たが、きれいに片付いていた。
美希の隣に深く座って、目を閉じた。
キーボードの打つ音と足音だけが聞こえ、他の音はしなかった。
なんか、いいなぁこういうの………
舞はそのまま、知らないうちに眠っていた。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15