ダーク・ファンタジー小説
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- 殺人病棟
- 日時: 2016/03/07 18:06
- 名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)
こんにちは。死蘭です。
このお話は少しグロい表現を使いますが、そこは気にせずに読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
- Re: 殺人病棟 ( No.31 )
- 日時: 2016/03/30 21:22
- 名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)
階段を上って、屋上の扉まであと少しという時だった。今まで何も喋らず黙っていた加奈子が突然、こんな質問をしてきた。
「ねぇ青ちゃん・・・今回のこのバトルが始まった場所、どこか知ってる?」
彼女の声が異様に明るく聞こえた私は背筋がぞっとするほどの恐ろしさを感じたが、なんとか平静を保ちながら「さぁ・・・どこなんですか?」といって問い返した。
「404号室からだよ」
「へぇ、そうなんですか・・・それも誰かから聞いたんですか?」
「・・・青ちゃん、覚えてないんだ」
「はい?」
私は加奈子の言葉に疑問を持った。何を覚えてないんだ?私・・・
「いや、いいよ。あ、ほらもうそろそろ着くよ」
「あ、はい」
私はそう言って返事をしたが、先ほどの言葉が頭から離れなかった。そのせいか、あの一瞬のことにすぐさま対処することができなかった。
それは、屋上のドアを開けた時だった。
グサッ
「イッ・・・ッ」
突然の背中の激痛に声が上がらなかった。そして、それと同時にずっと引っかかっていたことに一つの推理が浮かんだ。
でも、あまり考えたくない
だってこれが本当なら・・・
私は体勢を崩し、なすすべもなく屋上のドアを押し開け、地面にドサッと倒れ込んだ。
私が激痛に苦しんでいると、頭上からフフフという声が聞こえてくる。加奈子の声のようだった。
「青ちゃんさぁ、案外鈍いよねぇ。それとも知ってたけど信じたくなかったから、あえて考えないようにしてたのかなぁ?」
また彼女の方から、フフッと笑い声が聞こえる。
「青ちゃんはさぁ、私のこと、殺人者だって思うんでしょう?それは半分当たってて、半分違う」
私は加奈子のセリフに何も言えなかった。
当たってたという悲しさと、半分違うと言われた驚き。
では、もう半分は一体なんなの?私が何も覚えてないことと関係があるの?
私が考えているのを知ってかしらずか、加奈子はフフッと笑って私を見下ろした。
「さぁ、次はあなたがなる番よ・・・」
ー殺人病棟の殺人者にねー
そうか・・・「今回の」っていう意味はそういうことか・・・
このバトルはこれが始まりなのではなく・・・
何度もやっていたことなんだね・・・
不意にアナウンスが流れる。子供っぽい声だった。
これにて今回のバトルロイヤルは終了!
次回のバトルロイヤルにてお会いしましょう♪
気が遠くなる中で、私は加奈子の方を見た。
加奈子の隣には、血だらけの見知らぬ男が立っていた。
その人の顔はよく見えなかったけど、彼が悲しい目でこちらを見ているような、そんな気がした。
あの人は一体・・・誰だったのだろう
- Re: 殺人病棟 ( No.32 )
- 日時: 2016/03/31 15:04
- 名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)
「あーれぇ、ご主人〜どうされたんですか〜?くっらい顔して〜」
バトルロイヤル終了後の病院内で紙の面をつけた女性が血まみれのフードをかぶった男に近づく。明るい声を発した女性はこの薄暗い病院には合わないくらいの陽気さを放ちながら、彼に言った。
「あ!わかった〜!まーた香織様の事を考えていらっしゃるんでしょ〜?もう、大丈夫ですよ〜・・・だって」
女性は男の隣でニコニコしながら笑った。
「だってもう、あの方は違うんですから〜」
彼女は未だ彼の隣で笑っている。
「・・・あぁ、そうだな」
男は女性にそういったが、彼はまだ納得がいかないようだった。
もう何年も昔のことを思うのは馬鹿らしいと自分でも思っているが、やはりそうは思えないとどこかで思っている自分がいることも事実だった。
今のこの病院の現状を見て、彼はこう思う。
「やはり、あれはやってはいけなかったんだ」、と。
- Re: 殺人病棟 ( No.33 )
- 日時: 2016/03/31 15:21
- 名前: こいとp (ID: zflF3NFd)
加奈子さんのキャラ、嫌いじゃないです。
- Re: 殺人病棟 ( No.34 )
- 日時: 2016/03/31 15:36
- 名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)
ゴーン、ゴーン、ゴーン・・・病院のロビーにある古い時計が12時の鐘を鳴らす。
私はナイフを右手に持ち、不敵な笑みを浮かべて、この404号室を出て行く。どんなふうに殺そうか、今はそれしか頭にない。
あー・・・私はきっと、哀れな人間に見えるだろう。何も思い出せない私は、ただ人を殺すという道しか残されていないのだから。
私が来るのを見計らっていたかのように、アナウンスは私がここを出た瞬間流れ始める。とても可愛らしい、女の子の声が聞こえてきた。
これから「殺人病棟 バトルロイヤル」を始めます!
みなさん、良き夜で殺し合いをスタートさせましょう♪
- Re: 殺人病棟 ( No.35 )
- 日時: 2016/03/31 15:53
- 名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)
こいとpさん、コメントありがとうございます!
えーと・・・殺人病棟「1」はこれで終わりです。次回の殺人病棟を楽しみにしていてください。
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