ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Got Part -神の一部-
- 日時: 2011/02/21 17:00
- 名前: 輝咲 (ID: SSNg/Zhu)
- 参照: 世界は只独りの人間を残して壊れた_____
クリックThank You★
●挨拶*.゜
初めまして!輝咲といいます。
初投稿で下手かもしれません。
なので、優しい目で見守ってくれると嬉しいです!!
因みに、コメ&アドバイス等は大歓迎です!!
●注意*.゜
:荒らしや中傷はお引取り下さい
:更新が遅い(週に2回位に更新します)
:駄文です(誰か分けて下さい><)
:誤字脱字有るかと思われます
:流血等、グロ有りです、苦手な方は止めておいた良いかと
●目次*.゜
>>004 登場人物(←編集しました)
>>140 オリキャラ用紙(終了しました)
>>151 オリキャラの紹介
序章 >>020
第1章『 裏切られる心 』>>175
第2章『 運命の出逢い 』>>176
第3章『 』
>>157・・part壱 >>158・・part弐 >>159・・part参 >>162・・part四 >>163・・part伍 >>166・・part六
番外章『 クソみたいに日常を愛する少女達 』
>>173・・part壱
●御客様*.゜
#くれは様 #ほみお #みんと水飴さん #幻洸様 #西戎王様
#偉薔薇様 #シルヴィン様 #main様 #ウサリンゴ様
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36
- Re: Got Part -神の一部- 拾話up ( No.81 )
- 日時: 2010/06/27 22:16
- 名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: AX8T4D8e)
●1章 part拾弐
ドォン!
大きな爆発の音とともに、家が揺らぐ。
机に置いてある、シチューがこぼれそうになる。
「……!! 何!?」
零衣は心が飛び跳ねた。鼓膜が破れそうな音だった。
ドォン! ドォン!
音はさっきよりも近く、家がまた大きく揺れる。
危ないと思い、立ち上がって外に出ようとした、次の瞬間……
ドォォン!!
家の天井の一部が爆破された。沢山の潰れた木片が、零衣に向かって落ちてくる。
(——!! 避けきれない!!)
避けきれないと確信をした零衣は、両腕で頭を守る。
次々と落ちて来る木片を踏ん張って耐える。
しばらくすると、木片の雨が止んだ。
「ゲホ……ゲホっ!」
前が見えないぐらいの木のほこりが、零衣の喉を直撃した。かなり咽る。
周りには木片が散らばっていて、足場がない程だった。
なんとか耐えた零衣だが、両腕には沢山の擦り傷ができている。やっぱり、無傷では済まなかった。
「零衣!! 大丈夫か!?」
扉を蹴飛ばし、奥の部屋から遊衣が出てくる。そこの部屋も被害があったみたいだ。木のほこりが充満している。
「なんとか……!」
咽ている声でできるだけの声を張り上げる。まだ、治まらない。
「そうか。とにかくここから離れよう。危なすぎる。」
「わかった……。」
傾いた玄関の扉をまた、遊衣が蹴飛ばす。外の空気を吸うと、咽が治まった。
だが、目の前の有り得ない光景が2人を驚かす。
「なっ……!!」
2人は同時に驚きの声を上げてしまう。
村者達の家が焼かれ、所々に村人が無残に殺されている死体が転がっている。
「何……これ?」
零衣はもうその光景を見て、呆然とした感想しか声に出てこなかった。体から力が抜けていきそうだった。
「あまり見るな。御前にはこの光景を見るのはまだ早い。」
「う、うん……。」
零衣は下を向く。前を見れない。恐怖で心が一杯で苦しかった。
もう何が起きてるかも理解できない。
「御前はここにいろ。私は様子を見てくる。まぁ多分、『鬼』の襲撃だろうがな。後、何かあったら、すぐに逃げろよ。」
「うん……わかった。姉さん気をつけてね。」
頑張って笑顔で見送ろうとするが、顔が引きつってしまう。
遊衣はそれがわかったのか、あえてそれを言わないでくれた。
「ああ。御前も気をつけろよな。」
遊衣は手を振って走っていく。零衣も手を振って見送った。
独り残された零衣は只ボーっと、モクモクを膨れている黒煙を見つめていた。
- Re: Got Part -神の一部- 拾弐話up ( No.82 )
- 日時: 2010/06/27 22:18
- 名前: 煌謎 ◆vBOFA0jTOg (ID: AX8T4D8e)
更新お疲れ様です^^*
続きが気になります。
頑張って下さいbb
此方も3話位upしました^^
- Re: Got Part -神の一部- 拾弐話up ( No.83 )
- 日時: 2010/07/03 14:25
- 名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: QpE/G9Cv)
#煌謎さんへ
ありがとうございます!
煌謎さんも頑張ってくださいね!
また、見に行きますんで!
- Re: Got Part -神の一部- 拾弐話up ( No.84 )
- 日時: 2010/07/11 19:04
- 名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: X4TSREzO)
●1章 part拾参
焼き焦げた臭いが鼻と喉を刺激する。乾いた空気が喉をカラカラにさせる。目も霞んでくる。
(何で……? 姉さんを連れて帰るんだったら、こんな事までしなくてもいいのに……。)
そう、此処はまるで、「戦場」だった。
関係のない者が無差別に殺されている。
それを只呆然と見せられ、抵抗のできない弱者。隠れてその場を過ごすだけ。
強い者は卑怯だ。と零衣は心の中で恨む。
弱い者からありったけの金や貴重品を吸い取って、その後はハエのように殺し、そして棄てる。
本当に卑怯だ。今の自分が弱くて、悔しい。
「キャー!」
(——!)
近くからだろうか? 若い女の叫び声が聴こえた。鬼に襲われているかもしれない。
零衣は辺りに武器になりそうな物を探す。
運が良いのか、家の扉の淵辺りに、訓練用に使っている木刀が立てかけられていた。
それを持って、声がした場所まで走る。
(多分、此の辺りの筈……。)
村の広場まで来た零衣は足を止め、急いで辺りを見渡す。
ふと視界に、1者の女性が子供を抱えてしゃがみ込んでいるのが入った。頭から出血している。
子供はビクビク脅えながら、女性に抱きついていた。
女性の前には男の鬼が棍棒を持って立っている。棍棒に少しだけだが、血が付いている。
この鬼が女性を殴ったのだろう。どう見ても、弱い者虐めにしか見えない。
見てると腹が立ってくる。零衣は木刀を構え、鬼の元へと駆ける。
「何っ!?」
零衣の存在を気づいた鬼。咄嗟に棍棒を構える。
それでも、零衣は鬼に殴りかかった。
ゴン!
木と木がぶつかる音が広場に響いた。
急に現れた少女に女性は驚いている。女性はその光景に唖然としていた。
「大丈夫ですか?」
零衣は女性に声をかける。そして、背中を見せ、女性の前に立ちはだかった。
「あっ……はい……。」
まだ、女性は驚いている様子だった。
まぁ、無理もない。ピンチなところを助けられたのだから。
「てめぇ! 何しやが——!! って! 御前まさか……!?」
「……?」
男は零衣を知っているらしい。口をポカンと開けている。
勿論、零衣はその男は知らない。
多分、遊衣の妹という理由で男は知っているのだろう。
それにしては、驚き方が酷い。
「自分に何か用でもあるんですか?」
少し気になったので聞いてみる。
意外な答えが返ってきた。
「と、とある者からの依頼であったんだよ。『零衣を殺せ。』とな。悪いが、御前には死んでもらう。」
話が終わると同時に、男が棍棒を勢い良く上から振るう。
「はぁ……!?」
まだ、整理ができていない脳で体を動かす。自然に体が横に避ける。
下りてきた棍棒が深く地面を抉る。土が飛び散る。
少しだけだが、バランスを崩れた気がした。
「おらぁ!」
「なっ!?」
体勢を立て直すかと思ったら、そのままの体勢で棍棒を横に思い切り振った。
急いで木刀を構えたが、間に合わない。
ドン!
「うっ……!」
できるだけ体を庇ったが、無意味だった。
後ろへ吹き飛ばされた零衣は、近くの家に激突した。
背中を強打したせいで、体が痺れて動かない。
意識まで、遠くなっていった。
- Re: Got Part -神の一部- 拾弐話up ( No.85 )
- 日時: 2010/07/31 10:44
- 名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: yLYdLExj)
●1章 part拾四
目を開ければ、目の前は只真っ白の風景で、何も無かった。
体を起こして、周りを見ても真っ白だった。
しかし、目を凝らすと遠くに、小さな淡い影が立っていた。
どんなに集中して影を見ても、顔が見えない。
こっちを見ている様子だった。
『こんなところで死ぬの?』
声が真っ白な世界に響いた。女の声だ。
何故か、此の声が懐かしく感じる。
昔聴いたことがある、そんな感じだった。
でも、何も思い出せない。
「誰?」
零衣は女の声の質問とは違う問いをした。
少し間が空いて答えが返ってきた。
『まだ、其れは言えない。けど、何時か「思い出す」わ。絶対に。』
「『思い出す』?」
零衣には訳が分からない。『思い出す』?一体何を?
5年前以前の記憶がない零衣にとってはチンプンカンプン。
『だから「生きて」。其れを思い出すまで。』
そう言うと、影は薄々と消えていく。
まるで、其れを言うために現れたように。
「待って! 訳が分からないよ!」
影はそんなの関係なしに、止まる様子はない。
消えかかった最後に一言だけ残して消えていった。
『大丈夫。私がいるから。』
その言葉を言い終えると、意識がまた飛んでいった。
今度は現実に。
ポロポロと木片が頭に落ちてくる。
穴が開いた天井から、満月の明かりが零衣を照らす。
(戻った……。)
あの事が嘘のように感じる。感覚が全くない。
後、痺れも消えていた。
月の光に鬼の男の影が月と重なって映る。
男がジャンプをして、零衣に棍棒を上に構えて落ちて来る。
(『生きて』。)
女の声が言った言葉。胸が変に苦しい。
けど、生きていれば昔を思い出せれる、とあの声が言っていた。
絶対に生きてやる。零衣は心に誓った。
「死になぁ!」
男がすぐ目の前に来ていた。棍棒と零衣の顔の距離が数センチのところで、
『殺りなさい。』
またあの声が聴こえた。今度は零衣に直接話しかけてくる。
勝手に体が動きだす。横に転がり、受け身をとって体勢を整える。
近くにあった石ころを掴み、男に向かって投げる。
石は見事に右目に命中。
「イギッ!」
意味不明な叫び声を上げ、両手で右目を抑える。
ボタボタと血が垂れる。まるで、血の涙のようだった。
男は最後の力を絞ってか、棍棒を思い切り投げてきた。
そんな大振りな攻撃なんて、軽々と避ける。
真下に落ちていた木片を手にとり、クルクルと手の中で回す。大きさは10センチ程。
零衣は男の近くに寄る。男は地面にしゃがみこんでいて、苦しそうに嘆いている。
零衣の存在に気がついた男は、急いで周りに武器がないかと、手探りで探している。
そんなのは御構い無く、零衣は木片を1回転させ、尖った先端で男の頭に突き刺す。
ブシュゥー
頭の傷から血が噴き出す。出血は少なかったため、血はかからなかった。
男は白目を向けてガクリと倒れた。右目からはまだ、血が流れている。
「——!! な、何をしてたんだ……自分は……!?」
ふと気がついた時には、手に赤く染まった木片が握られていて、目の前には男の死体が転がっているだけ。
女の声が「殺れ。」と言ってからの記憶と感覚がない。
どうしたんだ自分?胸の中ではその言葉が繰り返される。
真っ白の世界に行った時から、感覚がおかしい。
頭の中がグルグルとかき回されいるような感覚。少し吐き気がしてくる。
兎に角、血が染み付いた木片を投げ捨て、此処から走り去った。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36