BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- お前と俺。俺と君。
- 日時: 2017/06/25 19:45
- 名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)
オリジナルのBL小説載せていきたいと思います!
一部屋に2人で住んでいる男達の話です。
小説下手かもしれませんが、興味のある方は閲覧していってください!
2016.10.09 閲覧数500突破!感謝!
2017.03.02 閲覧数800突破!感謝!
2017.05.01 閲覧数900突破!感謝!
2017.06.23 閲覧数1000突破!感謝!
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.4 )
- 日時: 2016/04/12 20:34
- 名前: 朝倉 (ID: UsVfFHTT)
気付けば眠ってしまっていたようだ。座っていたはずだが、横になって眠ってしまっていた。
カーテンを目の前にして眠っていた為、カーテンの向こう側からは足音やら物音が聞こえてきた。それで、目が覚めたのだろう。
「…あ!仕事!」
ハッして俺は大声でそう言いながら慌てて起き上がり携帯の電源をつけて時間を見る。午後7時少し前だった。
仕事は8時からだ。仕事場までの距離を考えて、30分前に出れば間に合うので、時間は大丈夫だった。
とりあえず安心して安堵のため息をつく。
「あ、悪い。起こした?」
カーテンの向こう側から聞こえてきた声は澄んだ声に落ち着いた感じだった。だが、女性と比べると低いその声は男性なんだというのが嫌でもわかる。だが、男性の声とするなら、少し高いぐらいの声だった。
暗い印象を与えない声音は良いところなのだろう。
こちらを気遣ってくれた言葉に御礼を言って色々と聞いてみる。
「いや、平気だ。寧ろありがとう。聞きたいんだけど、君、俺と一緒に住むってことになるのかな?」
「そーなるんじゃないすか?アンタが住むなら」
なんだこの口調は。さっきまでと全然違うぞ?
一気に適当になった。
「年齢は?名前は?」
「23歳。高橋恵介。あ、因みに大家さんからアンタの名前は聞いてるんで」
なんなんだこの口調。カンに触る。
「あっそう。知ってるか分からないけど、俺、君より1つ年上だから、そこら辺、気遣って会話してね?」
「プライベートでもそこら辺キッチリするんですか?ストレス溜まるんすけど」
う、うぜぇぇぇぇ。
カーテン越しに話すと相手が見えない分、余計腹が立つ。
「アンタ、仕事してないんすか?」
「もう行く。最後に、俺にも名前があるんだからそっちで呼んでくれないかな?俺が帰ってくるまでには頼むよ。高橋くん」
「では、できるだけ、俺の名前は呼ばないでくれませんか?虫唾が走るんで」
「っ〜!…へぇ、そんならあだ名で呼ぶわ。じゃ、行ってくるわ。恵ちゃん♪」
悪戯心たっぷりの笑みで挑発的に同居人のあだ名を呼んでから部屋を出て玄関の扉を閉めた。
なんだろう、同居人が男で、しかも性格の悪そうなムカつく年下で、顔も見ていないが初日から喧嘩したにも関わらず、家を出た俺の心は何故か幾分軽く、これからが楽しみだと言えるほどに顔が綻んでしまった。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.5 )
- 日時: 2016/04/12 21:26
- 名前: 朝倉 (ID: UsVfFHTT)
夜中の三時頃、家へ戻ると部屋の電気は消されていた。少しガッカリした。
流石に起きているわけはなかったが、少し起きて待ってくれているのを期待していた。
睡眠を優先するのは当たり前か、と顔を上げて部屋の電気をつける。
風呂に入って、少しゆっくりしていたが、ふとあることを思いたつ。
(今なら、顔、見れるんじゃないか?)
人の一方は見えないものほど見たくなるし、一方は見えないものほど恐怖を感じる。
壁とカーテンの隙間にそっと手を差し込んでカーテンを握る。
すると、カーテンを握った指に衝撃がきて痛みが走る。素早く手を引っ込めると、指は赤くなってきた。
「痛!な、なんだ?!」
「カーテンに触るなっつったろ」
「何ぶつけてきたんだよ!浅井さんの指が赤くなってるだろ!」
「従えないなら容赦しないって書いてなかった?本投げただけですけど。」
「本?!」
「たまたま角がぶつかったんじゃないすか?」
赤くなっている箇所を揉みながら、悪いことはしてないといった口調の同居人に注意する。
「本を投げることはないだろ!」
「されたくなければカーテンに触らなきゃいいでしょー?」
「……姿、見せないようにする為か?」
「そうすね。その点に関しては面倒くさいので隠しませんよ。」
カーテンで隠す理由で考えられるものを遠慮気味に聞くと、即答でスラスラと返された。知れるなら知っとこうと聴けるとこまで聞く気で聞いてみる。
「何でだ?」
「俺、性格悪いってのもあるんすけど」
(あ、自覚してたんだ……)
「どうやら顔も気に食わないとかで、男女年齢問わず追いかけ回されるんすよね。だから、同居人に殺されるとか勘弁なんで、仕切りさせてもらってまーす」
「あー、どこまでが冗談だ?」
「全部冗談じゃないんすけど」
「じゃあ、どこまでが嘘?」
「全部本当」
(マジかよ、声が良くて顔ブサイクは厳しいな。ん?何が厳しいんだ?…まぁ、俺がいつかは見て鑑定してやろう。)
「……なら、今度俺に見せろよ。何かアドバイスできたらいいし?俺イケメンだから」
「うわ、自分で言うとか寒っ!」
「うるさいな!」
俺が鼻で笑ってドヤ顔すると、見えていなくても口調で分かったのか、楽しそうであり挑発するような口調が聞こえてきた。少しムッとして反抗したけど、このやりとりが楽しくて顔がニヤけた。
「じゃ、暫くはカーテンに触れず覗かずで頼みますよ」
「……」
俺が返事をしないでいると、疑問に思ったのか、恵ちゃんに呼びかけられる。
「…あれ、寝ました?」
「いや。……名前は?」
「は?」
俺の言葉に素っ頓狂な声が聞こえてくる。きっと唖然としているのだろう。特別にニンマリと笑みを浮かべてもう一度言う。
「だから、名前」
「……浅井さん」
「はーい♪」
「テンションの上がり下がりがキモイ…」
「いつかは顔、見るからね?」
「…別に見てもいいですけど、すぐ忘れてほしいだけなんで。」
彼はそう言うと立って電気を消そうとする。そのスッと伸びた細く白い腕が目につく。電気は紐を引けばカチッと音がなって消える。その紐を掴んで紐が引かれると音がなって電気の灯りが消えた。
腕は黒いカーテンに隠れた。
あんな腕の綺麗なやつはデブではない。スタイルは良い方なんだろうな、と思いながら目をつぶった。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.6 )
- 日時: 2016/04/16 22:27
- 名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)
朝方5時頃、目が覚めて、聞き忘れていたことをメモして、丸めれば天井とカーテンの隙間から投げ入れて、二度寝した。
次に目を覚ました時は、9時ごろだった。
上体を起こすと、黒いカーテンに俺の書いたメモ(丸めてカーテンの向こう側に投げたもの)が、黒いカーテンにテープで貼り付けらていた。丸めてぐしゃぐしゃになったはずなのに、綺麗にまっすぐにされていた。
そこに貼られているなら見たのだろう。返事はないかと、そのメモを剥がして俺の書いた字のある方の裏を見ると、綺麗にされた紙に返事がかかれていた。
俺の質問は単純。
“なんであんな時間まで起きてたんだ?もしかして起きて待っててくれたとか?笑”
返事は、下記。
“俺がアンタを待つわけないじゃん。アンタが電気つけて、物音煩く立てるから目が覚めただけ。”
やはり、綺麗な字だ。何故か顔を知らないだけなのにこんなに興味の対象になってしまっている。
きっと、ブサイクな顔を見たら、彼に対するこの好奇心も消えるのだろうと思う事で自分の心を解決させた。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.7 )
- 日時: 2016/04/16 22:44
- 名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)
俺は基本、夜に仕事がある。夜中には終わるけど、給料はそこそこいい。隣の高橋恵介(通称恵ちゃん)は太陽の出てる時間帯6:00ごろから大体21:00頃までらしく、初対面して、二ヶ月が経った今、あれから顔を合わせることは勿論、会話もしていない。勿論、カーテン越しでも。
すれ違いは激しい。せめてもの、恵ちゃんが帰ってくる時、俺が家を出る時でもいいから顔が見たい!声が聞きたくなっていた。
きっとあれだ。人肌恋しいっていうんだ。俺は今まさにその時なのだ。
だから、最近は恵ちゃんが戻ってくるまでに多くて3人の女の子を部屋へ招いて飲んだり騒いだりして楽しんでいる。
どうせ恵ちゃんに怒られることはない。何故なら会わないから。それに、時間帯が違うから気づくわけがない。
俺が呼んだ女の子達は部屋に入っての第一声は必ず一緒。
「この黒いカーテンは何?」
だ。まさにそうだ。俺も初めはそう思った。触らないように厳しく忠告しておくと、いい子な女の子達は皆肯定してくれる。
非常に楽だ。俺の暇を潰してくれる。電話したら必ず出るし、誘ったら仕事でも有給使う子いるし、俺を第一に考えて行動してくれる。
何か、物足りなさを心に感じた。
- Re: お前と俺。俺と君。 ( No.8 )
- 日時: 2016/04/17 10:27
- 名前: 朝倉 (ID: Zn9JBKpx)
「ねぇ〜ヒロくぅ〜ん、明後日空いてるぅ?最近付き合ってくれないから身体なまっちゃってぇ〜」
1人の女の子が俺の右腕を抱きながら耳元で聞く。そういえば、最近はあまりヤってなかったな…。そんなに欲求不満でもないが、ここに来てから2回程しか関係は持ってない。前の時より大分減った方だ。
人肌恋しい時期かと思ったが、ただ友達が欲しいだけなんだろうか。
俺は明日、明後日と仕事が休みだからたまには気晴らし程度に遊ぶか。
「うん、いいよ〜♪それじゃぁ、明後日ね。駅前の時計塔の前に13時集合ってのはどうかな?」
「やったぁ!うん!それでいいよぉ」
俺がニッコリと営業スマイルで対応すると、満面の笑みを浮かべて俺から少し離れてはスマホを取り出し、スケジュールにメモしている。スマホの画面を見なくとも、彼女の性格や癖は知っている。
そのぐらいは予想できる。
チラリと携帯で時間を見ると、そろそろ仕事に行く時間帯だった。
「よし、それじゃぁ皆、そろそろ帰ろうね?浅井さんは、お仕事の時間来ちゃうから」
「え〜…はぁ〜い…」
早々に切り上げ、名残惜しそうな声をあげ、足取りも遅いので、背中を軽く押して玄関から外へ出す。帰り際には軽く手を振って営業スマイルでいると3人とも笑顔で両手を振った。
それから、準備をして、荷物を持つと、部屋を出て鍵をかける。俺と恵ちゃんは同じ鍵を持っていて「鍵をかけ忘れたら殺す」と脅されたことがある。何故だかは知らないが、用心深いやつなんだろう。
鍵を仕舞って、階段を降りる。因みに俺らの家は二階建ての二階。階段を上がってすぐの場所。1階に二部屋しかない。隣人に挨拶に行った時、隣人に会ったけれど、黒く長い髪が目元を隠していて、体格は良い方のムサイ男が出てきて後ずさってしまったのを覚えている。風呂に入ってるのかと聞きたくなるような癖のある髪にシワシワの服。二度と会いたくないと思った。
とにかく、仕事へ行こう。
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