ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- アクセス【【削除依頼】】
- 日時: 2020/08/01 19:44
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: hsews.TL)
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登場人物>>2>>3>>4
はじめに>>1
01章 URL=スタートボタン>>5>>6>>7
02章 少女二人の決意>>8>>9
03章 朝、少女は動きだす>>10>>11
04章 着いた場所、そこは空港>>12>>13
05章 そこで私達は出会った>>14>>15>>16
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は>>17>>18>>19>>20>>21
07章 そして四人は誓いを建てた>>22>>23
08章 逃げ惑う,迫るは危機>>25>>26>>27>>28>>29
09章 ドミノ倒し>>30>>31>>32
10章 強制退場>>33>>34>>35>>36>>37>>38
11章 彼女の長い夢>>39>>40>>41>>42>>43
12章 冷笑の奥は>>44>>45>>46
13章 違反者と参加者の>>47>>48>>49>>50>>51>>52>>53>>54>>55>>56>>57
14章 霧崎+ナイフ>>58>>59>>60>>61>>62>>65
15章 絶たれた糸>>66
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- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.46 )
- 日時: 2009/12/01 20:40
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 ダルシーちゃん、一緒に行かない ?」
突然の背後からの声に思わず飛び上がりそうになる。
「 …姪華 ?」
「 アッタリ〜。あ、声でわかった ?」
「 ……何の用 ?」
「 そんな怖い顔しないでよー。…違反者、捕まえに行っていいって」
「 大丈夫 ? なんか…顔色悪いよダルシーちゃん…」
脳裏に舞の顔が浮かぶ…
彼女は殺されないはず……いや、もしかしたら…
「 …あ、八時。参加者にメールで伝えないとぉ……めんどくさー」
姪華は携帯を取り出してダルシーに再び聞いた。
「 で、一緒に〝参加者狩り〟行くの ?」
「 え……」
参加者狩りって———
でも、これがきっかけで舞とコンタクトが取れたら……
今の〝本当の状況〟を彼女だけでも伝えられる。
そうなると、手段はただ一つ———
「 …行く。」
ぼそっと答えると、姪華は笑顔で鼻歌を歌いだし倉庫へ戻っていった。
今のうちに笑え……
パソコンを小脇に抱えて立ち上がり、倉庫の方を横目で睨み付けた。
こっちだって、私だけ企んでいる事を…あいつ等は知らない。
「 舞……」
遠くのほうから、姪華がばたばたと走りながらやって来た。
もう一人を強引に引っ張りながら。
「 仲間なの…知ってるよね ? ハナビ、この人はダルシーちゃん。よろしく」
「 どうぞ…よろしくおねがいします」
「 ……よろしく」
何がよろしくおねがいしますだよ……
「 えっと…私達は取り敢えず、近くにいる違反者の捕獲。だけね」
「 どういった捕獲方法ですか ?」
沈黙。
姪華も目が点になっているが、すぐに言った。
「 え…えっと…まぁ、捕まえるだけ…ね」
「 殺しちゃ駄目なんですか ?」
少々、度肝を抜かれた様な顔をした姪華がゆっくり付け足した。
「 まぁ…その、違反者が…〝酷く〟抵抗する様なら…その場で…」
「 あぁ、そうですか。」
それっきり、ハナビは黙ったままだった。
この子となるべく離れていたいんだけど…
十二歳で…
おかしい……こんな考え方に思考……
困惑しながらも、携帯を持って違反者の現在位置を確かめながら三人は歩き出した。
ダルシーはひとつ気がかりなことがあった。
「 姪華…、私達三人で違反者全員捕まえられるの ?」
どうやら、参加者宛のメールを作成しているようだった。
「 うん。仲間は、私達だけじゃないからね。日本全国、あらゆるところに。」
「 えっ——」
「 …あり ? 聞かされてなかったの ? 参加者一人につき、監視役一人ついてるよ」
これは…予想外だった。
だから現在位置がわかるのか……
『 違反者になった者についていた監視役は真っ先に自分が監視していた人を捕まえるだろうねぇ。普通は。』
「 そう…だったんだ…」
『 うん、そうそう。容赦なく捕獲♪公衆の面でも関係無し!』
二人の後を着いていっていたハナビが急に立ち止まった。
『 小野田 舞。殺害未遂でまだ違反者になってます、それに近くにいます。』
「 ほほぉーっ〝殺し損ねた〟ねぇ…行く ?」
そうか、そうだった…こいつらは知らないのか…
私がこの仲間に入ったもうひとつの理由を———
「 まだ…他にいない?」
ダルシーは焦りをなるべく見せないようにして、ハナビに問う。
「 小野田舞が一番近いですよ ?」
「 よっしゃ ! まず一人目、行って見よう !」
メールを送信し、ハイテンションな姪華を後に、ダルシーは続いた。
動揺を隠すのが、精一杯だった。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.47 )
- 日時: 2009/12/01 20:41
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
ホテルを顔色一つ変えずに、舞は出て行った。
こんなに甘いホテル……みんな無料で泊まれちゃうじゃん…
祐樹と合流するまで暇になった舞は、人ごみにまぎれるため近くの大型電気店に入った。
とたんにブルブルッと携帯が震えだしたため、大声を挙げそうになった。
……違反者の捕獲かな… ?
でも私とは無縁のイベント……
イベントじゃない…何考えてんだろ…私……
新着メールを読んでみたが、確かに姪華のものだった。
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何度もごめんよww
さて、八時を過ぎました!参加者狩りのスタート♪
でも、怖がらないでね !
こちらは酷く抵抗しなければ、手を出さずに
捕まえるだけですから……(´ω`*)
捕まえるっていっても、違反者だからそれなりの
覚悟ぐらいしていてね。
最初から逃げるなんて無謀なこと考える君が悪いのよ
ちなみに、私達には何百人と仲間がいるからね^ ^
逃げられるものなら逃げてみなさいな〜
================================================
そのまま無言で舞はサイトを開いた。
そして、新たに追加された〝違反者リスト〟を開く。
何となく、胸騒ぎがしたのだ。
最後までページをスクロールしてみるが、自分の名前が載っていない事に安心した。
しかし、新たに〝殺人未遂〟という項目があった。
未遂なんてする人…いるのかな…… ?
スクロールすると、何人か名前が載っていた。
あれ……この名前見たことある…
違う…
「 私の……名前じゃん…。…うそ…嘘、嘘 !」
もう一度見るが、確かに 小野田舞 と書いてあった。
それも、殺人未遂の項目に。
殺し損ねた…ってこと ?
確かに、あのとき私は路地裏で撃った……
弾が——そうだ…反動で位置がずれたのかもしれない……
「 最悪だよ…もう…」
念のため、藁にすがる思いで下の文を読んでみた。
しかし、舞の希望は完全に失われた。
殺人未遂も、違反者扱いだったのだ。
どうしよう…——。
死ぬ ? ここまで…—。
…祐樹……——。
すぐさま、祐樹に電話をかけた。
ワンコール...
ツーコール...
そのとき、腕を強く捕まれ後ろをさっと振り向く。
『 誰…… ?』
『 小野田舞…間違いない ! …捕まえに来てあげたよ。残念だったねーっ』
携帯電話から音が聞こえる
祐樹が電話に出たのだろうか ?
知らない。そんなもの。
『 …何処に連れて行くの ?』
『 楽しくて、良い所…じゃないの ?』
『 ふざけないで……どうするの ?』
舞は震えた唇ではっきりと姪華に言った。
『 …別の場所まで連れてって、殺すんだよ。ただそれだけの事』
「 舞 」
ハッとして顔を上げると、ダルシーが何故かここにいた。
「 何でいるの ? 」
「 話は後だよ。舞 」
気がつくと、私はダルシーにつられて店を飛び出していた。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.48 )
- 日時: 2009/12/01 20:41
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 ちょっ……ちょっと ! ! 待ってよダルシー !」
そのまま強引に舞を引っ張りながら、人ごみの中を駆けていくダルシー。
うしろで、何やら騒がしい声が聞こえたがほとんど聞き取れなかった。
「 舞、携帯電話、貸して !」
「 え ? あぁ、はい、これっ 」
手を伸ばして、ダルシーに渡すとそれを受け取った途端にダルシーはどこかに電話をかけた。
同時に、銃の連射した音がはっきりと聞こえ、足を止めた。
だが、足を止めたのは、舞とダルシーだけではなく周りにいた大勢の普通の人たちも同時に後ろを振り向いた。
まずい———。
こんな所じゃ私も相手できない…
ましてや、警察が来たらこんなの人生の終わりと同じようなものだ。
発砲したのは誰だかわかった。
きっと、私を捕まえに来たあいつ等が———
何とかしないと………
でも、私一人で何ができるって言うのか——
「 小野田舞 ! 何処 ?! 出てこないと、無差別に人殺すよ ?」
無差別に……そんなことしたら……!
舞は一歩後ろに行こうとしたが、ダルシーがそれを許さずに腕を掴んでいた。
「 ダルシー…私、行かないと、みんなが… 」
「 今まで逃げてきて、今更何を言っているの ?」
「 …とっととしないと、殺すからね ! 」
またしても銃声が聞こえた。
時が止まったかのように電話のコール音以外何も聞こえない。
ダルシーは突然、電話に出ると思った瞬間に電話を切った。
コールの音は聞こえなくなってしまった。
「 何とかいったらどう ! ? 」
後ろを振り向くと、徐々に人が道の端へと後ずさっているのが見えた。
誰だろうか、一人の同い年くらいの女子と小学生ぐらいの女子がこちらに歩み寄ってくる。
気がつくとニヤニヤと憎たらしい笑みを浮かべ、目の前に立っていた。
「 …ダルシーちゃん、後で話、聞かせてもらうからね…… 」
「 〝裏切り者〟と呼んだ方が良いのではないですか ?」
「 私は最初からあんた等を仲間とかとして考えてない 」
ダルシー……
何が起きてるっていうの… ?
この時だけは、舞は本気で警察に来て欲しかった。
もう、自分の残りの人生どうでもいい。
だから…関係の無い人だけは———
「 いっ……痛っ…あぁぁ…あああ…! 」
何——— ?
「 え…何が…… ?」
「 いいから、今の内に行くよ ! !」
捕獲者の左腕から、ダラダラと血が流れ出した。
そのまま地面のコンクリートに滴り落ちる。
そんな捕獲者をおいて、ダルシーと舞は全速力でその場を去った。
私は撃っていなければ……誰が…
ダルシーが撃ったのかな…あれ…
ダルシーは参加者なの…… ?
でも、今確かにあの人の腕は———
一体誰があの人の腕を撃ったの… ?
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.49 )
- 日時: 2009/12/01 20:42
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 どういうこと ! ダルシー !待って !」
訳が分からない……
ダルシーは何で此処にいるの ?
撃った人は誰… ?
誰にダルシーは電話をかけたの ?
——分からないことだらけじゃん…
二人は走り去りながら、賑わったデパートの中に入った。
「 …はぁ…とりあえず……何から聞きたい ?」
エレベーターに乗り込み、すぐさま最上階の休憩所の様な所に着いた。
「 全部。全部話して。…私も話すから 」
分かった、と頷くとダルシーは細長いソファに身を投げ出した。
少しして、ダルシーがきりだした。
「 私はBBRの仲間になったの。すべての参加者と舞の為に 」
仲間…
こんな言葉、聞きたくない、今聞きたいのは——
「 —最初、結構前に舞の親友に誘われた。断ったら、その時のゲームの勝者も敗者も関係なしで殺すって言われてね」
「 私は断らずに仲間になった。そうするしか、ないでしょう ?」
「 …今日、違反者狩りが開始されたよ。そしたら、このゲームの犠牲者はもっと増える」
分かってる、そんなこと
嫌でも分かってる……
「 私は、BBR達を仲間とは思ってない。本当の仲間は、他にいる 」
「 え…、えっ……ダルシー、何を——」
「 参加者の中にも何人かいるよ、私の仲間が。」
仲間———。
「 私は仲間に入って、ゲームの情報を本当の仲間に伝えていたの。
勿論、舞、祐樹も仲間の一人。何かと連絡取ったりして、
なるべく参加者の少ない所を教えたりとか、後、彼に武器を渡したのも私。
他にも、何十人かいる。
その中に舞、あなたも入って欲しい 」
突然何を言い出すのかと思えば、仲間についての話だった。
「 …仲間で、何をするの ?」
「 BBRとその仲間を捕まえて、このゲームを終わらせる。
…今日、違反者狩りで舞に会えたから良かった…。
中々このことを言うタイミングが無くて困ってた。
手の負えなくなる前の今のうちに、このゲームを終わらせないと… 」
反逆……?
このゲームを、終わらせる。強制終了。
今、犠牲者の人たちが、参加者が望んでいること…それはこのゲームの終わり。
「 …私、入っていいの ?」
微笑を浮かべ、ダルシーはゆっくりと頷いた。
そして、背後に誰もいないことを確認して言った。
「 じゃあ、準備はできてる。舞、簡単に説明するからよく聞いて——」
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.50 )
- 日時: 2009/12/01 20:42
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
ダルシーが言った事を今、まとめるとこうだ。
・明日の深夜、仲間全員が集合したら、BBR達のいる場所へ攻め込む。
・当然、相手に容赦はいらず、最低限武器の使用はしないということ。
・捕まった違反者がいたら、開放する。
・ゲーム主導者をさがし、仲間とともに捕獲。反省の色が見えなければ、殺害も良し。
・三チームに別れる。攻め込むチーム、違反者を解放するチーム、主導者を捕まえるチーム。
・警察が来たら、どんな状況でも逃げること。
ダルシーに事細かく説明された舞は、少々戸惑った。
美希がいるかもしれない…でも…迷ってなんか
「 迷ってるぐらいならやめて置いた方がいい。
この先の人生、銃を使ったらもう普通の生活は出来ないと思って。
…舞、参加しなくてもいいよ、別に——」
「 行く、行かせて…だって、私も主導者の人に聞きたいことがあるし… 」
そもそも、このゲームの目的はなんだったのか ?
「 …じゃあ、本当にいいの ?」
「 うん、いい 」
ダルシーもこれ以上は聞かなくなった。
「 とりあえず、仲間を集合させるから。
…多分、時間かなりかかるから…明日になるけど…
じゃあ、舞、仲間に会いたい ?」
「 うん。 会ってみたいかも… !」
「 じゃあ…とりあえず、仲間の所まで行くのが問題…。ちょっと待ってて」
そう言うと、ダルシーは自分のバッグの中から携帯電話を取り出し、耳に当てた。
うまくいくかな…
いや、
うまくいかせないといけないんだ…私達が。
「 …もしもし ? さっきは助かった。……うん、デパート付近を…お願い。…はい 」
ダルシーは携帯をしまいこみ、バッグから銃を取り出した。
一般人の目の前で。
「 デパート入り口に行ったら二人、仲間と合流する。そしたら私に着いて来て、いい ?」
こくこくと頷くと、急にダルシーは疑わしい顔をした。
「 まさか…銃捨ててないよね… ?」
「 なっ !なんで捨てるの…ほらあるよ… 」
「 舞なら捨ててもおかしくないし…じゃあ何時でも撃てる様にしといて」
鞄の奥底から銃を取り出す。
二人はなるべくライフルを見られないようにしながら、エレベーターを待つ。
冷たい感触。
ざらざらとした感じに、ズンと重い。
人を殺すものがこの重さ———
「 舞、舞 ! はやく乗って」
気がつくとエレベーターの扉が開いていた。
どきどきする。
何を緊張しているのか…
私は誰かを殺すのかな
また
ううん。違う——
今度は、自分の為じゃない
何かのために銃を持っている。
でも、誰だろう。
人なのか ?
ものなのか ?
そもそも、
守るようなもの、持ってたっけ———
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