BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- お前と俺。俺と君。
- 日時: 2017/06/25 19:45
- 名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)
オリジナルのBL小説載せていきたいと思います!
一部屋に2人で住んでいる男達の話です。
小説下手かもしれませんが、興味のある方は閲覧していってください!
2016.10.09 閲覧数500突破!感謝!
2017.03.02 閲覧数800突破!感謝!
2017.05.01 閲覧数900突破!感謝!
2017.06.23 閲覧数1000突破!感謝!
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.19 )
- 日時: 2016/05/05 21:55
- 名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)
俺は何故か恵ちゃんをもう1度この目で見て、話したいという衝動にかられていた。
(会いたい…恵ちゃん、何してるかな)
仕事中、女性客を目の前にして、恵ちゃんのことが頭に過ぎる。週に1日の出勤。他の日も普通に日の出る時間帯は留守。バイトでもしてるんだろうか。
仕事が終わって、仕事の先輩から飲みに誘われた。
恵ちゃんの連絡先は知らないから、今、恵ちゃんが家に帰っているかどうかもわからない。帰っているなら、すぐにでも会いたい。
今は深夜2時過ぎたところで。帰っていないはずはない。
きっと恵ちゃんは寝てる。
(寝顔でも見たいけど、カーテン邪魔だし。開けたら何されるか分かったもんじゃない。仕事の先輩から誘われて断る事も難しい…)
俺は気分も晴らす為に誘いを承諾した。
朝方家に帰る。結構酔った。先輩が飲むもんだから俺も負けじと飲んじゃった……。
階段を登るのは結構辛かった。部屋の鍵を開けて、扉を開ける。
寝床について、安眠しようと、半分目を閉じかけた時に誰かにぶつかる。
「うっお、と…」
俺は倒れる前に抱きとめられたような感じだった。目の前には綺麗な白い鎖骨がある。目の前の人の肩に頭を乗せてる形だろう。片手は肩に、片手は俺の背中辺りにあって、それで抱きとめたのは凄いと思ったが、その時はそんなことを考えている程、頭は回らなかった。
(なんだろ…甘い匂い…)
ほんのり香る甘い匂いを辿るように鼻を目の前の首筋に寄せる。
「浅井さん…?酒臭いんすけど。酔ってます?ってか、重い」
(あぁ、恵ちゃんか……)
「……ん?なに?苦しい。浅井さん、離して」
匂いの元は恵ちゃんだと分かる。目の前にいるのも、俺を抱きとめたのも恵ちゃんだと分かると、俺は腕を恵ちゃんの腰や背中に回して、恵ちゃんを引き寄せ抱きしめた。
恵ちゃんは驚いて大声で怒鳴るかとも考えたが、至って冷静に解放してほしいと言っている。
そして、抱きとめてた手を離して、俺の肩にあて、押し離れようとしている。
「恵ちゃん…恵ちゃん…」
「その呼び方やめてって言いま…ヒッ!ちょっ、おい!酔っ払い!やめろ!ぶん殴るぞ」
心の底から恵ちゃんを欲しがった。恵ちゃんの首元で頭をグリグリしながら呼ぶと、嫌そうに何か言っている。そんなのも聞かずに、甘い匂いのする首筋に舌を伝わせると、恵ちゃんの体がビクッとした後、俺の体を自分から押し離そうと抵抗し始める。
抵抗されると余計したくなる。
俺が恵ちゃんの服の中へスルリと手を忍ばせた瞬間、鈍い音が聞こえて、頭に激痛がじわりときた。
殴られたことが分かる。
頭を抑えながら、その場に座り込む。
元々酔っ払って脚に力も殆どなくなってたってのもあるけど。恵ちゃんの拳骨は痛かった。
「今回は酔っ払ってたから、チャラにしてやる。次やったら殺す」
恵ちゃんを見上げると、どす黒いオーラを身に纏い、殺気立った目で俺を見下ろして告げた。
正直ビビる。その時俺はヤバイことを、したんだろうかと考えた。
俯いた俺を見て顔を背け舌打ちをする恵ちゃんは、スマホを少し弄って、俺の舐めたであろう箇所をタオルで拭き取り、俺に声をかけることなく、スタスタと部屋を出て行った。
俺は、自分の寝床へ行って横になった。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.20 )
- 日時: 2016/05/12 23:02
- 名前: 朝倉 (ID: KwETyrai)
昼2時を少し回った頃に目が覚める。
気分が悪いうえに、自分が酔った勢いで恵ちゃんに少しばかり手を出したことを思い出し、後悔する。
(しまった。恵ちゃんに避けられたら、どうしよう…)
そんなことを真剣に考えながらも、頭の隅では自分と恵ちゃんの関係が早く進展しないものか、というのもあった。
俺は、よく分からないけど、恵ちゃんが凄く好きみたいで、それは友達とかじゃなくて、恵ちゃんが性対象になるという意味で…。
こんな短期間の間に好きになるわけがないと思ったし、恵ちゃんの態度には苛立ちを感じる時もあるから気のせいだと思ってたけど、それからというもの、恵ちゃんを意識しないと勃たなくなっちゃった。
もしかしたら、一目惚れなのかもしれないけど、そこを認めたら恵ちゃんに馬鹿にされそうで、認めることは出来ない。
とりあえず、早く関係が発展しないか、ある男に連絡をとって相談した。
その男とは、中学、高校が一緒で、ゲイだったやつだ。今は会ってもいないが、連絡先は知っている。
『…………はい』
「あ!佐々木?俺!浅井だけど、相談したい事があって…」
『……今?』
「今!」
『…はぁー…、何?』
「ごめん、取り込み中だった?」
『気にすんな。で?』
「好きな子に振り向いてもらうにはどうすればいいかな?」
『俺に相談するってことは相手男なのかよ』
「そうだよ!女の子なら、こっちの方が経験あるから相談しないし!」
『お前、自分モテますアピールやめろよ…。』
「引かないで!いいから早く教えてよ!」
『推せばいいんじゃね?好きアピールしろ。とにかく推しまくれ。意識させることが大事だろ』
「推す…」
『あ、そーだ。今度ダブルデートでもするか?遊園地のチケット四人分当たったんだよ』
「え!?嘘!?いいの?行きたい!行く行く!」
『じゃー、今度の休みなー。』
「オッケー。ありがとう」
『じゃ、またなー』
通話が終了する。遊園地でのダブルデートは恵ちゃんと約束出来た唯一の日に決まった。
俺と恵ちゃんは付き合ってないけど、そのダブルデートで、関係を進展させ、付き合えたらと思ってる。
恵ちゃんの弱点を見つけるいい機会にもなりそうだから、気合いは入ってる。
近々、あのイケメンの集うレストランに顔を出して、恵ちゃんを探すこともしたいと思ってる。
俺は、今の関係とタイミングで恵ちゃんに、手を出すことは失敗したけど、今は開き直って恵ちゃんに意識してもらえるように推して推して推しまくる気でいる。
(覚悟しといてよね、恵ちゃん)
俺は、そう思いながら水を飲んで、外へ散歩に出掛けた。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.21 )
- 日時: 2016/05/26 00:35
- 名前: 朝倉 (ID: /XK1VBbn)
(それにしても、まずは告白もしないとな!)
気づけば俺は恵ちゃんを好きになっていた。でも、それはきっと一目惚れだと思う。恵ちゃんの容姿が好きだった。タイプだった。声も心が寄せられた。
恵ちゃんのことをもっと知りたかった。
自分より恵ちゃんを知っている人の方が多くても実際その人を目の前にすると心の底では苛立ちもあった。
(俺だけが知っている恵ちゃんを見たい。恵ちゃんに一歩近づく為に、意識してもらう為に、告白をしよう!)
心に決めて、1時間程度の散歩を終えてコンビニでおにぎりとパン、お茶を買う。
レジで、イケメンのスタイリッシュな男がレジ担当している可愛いおっとりした感じの若い女の子をナンパしていた。
レジはもう一つあって、そっちに回るしかなかった。
自宅へ戻ると、ポストに高そうな質のある封筒が入っていた。
宛先は恵ちゃんにだ。誰から来たのか、名前が書いていない。
(誰だろ……。恵ちゃんに…。今どきメール使わず文通?そんなに仲良くない人物?顔も知らないかもしれないってこと?…告白とか、ないよね?)
急いで封筒を持って部屋に向かう。胡座をかいて座り、両手で封筒を持って向かい合う。
(まだ昼だから暫く恵ちゃんは帰って来ない。中身が気になる…)
電気に照らして透けたのを見ようとしても上質なのか、封筒から中身が透けて見えることはない。
かれこれ、2時間悩んだ結果、恐る恐る開けると、途中で開け方に失敗し、破れる音がする。
「あ…破れちゃった……ヤバイ、これは隠せない。恵ちゃんに渡しても見たってバレる…」
焦って目を泳がせるが、いい案を思いつく。
「これを恵ちゃんに見せなければいいんじゃない?大事な用以外なら見せる必要は無いし」
自分にフォローかけながら、封筒を開けて、中身を取り出すと、手紙が折られた状態で入っていて、躊躇うことなく、開いて見る。
綺麗に整った字で、読みやすい。恵ちゃんと少し似た字だった。
内容は、下記。
“久しぶり、元気してる?今度そっち行くから、泊めろよ?岩崎直也”
短い文面。最後には名前が書かれていて、どう考えても男の名前だった。
(え、恵ちゃん、男の恋人いるの?でも久しぶりってことは、元カレとか?泊めろって、俺居るんですけど?!こっち来るって、遠距離だったから?遠距離が理由で別れたとか?)
悶々と考えていると、あっという間に時間は過ぎて、自宅の扉の鍵を開ける音がして、慌てて隠して風呂へ準備して入る。
「ただいま〜。あれ、浅井サン、戻ってるなら玄関開けてくださいよ……あれ、浅井さーん?…あ、風呂か」
微かに恵ちゃんの声が聞こえる。癒される。どうやら恵ちゃんにはバレてないようだ。
安心して風呂へ入った。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.22 )
- 日時: 2016/06/04 02:15
- 名前: 朝倉 (ID: WUYVvI61)
風呂を出て、寝床でカーテンを眺めながらボーッとする。
カーテン越しに恵ちゃんの鼻歌が聞こえる。
「恵ちゃん、少しいいかな?」
恵ちゃんの機嫌が良い時しか言えない。
「あ?なに?」
鼻歌を止めてこちらを向いているのか、こちらに向かって声がハッキリ返ってくる。
「大事な、話だからね、その…顔を見て話がしたい」
暫くの沈黙か、拒否の返答が返されると思っていたが、返事はすぐに返ってきた。
「はいはい、どーぞ。」
「え?!いいの?」
「大事な話、じゃないんですか?」
結構軽く恵ちゃんの部屋へ入る事の許可がおりて驚くと、ご最もな意見を言われて、その場に立つとそっとカーテンを開けて、ゆっくり入る。
カーテンを閉めると恵ちゃんの目の前に正座して、両手の拳は膝の上。
「ンで?大事な話って?」
「……俺ね、恵ちゃんの事が好きなんだ。いきなり此処に引っ越してきて、恵ちゃんの声を聞いて、その後奇跡的に恵ちゃんの容姿を見る事が出来て、性格は少し難があると思うけど、もっともっと恵ちゃんの事が知りたくなっちゃったんだ。
だから、もし、恵ちゃんが良ければ付き合ってほしい」
顔を上げて、俺の話を聞こうと見つめてくる恵ちゃんの目を見つめ続け真剣な顔でハッキリ告白した。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.23 )
- 日時: 2016/06/12 13:47
- 名前: 朝倉 (ID: WUYVvI61)
布団の上にうつ伏せになりながら、俺を見上げていた恵ちゃんが、ゆっくり上体を起こし、寝転がっていたその場に胡座をかいて座ると、俺を見て眉を寄せる。
「喧嘩売ってンのか」
「ええ?!何でそうなるの?!」
暫くの沈黙の後、告白の返事が有無で返されず、キレられたことに理解不能で驚いて大声でツッコミを入れる時のように言うと、ふいっと顔を逸らされ、恵ちゃんは何か探すように俺に背を向けて、膝立ちしながら近くの棚を開けながら話す。
「だったらなんだよ、あれか?マジで性的興奮もするわけ?男の俺に。」
「……うん」
今更ではあるが、引かれては困るという躊躇いから返事が遅れる。静かに頷くと、あからさまなため息を零した恵ちゃんがこちらを向いて、また向かい合う形で胡座をかいて座り直すと、呆れたと言った表情で俺を見ながら言う。
「お前さ、その容姿だからモテるでしょ?なんで俺なんか…?」
「恵ちゃんだから好きなんだよ。多分一目惚れだと思うけどさ…」
「え、元々ゲイ?」
「違うから!勘違いしないで!?頼むから!!」
俺が恵ちゃんの質問にきちんと返して、あはは、と苦笑いすると、引いた顔する恵ちゃん。感情が顔に出てしまうタイプなんだな……そう思いながら引いている恵ちゃんの発言に慌てて片手を出して訂正する。
「冗談ジョーダン♪じゃ、お試しってことで付き合うのはどう?」
悪戯が上手くいった時の子供のような笑みを一瞬浮かべた恵ちゃんを見逃さなかった。
それでもドキッと心臓がなる。顔が赤くなっていないことを祈る。
「…お、お試し?」
「そー。俺が退屈感じるぐらいなら、っつか、チョー嫌になったら別れる、これでい?俺も今、暇なんだよ相手でもいねーと」
何やら企んでいる様子の笑みを浮かべている恵ちゃん。だけれど、それでも付き合えるのなら、恵ちゃんが俺を好きになれば、希望がある。そう思った俺がその話にのらないわけがなかった。
「うん、それでいいよ。絶対俺のこと好きって言わせるから」
「はぁ?キッモ!」
俺がドヤ顔で自慢げに笑みを浮かべて言うと、嫌そうな顔をして毒を吐かれた。
毒を吐かれたことより何より恵ちゃんと少しでも近づけることに喜びを感じた。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13