ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- アクセス【【削除依頼】】
- 日時: 2020/08/01 19:44
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: hsews.TL)
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登場人物>>2>>3>>4
はじめに>>1
01章 URL=スタートボタン>>5>>6>>7
02章 少女二人の決意>>8>>9
03章 朝、少女は動きだす>>10>>11
04章 着いた場所、そこは空港>>12>>13
05章 そこで私達は出会った>>14>>15>>16
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は>>17>>18>>19>>20>>21
07章 そして四人は誓いを建てた>>22>>23
08章 逃げ惑う,迫るは危機>>25>>26>>27>>28>>29
09章 ドミノ倒し>>30>>31>>32
10章 強制退場>>33>>34>>35>>36>>37>>38
11章 彼女の長い夢>>39>>40>>41>>42>>43
12章 冷笑の奥は>>44>>45>>46
13章 違反者と参加者の>>47>>48>>49>>50>>51>>52>>53>>54>>55>>56>>57
14章 霧崎+ナイフ>>58>>59>>60>>61>>62>>65
15章 絶たれた糸>>66
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- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.16 )
- 日時: 2009/12/01 20:22
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
舞たち4人は、なるべくグループのように見られぬよう 程よい間隔をあけて歩いた。
ていうか、美希、どこ行くんだろ… ?
美希を先頭にして、バラけた状態で空港を出た。
街頭の灯りはつき、駅が遠くに見えた。
「 美希、どこ行くの ? 」
「 …ただ歩いてただけなんだけど…。」
そうだよね。
そうだよねぇ。
そのとき、後ろから駆けてくる足音がしたので二人とも振り返ってみた。
焦った様子でどこか不安げな顔をした恵梨が携帯画面を舞と美希に見せた。
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最新ニュース
【○空港ターミナルで十四歳 銃発砲】
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「 …うそ。さっきいた空港でしょ。此処。」
「 やばい。空港出て着てよかったね…。
あそこにいたらどっちにしろいろいろ聞かれるだろうし。」 美希がため息をついた。
「 とりあえず、目的地がなくても今は此処を離れたほうが良さそうですよ。」
そのとおりだ。
なるべく立ち去ったほうがいいだろう。
「 なるべく遠くに行ったほうが今は安全だろうな。」
「 うん。電車使っても大丈夫だよね ?」
「 大丈夫だと思いますよ。」
そうして、私達は駅へと急いだ。
道は暗く、電灯があってとても助かった。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.17 )
- 日時: 2009/12/01 20:23
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
外は薄暗く、十一月ということで暗くなるのはあっという間で寒くなってきた。
五分ぐらい歩いて駅に着いた。
ホームに入ると、働いていた人が帰ってくる時間帯でもあるので混んでいた。
「 どうする ? はっきり言って…そんなに遠くにいけないかも…。」
やや不安げに財布の中を見ながら美希がつぶやいた。
私も…と言って舞も残りの所持金を確認する。
残金、二千五十二円か…
キツいかな、この額は…
「 とりあえず、美希か舞の家におじゃまして必要なものとかとって来るとか ?」
「 まって祐樹、なんで私とか舞の家なの ?」
「 こっからじゃあ、俺の家は遠いよ。無駄に金かかる。」
祐樹がホームの柱によりかかって言った。
「 んじゃあ、とりあえず、舞の家のほうがいいなぁ。私の家だと兄が…。 」
美希は渋そうな顔をして舞を見た。
結局はウチか。
だとしたら、深夜に入らないとなぁ。。。
「 いいけど、深夜とかじゃないと入れないよ。私親に見つかっちゃう。」
「 鍵持ってんの ?」
「 うん。スペアで。。。じゃあ、切符買って行こう。」
五人でぞろぞろと切符を購入し、電車に乗り込んだ。
このまま電車で行ったら…調度深夜に着くかな ?
スムーズに行けるといいんだけど…。
開始まで、あと 十三時間。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.18 )
- 日時: 2009/12/01 20:24
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
ガタン ガタンと揺られながら流れていく景色を窓から見ていた。
自分の家へ帰れるんだ。
でも、お母さんとお父さんには会えない。
いや、会うことはできない。
大切な家族を巻き込むわけにはいかない…
「 次の駅で降りる」祐樹にそういわれ、携帯画面を見た。
新着メールと着信履歴は… ?
あった。
お母さんからじゃん…このまま放って置くか…
ためらいながらも舞はぎゅうぎゅうの鞄の中へと押し込んだ。
そして、電車が目的地へ着き大きく揺れた後にドアが開いた。
「 こっから、うちまで歩いて少しだから皆はどっか別の場所にいて。」
さすがに、家の中に連れて行けないしなぁ。
「 舞、親に見つかったらどうすんだよ ?」
「 なっ…今更言わないでよ ! 不安になるじゃん…。」
そのときは…そのときで…。
「 では、私達はこの駅周辺で待ってますから。お気をつけて。」
恵梨は勇気付けるように言った。
「 じゃあ、十分もあればいいから行って来るよ。」
「 舞、気をつけてよー。」
うん、とうなづき私は走り出した。
どんどん駅からきこえる音が離れていった。
私は、母、父に会うのが 怖かった。
怒られるとかじゃないんだ。
心配されて、優しくされたら
みんなのところへ 帰りたくなくなるから。
普段から感じていたんだ。
ほかの子より、自分は愛されていると——
でも
それが怖かった。
いつか、捨てられるのではないかと。
いつか、呆れられて見放されてしまうかもしれない。
急に、いつもあったものが 無くなってしまったら。
私は、それが怖かった。
思いにふけっているところで、足を止めた。着いたのだ。
「 …よし……。」
一呼吸して、ゆっくりと家の鍵を鍵穴に入れてまわす。
ガチャン と音がして 私は ドアノブをまわした。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.19 )
- 日時: 2009/12/01 20:24
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
ギ…ギギギ…ギギ
ゆっくりドアを開いたのだが、音は家に響き渡った。
こんなところで見られたら…
いや、考えちゃ駄目だ。
今は必要なものを…。
ドアは開けたままで、靴を履いたままフローリングを歩いていく。
父、母は二階で寝ているので、ちょっとやそっとの音ではおきないはずだ。
鞄をおろし、適当に大きな紙袋をもって 食べ物をどんどん詰め込んでいった。
食べ物はこれだけあればいいや…後は…
電池、懐中電灯、ばんそこうや包帯、大きなタオル…
必要だと思うものすべてを詰め込んだ。
紙袋は合計二個。
ぎりぎり持てるだろう。
ここで携帯で時計を確認した。
ぴったり五分。
まだ…いける
そう重い、玄関に紙袋と鞄をおいて、階段をゆっくり上がる。
ギシ……ギシ……ギシ…
すべての段を上り終わったところで、自分の部屋へ向かった。
服…ほかにもいろいろとっておこう。
舞はあらたにリュックの中に、衣服を詰め込んだ。
そのとき、あるものが目に飛び込んできた。
父、母、そして満面の笑顔の過去の自分が写った写
真。
月の光に照らされて、青白く輝いて見えた。
こんなことになるとは思わなかった。
そのままリュックを背負い込み、部屋を出た。
よし、これでいいか…
「 舞 ? 舞なの…… ?」
「 え… 」
階段を下りようとしたとき、ゆっくりと母が部屋から出てきた。
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.20 )
- 日時: 2009/12/01 20:24
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 舞… ! どこに行ってたの ? ! 」
転げ落ちるようにして、私は階段を下り玄関に置いてある荷物を手に取った。
うっ…重すぎる……
立ち止まるわけにはいかないと思い、そのまま玄関を飛び出した。
「 待ちなさい ! ! 舞、舞 ! ! 戻ってきて ! 」
ごめんなさい…
ごめんなさい…
「 舞、お願いもどるのよ ! …舞 ! 」
舞の母は全力で走る自分の娘を追いかけた。
しかし、どんどん差がつくだけだった。
「 おねがい…おねがい ! 」
段々 母の声は聞こえなくなっていき、駅が見えたところで 舞はすぐさま美希がいるところへと駆けた。
お母さん…ごめん
でも、本当に今は、家になんていられないよ。
ごめんなさい。
罪悪感が突き刺さるように感じた。
それとともに、足がガクガクと震えていたのに気がついた。
「 舞…とりあえずこの辺で——」
「 駄目……おかあさんが、…来るかも知れない…から…。」
とぎれとぎれに言うと、三人共今の舞の状況を理解したようで、再び駅へ入った。
親不孝とは…このことだろうか… ?
舞の荷物を祐樹がひとつ持ち、美希はリュックを、恵梨は紙袋を持った。
財布を取り出して、適当な金額を選び 全員改札口を通る。
———そのときだった。
「 待って ! 待ちなさい、舞 !」
「…お母さん……。」
舞の母親は、パジャマ姿で改札口へと向かってくる。
「 どうする ?」
「 え… ?」
祐樹が改札口を通って 振り向いた。
「 まだゲームは始まってない。警察にいえば、ネットでもBBRは現実で見つかる。」
「 …そんなこと…」
「 できる。…参加する、それともゲームをぬけるかは…お前の自由だ。」
「 私の… ?」
そんな…今決めろって…。
「 舞、一緒に帰りましょう ? ほら。」
そういって母は ぐいぐいと舞の腕を引っ張った。
みんなは電車にのらず、そのまま待ってくれている。
私は…
「 舞、帰りましょう。」
私は…
勢いよく、母の腕を払いのけた。
無意識のうちだった。
「 舞…。どうして… ?」
「 お母さん、…少ししたら帰ってくるよ。…友達とこれから…遊んでくるから…。」
「 舞……。」
そのまま私は、祐樹から切符を手に取って改札口を通った。
振り返らず、そのまま黙って祐樹の後ろを歩いていき、階段を降りる。
その直後、後ろのほうから母の泣き叫ぶ声が聞こえた。
今すぐ、帰りたい。
でも…ここで抜けたら…本当に皆に悪いから…
それに…
みんなにもう、会えなくなるきがしてならなかったから。
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