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- 黄泉の夜空【短編】
- 日時: 2011/02/18 23:27
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
クリック、ありがとうございまッスル!
ハジメマシテの方は、ハジメマシテー^^
知ってる方は、なにとぞよろしくお願いします。^^
小説バリバリ初心者&弱虫の月夜の救世主でございます!
今回の物語のテーマは「死」でございます。
ある漫画を読みまして、よし!これいいぞ〜!っとなりまして。
それでは、まずこの小説を読むあなたへの忠告。
①グロ系あり。吐きそうな方はあちらの戻るをクリック。
②これは月夜の救世主が書く小説です。作者自体が生理的に無理という方、戻るをクリック。
③荒らしの方もご一緒に戻るをクリック。
④実は、結構短い短編。直ぐに終わってしまうんですwそこんとこご承知の上読んでくださいw
次に、歓迎しますよこんな方!
①読んであげましょう、この駄作。
②コメントしてやろう、この駄作。
次に、登場人物の紹介。
浅岡 涼(あさおか りょう)
・今回の主人公
・とにかく、クール。エアコンよりクール。
・極度の死にたがり。(ボカロじゃないですよ。)
磯谷 洸河(いそたに こうが)
・こいつがいるだけで騒がしくなる
・主人公の友達
・元祖ムードメーカー。でも、温厚な奴なのでご心配なく。
横井 怜太郎(よこい りょうたろう)
・おっとりマイペース男子。
・ゲーマーであり、家中ゲームだらけ。
・主人公の友達。
お医者さんキャラのプロフィ>>21
その他モロモロ登場するよ!(モロモロ扱い乙
第零章「序章」>>2
第壱章「謎輪廻」
第一話>>4〜浅岡 涼編〜
第二話>>8
第三話>>12
第四話>>13
第五話>>14
第六話>>17
第七話>>18〜大室 和正編〜
第八話>>19
第九話>>20
第十話>>26〜相川 宗哉編〜
第弐章「死人」
第十一話>>28
第十二話>>29〜浅岡 涼編〜弐話
第十三話>>30
第十四話>>31
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- Re: 黄泉の夜空 ( No.57 )
- 日時: 2011/02/11 23:01
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第三十一話 サイドストーリー〜酒井兄弟も餌・兄貴を狙う死人〜
洸河が入院してから4日後に白鳥が死んだ。別に、悲しいとも嬉しいとも思わなかった。俺にとっては人間としての意識がなかったからである。学校からも沢山連絡が来た。クラスの殆どが死んだという知らせ。だろうと思ったんだ。
第四章「死」
兄貴が大学へ行った後、本当に暇でしょうがなかった。父さんは、病院へ仕事をしに行ったし、母さんは、飴工場のパートへ行ってしまったし。本だってあるが、全て読んでしまったし・・・。
すると、電話が鳴る。俺は下へと降り、受話器を取る。
「もしもし・・・。」
「浅岡君?」
「・・・相川先生ですか。どうしたんです?」
「いや・・・言い難いことなんだが・・・、「死人退治」を本格的に始動させようと思っているんだ。」
「死人退治」。
その名の通り、人間に害を及ぼす死人を完全に除去するというもの。相川先生は前々からやろうかと予想を、大室先生と立てていたらしい。もちろん、この街を上げてである。
「先生は俺にも、参加して欲しいと・・・そういうことですね?」
「・・・あぁ。」
「・・・少し、考えさせてください。」
俺はそう言って、電話を切った。一応・・・バケモンだが、人殺しに参加するってことか。殺されるのは・・・俺のはずなのにな。
すると、また電話が入った。
サイドストーリー1〜酒井兄弟も餌〜
酒井兄弟は、あの噛み千切った奴は誰だと考えていた。まず、ただの悪戯にしたとして・・・噛んだとする。だが、あんなに抉れるほどちぎることは人間の力じゃ到底無理である。次に、殺人犯。普通は噛んで殺すはずはないだろうな。包丁を使って普通はそう殺すだろう。じゃあ、殺人犯も違う・・・そうなる。
「じゃあ、なんだっていうんだよ〜。」
「死人だ・・・。」
京介は、睨みを利かせじっと空を見つめる。直樹は、首を傾げる。
「し、死人って?」
「・・・死人は、ちょっとの人しか知らないこの街に伝わる都市伝説だ。この街の歴史は300年だろ?」
「えっ・・・うん。」
「この街は、結構幽霊とか妖怪とか引き寄せやすく・・・皆困っていた。それを助けるために、若和尚がやってきてその妖怪たちを全て自分に取り込んだ・・・。すると、体は人間だが・・・魂を食らう化け物になってしまった。それを・・・「死人」って言うんだ。死人は人間の肉の一部を噛み千切るだけで、魂の4分の一を食うことが出来るんだ。その死人に噛まれていった住人たちは、その死人になっていってしまい・・・現在に至るってわけだ。」
直樹は眉毛を寄せ、京介に聞いた。
「ッてことは・・・そんな恐ろしい化け物がこの街に・・・。」
「あぁ、わんさかだ。」
「そ、そんな・・・!じゃあ・・・。」
「だろうな。死人の存在を知った今・・・お前も迎えに来るぞ。」
直樹の顔が青ざめた。自分が死すときが近づくと思うと、恐怖のあまり気を失いそうになる。が、京介は言った。
「俺について来い、直樹。絶対、お前を守りぬく。チビの頃からそうだったろ?」
その言葉は直樹にとって強い支えとなる言葉だった。気の弱い弟、直樹はいつも自分よりとっても強い兄によって守られたのだ。直樹は大きく頷いた。
サイドストーリー2〜兄貴を狙う死人〜
大学のチャイムが鳴る。授業が終わり、食堂へと走る。涼の兄である、浅岡 晴侍は食堂で売られる「濃厚プリン」が大好物であるため猛スピードで食堂へと走った。「濃厚プリン」のファンはとてつもなく多く、たった3分で売切れてしまうほどだった。晴侍は一番乗りでプリンを買ってその後、焼きそばパンを買った。
「うっしゃーい。濃厚プリンの王者でーす。」
嬉しそうな顔で焼きそばパンをほお張る。その後、階段からドタドタと大量に誰かが走ってくる音がする。
(おっ?来たな?)
案の定、「濃厚プリン」のファンで奪い合い、殴り合い・・・。食堂のオバチャンは何も言わずその接戦を見届けている。
その間に、晴侍は焼きそばパンを食べ終え、濃厚プリンを味わっている。口に甘さが広がって、体に響き渡る爽快感は気持ちいい。濃厚プリンを空にし、片付ける。晴侍は食堂を後にし、外へ出た。
「なぁ、お前・・・。俺を狙って、何年経つ?もう、3年経つぞ。」
壁にもぞもぞと身を隠す、男。晴侍はプッと笑ってそこにある花壇に座った。
「陽彦!バレバレだっつーの。」
「・・・晴侍・・・、すまん。」
「・・・許さん!・・・なんてな!」
陽彦とは、生前晴侍の親友だった男子である。3年前に死んで、死人になった。が、陽彦は漣の命令で親友である晴侍の食事(討伐)を命じられるが、ずっと躊躇ったまま3年が過ぎたのだ。
「食うなら、食えよ。」
「むっ・・・無理だ!親友を・・・食べる(殺す)なんて・・・!だったら、俺が仕置きを受けて死ねば・・・。」
「・・・簡単に死ぬって言うんじゃねえぞ。俺の弟なんか・・・酷いから。なんでああなったかは俺も分からないけど・・・。俺から一人たりとも奪わせてたまるか。」
晴侍から、発せられた本当に真面目な言葉。陽彦はガクンと落とす。やはりむりだと思っているのだろう。
「・・・仮に俺を殺したとしてだ!俺がそっち側に死人になればいい話。だろ?」
「でも、晴侍!なれる確立は、10人に1人だぞ?必ずしも、なれるってわけじゃ・・・。」
「なれる!!そう思えばいいんだよ。」
晴侍は優しく微笑んだ。
- Re: 黄泉の夜空 ( No.58 )
- 日時: 2011/02/11 23:37
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第三十一話 サイドストーリー〜口封じ作戦計画・死人退治計画〜
「もしもし・・・?」
俺は受話器を取った。
「涼か?」
「父さん・・・。どうしたんだ。」
「お前の友達・・・、洸河君か?・・・ついさっき亡くなったそうだ。」
・・・冗談は、よしてくれ。洸河が・・・死んだ?!俺の心臓の鼓動が急激に早くなり始める。頭の中も真っ白になり始めて、受話器を持つ手が震えている・・・。
「すまない・・・。」
「・・・謝らなくていい。」
俺はそのまま電話を切った。悲しいはずだろ・・・俺。なのに、涙が出ない・・・。そうか、怖いのか。
怖いんだな・・・。
自分に次、来るから怖いんじゃなくって・・・友達が消えていくのが怖いから・・・だろ?
それと同時に、雨が降り出した。まるで俺の心のように--------
サイドストーリー〜口封じ作戦計画〜
「次々と我々を気づき始めている輩が出てきている。まず、酒井兄弟。それと、浅岡兄弟、そして医者の二人組みだ。どちらも兄がとっくに知っているようだ。コチラのことも分かられている可能性が高い。浅岡兄弟の兄のほうはもう、派遣させているが・・・3年余り経つがまだ、連絡が来ない。仕方ないな・・・宮野君。食して来い・・・。それと、残りは総動員・・・食せ。」
「まッ・・・待ってください!!!」
一人の女子が漣に、反論した。その女子とは・・・
「浅岡君を・・・浅岡君を殺すなんて、絶対に出来ません!!」
「いんや、俺は賛成だ。嫌いな奴を殺すのはさぞ、気持ちいいだろうなぁ。」
「・・・なんですって?!」
反論した女子、浜崎 梓織は殺すのに賛成した白鳥 定雄を思いっきり睨みつけた。
「アンタ、何が正義よ!そんなこと言って、ただの人殺しよね!!」
「は、浜崎だって何人かクラスメイト殺してるだろぉぉ〜?!」
「そ、それは・・・嫌いな奴を殺したのよ!」
「嫌いな奴?!じゃあ、俺もいいじゃないか!ハッハッハァァ〜!!」
白鳥は愉快そうに高笑いを上げる。それを虚しく見つめる一人の男子、横井 怜太郎は下を俯いた。
(このまま、大切な人が死んでいく・・・。阻止したいけど・・・漣さんが・・・。)
「阻止しようと思うのなら、成仏させてやる。」
漣は浜崎のほうを睨みつけた。フードの隙間から見える、瞳の色。浜崎は下を俯く。漣は鼻で笑い、
「わかったな?行くぞ。決行日は・・・来週の土曜だ!」
サイドストーリー2〜死人退治計画〜
一方、こちらでも計画が練られていた。ミーティング室で会議しあう医者達。この「死人退治」をどのようにするか・・・。
「一応、住民に呼びかけた。が、信じてくれなかったよ。」
「う〜ん・・・。だよねぇ・・・。アタシだってちょっと信じたくないもの。」
「じゃあ・・・来週の土曜日にある「神威祭り」を利用すればいいじゃないですか?」
「どうやって?」
岡本はコクリと頷く。
「おそらくですが、神威祭りはこの白道市挙げての神聖なる祭り。コレに参加する人も少なくないはずです。死人にとったらこれは、バイキングです。と、いうことは・・・寄ってくるんじゃないでしょうか?その時に、見せしめをすれば・・・。」
「うむ、それもいいな。」
「・・・いいと思うけど、やり方惨いわね。」
神崎は口を手で塞ぐ。宗哉は、バッと立ち上がり、
「採用する・・・!」
と、声を上げた。
どちらも狩る・・・。
どちらかが狩られて、どちらかが狩る・・・。
狩人の戦いが始動する・・・
- Re: 黄泉の夜空 ( No.59 )
- 日時: 2011/02/12 11:44
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第三十二話 サイドストーリー〜帰り道〜
そして、3日後・・・洸河の通夜も済ませた。
「なあ、洸河・・・お前、本当に死んだんだな。」
今まで、ずっと死んだなんて思っていなかった。洸河のスケールが大きい悪戯だと思っていた。だが、通夜に行って本当に分かったんだ。死んだってこと。あの死に顔を見たら、死んだと思うしかなかった。
雨はずっと降り続ける。洸河の死の知らせを受けてから、ずっとこの調子だった。俺の心が癒えるまで、ずっと降り続けるみたいだな・・・。慰めて欲しいなんて思っちゃいない。俺もその内・・・死ぬんだから。
若者が大勢死んでゆく中、大人たちは死ななかった。おそらく、30代までが美味しい味なんだろうな・・・。
ゴロゴロゴロ・・・
「雷か・・・。一方的に嫌な雰囲気に連れて行ってくれるな・・・。」
雷の稲妻が迸り、近くの家の避雷針の落ちた。もの凄い音で、少々驚いたが何も気にせず、雨降る空を見つめていた。
ガチャッ・・・
「あぁぁー!ただいまっ!おい、涼!タオル貸してくれ、タオル!」
ビショビショで帰ってきた兄貴に洗面所へ行ってタオルを渡した。服も濡れている。俺は兄貴のタンスから服を出し、渡した。
「いああ〜、すまん、すまん!バスに乗って帰ろうと思ったけど、お金が足りなくって。歩いて帰ってたらこのザマだ。」
「雨っていきなり降り出すからな・・・。」
兄貴はスウェットに着替えて、二階へと上がる。俺は喉が渇いたので、冷蔵庫からコーヒー牛乳を取り出し、コップに注いだ。
「あぁぁぁ!俺もくれ!」
「自分で入れろ・・・。」
「えぇ〜、ケチィ〜。」
色っぽい声を出す兄貴に身震いする。仕方なく兄貴の分も注いだ。コーヒー牛乳を持ち、二階へと上がる。
「おっ、サンキュ。」
コップを手渡し、俺はベットに座った。
「うおおおい!!誰様のベットだと思ってんだ!」
「・・・お兄様のベット。」
「ウッ・・・お兄様とか付けんなよ。女ったらしい・・・。」
兄貴は少し肩を震わせ、冷たい目でこちらを見つめる。女ったらしいのはどっちだっていう話だが。
「あっ、明日って「神威祭り」だよな?」
「そうか。」
「神威祭り」とは、年に一度ある祭りで、この街の安全を司る「白道明神」を祭る。お酒を飲んだり、美味しいものを食べたりと神と一緒にこの祭りを楽しむ。俺はその「神威祭り」が好きでよく行っていた。
「今年も行くのか?俺は行くけどよ。」
「行く。毎年行ってるんだ、当たり前だろ・・・。」
サイドストーリー〜帰り道〜
雨の中の帰り道。二人の姉弟は、傘を差し家へと帰っている。手には買い物袋。その中には大量の板チョコが入っている。
「姉貴ー、誰にやるんだよチョコ。」
「えぇ!?そんなの普通聞く?」
弟、翔太は姉、音亜に聞く。音亜は顔中冷や汗だらけで足早に歩く。翔太はますます面白くなって、意地でも聞くことにした。
「なぁ〜?誰なんだよ。」
「だ、誰だっていいじゃない・・・。」
「誰だってってことはいるんだ?」
(アイヤー・・・口がツイ滑ってしまった!!)
音亜の顔は見る見るうちに赤くなっていく。その顔を見て翔太は大笑いした。
「あっはっはっは!!!なんだ、その顔ー!」
「ウッ・・・うっさいわね!」
さらに足早に歩き出し、路地へと曲がった。すると、そこには深くフードを被る男。
「・・・ん?あれって・・・。」
「誰、アイツ・・・。」
音亜はその顔を見て、「あっ」と声を上げる。
「あんた、涼んとこのクラスの奴じゃん。」
フードの男は素早く走り、音亜の口元を手で塞ぐ。翔太は、「えっ?」と声をあげた。
「お前たちも薄々気づいている・・・。処刑だ。」
翔太は、まさかと思い口を塞ぐ手を叩く。フードの男は「グッ・・・!」と唸った。音亜は「うっしゃ!」とガッツポーズし、翔太の手を握って猛スピードで自宅へと走っていった。
「・・・あの姉弟、只者ではない力を・・・。」
「危ない、危ない。サンキュ、翔太!」
「はぁ、ちょっと怖かったよ。よかったー、空手習ってて。」
「・・・よかったー陸上教室はいってて・・・。」
この姉弟は、スポーツ万能姉弟だったのだ。そのため、怪しげなフードの男、漣を引き離した。
「薄々、気づいてるねぇ〜。まあ、もう気づいてるかもね。」
「うん・・・。でも、まあ死ななかったら楽しい鬼ごっこって思えばいいさ。」
「そうだね。ささっ、早く帰ろ!明日は「神威祭り」だよー!」
「よっしゃーい!」
- Re: 黄泉の夜空 ( No.60 )
- 日時: 2011/02/12 23:10
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第三十三話
家から北にある神社、「白神寺」。そこからは、太鼓の音やら笛の音やら聞こえる。人が笑う声、何かを焼く音・・・。
そう、「神威祭り」が開かれたのだ。神を祭るため、踊ったり飲んだり食べたり・・・。小さな頃は色んなところを駆け回って迷子になったりもした。恥ずかしながら今もちょっと興奮しすぎて迷子になったりする。
「兄貴まで付いてくること無いだろ・・・。」
「いいじゃないか〜!俺だって一人は寂しいんだぜ?」
兄貴が付いてくることに関して、不満が絶えない件・・・。それは置いといて、この祭りに着たら俺たち浅岡家は絶対にすることがある。まあ、浅岡家といっても、今日は父さんも母さんも仕事で居ないがな・・・。
俺たちは、神社の前で一礼する。なんとなくだが、神様に一礼をしたら爽快感を覚えるのだ。ただの気のせいだと思うが・・・。
「よーし、今年の一礼おしまい!なあ、涼!あれ、食おうぜ。」
俺は兄貴が指差すほうを向く。店の看板には大きく「たこ焼き」とかかれている。・・・なんとなくだが、今祭りで思った。兄貴はガチホモかもしれないってこと・・・。
(えぇい・・・、落ち着け涼!俺はいつからこんなボケキャラと化したんだ・・・!!)
俺は財布から10個分の金を出し、たこ焼きを買った。近くにあるベンチに座り、兄貴と一緒に食べた。だが、一緒に食べることについて周りからの視線が気になり、
「すまん・・・、後はやる。」
と、いって、2つほど食べて止めた。この雰囲気に耐えられなくなり、近くにあったジュース屋でソーダを購入。そして一気飲み。
「はい、ごっつぉさん。」
兄貴は全てのたこ焼きを食べ終わり、爪楊枝などゴミ箱へ捨てた。俺は目をふとやった。
「相川先生と・・・大室先生とか・・・あ、他の先生とかもいる。」
「あっ、ホントだ!おーい!!」
兄貴は、先生たちに駆け寄る。
「あっ、やあ。浅岡さんとこの。」
大室先生は優しく微笑み、挨拶をする。あの光景・・・まるで友達だな。
「なにしてんだよ〜、んなとこで。え、お休み?」
「んー、まあそんなとこだ。」
「さて、他の売店へ行こうか。」
大室先生率いる、医者軍団はどこかへ行ってしまった。俺はたまたま、寺の後ろにある茂みに眼をやる。その影に、誰かがいた。俺は何故か引き寄せられるようにその方へと歩き出す。兄貴も不審に思い、ついてきた。すると人影は、奥の茂みへと走り去ってしまう。
「・・・なんだ?」
俺は気になったためさらに、その奥へと歩き出す。
「おいおい!待てよ、道に迷っちゃうぞー!」
「・・・あぁ。」
俺は気のせいだと思い、立ち去ろうとする。すると、冷たい手が俺の口を塞ぎ、右手をもの凄い力で握る。
「ぐあっ・・・!!なんだ、離せ・・・!」
すると、兄貴の方にも手が握られる。共犯者がいるのか・・・!?兄貴ももがく。俺は思いっきりヒジで後にいる奴を殴った。手は離され、ドシリッと誰かが倒れた音がした。
月明かりに照らされ、見えたのは・・・
「・・・怜太郎!」
怜太郎は、地面に蹲りガクガク震える。
「何してるんだ・・・。」
俺は怜太郎に、呟くような声で聞いた。だが、何も反応せず震えたまんま。俺は、もっと大きな声で聞いた。
「何してるって聞いてるんだ!!」
体をビクリと震わす、怜太郎。随分とらしくない行動だな・・・。化け物にしては・・・。兄貴も振り払って、俺の元へと駆け寄る。
「なんだ、こいつら・・・。」
「見ろよ、周りに沢山いるぞ。」
兄貴は周りをキョロキョロ見渡す。確かにというような感じの笑みを浮かべた。
「ここは、逃げるっきゃないだろ・・・!」
俺たちは全速力で逃げようとした。その時・・・!目の前に立ちふさがる、男子・・・。俺は、恐る恐る上を向いた。
「・・・こんばんは、浅岡。」
「漣・・・。そこをどけ・・・!」
「いや、それは不可能だ。」
俺は、腕を掴まれ、ギリギリと腕をねじる。なんともいえない痛みが俺を襲った。兄貴が、俺を助けようとするがあっけなく弾かれた。
「・・・さあ、食せ。口封じ一匹目・・・!」
漣が、死人たちに顔を向けた瞬間・・・俺は、その隙をついて、漣の手を思いっきり噛んだ。漣は一瞬、手を離した。
「今のうちに・・・!!」
兄貴と一緒に走り出すが、俺の脚を掴んで逃がさせないようにと3人の死人が俺を睨む。
「・・・愚かなあがき。」
漣が俺の腕を再び掴み、俺を嘲笑った。その顔・・・本当にバケモンだ。死ねるチャンスだが、こんなバケモンに殺されるなら自殺したほうがましだ・・・!!俺は、脚を掴む手を思いっきり踏みつけた。そして、腕を握る漣の手を逆に思いっきり握る。苦しそうな顔を浮かべて、突き放した。
「じゃあな・・・。いい夜を大人しく過ごせ・・・。」
俺は兄貴の待つほうへ走る。が、また俺の腕を掴む手。
「しつこいぞ・・・!!!」
-------------------!!
「洸河・・・!」
月明かりに照らされる、金色の髪の毛。それはいつもより一掃に眩しく見えた。が、洸河の顔は無表情。黒き目を光らせ、俺をじっと見つめる。
「涼!!」
兄貴が、俺を呼ぶ。・・・已むを得ん!
「いけ、兄貴!!!」
「な、何言ってるんだ?!」
「いいから!俺は死にたがりだぞ・・・!こんなチャンス、滅多とない!!」
俺はわざとそうやって言った。兄貴は、舌打ちをし、茂みから消え去ってゆく。これでいい、これでいいんだ・・・。
「さあ、食えよ・・・化け物!!!俺の魂はさぞうまいだろうなぁ!!」
俺の見たこと無い姿に、洸河も怜太郎も驚いたんだろうな。悲しそうな目で見ている。・・・もうちょっと、怪物らしくなれよ。
周りにいた死人たちは俺に近づいて来た。そして、手を掴み・・・
噛み千切る------------
「うあああああああああっ!!!」
血が、草に飛び散る。
「友に殺されるのは・・・いい気分だろう・・・?」
そんとき言われた漣の言葉・・・。何故か、同感してしまった。
浅岡 涼編-------------続
- Re: 黄泉の夜空 ( No.61 )
- 日時: 2011/02/13 20:47
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第三十四話 〜相川 宗哉編〜 サイドストーリー〜主人〜
悲鳴を聞きつけ、和正とともに茂みの奥へと走った。薄暗いため注意が必要。周りを見渡す。すると、足に何かぶつかった感触がしたのだ。下を見ると、一人の青年が血だらけで倒れている。
「・・・だ、誰だ・・・?」
顔をこっちへ向ける。
「・・・涼くんじゃないのか?」
「ホ、ホントだ!!」
俺は顔をペチペチ叩いた。が、意識が戻らないし、脈も遅かったため、重症なことが分かった。すぐさま救急車を呼んで、検査してもらったところ、例の死人の仕業だとわかった。抉れた傷が無数に確認される。
「チッ・・・、浅岡になんて言おう。」
「もう少し早く気づければね・・・。」
俺は、中井(総合病院)に、涼くんを入院させた。岡本はミーティングの時に「バイキングだから沢山集まる」と言ったが結局死人は確認されなかった。なのに、俺たちの近くでこんなことが行われていたと気づくと、悔しくてたまらない。
俺は、その日から死人を本気で捜索するようになった。そして、息の根を止める。
日に日に怖くなる。涼君が死んでしまうことに関して・・・。助けられないこの殺人的な症状。もう少し早く・・・早く気づくことはできなかったのか。自分をいっぱい責めた。責めたけど・・・
どうにもならない-------------
浅岡に言うのが・・・怖くて、怖くて・・・。浅岡に会うたび、どこかへそそくさと逃げてしまう。
ある日、俺はカルテを書き込んでいるときに浅岡が来た。言ってみようか・・・でも・・・。
「涼があんなことになったのは自分のせいだと・・・言いたいんですね?」
「えっ・・・?」
「俺は、ずっと聞いてました。ミーティングの内容を全て。死人は前々から長男に聞いていました。半信半疑でしたが・・・このようなことが起きて、やっと信じれましたよ。」
浅岡は知っていた。無表情を保ち、俺に淡々と喋る。が、怒りや憎しみというような雰囲気は一切無かった。むしろ、悲しみというものも。
「なんとなく、前々からそんなことが起こりそうな予感はしてたんです。こういう不吉なことに関しては、勘がずば抜けるんでね。」
「スマン・・・浅岡!俺のせいで・・・!」
俺は、浅岡に土下座をする。このことに関しての全てを、浅岡に謝った。浅岡はしゃがみ、俺の手をとった。
「・・・気にしないで下さい。」
そういい残して、何処かへ行ってしまった。もの凄く罪悪感が感じた。浅岡は気にしてるんだ・・・絶対そうなんだ・・・。
夜になれば、夜道を歩き、死人を探し回った。見つけたら、殺すつもりで。だが、このことを悟ったように一向に出てこなかった。
「出て来い、死人ォォォォォォ!!!」
サイドストーリー〜主人〜
「緑茶です・・・。」
一人の青年が、緑茶を二人の夫婦に差し出す。夫婦は、湯飲みを手にとり、飲む。
「で、どうなの?口封じは。」
「はい。一人は仕留めましたが・・・他の獲物は、まだ・・・。」
「ふぅーん・・・。」
女は、ニヤリとしながら緑茶を啜る。この家は、大金持ちの家で名を「下川」という。そして、この家の主である下川夫婦。執事である漣 彪世と・・・他の死人で住んでいる。
妻である、「下川 千代美」と夫である「下川 仙太郎」でこの死人騒動を裏で操作していたのだ。
「まあ、この調子なら、我らの夢も近いな・・・。」
「そうですね、仙太郎様。」
「はぁー。明日は暇ね〜。ナイトショッピングでもしようかしらね。」
「奥様、夜道での一人歩きは・・・。」
千代子は頬をプクッと膨らます。千代子は、散歩やショッピングが趣味なので外に出ないと気がすまないらしい。が、漣の情報で死人を撃退する計画が立てられている・・・とのこと。なので、夜道を歩くことが出来ない。
「まあ、いいわ。今度ある、「邪気払い」の行事でも見学しようかしらね。」
「・・・しかし、この街はえらく行事が多いな・・・。」
「いいじゃないですか。この行事は、私たちにとったらバイキング。人間どもをほおばれます・・・。」
「邪気払いは、来週の日曜ね・・・。楽しみだわ。」
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