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僕の嫌いなモノ。【完結】
日時: 2010/01/02 15:36
名前: 藍羽 (ID: RCPVhHnh)

またまた消えました。何故?ショック・・・!
とにかく頑張りますー!

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12222

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12715
↑のを読んでからどうぞ。
①、②の順で。


♪お客さま

ジョーカー様   朝崎疾風様  架凛様  要竜(のび太)様
白魔女様    叉紗様

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Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.52 )
日時: 2009/12/31 14:31
名前: 藍羽 (ID: fupS.KbE)

「いつも僕だけ、最後まで残ってたんだ」

「黒崎くんだけ?そしたら望月さんに怒られないの?」

「怒られるよ。「はやく帰れ!」ってね」

あはははは、とリオは笑った。
リオは僕のことを「黒崎くん」と呼ぶ。
なんだか、壁ができたみたいだ。
もう、陸と神田さんは帰ってしまった。

「・・・・・・・・・」

突然、リオが黙った。
何かあったんだろうか、と思う。
するとリオは、手で顔を覆う。

「リオ・・・??」

声をかけても、返事はない。
だから僕は無意識に、リオの頭を撫でた。
その瞬間、リオは飛び上がり、僕を見つめた。

「リオ?」

「───黒崎蓮は、わたしが殺しました」

「リオ?いきなり何を・・・ッ?!」

「わたしはずっと待ってました。拓真のこと!」

「どうしたんだよ、リオ・・・!」

「伯母さんの家で、ボロボロになって・・・!」

リオは僕だけを見つめて、ハッキリと言う。

「伯母さんの家から帰ったとき、壊れました」

「・・・・・・」

「そして自分と拓真を壊した!」

叫ぶと、リオは僕に抱きついた。
・・・・・・この時が来た。
全てを話すとき。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.53 )
日時: 2009/12/31 14:36
名前: 藍羽 (ID: fupS.KbE)

♪最終章 僕の嫌いなモノ。♪

黒崎蓮は、僕の父親。
病死したと、姉ちゃんと母さんに言われ続けてきた。
でもそれは嘘だったことが判明。

黒崎蓮は、殺されてた。

姉ちゃんと母さんは、ずっと僕に嘘をついていた。
嘘ツキ。

そのリオが、「黒崎蓮を殺した」と言い出した。
急に、突然。───思い出したように。

「リオ、突然どうしたんだよ?」

「この手で、刺した。ナイフで殺シタ」

リオは自分の手を見つめながら喋る。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.54 )
日時: 2010/01/01 16:47
名前: 藍羽 (ID: V9.d7PSD)

どわどわどわ、と何かが押し寄せてくる感覚。
ふわふわして、ぐらぐらして・・・??

ん・・・??あれれれれれれれ???

よく分からない状況の中、わたしの口は勝手に動いた。

「───黒崎蓮は、わたしが殺しました」

黒崎蓮って誰?
わからないけど、言わないと駄目な気がする。
ほらほら、また勝手に動く。

「わたしはずっと待ってました。拓真のこと!」

拓真って誰だよ・・・。
さっきから意味分からない。
知らない人の名前出して、黒崎くんに話してる。
黒崎くんだって、困ってるじゃん。

でもなんとなく、言わないといけない気がする。

「伯母さんの家で、ボロボロになって・・・!」

「そして自分と拓真を壊した!」

だから、拓真って誰?
もうやめようよ、黒崎くん困ってる。
黒崎くんの知らない人だったら、もっと困らせてる。

わたしは無意識に、自分の手を見た。

「この手で、刺した。ナイフで殺シタ」

ほーらー、黒崎くん困ってるぅ。
もう止まって。
わたし、止まれ。停止。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.55 )
日時: 2010/01/01 16:55
名前: 藍羽 (ID: V9.d7PSD)

停止って命令しても止まらない。
わたしは「わたし」として動く。

「・・・・・・リオ」

黒崎くんが、言った。

「何?」

「外に行こう。外なら、誰も邪魔しない」

・・・そうか。そろそろ望月さんが来る頃か。
わたしと黒崎くんは、窓からこっそり、外へ行く。
きっと帰ったら怒られる。
でも、いい。この人について行こう。

綺麗な満月の夜だった。
手を繋いで、わたしと黒崎くん。

なんだか黒崎くんといると、心がほっとするね。
安心する。
何でだろうね?

「───じゃ、さっきの続き」

黒崎くんは、公園のベンチに座って言った。
わたしも座る。

「黒崎くん」

「・・・・・・何?」

「わたし、分からない!こんなの知らないっ」

「・・・・・・」

そうだよ。
分からないのに、知らないのに、こんなに動く。
拓真って誰?
分からないよ。知らないよ。
・・・・・・また思い出せないんだ。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.56 )
日時: 2010/01/01 17:04
名前: 藍羽 (ID: V9.d7PSD)

「きっとわたし、拓真って人と仲良かったんだ」

満月を見ながら言う。
黒崎くんも、満月を見る。

「また忘れちゃったんだ。・・・拓真のこと」

「そうだね・・・」

黒崎くんは、地面を見た。
わたしは、満月を見た。
・・・反対だね。

「拓真って、誰だろう?」

「きっと、リオの大切な人だったんだよ」

「やっぱり?何だか名前を言う度に・・・・・・」

ドキドキしちゃうもん。
これは言葉にしなかった。心のなかで言った。

「わたし、会いたいなあ」

「拓真に?」

「うんっ。どんな人なんだろうね?」

黒崎くんは、悲しげに。そして笑顔でわたしを見つめる。
───拓真。大好き。
これだけがわたしの中で響く。

「・・・はくしゅん!」

「リオ、寒いよな。また明日にしよう、な」

「あっはは、そうだね、また明日にしようか」

残念ながら、折角抜け出したのに解散。
もっと会話したかったなあ。
黒崎くんといると、安心するもん。

「送るよ、施設まで」

「いッ・・・いいよ、いいよ!一人で帰れる!」


「・・・でも、不安だし」

わたしの病気のことを言ってるのか。
・・・まあ、危ないっちゃあ危ないからね。

「じゃ、お願いしてもいいですか?黒崎くん」

「いいよ、リオ」


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