二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》
- 日時: 2017/03/23 22:36
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
たまに…本当にたまになんだけどね
自分には出来ることなんか全くないんだって考えることがあるの
前々から思ってはいたんだけど
新しい仲間が増えて、自分にできることってなんだろう?
そんな風に最近は考えることもあるんだ
少しでも暇になっちゃうと、すぐに考えだしちゃう
多分そういう子は沢山いると思う
皆はどうやってそれを乗り越えて、大人になっていくのかな?
《よろしくおねがいします》
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.56 )
- 日時: 2017/05/15 22:19
- 名前: よなよな (ID: nXlmokR.)
「いいんじゃないでしょうか?」
品川さんは少し不思議そうな顔で私の顔を覗き込むので、私は迷いのない心の底からの笑みで言った。
「迷えるだけのものが品川さんには沢山あります。無理して生き甲斐なんか探す理由なんかないです。そうやって無理して決めるよりも、自分の思う自分のやりたい事を沢山悩んで決めればいいと思います。だって、その方がこれから先に見えてくるものだって凄くキラキラしてくるじゃないですか。だから、今はいっぱい迷っていいんですよ」
普段あまり接点のない人にこんな事を言うのは初めてだったから、迷惑じゃないかな? ってそんな思いで品川さんを見ると、すっごく清々しい顔をしていた。
「彩ちゃんてさ、本当に俺より年下? なんかすっごい大人っぽい事言われた気がするんだけど」
そんな風に言われて何だか気恥ずかしくなった私は照れくさく笑いながら
「それはきっと皆のおかげなんです。皆と出会ってなかったら、きっと私はこんな事に気付かなかったから」
そう言いながら作業中の皆の方を見ると一人だけに目があった。
(上杉くん?)
目が合ってすぐに上杉くんはパッと目を逸らした。何だったんだろう?
「いいなぁ、俺も早くそういう奴見つけられたらいいな」
品川さんがそんな事を言うから私は自然と正直に言った。
「意外ともう見つかってるかもしれないですね」
すると品川さんもウィンクをして
「かもね」
なんて、茶目っ気たっぷりに言うと私達はずっと前からの友達かのように笑い合った。
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.57 )
- 日時: 2017/05/17 01:06
- 名前: よなよな (ID: nXlmokR.)
品川さんの協力もあって、衣装作りの作業は次々と進んでいった。
「ふぅ。いい所まで行ったんじゃない? それにしても彩ちゃんて凄いよね、普通どんだけ器用な女の子でもここまでいかないよ」
褒められた事が嬉しくて私は少し誇らしげに言った。
「そうですか? でも品川さんが手伝ってくれなかったら、私多分この半分もいかなかったかもしれないです。本当にありがとうございました」
品川さんは大人っぽい笑顔で
「どういたしまして」
と応えてくれた。
「準備イイっすか? そろそろ鍵閉めたいんですけど」
支度の終わった皆一緒に若武が鍵を指に引っ掛けて私たちを急かした。急いで片付けを終わらせて部屋を出ると若武が鍵を閉めてから、仰々しく
「さて諸君。今日で七鬼は随分楽器も上達したし、上杉や小塚や俺も指が慣れてきたから、あとは美門が楽器覚えて黒木も調子戻ってきたらすぐに曲を録音してアーヤに渡す。アーヤが曲を覚えている間に、俺たちはダンスの練習兼調査開始だ」
なんか今の話聞いてて思ったんだけど、完全に私は調査を一緒にできない感じなのかな?
私がそう思っていると
「なぁ、部外者が言うのもなんだけど、彩ちゃんには何もねぇの?」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.58 )
- 日時: 2017/06/04 21:30
- 名前: よなよな (ID: 2DX70hz7)
(え?)
これには、若武達だけじゃなくて私もすっごくびっくりした。
「お前ら仲間なんだろ? 仲間なら、もう少し対等に接してやれよ。これじゃあ、仲間でもなんでもないじゃないか」
私は自分の気持ちを代弁してくれた品川さんに感謝した。
いつもの私ならこんな事あったら絶対に言い返す。だけど、今は自分にできることは皆よりも確実に少ない。だから私はただ皆のやる事に口を出すより大人しくしなくちゃいけないんだと…今は何故か思ってしまう。
「立花はどうなんだよ?」
「え?」
突然上杉くんに話を振られて困った私は少しおどおどしてしまう。それが鬱陶しかったらしくて上杉くんは少し苛立たしげに髪をかきながら
「立花は、今品川さんが言った通り、俺達が対等に接してないと思ってるのかって聞いたんだよ」
皆の視線が私に集中するのがわかった。
鼓動が速くなる、自分の頭の中で必死に言葉を繋げようとする。
「わ、私…私は…」
どんどん言葉が出てこなくなって、息も荒くなってくる。
「アーヤ?」
誰かが私に声をかけたのがわかって、ますます私は焦った。
けど、その時の私は皆からしたら、あからさまに様子がおかしかったらしい。でも、焦っている私にはそれが急かされているように感じた。
「わ…」
言葉を吐き出そうとした時、私は自分の足が軽くなっていく感覚に襲われた。
「アーヤ!」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.59 )
- 日時: 2017/06/04 21:51
- 名前: よなよな (ID: 2DX70hz7)
私が次に目を覚ました時、天井は真っ白で少し視線をずらすと、点滴と窓の外から綺麗な景色が見えた。
「頭痛い…」
私は酷く痛む自分の頭を必死に抑えた。
そこに、優しそうな看護師さんの声が私に声をかけてくれた。
「立花さん。気分はどうですか?」
「頭が痛いです…」
意外とすらすら言葉が出てきた自分に少しびっくりしたけど、看護師さんもその様子を見て優しく笑って
「すぐに先生を呼んできますね」
「はい」
看護師さんがいなくなった後に自分の様子を見て確信した。
「病院なんだ….ここ」
そう思っていたら、さっきの看護師さんと一緒にこれがまた人の良さそうなお爺さん先生がやって来た。
色々と見てもらった後に先生はニッコリと笑って
「うんうん、まだ顔色は悪いけど、食事をすれば戻るだろうし、すぐに良くなるよ。けど、まだ安静にしてなきゃダメだよ?」
「は、はい」
すっごい釘を刺された私は申し訳なさそうに返事をする。
「よろしい。若いうちからストレスは溜まるもんじゃない、たまには吐き出す事も覚えなくちゃね」
そう言って先生は出て行ったけど、何が何だかわからない私は看護師さんに何があったのかを聞いた。
どうやら、あの後私は救急車に運ばれて上杉くんの紹介でこの病院に連れてこられた後に検査と入院の手続きがされたらしい。
原因は平たく言えばストレスだった。
看護師さん達は知らないみたいだけど、多分、知らない人に襲われた上にあんなに皆に質問責めをされたことで、私の体はプレッシャーとかで倒れたんだと思う。
うーん。複雑だ。
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.60 )
- 日時: 2017/06/05 18:56
- 名前: よなよな (ID: 2DX70hz7)
その後にご飯を食べて、ママやパパがお見舞いに来てくれた。お土産にクッキーを持って来てくれたからすっごく嬉しかったの。
でもパパは仕事があるし、ママも家の用事済ませないといけなかったからすぐに帰っちゃった。
それでしばらく暇を持て余してた、すると突然廊下からバタバタバタッていう沢山の人が走ってくる足音が聞こえて来たと思ったら、なんとびっくり。息をぜぇぜぇ切らした皆がお見舞いに来てくれた。
「アーヤ! 大丈夫なのか?!」
若武はやってくるなり、私の手を強く握っていつも自信たっぷりの目から不安そうな様子が見えた。
こんな若武を見たのは初めてで、少し嬉しくなった私は握ってくれた手に自分の手をそっと添えて
「うん、心配してくれてありがとう。皆も迷惑かけてごめんね」
すると、皆は安心したのかゆっくりと私のベッドの所までやって来る。今にも泣きそうな小塚くんが涙を我慢しながら
「僕すっごくびっくりしたぁ。アーヤが無事で良かったぁ」
それでついに泣き出しちゃった。流石に皆も驚いたのか慌てて病室にあるティッシュを小塚くんに渡した。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12