ダーク・ファンタジー小説

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守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜
日時: 2016/01/06 23:15
名前: 裏の傍観者 (ID: 2PmCSfE.)

はじめまして、裏の傍観者です。
シリアス・ダークで小説明を書かせてもらってます。
戦争系のお話しということで、今回は国内での戦争を描いた「守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜」を書いてみました。
自衛隊と国防軍の戦闘が繰り広げられた日本が舞台となります。
恋愛も入れてますが、他の作者より下手です。(自覚してますm(。_。)m)
初心者ですが、よかったら読んでみてください。
オリキャラ・コメント歓迎します!
では、本編をお楽しみください!!



〜本編紹介〜

日本が大きく変わった平成32年。
高3の時から自衛隊にあこがれていた少年は、やがて自衛隊に入隊。
長いようで短いような教育期間を終えた彼は、やがて部隊に。
そこに待ち受けていたのは、自衛隊の裏の世界。
いくつも重なり山となる理不尽とストレス。
彼はこんな自衛隊が日本を守るなんて冗談じゃないと考え始める。
その頃日本政府では日本の国防力を高めるために新たに組織を設立していた。
日本国憲法第9条をねじ伏せてまで強引に設立した組織は、突如日本国内にあるすべての自衛隊施設を襲撃する。
緊急呼集をかけられた機甲科隊員である彼は、完全武装し状況に入る。
その際、敵が自分と同じ日本人であり、攻撃してきたのは最近設立されたばかりの日本国防軍だったことを知り、彼は敵に向けていた銃口を乗り合わせていた戦車乗員の車長に向ける。
乗員の小銃弾、車長の拳銃を強奪し味方の戦車を破壊した彼は、自分に銃口が向けられているにも関わらず日本国防軍の指揮官に接触する。
「殺したければ殺せ、今はすぐにでもこの戦闘服を脱ぎたい。」
血まみれになった戦闘服の上を脱ぎ捨て火に投げ込み燃えた。
彼は日本国防軍に捕獲されるが、接触した指揮官により日本国防軍へ階級を飛ばした異例の入隊を果たした。
自衛隊員をためらいもなく小銃で殺した彼は自衛隊を敵に回してまで何を守ろうとしているのか、彼の記録が語られる。

〜登場組織〜

<軍事組織>

・防衛省

・自衛隊(陸・海・空)

・国防省

・国防軍

・民間軍事会社 日本武装傭兵団

<民間組織>

・戦争撲滅の党

・国防の党

・新未来の党

・平和実現会

・自衛隊父兄会

・日本を愛するデモ運動集団

・左翼&右翼

<勢力不明>

・新宿武装集団

ー日本国防軍階級ー

国防大臣
国防長官
国防総将官
国防総補将官
国防1等佐官
国防2等佐官
国防3等佐官
国防1等尉官
国防2等尉官
国防3等尉官
国防准尉官
国防先任曹官
国防1等曹官
国防2等曹官
国防3等曹官
国防先任士官
国防1等士官
国防2等士官

ー陸上自衛隊階級ー

陸将
陸将補
1等陸佐
2等陸佐
3等陸佐
1等陸尉
2等陸尉
3等陸尉
准陸尉
陸曹長
1等陸曹
2等陸曹
3等陸曹
陸士長
1等陸士
2等陸士
自衛官候補生

※空・海自は陸から空・海の文字に入れ替わる。

〜登場人物〜

・結美 玲也 ムスビ レイヤ (19) 国防2等尉官
 元自衛官。自衛隊員を殺害し、国防軍に入隊。防衛省では最高レベルの要注意人物であり、自衛隊の特殊作戦群では抹消対象者にされている。中隊長を務めていて、部下や上司からは評価が高い。皆からは親しみを込めて、名前と階級を混ぜ合わせて省略した玲兄さんと呼ばれている。中には兄さんと呼ぶ人も増えているらしい。お互い両想いだと気づき、夕美と交際を始めた。優しいのか甘いのか、敵味方関係なく多くの人が彼のもとに寄って来る・・・との噂もあるらしい。

・相模 勝負 サガミ ショウブ (52) 国防1等佐官
 玲也が状況中に接触した指揮官。彼を国防軍に入隊させるために国防省に駆け寄った。玲也からはヤジさんと親しみをこめて呼ばれている。喧嘩っぱやいおっさんで
、今は落ち着いた性格だが昔は戦闘中にとある事案で自衛官と殴り合いになったくらい荒かったらしい。

・貴志川 有 キシガワ ユウ (19) 国防2等士官
 入隊したばかりの新兵。入隊早々、射撃が最も優れており、狙撃手に。玲也に誘われ、玲也の部下になる。玲也とは同い年で、兄弟的な存在。よく玲也と夕美の3人で行動している。位置的には玲也と夕美の専属スナイパーとも言える。

・日暮奈 夕美 ヒグナ ユウミ (19) 国防3等尉官
尉官試験を一発で合格した成績優秀者。教育を終えて部隊に配属される。クールな性格上、ストレートに物事を言ってしまうが、実は寂しがり屋。玲也に助けてもらった事が多く、言動や行動でまれに玲也に対する好意がみられるが、お互い両想いだということに気づき、玲也と交際を始めた。

・河瀬 颯太 カワセ ハヤタ (36) 国防2等曹官
第1中隊、通称結美中隊に所属する国防官。物を丁寧に扱うのが特徴で、彼が使用した物は知っている限り壊れたことはない。そこで玲也から車両管理者を任される。車両を常に万全な状態にしてくれている。また、大家族のビッグダディをしている。

・華目 匠 ハナメ タクミ (23) 国防3等曹官
結美中隊に所属している。衛生を担当していることから、曹官または士官の間では先生と呼ばれている。昔病院の医院長をしていたことが理由である。面倒見が良く、常に中隊全員の健康をチェックしてくれている。また、心の病にも対象できる。小さな怪我でも心配してくれるのが特徴。

・慶田 武 ケイダ タケシ(45)国防先任曹官
結美中隊の先任。曹官・士官をまとめる小隊長。玲也と夕美の親父的存在でもあり、何かと2人のことを心配してくれている。貴志川と性格が似ているところもあり、2人がそろうとそこはもう熱血地獄になりかねないほど熱くなる。

・機十 編 キジュウ アミ(20)国防技術技官
国防軍技術研究本部に所属する技官。研究に全てを捧げる。特技は剣道で、六段。常に不機嫌、口調が悪い。幼少期、自衛隊員だった両親に虐待を受けていた。親が居た自衛隊に対し、快く思っていないがために、国防省に入った。

・浜田 意識 ハマダ イシキ(47) 2等陸佐
戦車大隊の大隊長。信頼が高く、大隊での評価は高い。玲也が国防官になった事を知り、部下の状態を把握していなかったことから責任を感じている。部下にはそれを表に出さず、大隊長としての任をまっとうする。

・小森谷 辺句朗 コモリヤ ヘクロウ (39) 准陸尉
戦車大隊の最上級先任曹長。常に考え事をしているのが特長。玲也が国防官になったことを知り、最近はなぜ玲也が国防官になったのかを考え始める。

・風神花月 フウジン カゲツ(23)2等空佐
防衛大学を成績優秀表で卒業し、強い復讐を糧に佐官クラスに登り詰めた。自衛隊に両親を殺された復讐のため自衛隊に入隊するも、国を守るなど考えておらず、常に復讐のことしか頭にない。また、表と裏の差がとても激しく、今の所殆どの隊員で彼女の裏を見たものは今の所ない。
※表・明るく、フレンドリー
 裏・腹黒く、人を見下し、自分の奴隷のように扱う

・古城 哉良 コウジョウ ヤヨイ(23)2等空尉
Fー15を操るファイターパイロットでタックネームはルド。一人で一作戦の相手を任せられるほどの脅威な実力を持っている。しかし、至って本人は人命を奪いたくないと思い続けている。航空学校をトップで卒業し、自衛官となる。間違っている自衛隊を、内側から変えていく事を目標に、奮闘している。国防軍からスカウトが来るも、武力で押さえるのは違うと考えて、それを蹴る。国防官に未練はないと言ったら嘘になる。また、女性の様な自身の名前を気にしている。普段は温厚で、誰にでも慕われるが命を軽視する者や奪う者を相手にした時は、怒りをあらわにし相手を震え上がらす。

・三溝 晋三 サミ シンゾウ(40) 1等陸曹
特殊作戦群所属の自衛官。冷静沈着である彼は小隊長を務める。いかなるときも常に任務を優先とする真の自衛官。玲也との面識はないが、遭遇すればそこは今までに見たことのない激戦区となる。

・神野 啓喜 カンノ ケイキ (19) 陸士長
自衛官時代の玲也の同期。玲也が国防軍に入隊しても気にせず玲也と関わりを持つ。心配性だが、何よりも敵同士である玲也と戦うことがないか常に心配している。

・波森 悟卓 ナミモリ ゴタク (19) 陸士長
自衛官時代の玲也の同期。元から仲が悪く、敵対することが多い。玲也が国防軍に入隊したことにより、敵対心が大きくなる。

・吉川 泰毅 ヨシカワ ヤスキ (19) 陸士長
自衛官時代の玲也の同期。前から自衛官を退職したいと希望していたが、人手不足から所属している大隊長に継続を命令され、未だ現役自衛官となっている。玲也が国防軍に入隊しても変わらず敵対心等を抱かない。戦場で遭遇すればお互い上司からの命令であり、仕事だから仕方ないと考え、互いに争う関係に。

・原島 羽吹 ハラシマ ハブキ(39)武装傭兵団社長
日本で初の民間軍事会社を設立し、国内戦争から民間人を守るため傭兵派遣サービスを提供し続けている。まれに自分自ら派遣活動に参加することがある。会社を設立する前は日本警察の特殊部隊、SATの隊員として公務をしていた。国内戦争が勃発しそれにおびえた国民を見て考えが変わり、会社を設立した。なぜ考えが変わったのかは不明で、本人もまたそれを明らかにすることはない。


・帚木 冥 ハハサギ メイ(17)武装傭兵団社員
民間軍事会社、武装傭兵団の社員。常に冷静。というか冷めている。感情表現がほとんどない。まれに怒ったとき「Fuck(死ね)」と呟く。ホロサイト、赤外線レーザーサイト、暗視装置、低倍率スコープ、フォアグリップなどを装備し通常の重量を大幅に超えたSCAR−Hを酷使する。


〜活動記録目次〜


状況1.桜ノ心ナクシ自衛官、国防官ヘ

>>01 >>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>08 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>27 >>28

状況2.躊躇ウ里帰リ、空ノ刺客アリ

>>31 >>33 >>34 >>37 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>49 >>51 >>53 >>54 >>56 >>57 >>58 >>59

状況3.属サヌ傭兵、影ト成リ結美中隊

>>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>66 >>67 >>69 >>70 >>71 >>73 >>75 >>77 >>78 >>81

状況4.始マル争イ、揺レル日本ノ平和

>>82 >>83 >>84

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.57 )
日時: 2015/05/13 21:39
名前: 裏の傍観者 (ID: XQp3U0Mo)

「古城2尉、他2名の者入ります。」
案内されたのは会議室。
会議室があるこの旧隊舎は3年前に破棄され、今はすべての部屋が会議室となっていることから、会議棟とも呼ばれている。
今回はたまたま人がいなかった事もあり、静かだった。
「風神2佐、お連れしましたよ。結美2尉官のお連れも。」
「あれま、しっかりとしたお連れさんじゃない。まぁ結美2尉官はしってると思うけど、堅苦しいのは嫌いだから適当に座って。」
「そのだらけさ、部隊を引っ張る2佐には見えないな。」
「ケッ、言ってろ。」
お言葉通り、椅子に座る。
夕美は風神2佐の態度が急に変わったことに驚いている。
「ん、あんたの彼女さんなんで驚いてんの?」
「貴様の裏を初めて見るからだ。当然の反応だろう、猫かぶり。」
「言ってくれるじゃねぇか。」
暫くし、古城2尉がお茶を持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「いえいえ。」
こうしてみると、古城2尉がよっぽどマシに見える。
「んで、話とはなんだ?」
早速本題に入る。
風神2佐はだらけた態度を直し、俺に向き合う。
「・・・昨日の話だ、あんたは言った。自衛隊の存在意義を、貴様ら自衛官も考えるべきだ・・・と。その考えの答えだ。」
「そうか、答えは出たか?」
「あぁ。」
彼女は暫く黙り混み、決心した。
「存在すべきだ。」
「ほう。」
その答えを出すからには、なにか理由があるんだろう。
「そもそも日本は小せぇし、お隣さんからは小日本帝国なんて呼ばれる始末だしな。だからこそだ、防衛力に人員は欠かせない。」
「もっともな意見だな。だがお前自身はどうなる?」
彼女の両親は空自に殺された。
その復讐を果たすために入隊した。
復讐を果たすには上を目指す必要があった。
恨みをもつ彼女は、今まで努力をして佐官クラスになった。
それを今更手放すわけでもないだろう。
「古城2尉と同じ、内部から自衛隊を変える。それからだよ。」
なるほどな。
いきなり自衛隊を敵に回すことよりも、内部から変えていくことを選んだか。
仇を撃つだけならそれはただの凶戦士だ。
だが自衛隊はそんなやつらの集まりじゃない。
その辺をよく考えたに違いない、大したもんだ。
「確かに私の両親は空自に苛められて自殺した。・・・空自が殺したようなもんだけど、誰が殺したという明確な証拠がないんだ。もし誰かだとわかったら、あんたみたいに自衛官を殺してた。自衛隊なんか糞くらえだけど、私は古城2尉と同じ、空が好き。その空を飛んでいたい。」
「・・・さすがパイロット。それを聞いただけでも、俺は充分だ。・・・夕美はどう思う?」
「え、私?」
夕美は恐らく何の話をしているのかは理解していないだろう。
だが、今の答えを聞けば俺の質問に答えられる。
「・・・あまり話の内容は分からないわ。だけど、貴方達が持っている空への思いは素敵ね。私や玲也なんか、貴方達のように純粋な気持ちはないわ。あるとしても、私は玲也を愛していることだけ。」
「確かにその通りだな。さすがだ夕美、けど最後のは恥ずかしいんだが。」
事実ではあるが。
「ちょっと待って、あんたら付き合ってんの!?」
風神2佐は驚きを隠せず大声で俺に質問してきた。
「プライベートの話まで聞く気か?」
「べ、別にそういう訳じゃねぇけど!意外よね古城2尉!」
「でも確かにお似合いだと思いますよ、2人揃って冷静ですし。」
古城2尉のやつ、やたらニヤニヤしてやがる。
「あんたって人気者ね、部隊や地元でも有名らしいじゃない。」
「自衛隊では別の意味で有名だがな。お陰さまで特戦群でも人気らしい。」
「それ・・・、洒落になんねぇよ。」
風神2佐と古城2尉は二人して苦笑していた。

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.58 )
日時: 2015/05/15 22:56
名前: 裏の傍観者 (ID: lU2b9h8R)

風神2佐達との話が終わり、相模1佐官達と合流しやっとの事で相馬原駐屯地を出る。
どの隊員もこっちを見ては不愉快な顔をする。
それもそうだ、自衛隊の敵である国防官が堂々と駐屯地内を動き回っているからだ。
正門にたどり着き、証明書を提示する。
「会談終わったか。」
花崎士長は証明書を確認し、話かけてきた。
「あぁ、責任を負わせて俺たちはおさらばだ。」
「そうか。・・・あれから考えた、自衛隊やめてそっちにいくよ。2ヶ月はかかるけど。」
彼はポケットから依頼退職届けを出して見せつける。
「本当か?・・・楽しみにしている。また会おう。」
互いに敬礼をしたあと、駐屯地を出た。
花崎士長、国防官になればまた階級が変わるが、彼を忘れることはないだろう。
次あったときは暖かく迎えたいものだ。
「玲也?今の人は?」
夕美がそういって花崎士長に視線を送った。
「自衛隊やめて国防官になるとさ。」
「お、いつのまにヘッドハンティングしたのか!」
相模1佐官は嬉しそうにポテトチップスを口にする。
「ヤジさん、食いすぎると太るぞ・・・。」
「俺は太らんぞ、筋肉に変わるだけだ!」
食べても太らない相模1佐官は本当に化け物だ。
「玲也、あの2佐なんだが。」
どうやら貴志川は風神2佐が気になっているようだ。
たぶん、アパッチを壊されてキレていると勘違いしているようだ。
「安心しろ、お前に弁償は来ないし、あの2佐は自衛隊嫌いなんでな。アパッチ壊れても防衛省に対してざまぁとしか言わない人だ。」
「自衛隊が嫌い?なんだそりゃ・・・。」
「話せば長くなる。・・・さ、予約した旅館に行こうか。せっかくの休暇だからな。」
「温泉楽しみだわ!」
「刺身食い放題だな!」
「相模1佐官は食べることしか眼中に無いんすね!?」
いつの間にか車内は騒がしくなっていた。
本当に今回は面白い話を聞かせてもらった。
風神2佐、古城2尉。
あの二人はどうやって自衛隊を変えていくのか楽しみだ。

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.59 )
日時: 2015/05/16 11:09
名前: 裏の傍観者 (ID: cYeSCNTQ)

1307時、入間基地 隊舎屋上。

「なんか嬉しそうですね、風神2佐。」
「ん〜?」
古城2尉だった。
「なんかスッキリした気分だから、そういえば分かるでしょ。」
「目的が見つかったんですね。」
今まで自衛隊をただ嫌っていただけで、内部から変えようとすら考えていなかった。
だが、古城2尉の意見やあの時出会った結美2尉官の言葉で目覚めたのだ。
「(自衛隊の存在意義については貴様ら自衛官も考えるべきだ。・・・そう思わないか風神2佐。)」
今でもあの言葉が心に残っている。
「ありがと、古城2尉。あんたを呼んでなかったら、こんなスッキリした気分にはならなかった。」
「自分も風神2佐に感謝しなければいけません。あの有名な結美2尉官に会えるのは滅多にないですから。」
確かに、彼は有名だが会うことが滅多にない。
それもそう、彼は国防官であり私たちは自衛隊だ。
「それで、最初はどうします?」
「もちろん、まずは部隊からひねくれた根性を叩き直す!手伝ってくれるでしょ?」
「もちろん、そのために呼ばれたと自覚してますから。」
これから忙しくなりそうだ。

1500時、新宿駅西口。

「戦争反対!!」
「「反対!!」」
大勢の人が戦争反対のプラカードなどをもってデモ活動をしている。
丁度新宿で買い物しに来ていた。
これは視認情報だ。
ポケットからスマートフォンを手にし、魅標3曹官に電話をする。
<・・・はい、魅標です。>
「河瀬だ。」
<河瀬2曹官、どうかなさいました?>
「視認情報だ、新宿で自衛隊と国防官の戦争反対運動してる。」
<了解です、協力有難うございます。>
すると、黒のワゴン車が1列で走っているのを見かける。
数からするとざっと20台はいる。
不気味なものだ。
<もしもし?河瀬2曹官?>
「いや、何やら怪しげなワゴン車が20台走っていたものでな。」
<ワゴン車・・・ですか?>
ワゴン車はデモ活動が行われている場所で止まる。
それに気づいた多くの通行人が足を止める。
そこで状況は激変する。
ビルのスクリーンが砂嵐になったあと、テロリストにしてはいい装備を身に付け目出し帽を被った人物が現れる。
「なんだあれは!?魅標3曹官、今ビデオに切り替える!」
<了解!迎えを出しておきます!>
外は危険だ、近くのショッピングモールに入り窓が空いている3階に登り、スマートフォンのカメラを起動する。
<感度良好、確認しました。・・・なんですかこれは!?>
「さっぱりわからん!だが確かなのは、こいつらテロリストだ!」
ついに、そのスクリーンに映った男が喋りだす。
『デモ活動を行っている愚かな者達よ。貴様らが今訴えている戦争反対はどう言った理由で行っている?ただ戦争をなくして自分達だけ平和になろうとしか我々には思えない。本当に愚かしいことだ。貴様ら平和ボケの日本人はなにかとそうだ。なにかと物事に対し反対をする。原発の時もだ、原発再稼働についても大いに反対していたな。逆に問おう。原発の再稼働を阻止したとしよう、貴様らに何ができる?原発に変わる新しいエネルギーを見つけたとでも言うのか?ただ反対しているのか?そう、貴様らはまともな解決策すらなく何かと意見をいう口先だけの貴様らが許せない。我々はそんな貴様らを排除する。後悔するがいい、今までの行い、自分の愚かさを抱きながら・・・死ね。』
すると、ワゴン車からとんでもない事が起きる。
「おいありゃ・・・!」
<警察!?いや・・・!>
警察の特殊部隊のような格好をした集団がワゴン車から出現する。
手にしている銃は・・・米軍の小銃、M4A1カービンだった。
車両の窓が空いていると思い、偶然手にしていた双眼鏡で車内を覗く。
そこには・・・。
「12.7㎜重機関銃だと!?」
『さぁ、公開処刑の時間だ。』
スクリーンの男は中指を立てる。
それが合図なのか、武装集団はデモ運動をしている集団に対しついに一斉射撃を行った。
「うわあああああッ!!」
「にげッ!?」
「がぁ!?」
撃たれた人は原型を残さず粉々に散っていく。
この威力は、12.7㎜重機関銃か!!
「なんてこったい!新宿が一瞬で処刑場に変わりやがった!」
<河瀬2曹官!迎えが到着しました!今いるショッピングセンターの下に一般車ですが華目3曹官が車止めてます!急いでください!>
「せっかくの休日がこれかよ!」
その場を後にして下に降りる。
さっきので通行人が一斉に逃げ出している。
そのせいで道は人混みだ。
武装集団はこちらにまで攻撃をしてきた。
「くそッ!!」
「河瀬2曹官!こっちです、急いで!!」
道路に華目3曹官の車が止めてあった。
即席でやったのか、車体には防弾板が貼り付けられていた。
人混みを突破して車に乗り込む。
「行きます!」
華目3曹官は車を反転させて赤羽基地に向けて走らせる。
「ご無事ですか?」
「俺はな。あそこにいた通行人は無事じゃすまないだろう。12.7㎜重機関銃で体を木っ端微塵にされたやつもいた。」
「なんてことを・・・!」
「とりあえず戻るぞ!」

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.60 )
日時: 2015/05/17 18:02
名前: 裏の傍観者 (ID: XQp3U0Mo)

状況3.属サヌ傭兵、影ト成リ結美中隊

新宿駅西口(封鎖中)。
あのテロから3日目。
ここで行われていた国防軍と自衛隊の戦争反対運動は突如現れた武装集団によって、315人の死者が出る最悪な事態となった。
武装集団は警察の特殊部隊ではとの声が上がるも、米国製の小銃を導入した覚えはないと警視庁はそう発表した。
その後新宿駅西口方面の直径約5キロの区域を封鎖。
警察は調査するも手がかりは見つからなかった。
自衛隊の派遣も考えられたが、テロについては警察の管轄だという意見により拒否され、国防軍も派遣されることはなかった。
今回のテロは、テロリスト側の装備が軍に匹敵することから警察ではなく民間軍事会社、日本武装傭兵団が派遣された。
9条が機能しなくなった現状で、戦争から身を守るために他人に武器を持たせた愚かな国民により設立され、今は国民の人型使い捨て防弾板として機能している。
〈ここが公開処刑場となった場所だ。〉
耳に着けていたイヤホンから、無線機で話しかけているリーダーの声が聞こえた。
「見ろよこの弾痕、どっからどう見てもキャリバー50だぜ。」
「食らいたきゃねぇもん持ってやがるぜ、あのテロリスト共は。」
他の傭兵達はそういってカメラを手にし、撮影をする。
もう1人は、調査用紙に何かを書き込んでいる。
〈帚木、その建物に察の連中が妙な動きを見たらしい。調査も兼ねて制圧してくれ。〉
「了解、リーダー。」
ぶら下さげていたSCARーHを手にローレディーの姿勢をとる。
「お嬢が先導する、しっかり互いのサポートしろよ。」
「あいよ。」
「了解しました。」
「任せな。」
私は合図をして無言で建物に侵入した。

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.61 )
日時: 2015/05/17 19:00
名前: 裏の傍観者 (ID: XQp3U0Mo)

赤羽基地、結美中隊 中隊長室。

大隊長室に集まるはずが、なぜか俺が今いる中隊長室で臨時の呼集がかけられた。
呼ばれたのは主に他の中隊を含めた俺以下7名の幹部と・・・。
「・・・なんで下っぱの俺が呼ばれてるんすか?」
士官の貴志川が呼ばれた。
「結美と日暮奈と一緒に行動してるんだ、せっかくならと呼んだまでだ。」
相模1佐官は笑顔でそう言う。
「それに、大隊唯一の凄腕スナイパーだしな。」
その言葉を聞いた瞬間皆は改めて納得した。
「そういう訳だ貴志川。俺と夕美のサポート頼むぞ。」
「まぁ玲也がそういうなら・・・。」
あまり納得していないようだな。
拒否する理由はわかる。
幹部の集まりに一人だけ士官がいるのは気まずいのだろう。
だが今回はそうも言ってられない。
「さて、諸官を集めたのは他でもない、新宿事案についだ。」
それを聞いた途端、皆の表情が険しくなる。
反対運動を行っていた国民が、突如公開処刑場となった新宿駅西口で武装集団の攻撃を受けて315名の死者を出す最悪の事態だったからだ。
偶然そこに居合わせていた河瀬2曹官が情報を収集、携帯のカメラでわずかながらも武装集団の装備、車両に隠された12.7㎜重機関銃の撮影に成功した。
この写真は世間には広められておらず、今はこの第零攻撃戦闘大隊だけが握っている。
「勝手にやると色々とヤバイんでな、密談で国防大臣にお伝えした。その結果・・・。」
相模1佐官は机に書類を思いっきり叩きつける。
「これは・・・命令書?・・・ヤジさん、こいつは!」
「見ての通りだ、国防大臣直々で出動命令が出た。恐らく、今でてる警察や民間軍事会社の武装傭兵団じゃ解決できないだろうとのお言葉でな。警察や民間軍事会社の上層部には密談で話をつけたらしい。が、大隊で行くには目立ちすぎる。隠密なもんだから、せいぜい1個中隊しか出せん。そこでだ、あとは分かるな?」
「ヤジさん、俺たち結美中隊が出ろっていってるようなものだぞ。」
他の幹部も納得していた。
ここ最近俺の中隊がよく戦場に駆り出される。
これでまた負傷者多数発生の休養にはなりたくない。


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