ダーク・ファンタジー小説

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殺人病棟
日時: 2016/03/07 18:06
名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)

こんにちは。死蘭です。
このお話は少しグロい表現を使いますが、そこは気にせずに読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

殺人病棟 ー始まりの悲劇ー ( No.46 )
日時: 2016/04/17 18:25
名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)

五日後の朝・・・
「イヤァァァァァァァァァァァァ」
女性の嗚咽まじりの声が病院の廊下に虚しく響く。
「嘘よッ・・・だってこの間までッ」
404号室では中富と香織の担当医、そして病室のベットの脇には泣き崩れる香織の母の姿があった。
香織の寝ているベットは大量の血で汚れ、香織の体はバラバラにされていた。彼女の右手にはノコギリが握られている。ノコギリは所々錆びれており、そのためか香織の体の切断面はボロボロになっている。白い天井は彼女の血で赤黒く染まり、清潔だったカーテンも今や彼女の血で残酷な絵画の一部と化していた。床も白から赤へと塗り替えられている。
五日前の病室の面影はどこかへと消え失せ、今は箱の中の地獄絵図へと変貌を遂げていた。普通の人なら気絶していてもおかしくないくらいの光景だったことだろう。
「香織・・・私を一人にしないで・・・」
彼女の母は顔を香織の寝ているベットに押し付け、警察がこの病室に来るまで、ずっとそこで泣いていた。

殺人病棟 ー始まりの悲劇ー ( No.47 )
日時: 2016/04/23 11:47
名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)

その後、警察はこの事件を解決すべく捜査を開始したが、手がかりがあのノコギリだけというためか、それともまた別の理由があったからなのか捜査はすぐにうちきられ、迷宮入りとなった。
香織の母、三宅 春はその後どうなったかというと、彼女は実の娘を失ったショックでノイローゼになってしまい、最終的に首を吊って自殺をしてしまった。
香織と母親の葬儀は数週間後滞りなく行われ、404号室ではまた新たな患者が使用している。しかし、彼女の死因は未だ謎に包まれていた。

1ヶ月後・・・


               ーそして悲劇は幕を上げるー

殺人病棟 ー始まりの悲劇ー ( No.48 )
日時: 2016/05/07 16:02
名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)

1ヶ月後のある夜・・・

ゴーン、ゴーン、ゴーン・・・病院の受付から12時を知らせる鐘が鳴り響く。あたりは静寂と闇が包み込み、患者の寝息はそれに華を添えるために音楽を奏でている。
404号室でもそれは同じことで、現在使用している患者もその静寂と闇のための演奏に参加していた。何もかも、いつもと変わらぬ日常の光景だった。
ただ一つ、病室のベットの脇にナイフを持って立っている人影を除いては・・・

殺人病棟ー始まりの悲劇ー ( No.49 )
日時: 2016/05/08 19:19
名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)

翌朝、404号室に聞いたこともないような悲鳴がきこえてきた。

404号室の殺人はそれからも続いた。404号室に患者が入ってくる度に、香織とおなじような死体となって翌朝発見される。
警官や医者、看護師、探偵、記者...多くの人がそこを使用し、謎を解こうと努力した。
しかし、誰もがその謎を解くことはできなかった。できるのは香織と同じ死体、それだけだった。
誰もがあの病室を恐れ、戸惑い、しまいにはあそこを使いたくないと言う者まででてくるようになった。
だが、そんな不可解な謎が、とある人物によってついにあばかれることになる。

それは珍しく404号室を使用しても構わないと言っていた人が入院していた時のこと...

殺人病棟 ー始まりの悲劇ー ( No.50 )
日時: 2016/07/06 11:59
名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)

真夜中の12時、香織のお気に入りの看護師であった中富が404号室の前を通りかかった時のことである。
           ザクッ
404号室から突然、鈍い音が聞こえてきた。何か嫌な予感がした中富はすぐさま404号室のドアの取っ手をつかみ、勢いよくスライドさせ、中に入っていった。
「!」
嫌な予感は・・・的中していた。中富は予想だにしなかった光景にただ唖然としながらそこに立ち尽くすことしかできなっかった。あの光景を口頭で説明するのは難しいことだった、そのくらい凄まじいものだった。
まず最初に目がいったのは手足の部分であった。胴体から切り離されたそれらの切断面からはおびただしい血が流れ、右手にはノコギリが握られている。頭には包丁が突き刺さり、天井や壁にはベットで死んでいる患者の血が飛び散っていた。
(あの時と・・・同じ光景・・・いいえそれよりも酷い・・・)
中富の思考はここでようやく動き出した。しかし、それと同時に疑問が次々と浮かび上がり、彼女の頭は混乱してしまった。
しかし次の瞬間、中富の頭は一旦冷静さを取り戻した。病室の奥で何か物音が聞こえたのである。彼女は音が聞こえるとほぼ同時に手に持っていた懐中電灯を奥の方へ向けた。まるで刃物を向けるかのような速さだった。
「うわっ、眩しい!」
少女の可愛らしい声が聞こえた。中富は反射的に「あ・・・ごめんなさい」と言って懐中電灯を下ろす。
「うーん・・・って、あれ?中富、さん?」
少女は中富を知っているらしく、彼女は確認の質問を投げかけた。
中富は最初、少女が誰かわからなかったが、先ほどの声が聞き覚えのある声だと思い、もう一度懐中電灯を奥の方に向ける。
「嘘・・・」
中富の思考は目の前の人物によってまた停止した。なぜなら、そこにはこの世にはもう、いるはずのない人物が立っていたのである。
「か・・・香織、ちゃん?」
そこにはなんと、あの死んだはずの香織がいたのである。
「うん!久しぶりだね!」
香織はそう言ってニッコリといつもの笑顔を見せた。


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