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僕の嫌いなモノ。【完結】
日時: 2010/01/02 15:36
名前: 藍羽 (ID: RCPVhHnh)

またまた消えました。何故?ショック・・・!
とにかく頑張りますー!

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12222

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12715
↑のを読んでからどうぞ。
①、②の順で。


♪お客さま

ジョーカー様   朝崎疾風様  架凛様  要竜(のび太)様
白魔女様    叉紗様

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Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.57 )
日時: 2010/01/01 17:16
名前: 藍羽 (ID: V9.d7PSD)

やっぱりリオは、完全に忘れた。忘れられた。
・・・僕のことを「黒崎くん」としか呼ばない。
もう二度と、「拓真」とは呼んでくれないだろう。

リオは「黒崎くん」と「拓真」は別だと思ってる。
なあリオ。僕はその「拓真」だよ?
こんなに近くにいるのに、「黒崎くん」はないだろ?

リオは「会いたいなあ」と言った。
僕は何も言わなかった。

もう、会えてるじゃん。馬鹿リオ。

こんなに近くにいるじゃん、僕が、拓真が。


施設までの道は、暗い道が多く、少し危ない。
だから僕たちは手を繋いで帰る。
ずっと無言。沈黙。
リオも何も言わないし、僕も何も言わない。

「───この道まっすぐ行ったら、施設だよね?」

沈黙を破ったのは、リオ。

「うん」

「じゃあここまで!ここからは自分で行ける」

まあ、一本道だし、大丈夫か。
───そんな安心をした僕は馬鹿だった。
軽くさよならをして、僕とリオは別れた。

「・・・・・・」

後ろを振り向くと、リオの背中。
どんどん遠くなっていく、リオ。
そして僕は前を向く。

・・・・・・リオッ。

目の端に、何か光るモノを捕らえた。
それはだんだんリオに近づいて行く。
───大型トラックだった。

「リオ───ッ!!」

走り出す、僕。
振り向く、リオ。
迫るは大型トラック。

────キイイイィィィィイイイイイイ!!!

僕は空中に投げ出され、しばらく不思議な感覚がした。
そして、頭、全身に衝撃が走る。
・・・・・・リオは?
どこ?
見つからないな・・・・・。

僕の血が見えるだけ。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.58 )
日時: 2010/01/01 17:43
名前: 藍羽 (ID: V9.d7PSD)

「お母さんー?お弁当まだぁ??」

北条心音は、キッチンへ顔を出した。
キッチンで忙しそうにするのは、北条沙世。

「美味しいの、たくさん入れたからね〜」

「もう、時間かかりすぎー。お父さんの分は?」

「はい、これね」

心音は自分と父の分の弁当を持つ。
そしてバタバタと、父がいる部屋へと向かう。

「お父さん、お弁当」

「お、心音。ありがと」

北条陸。つまり、心音の父、沙世の夫である。

「ぎゃーっ。もう時間すぎてる!いってきまあす!」

心音は急いで、家から出て学校へと向かう。


「心音も、もう高校生なのね」

沙世は静かになったキッチンで、呟いた。
隣には、陸がいる。

「あぁ、はやいな。・・・あの頃を思い出すよ」

陸は遠くを見ながら言う。
『あの頃』。
あぁ、拓真くんやリオと一緒にいた頃ね。

神田沙世と北条陸は結婚していた。
もう二人とも、36歳だ。
生まれたのは一人の娘、北条心音。
心音はもう高校生。

高校生といえば、リオや拓真くんを思い出す。

「・・・あんなこと、なければよかったのに」

沙世は言う。

「そしたら今頃、家族ぐるみで仲良くできたのかもしれないのに」



言い忘れてしまいましたが、

黒崎拓真と
佐倉リオは

死にました。

あの、
満月の夜に。

大型トラックに轢かれて、即死。

たくさんの謎を残したまま。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.59 )
日時: 2010/01/01 17:44
名前: 藍羽 (ID: V9.d7PSD)

登場人物

■北条 心音 Houjou Kokone
16歳、高校1年生。
陸と沙世の娘。

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.60 )
日時: 2010/01/01 17:49
名前: 藍羽 (ID: V9.d7PSD)

もしかしたら、真実を知るのは沙世だけかもしれない。
いや、沙世しかいない。

「リオの伯母さんが、狂わせたんだよ。全て」

「いや、リオのお母さんかな?」

Re: 僕の嫌いなモノ。 ( No.61 )
日時: 2010/01/02 15:00
名前: 藍羽 (ID: RCPVhHnh)

沙世は記憶を遡る。
あの満月の夜のときまで。

───・・・
─────・・・

「拓真くんとリオが轢かれたっ?!」

私は陸くんから連絡が来た。
・・・拓真くんとリオが轢かれた、ってことを。
すぐに電話をきり、現場まで走る。

走る走る走る走る。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
何で何で何で何で。

私は走る。

拓真くんとリオ、死んじゃうの?
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

リオは、記憶がなくなる病気だっただけ。
なのに何で、こんなことになるの?
神様は、リオにどれだけ意地悪すれば気がすむ?

「・・・沙世っ」

「陸くん!・・・・・・ひぃっ」

陸くんを発見したが、まわりの光景を見て怯えた。
救急車、パトカー、警察の人、大型トラック。
コンクリートには、たくさんの真っ赤な血。
人間って、こんなにたくさん血が出るものなの?

「陸くんっ!拓真くんとリオは?!」

「・・・そ、こ、に、い、る」

陸くんが指差す救急車に、私は向かう。

「リオ?!拓真くんっ?!」

・・・酷かった。
真っ赤になってて、**がぺしゃんこで・・・!
ぅわあああああああああああああああ。

「助かるんですか?たすかりますよね?!」

私は近くにいた、医者だと思われる人にきく。

「・・・・・・即死だ」

「嘘だああああああああああああああああああああッ」

私の声だけが、夜の道に響く。


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