BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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お前と俺。俺と君。
日時: 2017/06/25 19:45
名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)

オリジナルのBL小説載せていきたいと思います!

一部屋に2人で住んでいる男達の話です。

小説下手かもしれませんが、興味のある方は閲覧していってください!


2016.10.09 閲覧数500突破!感謝!
2017.03.02 閲覧数800突破!感謝!
2017.05.01 閲覧数900突破!感謝!
2017.06.23 閲覧数1000突破!感謝!

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.14 )
日時: 2016/04/23 17:29
名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)

「便所行け」

「これ観た後、1人でヤるとか嫌ッスよ!」

「だったらなんで借りた」

「うっ……」

(仰る通り)
俺はOKを出さなかった恵ちゃんに安堵のため息をついて、テレビ画面から視線を逸らさず無表情で言う恵ちゃんと、その場で立って俯いている柴田を交互に見る。

「そ、それは……」

「…なんだよ」

柴田は歩いてこちらへ来たかと思えば、恵ちゃんとテレビの間へ立ち、恵ちゃんを見て頬を染めている。柴田の言葉に少し眉を寄せた恵ちゃんは言葉の続きを促す。

「け、恵介さんとヤりたかったからッス!!なんでわかんないんスかぁ!!」

「……は?」

柴田は目を瞑って、テレビの音量の倍ぐらいありそうな大声で文句気味に告白する。
その発言に驚いたのか、大声に驚いたのか恵介は目を丸くして、硬直した後、小さく口を開く。

「いつもいつも、恵介さんは鈍感過ぎるんスよ!」

(このタイミングで告白すんなよ、俺が気まずいだろうが。柴田コノヤロウ)

「いや、俺さ男とヤる気ないし。お前とヤりたくてお前を部屋に入れたんじゃねぇから」

凄い冷たい目だ。動揺の一つもしない。先程までのキョトンとしてた本人とは思えないぐらいだ。俺でもビビる。“出て行け”という目のようだ。
目の前に立っている柴田を見ている。柴田も視線を逸らせずにいて、額を汗が伝う。
暫くして目に涙を溜めた柴田は涙声で下記を述べて荷物をまとめる。

「もういいッスよ!恵介さんの馬鹿!」

「おい!馬鹿はそっちだろ、どこ行くんだよっ」

「ツッコむとこそこじゃないッスからぁ!もう帰るんスよぉ!」

「DVD持って帰れよー?」

「もう!また来るッスからね!」

柴田はそう言って部屋を慌てて出て行った。
柴田が出て行くと下記を述べながら恵ちゃんはテレビを消してDVDを取り出す。ケースに仕舞い、柴田が入れて持ってきた袋に入れる。

「ったく、なんなんだアイツ」

「……あのさ、俺居ちゃ悪かった?邪魔したかな」

「は?アンタが気にすることじゃなくね?俺が呼んだんだし。どの道この結果なら仕方ないし。それに、柴田のことは気にしなくても明後日には元に戻ってるだろうから」

「…そう。あと、恵ちゃんさ…好きな物とかある?」

「え?好きな物?ん〜…」

本当なら恋人はいるのか聞きたかったが、この状況で怖気付いて言えなかった。俺の質問に眉を寄せて目を瞑り顎に片手つき真剣に考えている恵ちゃん。
(そんなに悩む事だっただろうか…)
暫く考えている恵ちゃんを見つめる。

「あり過ぎて言えない」

15分考えて出た応えがそれだったらしい。大分焦らされた。

「なら、苦手な物とか…」

「俺さ、人に自分の弱点教える程頭悪くないんで」

済ました顔で言われる。少し腹が立った。きっと恵ちゃんの弱みを掴めた頃は恵ちゃんの可愛い部分が見えるのだろう。それなら、見つけてやるさ、と俺の心の底が燃えてやる気がたったのを感じた。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.15 )
日時: 2016/04/25 23:07
名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)

「あ、そういえば、何で恵ちゃんは見た目不良の柴田くんと一緒にいるんだい?」

ふと、思い出したように俺が聞くと、少し考えた素振りを見せた恵ちゃんは変わらぬ表情で俺を見て“少しは自分で考えれば?”などと挑発的文を述べた。
(ムカつく〜!いいじゃんそのくらい!)
ムッと頬を膨らませた俺に構うことなく、恵ちゃんは俺を自分の部屋カーテンから追い出す。

「ねぇ、恵ちゃん」

「なんすか」

恵ちゃんの部屋から追い出されて、カーテンを見つめながら、その場に立ち尽くしたまま恵ちゃんに声をかけると、淡々とした口調で返事がくる。

「俺ね、明日…女の子と会うんだ」

「へぇー……え、なに、女苦手とか暴露するんすか?」

昔って言っても、つい最近此処に来る前まで結構遊んでた女の子と大人なことをしに行くと遠まわしに言う。
恵ちゃんは、どうでも良さそうに相槌をうつ。俺は恵ちゃんの言葉の続きを待つと、俺が黙っていたからか、変な勘違いをされてしまった。若干引いている声。

「違うよ!寧ろ好きだよ?女の子」

「キモ」

即座に訂正すると、暴言を吐かれる。苛立つ。
(キモイとか言われたことないし。言われた記憶ないし。何なの?恵ちゃんはツンデレなの?)
そう思いながら、自分はキモくないことを証明しようとする。

「ちょっと、暴言吐くのやめてくれる?!浅井さんこれでもモテるって言わなかったっけ!?」

「アンタにキョーミとか無いんで」

「生意気〜〜…ツンデレのデレはいつくるのさ!」

冷めた口調で自分に興味が無いと言われると少し心が痛んだ。それでも、苛立ちが大きくて、それを声と共にカーテンへぶつける。

「誰がツンデレだ。で、女と会うから、なんすか?」

喧嘩になる前に話を戻される。自分でも“あぁ、その話してた”なんて思ってしまった。

「……ヤキモチ、妬かないの?」

本題に戻って、俺が控えめな声で尋ねた。すると、聞こえてきたのは間抜けな声。

「は?なんの話?誰に妬くっつンだよ?」

少し荒れた口調ではあるが、きっと、頭を働かせているのだろう。顔はキョトンとしているか、理解出来ていない時の困った表情だろうと予想する。

「いや、何でもない!恵ちゃんさ、今度の土曜日、空いてる?」

俺はモヤッとしているのを晴らすために、適当に話題をふる。

「はぁ?なんなんだよ。来週なら空いてねぇ。再来週なら空くけど」

「ふーん、そっか。なら、再来週俺と遊ばない?」

「はー?どーせ、つまんね」

「楽しいと思うよ!って言うかさ、第一に、ちょっと確かめたいこと出来ちゃったから!」

「…………俺、眠いんで二度寝しまーす。カーテン開けたら、ぶっ飛ばしますからね」

「はーい」

恵ちゃんの顔は見えないまま、カーテンに向かってニッコリ微笑んで言うと、暫くの沈黙の後、話を逸らされた。きっと、了承の合図なのだろうと前向きに受け取り、恵ちゃんの言葉に返事をしてから、スケジュール帳にメモした。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.16 )
日時: 2016/04/30 14:09
名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)

「ねぇ、ヒロくぅ〜ん、今日はヤッてくれないのぉ〜?」

(再来週は遊園地にすっかなぁー。日々強気なヤツとかが弱みを見せたり、タチに見えて実はネコだったとかあったり、あのギャップって萌えるんだよなぁー。俺って、弱み握らねぇと気がすまねぇタイプだったのか?)
一昨日話して会う約束と遊びの約束を交わした女の子とラブホへ来ている。ベッドで二人してくっついたまま座っている状況で、俺は別のことを考えていた。再来週の恵ちゃんとの遊びの約束をした。大人な遊びではなく、純粋にだ。どこへ行くかを考えていると隣から声をかけられハッと我に返った。

「あぁ、ごめん。何?」

「何しに来たか覚えてる?」

彼女はムッとしながら首をかしげて聞いてくる。
(なんだろう、全然可愛くない)
甘い口調で心配そうに声をかけてくれるその子に微塵も構う気…というか気遣いしようとさえ感じない。

「うぅーん」

「んっもう!」

俺が曖昧に返すと、腹を立てたように顔を背けて少し離れる。
(理不尽な女…)
スマホを弄りだした女の子は何か画面を見てハッとし、嬉しそうに頬を染めれば俺の方を向いて話し始める。

「あっ!あのねっ、最近見つけたレストランがあるんだけど、そこの料理凄く美味しくて!」

(何だ、レストラン。また高級店かな?連れてってとか?)
「ふ〜ん…」

「しかも!店員がみんな男でイケメン揃い!可愛い子もいるの!!それ目当てで行く人多いんだってさ!私も何回も行ってる!!」

「…え?イケメン?俺より?」

イケメンと聞くと真っ先に恵ちゃんが脳裏に浮かんだ。でも、そういう想像はするものじゃない。イケメンじゃなかった時のショックさは大きい。

「うーん、どうだろ、大人っていうより高校生みたいな感じかな?爽やかな……ってか、ごめん!2人で居る時こんな話…」

「ううん、全然気にしなくていいよ。続けて?その店ってどこあたりにある?俺も仕事に入ってみる気ないか勧誘したくなっちゃった」

ニッコリ営業スマイルで嘘吐きながら言うと、スマホで場所を教えてくれた。
その後、乗り気じゃなかった為、彼女とは別れて俺は、その店へ向かった。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.17 )
日時: 2016/05/01 18:30
名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)

紹介されたイケメンの店員が噂のレストラン。教えられた地図は、とても簡単なのに、実際そこへ行くと案外わからない。あのホテルから出て、通常10分で行ける距離だと言われているが、かれこれ30分は経過している。
近くを歩く人に聞いても近場を知らないから、とスルーされる。
仕方が無いから、可愛げのあるお喋りそうな女の子を軽くナンパして、聞いた。

「こ、ここか……」

出入り口の扉にはopenと書かれた札が出ていて、木製のように見える重い扉を引いて開けては中に入る。扉が開くと扉に付いていた小さめの鈴が鳴る。

手を洗っていたのか腰に巻いたエプロンで手を拭いて奥の方から出てくる店員。
確かにイケメンだな。というより可愛い系だろうな。胸に付いているネームは有川。近くに来て、わかったが、案外小柄。黒髪の天パ。おまけに童顔だろうな、これは。

「いらっしゃいませ〜、お客様お1人でございますか?」

笑顔で挨拶をしてくる彼は俺の後ろを少し見て、俺に尋ねる。

「うん、まぁね。」

「どこか、お好きな席とかございますか?今ならこちらとこちら以外の席なら空いていますよ?」

俺が素っ気なく返しても気にせず、明るく対応してくる彼は、店内の地図を見せて、空いている席を胸ポケットに入れていたペンを取り出して指し棒として使い、伝えてくる。

一番店員が動いて回ったりできるのを見ることが出来る場所である、出入り口付近の廊下のセルフドリンクバーの近くにした。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.18 )
日時: 2016/05/02 00:09
名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)

(なんというか…喫茶店や、ジョイ●ルとかの店に似ている。)

唯でさえ、見つけにくい場所にあるのに、今日は平日だからか、客も少ないように思う。

「お水の方はあちらにあります。メニューお決まりになりましたら、お呼びください」

先程の有川君がメニューを聞きにきたが、まだ俺が見ていないことを見て知り、対応してから混んでいる訳では無いが、レジの方へ戻った。
俺はほんの少しの期待をしていた。もしかしたら恵ちゃんがいるかもしれない、と。そんな都合の良いことは滅多にない。
とりあえず、店内を見渡して、店員の数を数える。あまり、店内には出ていないように思える。
(レジと厨房にいるのか?)
レジには先程の有川君がボーッと出入り口扉を眺めている。

早々にメニューを決めて呼び出しボタンを押すと、すぐに有川君が来た。

「デミグラスオムライス、サラダ付きで」

「デミオム、サラダ付きですね…はい。他にご注文はありますか?」

「いえ。以上でいいです。」

「はい、それでは出来上がるまで少々お待ちください」

「あ、ちょっと…こ、ここの店員さんって何人ぐらい居るのか聞いてもいいかな?」

レジの奥の厨房へ戻ろうとする有川君を素早く引き止める。
少し頭の悪そうと言ったら彼には悪いが、アホそうに見える為、適当に嘘を付けば話してくれるかもしれない、と思った。

「え…ですが……」

「こっ、ここの店を、もっと売り出す為に取材したくてね?この店は顔が良いことで好評だからね。人気な人とかでもいいんだけど…」

「店員は僕を含め5人です。今日は俺だけですけど毎日別の人が店内での対応をします…」

言っていいのか許可をとっていないからか、発言に自信もないようで、しゅんとして声を小さくしている。

「厨房には…?」

俺が追加で質問をすると、彼は素直に応える。予想通りチョロかった。心の中で悪い笑みをこぼした。

「厨房には2人です。彼等は毎日いますよ。あ、店が混む時などは店員2人、3人がかりでの対応となります!以上でよろしいでしょうか?」

何故か元気になって、笑顔で話を切り上げるよう軽く促された為、そうした。

「あぁ、ありがとう」

有川君がレジへ戻って、即座にメモをした。月曜日から日曜日までを書き、今日は水曜日である為、水曜日のスペースに有川君と書く。このレストランは土日休みと、店に入る前に見た為、土日は×(バツ)印を書く。

だが、恵ちゃんは来週の予定は空いてなく、再来週は土曜日なら空いてると言っていた。ここに勤めているなら、もっと空いているはずだ、そう考えた俺は料理を運んで来た有川君に尋ねた。

「デミグラスソースのオムライス、サラダ付きですね〜。ご注文、以上お確かめでよろしいでしょうか?」

「うん、あってるよ。ねぇ、有川君。ここの店員に、恵ちゃ…ゴホン、高橋君って名字の子、居ないかな?」

「高橋、ですか……高橋、高橋…あぁ、いらっしゃいますよ!」

店員は有川君含め5人だと言っていたが、4人の名前も覚えられていないようだ。名前またはあだ名で呼びあっているか、新人なのだろう、と受け取る。
思い出したように言う彼にさり気なく聞いてみる。空いてるなら行く為だ。

「その高橋君は何曜日の担当なのかな?」

「はい、彼は金曜日の担当となっています!」

(くっそー!!金曜日は俺の店も凄く混むんだよなぁ〜!俺でも昼から出勤の時あるし…)
「そっか、ありがとう」

「いえ、それではごゆっくりどうぞ〜」

メモして、午前中でも空いている時に来ようと思った。厨房ではないようだ。


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