二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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銀魂 【江戸炎上編】
日時: 2010/11/02 23:10
名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: ObYAgmLo)

初めまして灰色の空です
つい最近久しぶりに銀魂を見て銀魂の小説書いてみたいなって思いました
初心者でしかも記憶があいまいな所もあって間違いが生じるかもしれませんので、おかしな所を見つけたら教えてやって下さい

注意!
グロイ描写あります
パクリとかでます
銀魂の小説です
ギャグ下手です

宜しくお願いします!


***

プロローグ ≫No.2

第1章 万事屋
≫No.3
≫No.4
≫No.9
≫No.31

第2章 「灰雷」
≫ No.34
≫ No.37
≫ No.38
≫ No.39
≫ No.46
≫ No.47
≫ No.48
≫ No.50
≫ No.52
≫ No.53

第3章 神楽
≫ No.54
≫ No.56
≫ No.57
≫ No.58
≫ No.59
≫ No.60
≫ No.61

***

第1訓【冷蔵庫の中身はちゃんと確認すること】
≫ No.65

第2訓【母と子の絆の間に幽霊も人間もクソもねェ!前編】
≫ No.66

第3訓【母と子の絆の間に幽霊も人間もクソもねェ!中編】
≫ No.67

第4訓【母と子の絆の間に幽霊も人間もクソもねェ!後編】
≫ No.68


【銀時編】

第5訓【夜に町歩く描写は何かある前触れ】
≫ No.69

第6訓【地図は下手くそが描くとアートに見える】
≫ No.70

第7訓【一度言ったらやりぬき通せ!】
≫ No.71

第8訓【ピンチに駆けつけてくれる友を持て!】
≫ No.72

第9訓【助けてもらったらお礼を言いましょう】
≫ No.73

第10訓【背中の大きい大人になれ!】
≫ No.74

第11訓【苦しみを分かち合えるのが親友、家族】
≫ No.77

第12訓【オレは気にせず先へ行けって死亡フラグ?】
≫ No.78

第13訓【諦めたら全部終了】
≫ No.81

第14訓【敵はパワーアップするとたまにわけのわからない生物になることも】
≫ No.82

第15訓【傘は雨を防ぐために使いましょう】
≫ No.83

第16訓【常に相手の二手三手先を行く】
≫ No.84

第17訓【人は見かけによらない】
≫ No.85

第18訓【人は誰でもかけがえのない宝を持ってる】前編
≫ No.86

第19訓【人は誰でもかけがえのない宝を持ってる】後編
≫ No.87

***

第20訓【記憶障害で都合の悪い記憶だけ消しておきたい】
≫ No.90

第21訓【ペットは飼い主の心を癒す】
≫ No.92

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Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.55 )
日時: 2010/08/29 12:56
名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: BAUM5bXG)

No.1の主な登場キャラクターを更新しました

Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.56 )
日時: 2010/09/01 19:29
名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: Sieha6Mw)

 正確にこちらを狙撃してくる。てっきり鉄砲隊は仲間に当たるのを恐れ、打ってこないものかと思い気や当たるどころかジャンジャン打ちこんでくる。体が軽くなって避けやすくはなったとはいえ加えて槍や刀も向かってくるものだから一瞬でも気を抜けない。ただ、銀時の中で最も今危険だと思われる新八。夜兎である神楽と灰雷は避けられるのかもしれないが新八には果たして。

「神楽! 灰雷! 悪ィがどっちか新八を援護してやってくれ!」

 刀を木刀で止め、銀時が叫ぶ。
 彼の思い通り、新八はどんどんと追い込まれていた。刀の腕は確かだが、銃弾を撃ち落とすなど困難きわまる。運良くさっきから銃弾は新八にぎりぎり当たってはいなかったが、そんないつまでも幸運は続きはしないだろう。
 次第に焦る新八。同時に己の無力さに腹が立ってくる。

「覚悟ォ!!」

 気がつかなかった。ハッと振り向いた時にはもう男は刀を振り下ろす直前だった。死の恐怖で頭の中が一瞬にして白く染まる。だが、

「新八さん!! 集中して!!」

 灰雷が傘で刀を受け止め、返しに男に拳をぶつける。

「銃弾はボクが防ぐ!! だから新八さんは心配せずそいつらを叩いて下さい!」

 新八は頷き、向かって来る敵を木刀でなぎ倒す。降りかかる銃弾は灰雷が傘をさし、全て弾き飛ばす。同時に傘に仕込まれた針が建物の上の鉄砲隊目掛けて発射される。

***

「うぬゥ……なかなかやるな、奴らめ」

 高みの見物、と言わんばかりに黒兵江は建物の影から彼らの戦いを見下ろす。彼の元には大量の紙が積まれている。彼はその紙に何か印を結び、言葉を呟き掛ける。すると、さっきまで一枚の紙でしかなかった物が強靭な肉体を持った男に変化した。

「ククク……数で圧倒してやるわ」

***

 まったく数の減らない紙の兵達。このままではらちがあかない。

「灰雷君! こいつら、倒しても倒しても数が減ってないよ!?」

「術者である黒兵江を倒せばこいつらはただの紙に戻る! でもその黒兵江をこの中から探すなんて無理だヨ!」

 傘も次第に傷がつき、ボロボロになっていく。建物へ侵入できれば鉄砲隊を蹴散らしに行けるのだが、こうも敵の数が多いとそれもできない。
 そしてついに、灰雷の傘に穴が開く。止むを得ず灰雷は傘をその場で手放す。離された傘は銃弾を一斉に受け、穴だらけで使い物にならない物となってしまう。

(仕方ない……!)

 灰雷は近くの敵から刀を奪い、それで銃弾を弾き飛ばす。集中し、敵の動きを良く見ればこんなことは銃弾も回避できる灰雷にとっては楽なことであった。しかし、今敵は鉄砲隊だけではない。集中力は途切れ途切れになり、銃弾は灰雷の頬をかすめる。

「灰雷君!!」

「新八さんは刀や槍を抑えて下さい!! 銃弾はオレに任せて!!」

 だが、次第に新八も押され、彼ら2人はついに囲まれてしまう。上からは狙撃、周りからは槍や刀。突破は不可能かと思ったその時、神楽が駆け付け、敵を一掃する。彼女の出現と同時に銃弾が発射されるが、灰雷がそれを刀で弾き飛ばす。

「神楽ちゃん!」

「何やってるネ、新八、灰雷!! こんなところで死んだらタダじゃ済まさないアルよ!!」

 すると、突然上から銃を構えていた男達が地面に落下し始める。3人が驚いて見上げるとそこには黒いマントを風邪に靡かせる、阿伏兎と神威の姿があった。

「よう!! 同族の危機って聞いて駆けつけてやったぜ!! ええ!? 坊主!!」

「阿伏兎さん!? 神威兄も!?」

「灰雷、君にこんなところで死んでもらっちゃ困るんだよ。 それじゃあオレの乾きがどうにもならないんでね」

「神威!!!!」

 神楽が兄の名を呼ぶ。

「今は停戦といこうじゃないか。 助けてあげてるんだよ?」

 神威は笑顔で言う。チッと舌打ちをして神楽は敵に向き直る。今は兄弟喧嘩している暇などない。目の前の敵を倒して、アイツを叩くのはその後だ。

「上の連中はオレ達に任せとけ! すぐに片付けてやるからよう!!」

Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.57 )
日時: 2010/09/01 13:21
名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: 2romsaeA)

 神威、阿伏兎の介入によって戦況は一変し、黒兵江は次第に追い詰められていく。紙をいくら人型に変えようとも前線の兵達はどんどんと引き裂かれ、紙に戻っていく。
 確実に数は減りつつある。士気の上がった銀時達だったが、ついに負傷者がでる。

「ったた……」

 神楽の右足に弾丸が撃ち込まれた。突然足から力が抜け、神楽の体はバランスを失い、転倒する。鉄砲隊がさっきから撃っている銃弾。それは体を一定時間麻痺させる麻痺弾だった。立ち上がることのできない神楽に紙の兵達は刀を振り下ろす。死を覚悟した瞬間だったが、3本の刀は間に入った銀時によって全て抑えられた。

「神楽!! 早く立て!!」

「う、うん!」

 神楽はまだ麻痺している足を無理やり動かし、立ち上がろうとする。その時、刀を抑える銀時とは逆の、神楽の背後から槍をもった5人ほどの紙の兵達がこっちに走ってくるのが銀時の目に映った。

「神楽!! 後ろ!!」

 銀時は刀を振りはらい、槍を防ごうと思ったが、遅すぎる。
 振り返る神楽。顔にも、服にも大量の血液が飛び散る。ただしそれは神楽のものではなく、神楽の前に立った少年の。

「こ……の……!!」

 血だらけになった灰雷は紙の兵達を引き裂く。その後、彼はゆっくりと地面に倒れ込む。

「灰雷!!」

 銀時と神楽、二人の叫び声が神威、阿伏兎、新八の耳にも届く。灰雷は突き刺さった槍を息苦しそうに全て抜き取る。

「灰雷!! 何やってるアルか!? 何で私なんか庇ったアル!?」

「……ほら……この前言った……でしょ……? 殺させたりは……しないって……。 それに……ボクは人を殺め……すぎた……。 どの道……そんなボクに……もう……生きる資格なんて……」

「バカ野郎!! 生きる資格のねェ野郎なんてこの世にはいやしねぇんだよ!! テメェが死んで、テメェに殺された奴はどう思う!? 殺した奴らの分まで背負って生きろ!! その死を無駄にすんじゃねえ!!」

「そうアル! 灰雷は絶対に私が死なせないアルよ!!」
 
 涙を流す神楽。本気な表情で怒鳴る銀時。
 灰雷は彼ら二人を見て本当に、幸せそうに笑った。

「……ありがとう……」

 その時だった、灰雷に肩を貸し、立ち上がる男の姿があった。
 神威だった。

「灰雷。 オレも君がこんなところでこんな死に方をしてもらっても困るよ。 だから……今回は、助けてあげるよ。 君はオレが認めた男なんだからね」

「神威!」

「大丈夫。 オレ達が責任もって灰雷を治療する。 阿伏兎! 行くよ!」

 そう言って神威と阿伏兎は敵の手の薄い方へと歩き去って行く。
 すると、今度は敵の攻撃を掻い潜りながら新八がこっちに走ってくる。神楽は涙を拭うと新八と銀時の方に向き直る。そして何かを悟ったのか、新八は特に神楽には何も声をかけなかった。

「神楽、お前は黒兵江を探しに行け。 ここはオレ達が引き受ける」

「え?」

「大丈夫、もう鉄砲隊はあの二人が全部やっつけてくれたから」

「アイツの……灰雷の仇を討ってこい……!」

「銀ちゃん……。
 うん、分かったアルよ!」

 神楽は神威が消えた方向に向かって走り出す。見送った銀時と新八は二人、背中を合わせ、刀を構える。

「新八……背中、頼むぜ」

「任せてください! 銀さん!」

「よっしゃ!! そんじゃァ行くぞ!!」

Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.58 )
日時: 2010/09/02 21:53
名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: ewPwHyR8)

 銀時が雄叫びをあげ、突っ込む。同時に3体もの紙の兵を切り倒し、手際良く他の兵達も紙に戻してゆく。
 と、その時だった、銀時の足元に何か金属の球体が転がり込んでくる。それを見て銀時はハッと息を飲むと同時に鉄の球体から眩い程の閃光が迸る。
 凄まじい爆発音と共に銀時の周囲の兵達は燃え盛った。

「銀さん!!!!????」

「ようやく見つけたぞ! 銀時!」

 新八の叫び声をよそに桂、エリザベス、土方、沖田の4人が歩いて黒焦げになった銀時に向かって歩いてくる。

「おい!! ヅラ!! オレを殺す気だったろ!!?? 絶対そうだろ!!?? ああ!!??」

「新八君、ケガはないかね?」

「おい!! 無視かこの野郎!!」

「土方さん、まっ黒○介見たいのが喋ってやすぜェ。 となりのト○ロの世界にでも来ちまったんじゃ……」

「んなわけねえだろ! それより、さっさとこいつら片付けて黒兵江捕まえっぞ!」

 辺りを見回す桂。何かに気がついたように銀時に訊ねる。

「リーダーは何処だ?」

「ああ、神楽ちゃんなら今黒兵江を探してます」

「何!? リーダー一人でか!? エリザベス! 今すぐリーダーを追うぞ!」

「おいィ!! 爆弾爆発させて人をまっ黒にしといて勝手に何処行くんだよ!!」

「お前ら、いつまでもふざけてねえで前見ろよ」

 一人冷静に土方が言う。紙の兵達はいつの間にやらまた増え、銀時達を囲んでいた。しかも、新たに鉄砲隊も投入され、非常に銀時達には不利な状況に傾きつつある……と思った。
 沖田の愛用、バズーカ砲が唸りを上げ、着弾した建物は轟音と共に崩壊する。同時に敵兵も崩れた建物の下敷きになり、かなりの戦力を奪った。

「旦那、上の連中はオレに任せてその辺の雑魚片付けちゃってくだせェ」

 旦那、銀時はコクリと頷き、再び紙の兵達に向かって刀を振るう。

***

 黒兵江を追うと言ってが、居場所が分からなければどうしようもない。神楽は適当に走っていたが、人影すら見当たらなかった。

「だーーー!! 腹立つアル!! 何処行ったアルか!? あのハゲ!!」

 イライラして壁に拳を打ち付ける。さっきからずっとこの調子だった。 どんなに走っても同じ風景ばかり。そもそも良く考えてみれば屋内にいるかもしれないのに一人で見つけられるはずもない。
 腕を組み、唸り声をあげる神楽。
 と、その時、紙の兵が銀時達の戦っている方へ走っていくのを目にする。
 数秒の間を置き、神楽はポンと手を叩く。

「あー、なんだ、簡単なことだったアル」

***

 轟音と共にどんどん建物が崩れ落ちて行く。工事中の男を思わすかのようなヘルメットをかぶった沖田のバズーカ砲はついに弾切れを迎える。

「あー……土方さん、弾、切れちゃいやしたんですけど、土方さんここ入れます?」

「オレを弾にしてどうすんじゃボケ!!」

「んじゃ、そろそろ本番入りやすぜ」

 沖田が刀をゆっくりと抜き取り、土方と背中を合わせる。

「土方さん、オレが弾弾くんでがんばってくだせェ」

「フン、オレに当てんなよ?」

 土方の刀が巨体の紙の兵の体を切り裂く。大きさもアレンジが加わってきているようだ。
 建物の上に鉄砲隊が現れる。構え、こちらに狙いを定めている。

「土方さんはオレが殺すんだ、お前らに殺させてたまるかよ!」

 複数の発砲音と同時に沖田が素早く刀を振る。銃弾は全てはじき飛ぶ。

「理由はどうあれ、流石じゃねえか、総悟」

 土方が沖田の刀さばきを見て呟く。
 刀さばきでは以外にもエリザベスもすごかった。銀時にも遅れをとらないスピードで敵をなぎ倒す。

「流石エリザベス。 このまま押し切るぞ!」

 そう言って桂が懐から取り出したのはまたもや爆弾だった。

「おーい、銀時! 敵の攻撃が来るから用心するんだぞ!」

 桂は自分の言葉が終わらないうちに爆弾を銀時の方へ投げつける。爆弾は銀時の手の上に乗っかる。

「ぎゃー!! 爆弾ー!! ししし新八、どどどどどうしよう!?」

「ははは早く投げちゃって下さい!!」

「何!? 聞こえねえよ!?」

 そう言って銀時は新八の方へ走ってくる。当然のことながら新八も猛ダッシュで逃げる。

「なになに!? このギャグ漫画みたいな展開!? これ絶対追いついて爆発するパターンでしょ!?」

 もちろん銀時は新八に追いつき、その場で爆弾は凄まじい爆音と共に大爆発を起こす。
 実際は死ぬ所だが、ギャグなので気にしてはいけない。
 だが、代わりに近くにいた紙の兵達はほとんど爆破できた。

Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.59 )
日時: 2010/09/02 22:52
名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: ewPwHyR8)

「流石はこの桂小太郎御手製爆弾。 威力もなかなかのものだろう?」

 誰に言うでもなく、桂は誇らしげに言う。黒焦げになった銀時、新八。二人は同時に同じセリフを吐く。

「ふざけんなよ!! 殺す気かァ!!??」

「ふざけてなどいない。 見ろ、お陰で敵の勢力はほとんど僅か。 お陰でこうやってギャグ面も入れられているのだ」

「ふざけんな! こんなデンジャラスなギャグいるかボケ!!」

 銀時が叫ぶ。だが桂は相変わらず涼しい表情で話を続ける。

「そんなことより、リーダーを追うぞ。 もしかしたら黒兵江の奴、まだ何か手を持っているのかもしれないからな」

***

「アイツら爆弾なぞ持ち歩いていたのか! もう紙が足りんぞ!?」

 窓から入る光でしか照らされていない暗い部屋の窓辺に座っていた黒兵江は独り言を言いながら残り少なくなった紙に手を伸ばす。と、その時、誰かに腕を掴まれた感蝕が奔る。振り向くとチャイナ服の少女が、神楽が黒兵江の腕をしっかりと掴んでいた。黒兵江が何か言葉を発しようと口を開いた時、神楽は彼を部屋の奥に投げ飛ばす。壁をも砕き、隣の部屋に転がる黒兵江。痛みに苦しむ黒兵江に神楽はゆっくりと近寄る。

「何故……貴様はここに……!?」

「お前バカアルか? お前の作った男共がここからわんさか湧いてたアルよ」

「紙の兵を辿られたか……! ええい! 蛇はどこにおる!?」

 黒兵江が必死に叫ぶ。すると、壁を突き破り、上半身の強靭な肉体を露出している男が部屋に侵入してくる。彼も黒兵江が雇ったのだろう。

「侵入者を叩きのめしてやれ!」

 黒兵江が命令すると蛇と呼ばれた男は神楽にゆっくりと近寄る。身長は銀時よりも高いだろう。200はある。

「退くアル。 邪魔するなら許さないアルよ?」

「悪いな小娘。 こっちも雇われてる身だ。 ここで退くわけにはいかない」

 足を止めず、どんどんと神楽との距離を縮めて行く蛇。神楽はそんな彼に一発、力を込めた拳を突き出す。避けなかった蛇は口から血を吐く。が、それでも倒れはしなかった。

「良い拳だ」

 それだけ言って今度は蛇が神楽の肩を掴む。同時に恐ろしい程の腕力が神楽の肩を砕く。

「あああああ!!!!」

 神楽の悲痛な叫びが部屋中に響き渡る。痛みで膝を地面につける。

「オレの手は掴むことで物を微塵に砕く。 その様子からオレは蛇と呼ばれてきた」

 腕が上がらない。灰雷の時はヒビを入れられただけだったため、そこまでの痛みは感じなかった。だが今回は本当に骨を砕かれ、痛みが体中に奔り続ける。蛇がもう一方の肩も砕こうと手を伸ばしてくる。痛みを堪え、まだ動く右腕で蛇の足元をはらう。倒れる蛇。同時に神楽が踵落としを放つ。地面は粉塵を巻き上げて砕ける。

「今のは……結構なダメージになったな……」

 蛇はまだ立ち上がってくる。ふと彼の背後に目をやると黒兵江は姿をくらましていた。

「アイツ! 逃げたアルか!?」

「余所見している暇などないぞ!」

 油断した隙に蛇は神楽の目の前に歩み寄り、左肩に手を伸ばす。が、彼の手は壁にめり込み、壁を砕く。神楽は彼の手をしゃがんで回避していた。立ち上がると同時に勢いを利用して蛇の体を天井へ打ち上げる。天井に激突し、ゆっくり落下してくる蛇に今度は回し蹴りを放ち、再び壁へと吹き飛ばす。壁はばらばらに砕け、外の明かりが入り込んでくる。

「……まだオレは倒れんぞ」

 立ち上がった蛇のその顔にはまだ闘志は失われていなかった。

「お前にも何か事情があるのかも知れんが、ここで倒れるわけには絶対にならんのでな」

 何故、と神楽が聞き返そうとした時にはもう蛇は神楽の目の前だった。今度は避けきれず、残った左腕も、彼の手の餌食となる。再び神楽の叫び声が響く。

「両腕が使えなければもうどうにもなるまい」

「まだ……まだアルよ……! まだ足が動くネ! この足が動く限り、私は絶対に歩みは止めないアルよ!!」

 と、その時だった。突然神楽の背後の扉が蹴り倒され、誰かが部屋に入ってくる。

「おじゃましま〜す。 ども〜万事屋銀ちゃんで〜す」

「銀ちゃん!?」

 銀時だけではなかった新八も銀時の後から部屋に入ってくる。

「神楽、手ェ貸すか?」

「……要らないアル。 こいつは私が倒して見せるネ!」

 そう言った神楽の目は強くもかっこよくも新八には見えた。銀時はフッと息を漏らし、手に持つ木刀を腰にさす。

「言うじゃねえの。 神楽! 言ったからにゃァぜってェその足、止めんじゃねえぞ!?」

「おッス!」


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