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僕の嫌いなモノ。【完結】
日時: 2010/01/02 15:36
名前: 藍羽 (ID: RCPVhHnh)

またまた消えました。何故?ショック・・・!
とにかく頑張りますー!

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12222

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12715
↑のを読んでからどうぞ。
①、②の順で。


♪お客さま

ジョーカー様   朝崎疾風様  架凛様  要竜(のび太)様
白魔女様    叉紗様

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Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.12 )
日時: 2009/12/19 20:25
名前: 藍羽 (ID: NhY/JZtF)

そうだよね、一緒に暮らしていたら分かるよね?
神田沙世はね、分かるよ。分かる分かる分かる・・・!
あの憎しみが、殺意が・・・!

あ の や ろ う 殺 し て や る !

「やめろよっ、沙世!しっかりしろ!」

突然、目の前に陸くんが現れた。
北条陸くん?どうしてそんなに怯えているの?
なんで?どうして?

「沙世、しっかりしろよ!」

「陸くん?」

「どうしたんだよ?そんな目して・・・」

「私?なんで?」

「『殺してやる』なんて言うなよッ」

違うよ、違う違う。陸くん、違うよ。
今までずっと一緒にいた「沙世」と今の「沙世」は違うよ?

ほらね、陸くんは怯えた。
きっと拓真くんだって、リオも、ここにいる人みんな。

私に怯えてる。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.13 )
日時: 2009/12/20 14:36
名前: 藍羽 (ID: Cqmw6ffg)

「おい、リオ。大丈夫?ボーッとしてるけど」

・・・拓真?
あぁ、わたし、ボーッとしてたんだ。あはは。
佐倉リオ、しっかりしろ!

「拓真・・・うん、大丈夫だぜよッ♪」

「疲れただろ?今日は人がいっぱい来たもんな」

「疲れた?何言ってるの、嬉しいのにー」

「そっか」

窓からは、消えていく太陽の光が差し込んできていた。
オレンジ色の光が、わたしと拓真を照らす。
わたしと拓真。わたしと貴方。
───嘘が嫌いな人と人間が嫌いな人。

あれ、言ってなかったっけ?
どうしてわたし、嘘が嫌いなのか、理由。

それはね、

偽りの記憶になってしまうから。

もし、拓真が嘘をついたとしよう。
そしたら、わたしはそれを信じる。

それが、偽りの記憶になってしまう。

嫌でしょう?

だから、誰もわたしに嘘をつかないで────。

「・・・神田さん、あの後どうしたんだろうね?」

拓真がポツ、と言った。
・・・・・・??
神田さんって、誰?

「ねえ拓真・・・神田さんって、だあれ?」

「神田沙世」

「かんださよ?・・・あ、沙世か」

チラ、と拓真を見ると、悲しそうな顔をしていた。
そりゃあ、そうだよね。
───こうやって、いつか拓真のことも忘れちゃう。
わたしだって、忘れたくない記憶はたくさんある。
でもね、気づかないうちに忘れちゃうの。
悲しいでしょう?

「今日のこと、覚えてる?」

「うん。皆が来てくれたんだよね・・・・・・」

それでお話してたら、祈里が来た。
それから・・・あぁ、空ちゃんが暴れたんだよね。
で、祈里が空ちゃんを連れて行って・・・。
沙世が壊れた。
その沙世を、陸は連れて帰った。

そして今だよね?

驚いたなー。沙世が壊れた。空ちゃんも。
壊レタ。壊レタ。壊レタ。壊レタ。

あれれ。
わたし、身に覚えがあるような、ないような?
もう覚えてないけど・・・

わたしも昔、壊れた気がする。
気のせいかな?

「──ねえ拓真?」

「なに?」

「分からないけどさ、わたしも昔壊れたの?」

ピタ、と拓真はわたしを見つめた。
驚きが入り混じった瞳が、わたしを見つめた。

「嘘ついたら、駄目」

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.14 )
日時: 2009/12/20 14:53
名前: 藍羽 (ID: Cqmw6ffg)

『わたしね、伯母さんの家に行くことになったの』

『いなくなっちゃうの?』

『ううん。お母さんが退院するまでの間だけ』

『そっか』

そう言って、しばらくの間、リオはいなかった。
伯母さんの家で幸せにしてると思ってた。
だから大丈夫だって、安心してた僕がいた。

          *
 

『今日からよろしくお願いします、伯母さん』



『ごめんなさいッ!ごめんなさい、伯母さんッ』



『拓真ぁ・・・・・・拓真ぁ・・・・・・!』


こんなに苦しんだ。たくさん泣いた。痛かった。
もっと幸せに暮らせると思っていたのに。
神様はわたしを裏切った?



         *


『リオ!リオッ!止めろよおおおッ』

『はなせぇぇぇぇえええええッ』

拓真が、わたしの腕を掴む。
そのせいで、持っていたナイフが落ちる。
真っ赤な血のついた、ナイフが。

『拓真、拓真が腕を掴むからああああッ!』

落ちたナイフを取ろうとしたら、奪われた。
そして拓真は、そのナイフを・・・・・・
腕に思い切り刺した。

『はぁ・・・はぁ・・・!これで、いいんだろ!』

なんて馬鹿なやつ。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.15 )
日時: 2009/12/20 15:00
名前: 藍羽 (ID: Cqmw6ffg)

「嘘ついたら、駄目」

そう、駄目なんだよ、拓真。嘘は駄目。
わたしは覚えてない。忘れてしまった。
さあ、正しい記憶を教えてね。

「いいのか?」

「うん」

「本当に?」

「覚悟はできてる。正しい記憶を教えて」

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.16 )
日時: 2009/12/20 18:26
名前: 藍羽 (ID: QJSI9r3P)

「リオはね、昔─────・・・」

僕が言った、その瞬間。

「はい、面会時間が過ぎましたよ、黒崎くん」

ちくしょー、タイミング悪いよ、望月さん。
望月玲子さんが、腰に手をあてて立っている。
長い黒髪に、黒縁の眼鏡をかけた女性。
たしか、25歳だったかなー・・・?

「えー、拓真、帰っちゃうんですかぁ??」

「そうですよ、面会時間過ぎてますからね!」

「じゃあな、リオ」

「むー・・・・・・バイバイ」

望月玲子さん、っていうのは、この施設でリオ担当の人。
現在、同い年の彼氏がいるらしい。リオ情報。

てくてくと、家までの真っ暗な道を歩いて帰る。
あーぁ、本当にタイミング悪かったよ。
せっかくリオに話そうと思ったのに。
もう、このことをリオは忘れても、おかしくはない。

「ただいまー」

「おかえり、拓真♪リオちゃん、疲れてた?」

「姉ちゃんか。いいや、大丈夫だった」

「何かなーその言い方はー」

靴を脱ぎながら、姉ちゃんと会話している僕。
いつものこと。

「茉莉ー!ちょっと来なさい」

「あー、はいはい。今行くー!」

母さんが、姉ちゃんを呼んだ。
最近多いよなあ。二人でコソコソ・・・。何やってんだか。
とぼとぼと薄暗い廊下を歩き、部屋へ行こうとした。
リビングの前を通り過ぎようとした、瞬間。

「やっぱりこれは拓真に話すべきでしょ、母さん!」

姉ちゃんの、大きな声が響いた。
・・・僕??
気になったから、そっと、盗み聞きしてみる。

「言わないわ。言って、どうするっていうの?!」

「家族なんだよ!言うべきでしょぉ?」

「何て言うの、茉莉」

「ちゃんと言うの。お父さんは病気で死んだんじゃない!」

「・・・・・・・・・・・・」

「お父さんは、殺されたって!誰かに殺されたって!」

え・・・?
父さんは、病気で死んだんだろ?
誰かに殺された?
は・・・・・・・・・?


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