二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 少年陰陽師*双月恋妖絵巻*
- 日時: 2012/04/11 22:14
- 名前: 翡翠&勾菜 (ID: KkB6tonB)
はぃ、ここは二人で書いていく小説処です。
—————ご注意書き—————
・更新がまちまちですが、それでも良いという方、お進みください。
・荒らしとチェンメはお断りです。
・恋愛ものが嫌いな方、はい、さようなら。
#序章#
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〜第一章*牛鬼編*〜
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〜第二章**〜
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では、オリキャラ紹介です↓↓
—————オリキャラ設定—————
【名前】緋月 麗菜
【読み】ひづき れいな
【年齢】17歳
【設定】緤菜の双子の姉で、強い霊力を持つ。神の血を強く受け継いでいる。
【容姿】腰より少し長い漆黒の髪をつむじのあたりで一つに結いあげている。
【性格】優しくて、おとなしい。誰かがけがをするのが嫌。調伏・星見が得意。誰かと同調することが突然起こる。感がすごく当たる
【名前】緋月 緤菜
【読み】ひづき せつな
【年齢】17歳
【設定】麗菜の双子の妹、強い霊力を持つ。巫女の血を強く受け継いでいる。
【容姿】腰より少し長い赤黒い髪をつむじのあたりで一つに結いあげている。
【性格】努力を怠らず、真っ直ぐ。人にも妖怪にも優しい。姉とは、かなり仲がいい。調伏・占術が得意。でも、治癒の術が一番得意。予知夢をよく見る。
下手ですが…イメージ>>111 >>121
☆各編の登場人物☆
〜牛鬼編〜
・王龍(白龍と黒龍の本来の姿。龍神の頂点に君臨するほどで貴船の祭神とも顔見知り)
・牛鬼(人を殺すことに喜びを覚え、人の心を操り惑わす。)
・廉狼(牛鬼の腹心の部下。心を縛ることが可能。その容姿に惑わされがちだが、実はかなりの策略家。)
・憐菜(麗菜と緤菜の母。)
〜 編〜
・廉狼:牛鬼の腹心の部下。心を縛ることが可能。その容姿に惑わされがちだが、実はかなりの策略家。
・時司大神:時を司る神。その神位は造化三神に匹敵するため、高天原のどこかに常に座している。強大すぎる力を人で使うことができるのは時司巫女のみ。当代の巫女は麗菜と緤菜。
・珠櫻妃:櫻(麗菜)を自身のしもべとして扱う、謎の女。心の闇に人をつけこむ。
担当を分けて書いていこうと思っています。
麗菜…勾菜 緤菜…翡翠
で、書いていきます。
この主人公たちが、どうなっていくのか、読んでみてのお楽しみですよ。
———平安の世に生きる美しい双子の少女たちの物語が、今、始まる!
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- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.106 )
- 日時: 2011/11/29 04:31
- 名前: 翡翠 (ID: 247YvwPY)
〜緤菜〜
膝から崩れ落ちた私を紅蓮が支えてくれていた。
だけど、そんな支えさえ、鼓動の脈打つ音によって掻き消されていた。
全身に力が入らない。恐怖や孤独に塗り潰されてしまいそうだった。
麗菜どうして……? そんな思いばかりが胸を駆け巡って私はただその思いに抗うように認めないとでも言うかのように歯を食い縛った。
血が滲んでいても気にならない。状況をただ認められなかったの……。
その場に座り込み黙ったままの私を困惑した表情の昌浩と物の怪の姿に変化したもっくんが凝視していた。
重たい空気の中、私はふらふらと立ち上がり歩き出す。
そんな私をもっくんが引き止めた。
「おい、そんな状態で何処へ向かうつもりだ」
もっくんの問いかけに何も答えず立ち去ろうとする。
だけど、もっくんがそれを許すはずがなかった。
「待て、何処へ行くのかと聞いている」
怒気の含まれたその声に私は表情の抜け落ちた人形のような素振りで言い返した。
「……麗菜を助けなきゃ……きっと独りで泣いてる……私が早く向かいに行ってあげないと」
そう、時司大神がなんだ。その血がなんだっていうの?
そんなものは私達二人には関係ない。
そんなことは知らないしどうでも良い。ただ、私から麗菜を取らないで。独りぼっちにしないで……!
それだけの思いで今何処に居るかも分からない麗菜を探すために足を前へと進めていた。
「いい加減にしろ! 少しは冷静になったらどうだ。敵のことを何も知らずに向かって無駄死にするつもりか!」
無駄死に? 誰が?
そんなこと、するはずない。だって私が居なくなったら麗菜は……。
「あ……」
そっか、私まで麗菜のように捕らわれてしまった誰が麗菜を助け出すというのだろう。そんな簡単なことにも気づけないくらいに動揺してたなんて……。
「ごめん……もう、大丈夫」
二人に謝罪の言葉を言う。
そして、同時に心に思った、まずは麗菜を捕らえた者の情報を集めよう、走した中でアイツの言っていた、時司大神のことも詳しく分かるのかもしれない。不安は残るしとても恐い。
だけど、今の私はまだ独りじゃない。だからこそ、今まで通りの私でいることが出来る。大丈夫、一つずつ解決していけば絶対麗菜を助けることが出来る。だから、今は慎重に動こう。
——麗菜もう暫くの間待ってて
必ず助けに行くから……どうか、負けないで——
心に誓う。
絶対に麗菜と再会することを。
「えと、それじゃぁ、一度風音達と合流しよっか」
昌浩の言葉に一度頷き、私達は再び歩き出した。
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.107 )
- 日時: 2011/11/29 21:38
- 名前: 勾菜 (ID: IlzFUJT4)
〜麗菜〜
ここは何処? 私は……誰なの…?
思い出せない、否、思い出したくないのだ。
私は、何か大切なことを忘れているはずなのに。
それはきっととっても大切なことだろう。
思い出せない。
自分の心の最奥が拒否する。
どうして…?
「……」
重たい瞼をゆっくりと開く。
だるい…そう思って細く息をはく。
「あ、目が覚めた?」
気だるげな瞳で声の主を見る。
「だれ…?」
「おぉ、目が覚めたのじゃな」
さらりとした衣擦れの音と共に黒髪の女が現れる。
「あなたは…」
「妾かえ?妾は珠櫻妃じゃ。そなたは珠櫻と呼ぶがいい」
「珠櫻?…わたしは、誰なの?」
頭に霞がかった感じがして、考えたくない。
いきなり現れた女に、警戒心すら抱けない。
「そうじゃ。そなたに名前を授けてなかったのう…」
そう言ってふっと妖艶な笑みを浮かべる。
「そなたは今から"櫻"じゃ」
「おう…?」
呟きながら立ち上がり、彼女に視線を合わせる。
彼女は笑みを浮かべ、櫻の額に手を当て呪文を唱えた。
キンと、音がして櫻の額には銀冠がはまっていた。
「これは?」
櫻が問うても、彼女は答えない。
ドクンと、心臓が脈打つ。
体中が熱い。何が起きているのか。
「ハッ…あっ…うぅ…」
立っていられなくてしゃがみ込む。
それからその場を静寂だけが支配する。
「見事な姿じゃ…のう、廉狼」
「そうですね…」
廉狼は同意しながら、にいっと口端を釣り上げる。
二人が見つめる先にある姿。
それは———
汗だくになってその場にくずおれた櫻。
櫻は荒い呼吸を繰り返す。
本来の黒髪とは似ても似つかぬ銀の髪。
黒い瞳とは対照的な真紅の瞳。
「あ…れ…?私、どうしてこの姿に…」
自身の銀髪を見て唖然とする。
「それがそなたの本来の姿じゃ。のう、櫻」
無言で珠櫻妃を見つめる。
「そなたを苦しめた人間に…復讐をしてやろうではないか」
櫻の脳裏に断片的な映像が流れ込む。
それは全て憎しみを感じさせるもの。
「いいわ…私の手でこの人間を殺す…」
真紅の瞳が冥く光った。
先程までとは別人のような雰囲気を醸し出す。
「ならば…緋月緤菜とその周りにいる者全て、殺してしまえ。…すべてとは言わん。まずは手傷を負わせてくるのじゃ。廉狼、お前もいけ」
「はっ」
「行ってくるわ、珠櫻」
傍にあった、太刀をつかみ櫻は立ち上がる。
廉狼に視線をむけて共にそこを飛び出していく。
その風を受けて、ろうそくの炎がゆらゆらと揺らめいた。
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.108 )
- 日時: 2011/11/30 00:53
- 名前: 翡翠 (ID: xhrme0sm)
〜緤菜〜
二人と共に来た道を戻ってる最中、私達は遭遇してしまった。
今、会いたくて仕方のなかった人物に。
だけど、その人物の容姿は私の良く知るものとは別のものだった。
黒かった髪は銀色に輝き、瞳は真紅へと変わった姉——麗菜の姿があった。
「……麗菜?」
変わり果ててしまった麗菜にゆっくりと歩み寄りながら言葉を発する。
麗菜の瞳にあったのは確かな殺意と呼べるものだった。
「私は……櫻だ」
櫻? 何を言ってるの?
麗菜の言葉に困惑しながらも距離を縮めていく。
このときの私には気付いていなかった。いつの間にかこの場に居るのは二人だけだと言う事に。麗菜の手には太刀が握られていたという事に。
私は少しも気付くことはなくて、ただ一緒に居たくてまるで吸い寄せられるかのように麗菜の元へと歩み寄ったの。
〜紅蓮〜
明らかに空気が可笑しい。
そう思った、だがそれに気付いたときには既に手遅れで、俺と昌浩は既に敵の手中にはまっていた。
「……おい、昌浩、この気配は」
化生へと姿を変えた俺は昌浩の肩に乗り耳元で話しかけた。
「うん……分かってる」
この忘れもしない嫌な気配。
あの妖怪、廉狼のものだとすぐに分かった。
そして、この空間を生み出しているのもソイツだと言う事も。
「隠れてないで出てきたらどうだ」
周囲に神経を張り巡らせながら何も居ない空間に声を張り上げる。
それから、少しの間の後に依然、姿は見えないものの、あの時と同じ声が場に響いた。
「へぇ。もうこの結界に気付いたんだ。だけど、もう遅いよ。既にあの妹の方には櫻が行っている」
櫻、だと? 聞いたことの無い名だ。
廉狼の仲間だろうか。思考を巡らせていて廉狼の言った言葉で聞き逃してはならないことがあったことに気付く。
待て、妹の方と、言ったか。
そこまで考えがいくと俺は真紅の炎蛇を空間、結界に向けて放ち叫んだ。
「緤菜を何処へやった?」
「フフフ……お前達に為す術は残されていない」
俺の問いには答えず、気配が掻き消える。
クソッ……油断した!
押し黙る俺を前に表情を困惑させ、拳を握り締める昌浩が何かを言おうとしていたが、今の俺はそれを聞く気にはなれなかった。
——今は、自分の無力差を神気へと変えて結界にぶつける意外に考えられなかった。
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.109 )
- 日時: 2011/11/30 21:22
- 名前: 勾菜 (ID: 0cMbVTdm)
〜櫻(麗菜)〜
胸の奥が熱い。何かに心の臓を焼かれるよう。
でも、それが力をみなぎらせてくれるから、不思議なものだ。
だから、疲れることなどない。ただ、我を忘れそうになるほどの痛みが襲う時もある。
そんなこと気にならない…私に名を授けてくれたあの方のためなら…この命絶えようとも…宿願をかなえたい…
不用心に自分に近づいてくる娘に内心微笑む。
これなら殺すことも容易いだろう…そんな考えも生まれる。
珠櫻から教えられた人間の名前。
麗菜が誰だかは知らないが…ちょうどいい。
「緤菜…おいで」
太刀を腰にさし、手を広げ微笑する。
このまま、懐に入ってきたら殺してしまおう、そう思った。
緤菜はそのまま懐に入り込む。
私は腕をとり、そのまま自分が緤菜にのしかかる形で身動きが取れないように固定する。
「れいな…?」
愕然と眼を見開いた娘に私は笑みを浮かべ、腰の太刀へと手を伸ばす。
「まず…ひとり」
そのまま手を振り上げる。
が、瞬間深紅の炎に襲われ、私はそこから飛び退く。
「…十二神将?」
「ごめんごめん、閉じ込めたんだけど破られちゃった」
「もう…せっかくあと少しだったのに…」
隣にはいつの間にか現れた廉狼が立つ。
「麗菜…」
低い声。私自身には全く記憶にない声。でも…どこか懐かしく感じる声。
その方向を向く。青い髪の神将がいた。
「十二神将…か…全く、どいつもこいつも…私は麗菜ではない、櫻だ。
知らない名で呼ばれるのは不愉快だ」
思い切り眉間にしわを寄せる。
「櫻、どうする?こいつら…?」
隣に立つ廉狼が声を潜めて問いかける。
「様子が見れただけでもよかったわ。でも…あの少年は役に立ちそう」
「あぁ…たしかに」
二人の視線が昌浩に注がれる。
「え…」
櫻は、口元に笑みの形を作り、スッと昌浩を指差す。
「あなたを手土産にしましょうか」
ピンと空気が張り詰めた。
〜青龍〜
俺は麗菜と別れた後、聖域の周りを見て回った。
しかし、考えることは先ほどのことばかり。
考えたところでわかるはずがない、それが余計に俺を苛立たせる。
不意に嫌な予感がした。
それと同時に異様な気配。
俺は何も考えずにその場に向かった。
俺がその場に駆け付けると、騰陀とあの子供が緊迫した面持ちをしていた。
異様な結界の残滓のようなものがある。
「……何があった」
「……何か起きるぞ」
「あれ…麗菜さんは?」
その問いの答えを口にすることなく、俺は背を向ける。
その時の俺は言いようもない、不安に駆られていた。
その不安は、現実となった。
銀髪に真紅の瞳。
普段の暖かさなど微塵も感じられない麗菜が、そこにはいた。
敵であるはずの廉狼と並んで——…
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.110 )
- 日時: 2011/11/30 23:05
- 名前: 翡翠 (ID: arh/BApH)
〜緤菜〜
麗菜の懐へと体を預ける。
腰にある太刀が目に入っていないわけじゃなかった。
良いと、そう思ってしまった。麗菜が私の死を望むのであれば、それを受け入れようと、そう思っていた。
が、太刀が私の体を貫く前に真紅の炎が私と麗菜の間に割って入った。
その神気を私は知っている。……紅蓮のものだ。
「あ……」
私は何を言うのでもなくその場に立ち尽くす。
そんな私の前に長身の背中が現れる。そして、そのすぐ後ろには小柄な影。昌浩も居た。
二人が来なければ太刀に私は貫かれていただろう。
だけど、それが怖いという風にはどうしてなのか感じることが出来なかった。
「あなたを手土産にしましょうか」
麗菜の発した言葉に悪寒が奔る。
このままではいけない。そう警鐘が鳴り響くのにどうしてかその場を動くことが出来ない。それは、すぐ前に居た紅蓮も同じようで、ただ、二人を睨み付けていた。
昌浩は、拳を握り締め、息を殺しているかのように見える。
この状況をどうにかしないと。
分かっている、頭では理解出来ている。
それでも、体は反発するかのようにまるで動かない。
麗菜の視線が昌浩を捉える。
その時だった。
この場にもう一つの神気が顕現する。
それは、私達の知ったもので——青龍のものだった。
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