BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- お前と俺。俺と君。
- 日時: 2017/06/25 19:45
- 名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)
オリジナルのBL小説載せていきたいと思います!
一部屋に2人で住んでいる男達の話です。
小説下手かもしれませんが、興味のある方は閲覧していってください!
2016.10.09 閲覧数500突破!感謝!
2017.03.02 閲覧数800突破!感謝!
2017.05.01 閲覧数900突破!感謝!
2017.06.23 閲覧数1000突破!感謝!
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.29 )
- 日時: 2016/08/16 10:15
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
目の前を佐々木と奏くんが並んで楽しそうに話しながら歩いているのを見て、俺も恵ちゃんとイチャイチャしようと、話題を上げてみる。
「そういえば、恵ちゃんは絶叫系平気?俺は全然平気!楽しくて仕方ないって感じで…」
「お前の話なんか聞いてねぇよ」
「…つれないなぁ。で、どうなの?」
「……別に。」
えぇー!?別にって何?怖いの?怖くないの?そもそも乗り物に興味ないの?意味わかんない応えされると困るんだけど!
ってか、機嫌悪いの?恵ちゃん。
恵ちゃんの顔を見て様子を伺いながらそんなことを考えていると、前を歩いていた2人が振り返って佐々木は笑顔で「そろそろジェットコースターに乗るぞ」と並んでいた列が終わるのを知らせてくれると、共にワクワクと胸が高鳴るのを感じた。
「恵ちゃん」
「あ?なんすか?」
時折乱暴な口調の恵ちゃんに少し眉根を寄せたくなる思いだが、きっと自然とでてくる口調だと思うから、気にしないように努力をしながら、それを見せないように、笑顔で恵ちゃん言葉をかけた。
「楽しみだね、ジェットコースター」
俺が恵ちゃんの隣を歩くことにも僅かに緊張しているのも彼は気づかないだろうけど、前を向いた俺に彼からの視線は感じなかった。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.30 )
- 日時: 2016/08/21 04:54
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
ジェットコースターが動いている間、俺は恵ちゃんの隣で緊張しつつも、動きに楽しく周りの声に混ざってフォー!イエー!などと声を上げてジェットコースターが終わり、止まってから降りた時には緊張も大分解れて喉が枯れてしまっていた。
「あぁ〜、楽しかったー!恵ちゃんは?どうだった?」
「お前の声で耳が潰れそうデシタ。」
はぁ〜と重いため息をついて窶れた表情の恵ちゃんがどこか可笑しくて笑っては背中を軽く叩いては声をかけながら出口へ歩く。
「まぁまぁ、声出したら恵ちゃんも楽しめるよ?怖くても誤魔化せるし〜」
「あ?あんなのにビビるかよ。餓鬼じゃないんすからあれぐらいでワーキャー騒ぐなってンだよ」
さり気なく、怖かったのか探ろうと話すと、正直にドライに返された。機嫌が悪くなってしまったのだろうかと思うが、苦笑いで軽く正論を述べて済ますことにした。
「でも、ジェットコースターで静かにしてたらそれこそ恐怖じゃない?」
恵ちゃんは納得したのか黙り込んでしまった。少しムッとした表情に見えるので、さっきのはもしかして強がりで言ったのかな?と心だけで思うことにして、次にお化け屋敷へ佐々木達の後を追いながら足を進めた。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.31 )
- 日時: 2016/08/26 17:16
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
お化け屋敷入口。佐々木達の前のカップルが入って行く。幾分か前のグループの叫び声が上がる。相当怖いのかと想像すると、妄想に旨が踊り恵ちゃんを見てニヤニヤ頬が綻んでしまう。
それに気づいた恵ちゃんが猫の威嚇のように睨んでくるもんだから、そこで顔に出ていたことに気づいて首を横に振り咳を一つ零してから真っ直ぐ前を見る。
「奏、怖くない?手、繋いで入ろっか」
「っはい!」
目の前の佐々木と奏くんが俺らを空気の様な存在にして、佐々木が左手を出すと奏くんは嬉しそうに笑顔で頷き佐々木の左手を右手で掴み、指を絡めるように手を繋ぐ。
この流れならいけるかもしれないと俺は唾を飲み込み、恵ちゃんにキリッとした顔で言う。
「恵ちゃん、怖くない?もしよかったら…」
「怖くないすけど?」
「ゴホン…ああうん、なら、手、繋がない?」
「は?なんでですか?」
「迷子になったら困るし」
「お化け屋敷で迷子になる馬鹿いないデショ」
「俺は恵ちゃんと手、繋ぎたいな〜なんて…」
「俺は嫌です。」
「…強がんなくてもいいからね?怖くなったら俺の服でも掴んで…」
「しつけぇよ」
俺の誘いはキッパリバッサリ断られ、軽く落ち込む。いや、かなり落ち込む。全て無表情で冷たく言い放つ恵ちゃんは俺との間に壁を置いているように感じた。俺と恵ちゃんは隣同士で歩いているけれど、開いている45cmの距離は縮みそうになくて、少し気づかれないようにため息をついて、お化け屋敷へ入った。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.32 )
- 日時: 2016/08/26 17:36
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
建物の中に入ると、冷房がきいているからか、外との温度よりは低く、不気味な音楽がBGMのように流れている。俺は恵ちゃんと一定の距離を保ったまま、隣同士で歩いて進む。道の端には今にも何かが飛び出してきそうで、横開きのドアを見ると、お化け役の人がいきなりぶつかってきて脅かしてきそうだ。
実はというと、俺は少し怖がりだ。でも、男だからと我慢している。恵ちゃんの怖がるところを見逃さない為と、情けないところを見られたくない為に。
でも、恵ちゃんは無表情のまま、歩くペースは全く変えずに進む。もしかしたら、本当に怖くないのかと疑いたくなる。
時折前方から聞こえてくる誰かの悲鳴や奇声に近い声に心は落ち着かない。せめて、本当に何処かに掴ませてもらいたい。一人にされたくない。置いて行かれたら泣きそうだ。
「恵ちゃん…」
「なんすか?」
俺が立ち止まると、それにも気づいていない様子で少し前に進んだ恵ちゃんに震えそうな声を抑えて、俯きながら小さく呼びかける。小さい声だが、少ししか離れていなかった恵ちゃんは聞こえたようですぐに立ち止まると、俺が隣に居なかったことにやっと気づき、振り返る。
「本当に怖くないの?」
「怖くないすよ、このぐらい」
「そ、そう……」
「もしかして…怖いんすか?」
「…そ、そんなわけないじゃーん!ちょっと、トイレ我慢してただけだよ〜」
俺の静かで落ち着いた雰囲気と物言いに疑問を抱いたのか、少し考えると、図星をつかれ、咄嗟の嘘を苦笑いしながら言う。
恵ちゃんは、納得はいかないものの、まぁいいかと気にしていないかのように一度肩を上げて落とし、下記を述べてくれる。
「じゃ、さっさと行きましょーよ。こんなとこで出されたら困るんで」
俺を待ってくれることには少し安堵した。まだ俺が怖がりだと言うことには気づいていない様子だから、出来るだけ平然を装って、恵ちゃんの隣へ行くとまた歩き始めた。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.33 )
- 日時: 2016/09/06 20:40
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
暫く何も起きなかったけれど、俺は心でビビりながら恵ちゃんの横で平然を装い続け、色んな汗が出てしまう。
恵ちゃんを見ると、疲れた様子でため息を一つ零している。
やっぱり、楽しくないのかな……。
そんな事を考えていると隣のガラス窓が音を立てて揺れた。声が出そうになってしまったのを咄嗟に息を飲んで抑えた。
恐る恐る恵ちゃんを見るとビクリともせず、揺れたガラス窓を見てニヤリと少し楽しそうな笑みを浮かべた。
「け、恵ちゃん!もう漏れそう!は、早く出口行こ!」
何かヤバイと危機感を感じた俺は言い訳を上手く活用して、恵ちゃんの右手を引いて走り出す。「はぁ!?」と不満の声を上げている恵ちゃんに振り向かずに進んでいるといきなり目の前に現れた人に俺は声を抑えることは出来なかった。
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