BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

お前と俺。俺と君。
日時: 2017/06/25 19:45
名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)

オリジナルのBL小説載せていきたいと思います!

一部屋に2人で住んでいる男達の話です。

小説下手かもしれませんが、興味のある方は閲覧していってください!


2016.10.09 閲覧数500突破!感謝!
2017.03.02 閲覧数800突破!感謝!
2017.05.01 閲覧数900突破!感謝!
2017.06.23 閲覧数1000突破!感謝!

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.39 )
日時: 2016/10/15 23:56
名前: 朝倉 (ID: OqGA1o6a)

触れるだけのキスをして、唇が離れるとその小さく丸まった体を包み込むように抱きしめた。少し冷えた体に自分の体温を与えられればいいと思った。
暫くすると、腕の中にいた恵ちゃんが暴れだし、何が起きたか見ようと少し腕の力を緩めた瞬間に胸の当たりを押し飛ばされた。

「なにすんだ、てめぇ!いきなり!キモイんだよ!」

「いったたたー……あれ、恵ちゃん?」

「っ、俺に触るな」

恵ちゃんのいる向かい側の扉の近くに背中と軽く頭をぶつけて痛む箇所を擦りながら恵ちゃんを見る。
恵ちゃんは俺に結構な暴言を吐いたが、その時の表情が言葉とは違って見えた。立っている恵ちゃんの顔は真っ赤で耳まで赤くなっていた。
俺は赤くなっている恵ちゃんの様子に驚き目を見開いてどうしたのか首をかしげて聞くと、息を詰まらせた恵ちゃんはまた俺から顔を背けて座り先程と同様の体制を取った。

怒っているようにも見えるが、何で顔が赤いのかが分からなかった。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.40 )
日時: 2016/10/25 10:07
名前: 朝倉 (ID: z.RkMVmt)


「恵ちゃん…あ!見てよ、恵ちゃん!うわぁ、凄いキレイだよ…?ほら」

恵ちゃんを見ると、恵ちゃんの奥の扉は硝子製なのか、アクリル製なのかは知らないが透明で奥の景色が見えた。日が暮れて空は真っ暗なのに、今は相当高い所に居るからか、小さい建物、それなりに大きさのある建物、道路を通る車の灯りが数え切れない程キラキラと光っていて綺麗だった。この夜景を恵ちゃんにも見せようと声をかけると、恵ちゃんは相変わらず乗り気じゃない。

「…別に、興味ないすよ」

「もぉー、高所恐怖症の人でも夜景はキレイだから見られる人だっているんだよ?ほら、見てよ恵ちゃん、ホントにキレイなんだから」

文頭駄々をこねるように言い、後から優しく恵ちゃんを誘うと、恵ちゃんは「ホントにキレイじゃなかったらぶん殴りますからね」と暴言を吐きながら、顔を上げた。そんな恵ちゃんが幼げに見えて可愛く思わず微笑んで、また夜景へと目線を戻す。

「…あぁ、俺はダメですね……」

後ろからほんの僅かに出された言葉は、夜景に見蕩れて興奮気味だった俺の耳には入らなかった。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.41 )
日時: 2016/11/07 22:32
名前: 朝倉 (ID: P4RGPyNJ)

あっという間に、地上へと近づいていく。もう建物は小さくないし、キラキラしてた夜景も遊園地の明かりだけになった。
もうすぐ恵ちゃんと2人だけの密室空間が
終わると思うと少し寂しい。
貴重な恵ちゃんも見れて可愛かったし、庇護欲も湧いた。

平然と何も無かったかのように恵ちゃんは俺の向かい側の席に座る。外を眺めてる横顔は綺麗で、首にマフラーを巻いているからそれで首が見えないことにはムッとした。
恵ちゃんは色白だから綺麗なんだよな。なんて思ってると着いたみたいで、扉が開くと恵ちゃんは早々に出て行く。

先を行く背中に、やっぱり楽しくなかったかな、とネガティブなことを思って一人下を向いて苦笑しながら出ようとする。

「なにやってんすか、早く帰りますよ」

前から声がかかって顔を上げると、上着のポケットに両手を突っ込んで振り向きこちらを見て待っている恵ちゃんの姿があって、俺は、俺の不安は一瞬にして吹き飛んだように消え去った。
嬉しくて、はにかみ笑いを浮かべて恵ちゃんの元へ走り、思わず抱きしめた。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.42 )
日時: 2016/11/30 23:39
名前: 朝倉 (ID: caCkurzS)


自宅に着いて、恵ちゃんは早々にシャワーを浴びに行った。
暇になったから、観覧車に乗ったことを自慢する為に佐々木にメールした。

〝観覧車に恵ちゃんと二人っきりで乗りましたー!イエイ!O(≧▽≦)O〟

『(‾▽‾)へー。そりゃ二人っきりだろ。三人になってたら誰入れたんだってなるしな(笑)』

〝違うよ!そうじゃないでしょ!もっと羨ましがってよ!〟

『じゃあ、何かしたの?それ言えよ』

〝うん!夜景見たよ!(^-^)〟

『は?そんだけ?そんなん当たり前だろ。夜近かったし、それ見る為のものだしな、観覧車って。
ちげーよ、他にデートっぽいことしたのかって聞いてんの。』

「デートっぽいこと?んー…あ゛ー!!しまった!頂上でキスすんの忘れてた!くっそー!気づいたらいつの間にか頂上過ぎてたし…あー!悔しい!話、逸らそっ」

〝まぁ、それなりにね?(*‾∇‾*)フッ
佐々木は?どーだったのー?〟

『おい、お前が振ってきた話をお前でテキトーに振るな。俺はキスもしたし、手繋いで帰ったし、帰ったらちゃんとヤったよ』

〝うーわ、自慢かよ!くそ惚気。リア充め!むっかつくー〟

『お前な……。俺は付き合ってるから出来ることだ。お前も早く付き合え。そしたらこーゆー経験も出来る。やれ。望んでばっかいねーで、さっさと行動しろ』

〝うっざー、上から目線ー(-_-)言っとくけど、俺は行動してますー(・ε・)〟

『はいはい。じゃー、オレ忙しいから』

〝(・ω・)b ういー。じゃ、またねー〟

なんだ、やっぱ佐々木んとこはラブラブなんだー。
俺も早く恵ちゃんとラブラブしたい。
俺達だって一応付き合ってるし?え?一応って何?
でも、何で佐々木達とは違うの?そりゃあっちは長い付き合いしてるからかもしれないけどさ、そーゆーのって時間の問題かな?
恵ちゃん、やっぱり嫌かな?…まだ、早い、かな?

一人、悶々とする事をノートに、日記として綴った。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.43 )
日時: 2017/01/11 00:41
名前: 朝倉 (ID: FOqQFS6Q)

風呂から上がった恵ちゃんは直ぐにカーテンの奥へと姿を晦ます。

「ねぇ、恵ちゃん」

「なんすか?」

声をかければ、返事がくる。言葉のキャッチボールがしっかりされている時は、恵ちゃんの機嫌が普通の時と良い時である知らせ。

「恵ちゃんは、何の食べ物が好き?」

「…キャビア?」

「えぇ?!キャビア!?そんなの買えないし、売ってないでしょ?」

「ジョーダンですヨ。特にないです」

「えー、それ無し!何か出してー」

淡々とした口調の恵ちゃんだけど、俺にとっては返事がくるだけでも嬉しくて、会話を続けたくて、駄々こねる口調で言うと、うーんと唸る声が聞こえる。恵ちゃんなりに真剣に考えてくれている事がわかって顔が緩む。

「揚げ物なら全部好きですよ」

「え?…今なんて?」

「だから揚げ物」

「違う違う、その後」

「…?全部す……っ」

恵ちゃんが、好きだと言った。俺のことがとか言ったわけじゃないのに、その好きだという言葉が胸に響いてもう一度聞きたくて追求すれば、2度目の言葉が降り注がれる途中にそれが消えて、不思議に思う。
耳を傾ければ息を詰める声が僅かに聞こえて、もしかしたら恥ずかしくて言えないことに、俺の意図に、両方に気づいたからなのかもしれない。
恵ちゃんは今、どんな顔をしてる?真っ赤かな?
気になって、カーテンに手をかける。

「恵ちゃん…」

ドキドキしながら、色っぽく恵ちゃんを呼ぶ。

「っ、もう寝ます!さっさと風呂入ってくださいネ!オヤスミナサイ!」

せかせかと慌てた様子で早口に話を切り上げた恵ちゃんは、バフッという効果音をたててから静かになった。きっと、布団を被った音。

また逸らされた。このカーテンが無ければ恵ちゃんともっとイチャイチャ出来るのに…!
でも、このカーテンを取れば恵ちゃんは俺と目もあわしてくれなそうで…。

きっと、このカーテンから向こうは恵ちゃんのパーソナルスペースだから、まだ俺は入っちゃいけない。1度軽く入ったけど、きっとその時はそんな感じじゃなかったんだと思う。
だから、今もこのカーテンを取り外さない。

カーテンを握っていた手を離して俺も風呂場へ向かった。
握っていたカーテンには染みが形づいていた。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。