ダーク・ファンタジー小説

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守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜
日時: 2016/01/06 23:15
名前: 裏の傍観者 (ID: 2PmCSfE.)

はじめまして、裏の傍観者です。
シリアス・ダークで小説明を書かせてもらってます。
戦争系のお話しということで、今回は国内での戦争を描いた「守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜」を書いてみました。
自衛隊と国防軍の戦闘が繰り広げられた日本が舞台となります。
恋愛も入れてますが、他の作者より下手です。(自覚してますm(。_。)m)
初心者ですが、よかったら読んでみてください。
オリキャラ・コメント歓迎します!
では、本編をお楽しみください!!



〜本編紹介〜

日本が大きく変わった平成32年。
高3の時から自衛隊にあこがれていた少年は、やがて自衛隊に入隊。
長いようで短いような教育期間を終えた彼は、やがて部隊に。
そこに待ち受けていたのは、自衛隊の裏の世界。
いくつも重なり山となる理不尽とストレス。
彼はこんな自衛隊が日本を守るなんて冗談じゃないと考え始める。
その頃日本政府では日本の国防力を高めるために新たに組織を設立していた。
日本国憲法第9条をねじ伏せてまで強引に設立した組織は、突如日本国内にあるすべての自衛隊施設を襲撃する。
緊急呼集をかけられた機甲科隊員である彼は、完全武装し状況に入る。
その際、敵が自分と同じ日本人であり、攻撃してきたのは最近設立されたばかりの日本国防軍だったことを知り、彼は敵に向けていた銃口を乗り合わせていた戦車乗員の車長に向ける。
乗員の小銃弾、車長の拳銃を強奪し味方の戦車を破壊した彼は、自分に銃口が向けられているにも関わらず日本国防軍の指揮官に接触する。
「殺したければ殺せ、今はすぐにでもこの戦闘服を脱ぎたい。」
血まみれになった戦闘服の上を脱ぎ捨て火に投げ込み燃えた。
彼は日本国防軍に捕獲されるが、接触した指揮官により日本国防軍へ階級を飛ばした異例の入隊を果たした。
自衛隊員をためらいもなく小銃で殺した彼は自衛隊を敵に回してまで何を守ろうとしているのか、彼の記録が語られる。

〜登場組織〜

<軍事組織>

・防衛省

・自衛隊(陸・海・空)

・国防省

・国防軍

・民間軍事会社 日本武装傭兵団

<民間組織>

・戦争撲滅の党

・国防の党

・新未来の党

・平和実現会

・自衛隊父兄会

・日本を愛するデモ運動集団

・左翼&右翼

<勢力不明>

・新宿武装集団

ー日本国防軍階級ー

国防大臣
国防長官
国防総将官
国防総補将官
国防1等佐官
国防2等佐官
国防3等佐官
国防1等尉官
国防2等尉官
国防3等尉官
国防准尉官
国防先任曹官
国防1等曹官
国防2等曹官
国防3等曹官
国防先任士官
国防1等士官
国防2等士官

ー陸上自衛隊階級ー

陸将
陸将補
1等陸佐
2等陸佐
3等陸佐
1等陸尉
2等陸尉
3等陸尉
准陸尉
陸曹長
1等陸曹
2等陸曹
3等陸曹
陸士長
1等陸士
2等陸士
自衛官候補生

※空・海自は陸から空・海の文字に入れ替わる。

〜登場人物〜

・結美 玲也 ムスビ レイヤ (19) 国防2等尉官
 元自衛官。自衛隊員を殺害し、国防軍に入隊。防衛省では最高レベルの要注意人物であり、自衛隊の特殊作戦群では抹消対象者にされている。中隊長を務めていて、部下や上司からは評価が高い。皆からは親しみを込めて、名前と階級を混ぜ合わせて省略した玲兄さんと呼ばれている。中には兄さんと呼ぶ人も増えているらしい。お互い両想いだと気づき、夕美と交際を始めた。優しいのか甘いのか、敵味方関係なく多くの人が彼のもとに寄って来る・・・との噂もあるらしい。

・相模 勝負 サガミ ショウブ (52) 国防1等佐官
 玲也が状況中に接触した指揮官。彼を国防軍に入隊させるために国防省に駆け寄った。玲也からはヤジさんと親しみをこめて呼ばれている。喧嘩っぱやいおっさんで
、今は落ち着いた性格だが昔は戦闘中にとある事案で自衛官と殴り合いになったくらい荒かったらしい。

・貴志川 有 キシガワ ユウ (19) 国防2等士官
 入隊したばかりの新兵。入隊早々、射撃が最も優れており、狙撃手に。玲也に誘われ、玲也の部下になる。玲也とは同い年で、兄弟的な存在。よく玲也と夕美の3人で行動している。位置的には玲也と夕美の専属スナイパーとも言える。

・日暮奈 夕美 ヒグナ ユウミ (19) 国防3等尉官
尉官試験を一発で合格した成績優秀者。教育を終えて部隊に配属される。クールな性格上、ストレートに物事を言ってしまうが、実は寂しがり屋。玲也に助けてもらった事が多く、言動や行動でまれに玲也に対する好意がみられるが、お互い両想いだということに気づき、玲也と交際を始めた。

・河瀬 颯太 カワセ ハヤタ (36) 国防2等曹官
第1中隊、通称結美中隊に所属する国防官。物を丁寧に扱うのが特徴で、彼が使用した物は知っている限り壊れたことはない。そこで玲也から車両管理者を任される。車両を常に万全な状態にしてくれている。また、大家族のビッグダディをしている。

・華目 匠 ハナメ タクミ (23) 国防3等曹官
結美中隊に所属している。衛生を担当していることから、曹官または士官の間では先生と呼ばれている。昔病院の医院長をしていたことが理由である。面倒見が良く、常に中隊全員の健康をチェックしてくれている。また、心の病にも対象できる。小さな怪我でも心配してくれるのが特徴。

・慶田 武 ケイダ タケシ(45)国防先任曹官
結美中隊の先任。曹官・士官をまとめる小隊長。玲也と夕美の親父的存在でもあり、何かと2人のことを心配してくれている。貴志川と性格が似ているところもあり、2人がそろうとそこはもう熱血地獄になりかねないほど熱くなる。

・機十 編 キジュウ アミ(20)国防技術技官
国防軍技術研究本部に所属する技官。研究に全てを捧げる。特技は剣道で、六段。常に不機嫌、口調が悪い。幼少期、自衛隊員だった両親に虐待を受けていた。親が居た自衛隊に対し、快く思っていないがために、国防省に入った。

・浜田 意識 ハマダ イシキ(47) 2等陸佐
戦車大隊の大隊長。信頼が高く、大隊での評価は高い。玲也が国防官になった事を知り、部下の状態を把握していなかったことから責任を感じている。部下にはそれを表に出さず、大隊長としての任をまっとうする。

・小森谷 辺句朗 コモリヤ ヘクロウ (39) 准陸尉
戦車大隊の最上級先任曹長。常に考え事をしているのが特長。玲也が国防官になったことを知り、最近はなぜ玲也が国防官になったのかを考え始める。

・風神花月 フウジン カゲツ(23)2等空佐
防衛大学を成績優秀表で卒業し、強い復讐を糧に佐官クラスに登り詰めた。自衛隊に両親を殺された復讐のため自衛隊に入隊するも、国を守るなど考えておらず、常に復讐のことしか頭にない。また、表と裏の差がとても激しく、今の所殆どの隊員で彼女の裏を見たものは今の所ない。
※表・明るく、フレンドリー
 裏・腹黒く、人を見下し、自分の奴隷のように扱う

・古城 哉良 コウジョウ ヤヨイ(23)2等空尉
Fー15を操るファイターパイロットでタックネームはルド。一人で一作戦の相手を任せられるほどの脅威な実力を持っている。しかし、至って本人は人命を奪いたくないと思い続けている。航空学校をトップで卒業し、自衛官となる。間違っている自衛隊を、内側から変えていく事を目標に、奮闘している。国防軍からスカウトが来るも、武力で押さえるのは違うと考えて、それを蹴る。国防官に未練はないと言ったら嘘になる。また、女性の様な自身の名前を気にしている。普段は温厚で、誰にでも慕われるが命を軽視する者や奪う者を相手にした時は、怒りをあらわにし相手を震え上がらす。

・三溝 晋三 サミ シンゾウ(40) 1等陸曹
特殊作戦群所属の自衛官。冷静沈着である彼は小隊長を務める。いかなるときも常に任務を優先とする真の自衛官。玲也との面識はないが、遭遇すればそこは今までに見たことのない激戦区となる。

・神野 啓喜 カンノ ケイキ (19) 陸士長
自衛官時代の玲也の同期。玲也が国防軍に入隊しても気にせず玲也と関わりを持つ。心配性だが、何よりも敵同士である玲也と戦うことがないか常に心配している。

・波森 悟卓 ナミモリ ゴタク (19) 陸士長
自衛官時代の玲也の同期。元から仲が悪く、敵対することが多い。玲也が国防軍に入隊したことにより、敵対心が大きくなる。

・吉川 泰毅 ヨシカワ ヤスキ (19) 陸士長
自衛官時代の玲也の同期。前から自衛官を退職したいと希望していたが、人手不足から所属している大隊長に継続を命令され、未だ現役自衛官となっている。玲也が国防軍に入隊しても変わらず敵対心等を抱かない。戦場で遭遇すればお互い上司からの命令であり、仕事だから仕方ないと考え、互いに争う関係に。

・原島 羽吹 ハラシマ ハブキ(39)武装傭兵団社長
日本で初の民間軍事会社を設立し、国内戦争から民間人を守るため傭兵派遣サービスを提供し続けている。まれに自分自ら派遣活動に参加することがある。会社を設立する前は日本警察の特殊部隊、SATの隊員として公務をしていた。国内戦争が勃発しそれにおびえた国民を見て考えが変わり、会社を設立した。なぜ考えが変わったのかは不明で、本人もまたそれを明らかにすることはない。


・帚木 冥 ハハサギ メイ(17)武装傭兵団社員
民間軍事会社、武装傭兵団の社員。常に冷静。というか冷めている。感情表現がほとんどない。まれに怒ったとき「Fuck(死ね)」と呟く。ホロサイト、赤外線レーザーサイト、暗視装置、低倍率スコープ、フォアグリップなどを装備し通常の重量を大幅に超えたSCAR−Hを酷使する。


〜活動記録目次〜


状況1.桜ノ心ナクシ自衛官、国防官ヘ

>>01 >>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>08 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>27 >>28

状況2.躊躇ウ里帰リ、空ノ刺客アリ

>>31 >>33 >>34 >>37 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>49 >>51 >>53 >>54 >>56 >>57 >>58 >>59

状況3.属サヌ傭兵、影ト成リ結美中隊

>>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>66 >>67 >>69 >>70 >>71 >>73 >>75 >>77 >>78 >>81

状況4.始マル争イ、揺レル日本ノ平和

>>82 >>83 >>84

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.62 )
日時: 2015/05/18 06:42
名前: 裏の傍観者 (ID: lU2b9h8R)

臨時呼集が終わり、解散となった。
やっとの事で落ち着いた俺は、椅子に座る。
「毎度ながら、この中隊は戦ってばかりだな。」
「それほど貴方を信頼しているからじゃないかしら。」
机にお茶が出される。
「はい、貴志川。」
「サンキュー!」
お茶を配り終えた夕美はソファーに座る。
例の書類のコピーした書類を見る。
国防大臣直々の出動命令、そして隠密作戦。
もっと驚いたのは、その作戦内容だ。
例の武装集団の手掛かりを見つけ出すことと・・・・。
『新宿駅西口で国民を銃撃した組織の指導者を拘束、または射殺。』
一番したの文章に、はっきりとかかれていた。
「これじゃまるでビンラディン暗殺みたいだな。」
「なに縁起の悪いこと言ってるのよ。・・・でも、確かにそうね。」
「俺、人の眉間に一発ぶち込むのは気が引けるぜ。」
「凄腕のスナイパーがもう弱気なの?」
「夕美も知ってるだろ、戦闘中俺は防弾チョッキや腕撃って足止めするくらいなんだぜ。まぁアパッチ狙撃して壊した俺に説得力はないんだろうけどよ。」
確かに、凄腕のスナイパーと呼ばれている貴志川は人を殺すような狙撃はしたことがない。
やる気になればやれるはずだろうが、彼も人間だ。
俺みたいに簡単に人が殺せるような奴ではない。
待てよ、簡単に人が殺せる?
考え付いた俺は早速行動に出る。
「貴志川、扉しめて鍵かけろ。」
「お、おう。」
貴志川は扉を閉めて鍵をかける。
豪華な作りをした机の下に潜り、床をスライドさせる。
結美中隊の事務所や中隊長室等はこの隊舎の1階にある。
だが、中隊長室には密談で使用される部屋が必ず存在する。
俺が今いる中隊長室でその部屋の入り口があるのは、この机の下に入り口があり地下に存在する。
「懐かしいな、また使うことになるとは。」
俺はそういって夕美に笑顔を見せる。
「な!?」
夕美は顔を真っ赤にして、心拍数が上がったのか胸に手を当て始めた。
「どうした夕美?」
貴志川が心配して夕美に近づく。
「な、なんでもないから・・・!心配してくれて・・・あ、ありが・・・とう。」
貴志川は俺を見てアイコンタクトをする。
「(夕美がめっちゃ可愛らしいんだが何があったよ!?)」
「(さぁ、俺にはさっぱり。)」   
「(じゃあなんでクールな夕美がめっちゃ乙女ティックになってんねん!?)」
「(そりゃ女だからだろうが!?)」
さて、こんな会話は後にして隠し部屋に移動する。
「貴志川、お前から入れ。」
「お、おう・・・。」
貴志川は恐る恐る入り口に入りそのまま地下に潜った。
「ほら、夕美。」
「・・・・どうしてこんなに恥ずかしいのよ。」
「フラッシュバックか。・・・いいんだよ夕美、あの時は無理して強がって疲れてたんだろ。人間誰だって泣きたくなる事はある。俺も昔は泣き虫だった、恥ずかしがる事はないよ。」
人間で一度も泣いた事がないとしたら、あり得ない話だし、人間ではない。
「こんな時に優しくされたら・・・ッ!」
俺は夕美を落ち着かせるために頭を撫でる。
「落ち着けよ、な?それに今は重大な任務がある。」
「・・・そうね、ありがとう。落ち着いたわ。」
「おう、それじゃ行こう。」
夕美を先にいれて、最後に俺が入る。
床をスライドさせて入り口を隠し、階段を降りて部屋に入る。
「こりゃすげぇ・・・、隠し部屋なのに広いな!」
貴志川が隠し部屋に入って興奮していた。
「・・・・会議の時は一度も休んでないから、少し休もう。30分休憩だ、寝てもいいぞ。」
「マジ!?寝不足だったんだ、助かるぜ。おやすみ!」
そういって貴志川は個室に入り睡眠をとる。
夕美はなにかを考え込んでいる様子だ。
「夕美、お前も休んでおけ。これから先は忙しくなるんだ。」
「・・・うん。」
地下部屋は和室と休息用の個室で別れている。
俺なんかは残業でよくここを使って仕事をしていた。
「ねぇ。」
夕美に呼ばれ、俺は彼女の隣に座る。
「なんだ?」
「貴方の隣で寝ていいかしら・・・。」
「おう。」
「ん・・・。」
夕美は頭を俺の肩に寄せる。
それ以降、夕美は寝息をたてて眠った。
4ヶ月前、練馬前線での戦闘の後に夕美が2人きりで話がしたいと相談してきた。
その際に使ったのがこの地下部屋だ。
夕美は自身の事を俺に話してくれた。
両親を亡くし、夕美はその後群馬の親戚に引き取られた。
中学に入ってから、親戚に自分から強くなりたい、一人で頑張るといって一人暮らしを始めた。
それから高校まで一人で暮らし続けるも、彼女はか弱い女の子だ。
心に大きく寂しさが残ったらしい。
それを国防軍に入ってからもずっと隠し続け、強がる仕草を皆に見せてきた。
だが、それでも寂しさは心から消えることはなかったという。
あの時の夕美を思い出す。

「(本当に、私って弱い人間よね・・・。)」
「(・・・・・・。)」
「(親戚に心配されたけどそれでも大丈夫って言ったの。・・・でも平気なわけなかったわ。大好きだった・・・愛してたお父さんやお母さんとは、中学まではずっと一緒にいたのに・・・。)」
「(ご両親はどうして?)」
「(お父さんは仕事で亡くなって、お母さんは自殺したのよ。・・・自殺した理由が私の実の母じゃないから・・・。)」
「(・・・・。)」
「(でもそれでも私はあの人をお母さんだと呼びつづけるの。・・・親戚から聞いた話によれば、私の実の母は浮気女だったらしいの。そんなの、母親とは呼べないし、呼びたくもない。・・・玲也だったらいやでしょう?)」
「(俺だったら、関わりすら持ちたくないな。)」
「(・・・どうしてもお父さんやお母さんの死を認めたくはなかった。我慢できないのよ・・・、もう一人じゃ嫌なの・・・。)」
「(・・・そうか。)」
しばらく俺はどうしたら彼女は一人にならずに済むかを考えた。
彼女は俺よりも辛い事を経験し、嫌な過去を持っている。
俺はそんな夕美を放って置けない、そう考えて決心した。
「(なら、俺が一緒にいてやる。)」
「(え・・・?)」
「(言ったろ、お前は結美中隊の仲間で、家族だと。なら、家族を助けてやるのは当たり前だろう。・・・それにな、よくここまで一人で来れたな。話を聞いただけだが、俺にはその辛さが胸に伝わってきた。)」
俺は夕美を優しくそっと抱き締める。
「(辛すぎて疲れただろう、もういいんだ。一人でいる必要はない、だからな?今ここで疲れを吐き出そう。)」
「(玲也・・・?)」
「(中隊長として、いや・・・俺個人として誓う。・・・夕美を一人にさせはしない。国防官をやめても、一緒にいてやるから。だから安心して休め。)」
「(あッ・・・りが・・とう・・・!)」
その後夕美はありがとうといいながら泣き続けた。
30分かけてようやくぐっすり眠ったのを今でも覚えている。
俺はその時に夕美のすべてを受け止めた。
一人にはさせない、俺はそう誓った。
誓ったはずが、あの時は1人にさせてしまった。
今でも反省している。
だからもう一度、この場で誓う。
「・・・夕美、お前を一人になんかさせない。これからも、ずっと。」
「・・・ん〜。」
俺はつい笑ってしまう。
さっきのはまるで、俺の誓いに夕美が答えたようだった。
腕時計のタイマーを起動し、15分後に鳴るよう設定した後に俺もしばらく睡眠をとった。

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.63 )
日時: 2015/05/18 18:51
名前: 裏の傍観者 (ID: m9NLROFC)

30分後。
さっそく考え付いた事を二人に話す。
簡単に人を殺せる。
このキーワードでピンときた。
そう、国民によって立ち上げられた民間軍事会社、武装傭兵団だ。
金さえ出せば、身を守ってくれるしある程度のことならやってくれる、国民の中での便利屋だ。
作られた目的は、自分だけ平和でいられるという馬鹿な国民の自己中心的な奴らが人型防弾板として立ち上げたのが理由だ。
「傭兵団?俺らが雇うってのか?」
「いや、俺らが傭兵団になるのさ。」
「そういう事ね。」
夕美はさっそく理解したようだ。
国防官が傭兵を雇ったとなれば問題になる。
今回の作戦は隠密であり、下手にリスクは重ねられない。
なら、国防軍としてではなく傭兵になりすまして行動すれば国防軍が動いたという騒ぎにはならない。
そう、国防官であることを伏せての作戦なのだ。
「つまり、私たち中隊が武装傭兵団に混じって動くってことよ。それなら、国防軍が動いてるなんて報道されないし、下手な事がない限りバレないわ。」
「なるほど!!いいんじゃね?」
「それに、その方が貴志川としても動けるだろうし。な、凄腕のスナイパーさん。」
「おう、任せろ!」
さて、この事を相模1佐官に提案をしなくては。
スマホを操作し、大隊長室の内線に繋ぐ。
〈はい、相模1佐官ですが。〉
「ヤジさん、俺だ。」
〈結美か?どうした改まって。〉
「作戦の案だ、聞いてもらいたい。」
相模1佐官にさっき考え付いた事を話す。
結美中隊は国防軍ということを伏せて武装傭兵団の傭兵になりすまし行動する。
そのためには最初に傭兵団に連絡をとることから始まる。
〈なるほど、そいつは名案だ!早速連絡してみよう、国防大臣にも直接お話する。〉
「了解、頼む。」
通話を終了し、スマホをしまう。
「いいの?電話で盗聴されてるかもしれないわよ?」
「安心しろ、対策済みだ。通信の奴等に盗聴阻害装置を付けて貰ってる。」
「いつの間に改造なんて・・・呆れたわ。」
「仕事用だ、普段はこいつを使ってる。」
もう1台のスマホを見せる。
「スマホ2台持ちかよ!?」
「夕美は作戦内容をまとめてくれ、貴志川は地図での観測を頼むぞ。」
「分かったわ。」
「へいよ!」
さて、派手な仕事から降りて隠密作業にかかるとしよう。

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.64 )
日時: 2015/05/18 23:33
名前: 裏の傍観者 (ID: C6aJsCIT)

民間軍事会社、武装傭兵団 本社。

「こいつはたまげたよ。」
社長室に呼ばれた私は社長である原島 羽吹とお茶を飲んでいる。
次の仕事に大きく関係するらしく、私が呼ばれた。
「次の仕事に関する情報ですか。」
「・・・ま、そんなところだ。」
原島社長は書類を机に置く。
「実は国防大臣から依頼されてな。国防軍の一個中隊を一時俺達武装傭兵団の編成に入れてくれといわれた。金は国からだ、膨大な金額だぞ。」
書類を手にして確認する。
確かに、報酬は今までに見たことのない金額だった。
1500万。
ひとつの会社を立ち上げられるくらいの金額だ。
「向こうの要望は、新宿に現れた武装集団の主導者が目的らしいが、今はあの情勢だ。国防軍が今回の件で絡んだと報道されるのが厄介だってことで、動ける一個中隊を国防軍であることを伏せて傭兵になりすましての作戦をするんだとよ。」
確かに、今は国防軍と自衛隊が国内での紛争をしている。
国防軍が動いたとなれば、自衛隊は確実に動きだしてまたしてもその場で戦争が起きてしまう。
国防軍はそれを防ごうとこの様な行動に出たのだろう。
「まぁ編成とはいっても、ただ変装するのと変わりないし、多少は一緒に行動するときがあるくらいだな。だが、もう1つ。驚くなよ。」
誰かの人物資料だ。
どこかで見たことのある顔だ。
「今回の一個中隊は、あの有名な国防2等尉官、結美 玲也が率いる中隊だ。」
元自衛官にして、国防軍の中隊を率いる中隊長。
戦闘力は特戦群をも越えてしまう史上最強の兵士だ。
「楽しみか、帚木?」
「・・・・・。」
結美 玲也。
彼が持つ力に私は興味が湧いた。

Re: 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.65 )
日時: 2015/05/19 16:55
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

こんにちは。
読みに来ました。

1500万円の報酬!
スッ、凄い!
欲しいです,,,
どんどん面白くなってきていますね!
更新頑張ってください。

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.66 )
日時: 2015/05/29 22:19
名前: 裏の傍観者 (ID: z5Z4HjE0)

午前0230時、自室。

電話の着信音がなり、俺は重い瞼を開く。
受話器をとり、応答する
「はい、結美2尉官です。」
〈お疲れ様です、警衛の棚場2曹官です。〉
「部外からか?」
〈はい、三溝という方から結美2尉官に繋げてくれとのことでした。〉
「・・・!!」
三溝。
陸自の特殊作戦群の隊員、三溝1曹だ。
こんな時間に何のようだか。
「分かった、繋げてくれ。」
〈了解です。〉
外部と回線が繋がった。
「・・・久しぶりだな。」
〈声が聞けて良かった、結美2尉官。〉
「それはこっちの台詞だ、足は大丈夫か?」
あの時の戦闘で、俺は三溝1曹に拳銃で足を狙った。
大動脈付近に被弾し彼は手術を受けた。
無事終わって完治に向け頑張っているのだろう。
〈問題ない。・・・話がしたくてな、今から待ち合わせでき、るか?〉
「急だな、まぁ構わないが。場所は?」
〈新宿にいいラーメン屋を知っている。座標はメールで送る。〉
「・・・腹が減っていたところだ、丁度いい。」
〈そうか、では待っている。〉
「分かった。」
受話器を元の位置に戻す。
顔を洗い、うがいをして私服に着替える。
身分証明書などの貴重品をもって部屋をでる。
赤羽基地の主要中央道路を歩く。
途中、見覚えのある女性国防官を見つける。
あれは・・・?
「夕美か?こんな時間にどうした。」
「玲也?それはこっちの台詞よ、こんな時間にどこいくの?」
夕美は寝間着だった。
多分、いつもの散歩なんだろう。
こういうときは必ずといっていいほど彼女は悩んでいる証拠だ。
「ある人物に会いに行く、仕事に絡んでるからな。」
「なら私もいった方がいいかしら?」
「夕美、無理はするな。・・・簡単な仕事だ、俺だけでやるから、夕美はしっかり休め。いいな?」
夕美の頭を撫でてやる。
「玲也がそういうなら・・・。」
諦めてくれたようだ。
「んじゃ行ってくる、お休み。」
「うん、お休みなさい。」
彼女を生活隊舎まで見送り、待ち合わせ場所へと急いだ。


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