ダーク・ファンタジー小説
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- 殺人病棟
- 日時: 2016/03/07 18:06
- 名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)
こんにちは。死蘭です。
このお話は少しグロい表現を使いますが、そこは気にせずに読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
- Re: 殺人病棟 ( No.51 )
- 日時: 2016/10/28 15:15
- 名前: 死蘭 (ID: qbtrVkiA)
「ど…どうして?」
中富の頭は混乱の絶頂にあった。死んだはずの彼女が今目の前でいつもの笑顔を見せて立っている…その事が中富を混乱させている一番の原因だった。
「私がここにいるのは意外?」
香織は不敵な笑みを浮かべて中富の方を見る。
「えぇ…だってあなたはあの日…」
「うん。死んだよ」
香織は当たり前の事のように言った。
「確かに私はもうこの世にはいない存在…じゃあ何でここにいるのかって言うのが中富さんの疑問なんでしょ?」
香織は中富に問いかけた。自信満々な瞳を彼女の方へ向けながら。
中富は無言で頷いた。香織はくすくすと笑いを零した。
「じゃあ教えてあげる!一度しか言わないからよーく聞いてね!あ、この話は私達だけの秘密だよ!いい?」
香織は人差し指をピッと立てて中富に確認する。
「…分かったわ。約束する」
彼女のその答えを聞いて満足したようなのか香織は満面の笑みを浮かべた。
「じゃあ!私のちょっとしたお話の始まり始まり〜!」
そして彼女は語り始めた。
「私が死んだ次の日の夜にね…」
- Re: 殺人病棟 ( No.52 )
- 日時: 2016/11/05 13:31
- 名前: 死蘭 (ID: uFFylp.1)
404号室の殺人事件の後…
「はぁ…ここ、なんなんだろう」
香織は困り果てていた。自分はこれからどこに行けばいいのだろうと。
「うーん…この病院みたいなとこが死後の世界なのかなぁ?…でもここ私がいた病院とそっくり」
香織はあちこちを見回した。彼女の言う通りそこはまるで彼女がいた病院と同じつくりになっていた。時間を知らせる古くて大きな置き時計、病室の雰囲気、受付の場所…何もかもがあの病院と一緒だった。
「はぁ…誰かいないのかなぁ」
香織は重い溜め息を漏らしながらとぼとぼと目的もないまま何処かへと行こうとした。
その時だった。
「おい」
突然、低い声が香織の耳に届いた。彼女は体をビクッとさせて、恐る恐る後ろを振り向いた。
人が立っていた。おそらく男だろう。身長は大体170くらいで、顔を隠せる程のフードを被りそれはまるで死神のような風貌だった。
「おい、お前は誰だ?」
男は香織に問いかけた。香織は戸惑いながらも質問に答える。
「えっと…三宅香織、です」
「なぜここにいる?」
「え?むしろこちらが聞きたいんですけど」
香織は男に問い返す。男は少し戸惑ってから「…ここがどこか分からんのか?」と言った。
「うん。私、昨日ここと似た病院で殺されて、なんか知らないけどここにいた」
「…」
男は何か考えているようだった。
「…まぁいい。とりあえずここは冷えるから別の場所に行こう」
「え」
男は回れ右をして何処かへ行こうとする。香織はその後ろ姿をきょとんとした顔で見ている。
「何してる、来ないのか?」
男は一度止まってそういってからまた歩き出した。
香織は一瞬戸惑ってから、男の後に続いて歩きだした。
- Re: 殺人病棟 ( No.53 )
- 日時: 2016/12/31 11:31
- 名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)
「あ〜れぇ?ごっ主人〜♪誰ですかー?その女の子は〜」
男が香織を連れてやってきたのは病院の受付近くのホールだった。受付では目隠しでもするかのように"目"と書かれた紙を目の所に巻いている女性がいた。
「あ、えっと…」
「三宅香織だ」
香織がおどおどとしながら名前を言おうとすると、男が先に彼女の名前を言った。
「あ〜!あなたが三宅香織様ですね〜!お話はシロトから聞いてますよ〜」
女性は明るい声をだした。
「…ラン、彼女を知っているのか?」
「はい!昨日の夜、404号室であの男に殺された少女ですよね〜?今日シロトが伝えにきたので名前をいわれてすぐにピーンときました!」
ランと呼ばれた女性は右手の人差し指を立てて楽しそうに男に話す。
「あの男?…あー例の大量殺人鬼か?」
男は一瞬誰のことか分からないようだったがすぐに思い当たったようだった。
ランは男に三日月のような笑みをつくって「はい!」と言った。
「あの男!スカウトしたいんですけどなかなか死なないんですよねぇ…どうしたものでしょう」
「あの…」
ランが溜め息をついている横で香織はおずおずと男に話しかける。
「ん?なんだ?」
男は香織の方を向いて首を傾げた。
「えっと、そのー…まだ名前を聞いてないんだけどー」
「名前?誰の?」
「あなたしかいないでしょう」
香織はムスッとした顔で男を見る。男はその様子を見ると突然手を口にあててフッと笑った。
「な、なんですかーいきなり笑ってー!」
香織はさらにムスッとなる。男はすまんといいながら少し笑った後「俺の名前はドクロだ」と言った。
「ドクロ?変な名前ー」
香織は眉間に皺を寄せる。
「まぁ、偽名だからな」
「えー!本名教えてくれないの?!」
香織は不機嫌そうな声を出した。
「仕方ないだろ。それがここのルールなんだ」
ドクロは溜め息をつきながらここの事について簡単な説明をする。
「ここのルールは全部で四つ。一つ目は偽名を使うこと。本名を知られて誰かに呪われたりするのを防ぐためのルールだ。二つ目はここに就くときは必ず役職が何かを決めること。ここは一人一つは役職という役目に就いてそこを管理することになっている。三つ目は秘密をばらさないこと。秘密をばらしてしまった場合はその人にはそれ相応の罰を与えて記憶を消し、ここから追放しなければならない。そして四つ目は…」
ー…バトルロイヤルという殺し合いを開催する主催者を必ずつくることー
- 殺人病棟 ー始まりの悲劇ー ( No.54 )
- 日時: 2017/10/09 11:53
- 名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)
「ねぇ、ドクロ。あの扉って何?」
「・・・あーあの奥の扉のことか」
香織が指差す場所は廊下の奥に異様な威圧感を放つ白い扉があった。窓から射す光が扉を照らし、より一層不気味さを醸し出していた。
「あそこもバトルロイヤルとかいうやつに必要な場所なの?」
香織はドクロの隣で眉を潜めている。ここにきて五日目の彼女だが、未だにそのバトルロイヤルの内容に慣れないでいる。彼女は生き物を殺す、ということが誰よりも嫌いだからだ。
「あー・・・まぁ、あそこがなければここに迷い込む哀れな者が救われないからな。そいつらにとってはあそこは”生ける者の救済室”と行ったところかな」
「生ける者の救済室?」
「そうだ」
香織はキョトンとした顔でただただ奥にある白い扉を見つめていた。
- Re: 殺人病棟 ( No.55 )
- 日時: 2016/12/31 23:12
- 名前: 電波 (ID: iruYO3tg)
お久しぶりです!
なかなか面白い展開になってきたなぁ、と思っています。
香織ちゃんが死人になって、なぜあの病棟に現れたのか。これが一番の謎ですね。これからどうなるのかが楽しみです。
また来年も、面白い話を書いてくださいね!
では、よいお年を!
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