BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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お前と俺。俺と君。
日時: 2017/06/25 19:45
名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)

オリジナルのBL小説載せていきたいと思います!

一部屋に2人で住んでいる男達の話です。

小説下手かもしれませんが、興味のある方は閲覧していってください!


2016.10.09 閲覧数500突破!感謝!
2017.03.02 閲覧数800突破!感謝!
2017.05.01 閲覧数900突破!感謝!
2017.06.23 閲覧数1000突破!感謝!

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.34 )
日時: 2016/09/13 23:21
名前: 朝倉 (ID: jFu2moab)

「ぎゃあああああああ!!」

「え、えっ?ちょ、ちょっと浅井さん!?浅井さん!浅井さ…」

一瞬意識が飛んだように目の前が暗くなり、耳にはすぐ近くに恵ちゃんの声が聞こえていたけれど、そこで俺の意識はプッツリ消えた。

目を覚ました時には、空は夕焼け色も消えかかっていて、星が出る少し前だった。飛び起きた俺は状況を把握する為に辺りを見渡すと、どうやらベンチに寝ていたらしい。
足元の隣のベンチに恵ちゃんが座っていて、スマホを見ていた顔を上げて呆れたといった表情で俺を見ると、ため息を一つする。

「やっと起きたんすか?浅井さん、あの後、覚えてます?」

「え?あ、あんまり?」

「目の前に出てきたお化け役の人に驚いて叫んだ後、後ろにぶっ倒れて、白目になって気絶したんすよ」

ベンチから立ち上がった恵ちゃんは俺の前に来る。俺は先に恵ちゃんにお礼を伝えた。

「ごめん、ありがとう。運んでくれたの、恵ちゃんでしょ?」

「……は?ま、まぁ、そうすけど。あんなとこに転がられてちゃ他の客に迷惑ですし…」

一瞬めを見開いて驚く恵ちゃんは、次に明らかに分かりやすい動揺をして、ツンデレを見せてくれる。自覚がないのはわかっているから微笑ましくて、つい笑うと恵ちゃんは俺の顔を見て、また目を丸くして今度は固まった。
俺が「恵ちゃん?」と声をかけると、我に返った恵ちゃんは顔を逸らして俺に背中を向けた。後ろ姿から見えた耳が赤く見えたのは近くの街頭のせいなのか、俺の目が狂ってしまったからなのか、俺には分からなかった。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.35 )
日時: 2016/09/21 00:06
名前: 朝倉 (ID: aW5Ed34M)

少し身体を休ませると、ベンチから腰を上げて立ち上がり、陽気に恵ちゃんに声をかける。

「よっし!じゃあ恵ちゃん!最後はアレ乗ってから帰ろ?」

遠くに見える観覧車を指さして言うと、恵ちゃんはそれを見て嫌そうな表情をする。

「え、観覧車?アレ時間かかるじゃないすか、もう帰りません?佐々木さんたちもう帰ったっぽいし…」

「30分だけじゃん!俺昼から埋めてたスケジュール全部パアになっちゃったんだよぉ!?最後くらいはロマンチックに!…じゃあなかった、最後は高い所から夜景とか見て良く終わりたい!それに何!?帰ったっぽいって!帰ったかどうかわからないの?!」

「あぁ〜!五月蝿いっすねぇ〜!!お化け屋敷出た後居なかったんすよ!二人とも!」

俺の言い草に両耳を塞ぐ恵ちゃんは言い終わるとムスッと頬を膨らます。拗ねた様子に可愛いと思ってしまう。けど、最後は観覧車でテッペンについたらキスっていうロマンチックな終わり方は譲れない!と俺も負けじと駄々をこねると、最後は恵ちゃんが折れた。

「あぁ、はいはい、わかりましたよ。乗ればいいんですね?」

「やったぁ〜!行こ行こー!」

「……はぁ…」

俺は嬉しくてその場で軽く跳ねて、恵ちゃんの手をとると軽く引っ張りながら観覧車の方へ向かう。後ろで深いため息が聞こえたけど、聞こえないふりをすることにした。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.36 )
日時: 2016/09/23 22:57
名前: 朝倉 (ID: aQG7fWp7)

遊園地の最後に観覧車に乗るカップルは沢山いる。勿論、俺も恵ちゃんとこれから乗るんだけど、中には俺みたいな下心持った男もいるんじゃないかな?

行列がやっと終わりを迎える。
店員?構成員?案内人?に、言われて、来たゴンドラに俺から右の席に座り、恵ちゃんは後から左の俺の向かい側の席に座った。
「いってらっしゃいませ」
との声かけをされて、扉を閉められると止まってはいなかったけれど、合図のようにゆっくりとした動きで上を目指していくゴンドラ。

外を見ると、こっちが高くなるにつれ、周りの景色が多く見えてきて興奮を隠せない。俺は少し跳ねて両足をばたつかせ子供のようにテンション高めで恵ちゃんに話しかける。

「うっわぁ〜!見て!恵ちゃん!さっきまで俺らが居たベンチ!あんな小さい!ああ!見てみて、恵ちゃん!あれ!佐々木たちじゃない!?」

「あぁ、そうすね……あの、浅井さん…うるさいし。ちょっとはしゃぎ過ぎじゃないすか」

「え…?あ、うん…ごめん」

外の景色へ目もくれず恵ちゃんは冷たい言葉で返し、俺は恵ちゃんがキレたのかと思って少し落ち込み、しゅんとなりながら席に姿勢よく座り両膝に拳を置く。
暫く沈黙が続く。俺はあまり沈黙が好きじゃない。喋らないと息苦しい。思ったことは言いたいし、聞きたい。沈黙が心地いい方が長続きするって言うけど、それはそれ、これはこれ。話さないで解決出来る問題の方が少ないのと同じでしょ?って俺は思う。

だから、この沈黙を破る為にタイミングを見計らおうと恵ちゃんの様子をチラッと見ると、恵ちゃんは俯いて、膝に肘をついて頭を抱えていた。項垂れるって言うのかな?

「恵ちゃん、どうしたの?…体調、悪い?」

その場から動かずに顔だけ覗こうとしても、恵ちゃんは短く「別に」と返すだけで、深呼吸して、少し震えているようにも見えてくる恵ちゃんに不安になってくる。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.37 )
日時: 2016/09/25 22:44
名前: 朝倉 (ID: SGjK60el)

冷房がついてるわけでも、今の季節別に冬ではないから寒くはないはずだ。
もしかすると恵ちゃんは風邪を引いているのかもしれない。

「恵ちゃん!恵ちゃん、もしかして風邪引いてるんじゃないの?!」

「っ…動くな!」

俺は慌ててその場に立つと恵ちゃんの肩が上がる。
恵ちゃんに声をかけながら寄って隣に座ると俯いたままの恵ちゃんが大声で怒鳴った。
恵ちゃんが怒鳴ることなんてそんなに無いから驚いて固まる。
我に返ると、そっと恵ちゃんの表情を伺った。

恵ちゃんは両耳を両手で塞いで、口では深呼吸を繰り返し、見開いた目は視線が泳いでいて、顔は青ざめていた。
相当体調が悪いんだと思って横から優しく腰に手を回し、丸まった背中引き寄せ抱きしめ恵ちゃんの体を温める為に背中を撫でるように摩る。

すると、急に顔を上げた恵ちゃんに胸倉を捕まれ睨まれた。
何事かと思って驚いて見開いた目では瞬きを繰り返しながら恵ちゃんと視線を合わせていると、歯を食いしばって苛立ちを示した恵ちゃんから小さく呟かれた。

「だから、動くなっつってんだろーが…!」

恵ちゃんの目を見て、もしかしてと思った。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.38 )
日時: 2016/10/09 00:11
名前: 朝倉 (ID: j1BtfBJW)

もうすぐ、頂上。
暫くして手を離した恵ちゃんは奥のドアにもたれ掛かって座る。
俺もゆっくり座り直すと、深呼吸した後、唾を呑んで恵ちゃんが怒らないか様子を探るようにしながら、小さく聞いてみた。

「恵ちゃんさ、もしかして………高いの苦手?」

「ーーーー…別に」

俺の聞いた質問に恵ちゃんは肩を上げた。悔しそうに下唇を噛む恵ちゃんは、随分と間を取って曖昧な返答をする。

俺は、そんな恵ちゃんの弱い部分を見たからなのか、守ってやりたくなった。抱きしめて大丈夫だと伝えたかった。血が出るから噛んでは駄目だと教えたかった。恵ちゃんの全てを俺が守るからと言いたかった。

言葉よりも行動は気づかぬ間に起こしていた。

恵ちゃんに近づいた俺は、片手を奥のドア付近の壁に、片手で恵ちゃんの顎を自分の方へ向けると、その唇目掛けて顔を近づけ、恵ちゃんが俺の存在に気づいて驚いている間に、その唇に口付けを交わした。


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