複雑・ファジー小説

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CHAIN
日時: 2015/08/28 22:30
名前: えみりあ (ID: TeOl6ZPi)

この世で最も恐ろしいもの

それは獣の牙ではなく

不治の病でもなく

生ける人間の「憎悪」



* * *



はじめまして、えみりあです。
よし、頑張って書きます。

  【はじめに】

・この小説は、暴力描写を含みます。
・死ネタも含みます。
・軽く性描写も含みます。
・更新速度は不規則です。

戦争がテーマの、近未来ファンタジー的なものを書けたらな……と思ってます。
テーマは重いですが、バトルに恋愛、笑いと涙も交えた小説にしたいです。



* * *

  

【目次】

第一話:WHY FIGHT     >>01 >>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>08

第二話:STRENGTH      >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17

第三話:TRAUMA        >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26

第四話:COMPATIBILITY >>28 >>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

第五話:THE NAME      >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

第六話:FOREVER       >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54

第七話:PROMISE       >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65

キャラクタープロフィール      >>09 >>18 >>27 >>35 >>46 >>55



* * *



 【登場キャラ・国家】

①アルビオン連合王国
……WFU最強の海軍を持つ国家。王族、貴族がいまだに残っていて、貧富の差が激しい。イギリスを主体とした国。イメージカラーは青。

 〈登場キャラ〉
リチャード・ローパー
マーガレット・チェンバレン
アマデウス
シドニー・マクドウォール
ジュリアン・モリス
クィンシー
パトリシア・トムソン



②ノルトマルク連邦共和国
……WFU最大の人口を抱える国。経済の中心地。ドイツを主体とした国。イメージカラーは緑。

 〈登場キャラ〉
ユリアン・オストワルト
ジェラルド・バルマー
クリスティーネ・ヴィッリ
ヴィトルト・フォン・マイノーグ
ビアンカ・オストワルト
テレジア・オストワルト
バルド・グロスハイム
イザベル・ディートリッヒ
デニス・クルシュマン



③ルテティア民主共和国
……WFU最強の空軍を持つ国家。他地域との連携があるため、WFU内での結び付きは疎遠。フランスを主体とした国。イメージカラーは黄色。

 〈登場キャラ〉
マクシム・ブラディ
グェンダル・ドゥパイエ



④神聖アウソニア法国
……宗教国家。北部に観光都市を数多く持ち、南部は軍事都市として栄えた。イタリアを主体とした国。イメージカラーは白。

 〈登場キャラ〉
ルーカス・ドラゴ
エリカ・パツィエンツァ
ドロテア・ジョルダーノ



⑤ヒスパニア帝国
……WFU最強の陸軍を持つ国家。皇帝はいるが、政治的権限はない。スペインを主体とした国。イメージカラーは赤。

 〈登場キャラ〉
シルビア・アントニオ・モリエンス
ラウル・アントニオ・モリエンス
セレドニオ・ドローレス



⑥アテナイ=ポリス同盟
……元は都市間同盟により政治を行っていたが、150年ほど前に一国家として統一された。国名はその名残。また『アダーラ』との最前線に置かれていて、WFU最貧国。ギリシャを主体とした国。イメージカラーは紫。

 〈登場キャラ〉
ソティル・メルクーリ
リディア・ティトレスク
ゼノン・デュカキス



⑦ユトランド連邦
……豊富な資源に恵まれ、WFUで№1の生活水準を誇る。難民に対して非常に寛容。デンマークを主体とした国。イメージカラーは黒。

 〈登場キャラ〉
リスト・ハグマン
アーノルド・フォルクアーツ
ティノ・イングヴァル
サク・バーナ
ヴィルヘルム・ファゲルート



⑧アダーラ
……世界最大級の犯罪組織。北アフリカ、中東、一部の東南アジアにかけてを、支配している。領土内諸国の政府は、ほぼ壊滅状態。

 〈登場キャラ〉
ハサン・ムシャラフ
エセン・キヴァンジュ
ドルキ・レヴェント




新キャラ・国家が登場したら、その都度まとめます(*^^*)



【設定】
あーちゃんさんのアイディアで、階級紹介を追加いたしました( ´ ▽ ` )

〈階級〉

・将軍

・将官
→大将
→中将
→少将
→准将

・佐官
→大佐
→中佐
→少佐
→准佐

・尉官
→大尉
→中尉
→少尉
→准尉

・准士官

・一般兵士

上に行くほど高官です。どこの国も、将軍がトップ。たまに変な設定があり、この中に当てはまらない役職もありますが…まあ、それは後ほど…
尚、この階級は、この小説内におけるものです。実際の軍隊とは関係ありません。



 【お知らせ】

3/24 各話、段落開けを入れました。
   内容に変化はありませんが、第一話・第二話の文章を大きく修正しました。
4/3 【設定】欄を追加いたしました。

8/28 今まで気がつかなかった……アルティメットって、ultimateなんですね。AS→USに変更します。いやはやお恥ずかしい。すみません。


 【用語】

〈WFU〉
……ウェスタン・フロント・ユニオン。『アダーラ』に対抗して造られた軍事同盟。所属国家は、アルビオン、ノルトマルク、ルテティア、アウソニア、ヒスパニア、アテナイ、ユトランドの7つ。

〈円卓会議〉
……7将軍による、代表軍事議会。最初のシーンで、みんながやってたあれです。 

Re: CHAIN ( No.6 )
日時: 2015/03/23 22:59
名前: えみりあ (ID: 1SUNyTaV)



+ + +



———手下の方は、そんなに大したことないんだな。

 マーガレットの足元には、11人の男たちが転がされていた。うめき声をあげている者もいれば、完全に気を失っている者もいる。

 ユリアンは思わず息をのんだ。20にも満たぬ少女が、成人男性を相手に、こんな短時間で戦闘不能に追い込めるものなのかと。

 そして何より驚いたことには、マーガレットは剣を鞘から抜いていなかった。

 2対3

 残る二人のハサンの部下は、怖気づいているようだった。しかし、ハサンはそんなことを許しはしない。

「何をしているのです?お前たちもかかりなさい」

 二人の部下は、一瞬身震いをして

「うおぉぉぉぉぉぉっ!」

 マーガレットに剣を向けて突進した。

 マーガレットは両手にカットラスを持ち、向かって左側の男の斬撃を左剣で受け止め、右側の男の斬撃はかわして、男の背後に腕を回し、右剣で男のうなじを叩いた。反作用の力を利用してそのまま体をひねり、今度は左側の男のうなじを叩く。

 ユリアンは感嘆した。

 延髄切り……手刀でうなじを叩いて気絶させる技は、漫画やドラマではよく見られるが、実際に使ってみると気絶だけでは済まず、下半身不随を引き起こしたり、悪ければ死に至る。マーガレットはその点、どれほどの強度で、どの点を叩けばいいのかを、経験から正確に把握していた。そして、動きに無駄がない。その姿は恐ろしくもあり、それでいて美しかった。

 ハサンは落胆した。

 世界が『アダーラ』に苦戦を強いられる理由の一つに、構成員の個々の戦闘能力の高さがある。この戦闘能力は、世界各国から先人たちにより集められた選りすぐりの武芸によるもので、親から子へと受け継がれるうちに洗練されてゆく。そのため『アダーラ』の内部には、さまざまな武芸の流派が存在する。

 マーガレットの動きは、極東のコリアから『アダーラ』に輸入された武術で、もとは一撃で首をはねる剣術だった。それをアルビオンは、その形を変え、何らかの方法で盗みとった。

 数年前まで存在していた『アダーラ』の一流派 カルザン流。その実物を目にしたことがあったハサンは、舞うように剣をふるう姿に感銘を受けた。だからこそ、鞘でつっかえて上手く踊れないマーガレットを見て思った。無様だ。

 しかし……

「……お嬢さん、あなたの武術を拝見させていただきました。それだけの技量があって、なぜ人を殺さないのです?首をはねてしまった方が、あなたはもっと速く、もっと美しく舞えるのに……」
 
 ハサンは、マーガレットの腕は高く評価していた。そして、彼女の思考については、何一つ理解出来なかった。

「……自論ですが……」

 マーガレットは息を整えてから話し始める。

「なぜこの戦争が200年も続いたのか、考えたことがありますか?当初のあなたたちの目的が、お金だったのか、領土だったのか、民族の独立だったのか……そんなことは知りません。ですが、確実に言えるのは、今、私たちが戦う理由は、そんなものじゃない。故郷を追われたから敵を殺す。家族を奪われたから敵を殺す。そういう憎しみに憎しみが重なって、どちらかが絶えるまで終われなくなってしまった」

 ハサンは眉をひそめた。いきなりこの少女は何を語りだすのだ、と。

「私の生きる目的は、この戦争を終わらせて、誰も傷つかない世界を創ること。そのためには、誰かが我慢をして、敵を許さなきゃいけない。私がその『誰か』になる」

 マーガレットは顔を上げ、真っ直ぐにハサンを見据える。

「だから私は、故郷をあなたたちに奪われても、親を、友達を、恋人を奪われても、あなたたちを許す。新しい世界に立つまでは、私は誰も殺さない!」

 彼女の言葉が、夜空の下に凛と響いた。

Re: CHAIN ( No.7 )
日時: 2015/03/23 22:54
名前: えみりあ (ID: 1SUNyTaV)

 ユリアンは、目の前にいるのが、あのマーガレットには見えなかった。迷子になって震えていた少女が、一変して堂々と自分の意思を示している。

「フフッ……フハハハハハハハッ」

 ハサンは唐突に笑い出した。不気味な笑い声だ。

「あなた、馬鹿ですか?何を奪われても許す?マゾヒストのようなことを言う……」

 ハサンはさんざん笑い、目に涙すら浮かべてマーガレットを罵った。マーガレットは嘆息を突く。

「だから、自論だと言いました。理解してもらおうなんて思いません。それから……」

 一瞬、彼女の瞳が、月明かりを得て妖しく光った。そして次の瞬間には、マーガレットの姿が視界から消えていた。ハサンのすぐ後ろから気配がする。

「私の『許す』『殺さない』は、『命までは奪わない』という意味です」

 2対1。うちユリアンは動けないので、タイマンである。

 ハサンはとっさに伏せた。カルザン流の剣はまず、首を狙うからだ。そして、そのカンは正しかった。マーガレットの剣は空を切り、わずかに彼女の重心をブレさせた。が……

「ぐっ……っ!」

 カルザン流の剣は、連撃に特化している。一撃でだめならば、体を回転させ、第二撃。ハサンには、このマーガレットの剣術と、高い身体能力に支えられたスピードとの合わせ技を、回避する術がなかった。

 だから防御に出た。

 マーガレットの攻撃に乗じて同じ方向に飛び、少しでも衝撃を吸収しようとした。しかし、マーガレットの攻撃は思いのほかに強力で、肋骨を軽く損傷した。それでも、とっさの判断にしてはよくできていた。

 振り返る余裕はないが、反撃をしなくては身が持たない。次に着地する前に、ハサンはナイフを2本投げつけた。

———どう……ですか!?

 ナイフが地面に落ちた音はしなかった。刺さったか、あるいは……

「うっ!ぐぅ……っ!」

 つかみ取ったか。

 マーガレットは、優れた動体視力で正確にとらえ、ナイフの柄をもって打ち返した。2本のナイフはそれぞれ、ハサンの両手首を貫通している。

「多分、腱が切れてます。もう、あなたはナイフを握れません。投降してください」

 敗北。

 ハサンは初めて味わう感覚だった。8歳で『アダーラ』の戦闘員になるべく腕を磨きはじめ、以来13年間、誰にも負けたことがなかった。

「……お嬢さん、マーガレットさんと言いましたっけ?ずいぶん若そうに見えますが、いくつです?」

 マーガレットは少し警戒したが、ハサンの表情から察するに、もう抵抗の余地がないことを理解しているようだった。

「18歳です」

 マーガレットはそっと答える。

「……こうして、闘いに身を投じるようになったのは、いつからですか?」

 また一つ、ハサンが問いかける。

「……私は、生まれた時から、アルビオンの騎士です」

 静かな声で、マーガレットはそれに答えた。

「フフフッ……そうですか……」

 すると、ハサンはいきなり両手をつき、手首に刺さったナイフの切っ先を上に向けた。

 そして……

「私には5年、修行が足りなかったようだ……っ」

 その上に、自分の首を落とした。

 鮮血が飛び散る。

 マーガレットは、ただ嘆くように、悲しい眼でその様子を見つめることしかできなかった。ハサンは、敵のもとで生き延びるより、潔くその命を絶つことを選んでしまった。

 アルビオンは、王族と、それに忠誠を誓う騎士の国。マーガレットとてその一人である。だから悲しいほどに分かってしまうのだ。

 命より大切な誇り。

 分かっていたからこそ、止められなかった。

「……敵ながら、気高い人でした。どうか、安らかに……」

———そして、あなたのように悲しい人が、もう現れないよう努めます。

Re: CHAIN ( No.8 )
日時: 2015/03/23 23:01
名前: えみりあ (ID: 1SUNyTaV)

 ユリアンはその様子を、ただ黙って見つめていた。マーガレットの後ろ姿は、よどみがなく、美しい。

 しかし、その美しさは、彼女が子供だから持てるものだ。ユリアンはマーガレットとたった2歳しか違わないが、すでに知っていた。奪われた方の心の痛みを。

「……さてと」

 ハサンの最期を見届けたマーガレットは、ユリアンの方を振り向く。

「今までほったらかして、ごめんね?足、痛かったでしょ?すぐ治療するね」

 さきほどまでの堂々たる姿は、どこに行ったのだ。一変して子供のような表情で笑う。

 マーガレットは、壁際で休んでいたユリアンに駆け寄り、ブーツを脱がせ、ズボンの裾をそっとめくった。ユリアンがずっと、自分で傷口を抑えていたため、血はほとんど止まっていた。しかし、ナイフは思っていたより深く刺さっていて、この足を少しでも動かせば、また血があふれてきそうだった。

 縫合が必要だ。

 マーガレットは、軍服の上着をぬぎ、簡単にたたんで脇に置いた。ユリアンは、ベスト姿のマーガレットを見て驚いた。

———こんなに動きにくい格好で闘っていたのか。

 マーガレットは軍服の下に、いくつものポーチをベルトで固定していた。その中の一つから脱脂綿を取り出す。すでに湿らせてある。匂いから察するに、消毒アルコールだ。ユリアンは不快そうに顔をゆがめた。

「ちょっとしみるからね?」

 マーガレットは傷口にそっと脱脂綿を当てた。声こそ上げたりはしないが、瞬間、激痛が走る。

 あらかた傷口をきれいにした後、マーガレットは別のポーチから注射器を2本取り出した。一本は黄色。一本は白。おそらくは、麻酔薬と解毒薬だ。丁寧にガーゼの上に置き、新たにもう一枚取り出した脱脂綿で傷口の周りを消毒しようとする。

 すると、ユリアンが青い顔をしてその手をつかんだ。

「だ……大丈夫だよ?私、こう見えても医学士で……」

 マーガレットはユリアンを説得しようとするが、彼の様子は明らかに異常だった。肩で息をして、震えている。

「違う……違うんだ……お前があんまりにもどんくさいからって、そんなの嘘だろって疑ってるんじゃない……」

「(はっきり言うなあ)……じゃ、どうしたの?」

 今度は、わずかに頬が紅潮している。そして、意を決したように口を開いた。

「俺は……注射が……怖い……」

 瞬間、マーガレットの手が止まった。ユリアンはうつむいたまま、顔を上げようとしない。というか、恥ずかしくて顔が上げられない。20歳にもなって、未だに注射が怖いなどと……

 ややあって、マーガレットは、ユリアンの手に自分の手を重ねた。そして、ユリアンが顔を上げると

 彼女は嘲笑せず、ただ、優しく微笑んでいた。

「おかしく……ないのか?」

「笑ったりしないよ」

———だって、見た感じ、子供みたいに怯えてる訳じゃない……

 そして、掴まれていた手をそっと振りほどく。

 それから……

「っ!?」

 ユリアンの頭を両腕で抱きしめた。

———精神的な何かが、きっとあったんだ……かわいそうに……

 ユリアンはそれを拒まなかった。マーガレットの腕の中は温かく、心地よい感じがして、先ほどの怯えが引いていくようだった。先の闘いの間際、彼女の言った言葉が頭の中で反響する。

「必ず、護るから」

Re: CHAIN ( No.9 )
日時: 2015/03/14 23:35
名前: えみりあ (ID: 1SUNyTaV)

ここまでご覧になってくださった皆様!どうもありがとうございます!
第一話はこれにて終了です。すみません、新キャラを投入したいあまり、つたない文章でささっと締めくくってしまいました……

ここまでで、すでに、ごった返してしまったので、登場キャラのプロフィールを載せたいと思います。

〈マーガレット・チェンバレン〉
国籍:アルビオン
血液型:A型
地位:少佐
誕生日:2月24日
年齢:18歳
使用武術:剣舞
容姿:髪はブロンドのショートで、癖っ毛だが、ひと房、赤い髪が混ざっている。目は青色で大きく、かなりの童顔。左目の下に涙ぼくろがある。体はかなり小柄。身長155㎝。
性格:へたれ。方向音痴。しかし頭はいい。夢にひたむきで、子供扱いされやすい。

〈ユリアン・オストワルト〉
国籍:ノルトマルク
血液型:A型
地位:中佐
誕生日:4月3日
年齢:20歳
使用武術:カポエラ
容姿:髪は栗色のオールバック。目はとび色で、目つきが鋭い。細身に見えるが、実は足はムキムキだったりする。身長167㎝。
性格:注射と薬が嫌い。いわゆるツンデレ。ちょっとシスコン。真面目な仕事人間。

この小説は、この二人を中心に展開する……つもりです。

〈シルビア・アントニオ・モリエンス〉
国籍:ヒスパニア
血液型:AB型
地位:大佐
誕生日:9月2日
年齢:23歳
使用武器:長鞭
容姿:髪は赤毛のポニーテールで、右前髪はグレーに染めている。目は緑の釣り目。口紅は赤。ゴールドのリングピアスをしている。モデル体型でグラマー。身長170㎝。
性格:頼れるお姉さん系。妖艶な感じで、たびたび男性キャラを誘惑します。

〈マクシム・ブラディ〉
国籍:ルテティア
血液型:O型
地位:少将
誕生日:10月16日
年齢:31歳
使用武術:合気道、空手道
容姿:黒の短髪、黒い瞳。顔がごつい。体もごつい。しかし表情は優しい。身長188㎝。
性格:真面目で勇敢な好青年。頼れるお兄さん。

〈ルーカス・ドラゴ〉
国籍:アウソニア
血液型:B型
地位:中佐
誕生日:8月23日
年齢:25歳
容姿:金色の長髪で、右耳のすぐ横に編みこみをいれている。目は緑色で若干たれ目。体格は平均的。身長176㎝。
性格:自信家のナルシスト。実力を伴っているので、誰も文句を言えない。ラテンな感じで陽気。女性をよく口説く国民性。

〈グェンダル・ドゥパイエ〉
国籍:ルテティア
血液型:A型
地位:将軍
誕生日:10月18日
年齢:53歳
容姿:髪は黒色。瞳も黒色。左目にひっかき傷がある。身長174㎝。
性格:プライドが高い。実力のない人間は見下す。しかし、人を見る目はあり、実力者には敬意を表する。

〈リチャード・ローパー〉
国籍:アルビオン
血液型:A型
地位:将軍
誕生日:1月20日
年齢:36歳
容姿:ブロンドの髪に、青い眼。左目の下に涙ぼくろがある。ゲルマン系のイケメン。身長175㎝。
性格:優しく、礼儀正しく、言葉づかいも丁寧。アマデウスより王子様キャラ。実はちょっと女性恐怖症(子供は別)。

〈ハサン・ムシャラフ〉
国籍:サマルカンド
血液型:AB型
年齢:21歳
使用武器:投げナイフ

これからも温かく見守ってくださると嬉しいです!

Re: CHAIN ( No.10 )
日時: 2015/03/23 23:50
名前: えみりあ (ID: 1SUNyTaV)

第二話:STRENGTH



 それは、カルタゴ上陸の1ヶ月ほど前のこと。

 まだ寒さの残る晩冬。ルテティア ストラスブール WFU本部。暖房のきかせてある、質素な会議室に集められたのは、各国で活躍する若き精鋭たち。若いながらも、全員が軍人としての誇りと責任を持ち、真剣な表情で指令を待っていた。……一人を除いては。

「……あのう……ここって、精鋭部隊さんの部屋ですか?」

 集合時間ほぼジャストに、その部屋の扉をおずおずと開けたのは、まだ子供らしさの残る少女。顔の半分だけを扉の陰から出し、不安そうにこちらを伺っている。

「そうだよ。入っておいで、アルビオン代表の子だね?」

 優しい表情で彼女を迎えたのは、マクシム・ブラディ。ルテティアの代表者だった。安心したように、少女 マーガレットは部屋に足を踏み入れ、扉をバタンとしめる。

「よ……よかった……さっき間違えて別の部屋に入ったら、頭がぽやぽやしてて、ひげの長いおじいさんに睨まれちゃって……」

「あー……それ、うちの将軍ですね。ごめんなさい」

 丁寧な口調で優しくマーガレットに謝ったのは、アテナイ軍中佐 ソティル・メルクーリ。中性的な顔立ちで、声は高くもなく低くもなく、男か女かがいまいちつかめない。体は全体的に細く引き締まっており、身長は高い。黒い髪は男にしては長く、女にしては短く、そして不思議なことに、光に照らされると鮮やかな青色に見える。

「そうだったんですか!強そうな人だったもんなぁ……あ、私、マーガレットって言います。どうぞよろしく……」
 
 マーガレットは人懐っこい笑顔で、ソティルに握手を求めるが……

「いえ、結構です。御身がけがれますので」
 
 ソティルはそれを断った。見れば、ソティルの両手には、隙間なく包帯が巻かれている。

 気まずい空気を破り、話題を切り出したのは……

「みんなそろったんだし、自己紹介しとこうぜ?」

 プリンス・オブ・K.Y.ことアウソニア代表 ルーカスだった。

「そう……だな。じゃあ、俺から時計回りにいこう。今回この作戦で隊長を務めることになった、ルテティア代表 マクシム・ブラディだ。よろしく頼む」

 パチパチと、簡単な拍手が贈られる。

「すみません、遅れてきました、アルビオン代表、マーガレット・チェンバレンです」

 マーガレットは、ぺこぺこ頭を下げていた。

「……ソティル・メルクーリ。アテナイ代表です」

 ソティルは先ほどと変わらず、淡々としている。

「お、次俺だな?」

 ルーカスが興奮気味に聞いた。自分の番が来て、嬉しくてしょうがないようだ。はっきり言って、うっとうしい存在だ。

「皆さんご存知、アウソニア最強……いや、人類最強の男、ルーカス・ドラゴだ」

 全員、リアクションに困った。『嘘つくなよ』と言えないからだ。ここにいるのは、それなりに名の通った精鋭ばかりだが、ルーカスの実力は頭一つ飛び出ていた。

———厄介なのと、チーム組まされたな……

 その場にいる全員が顔を伏せる。

「……ごめんなさい、次いくわね?ヒスパニア代表 シルビア・アントニオ・モリエンスよ」

 シルビアが、申し訳なさそうに口を開く。

「……俺はリスト・ハグマン。ユトランド代表だ」

 流れに乗って名乗ったのは、ユトランド軍大佐 リスト・ハグマン。ユトランド軍の軍服である黒いロングコートの下に、黒レザーの手袋を着用し、下も長ズボンをブーツの中にしまいこみ、いかにも北欧の戦士という身なりだ。さらに、胸元、首、顔は左目と頭髪を残してほぼ全体を黒い包帯で覆っている。肌の隠し方が、厳格なムスリム女性並みだ。

 リストは鋭い視線で隣に目をやる。

「俺で最後か……」

 青年は息を吸い込み、名乗った。

「ユリアン・オストワルト。ノルトマルクの代表だ」

 全員の自己紹介が終わった。マクシムが次の話題を切り出そうとしたとき……

「ジュリアン……?」

 思わず口を開いたのは、マーガレットだった。

 シルビアは視線を落とす。

 ユリアンは、ため息をついてから答えた。

「コテコテなアルビオン読みだな。ノルトマルク語に『J』の発音はない。俺は『ユリアン』だ」

 マーガレットはただ、ぼーっとつぶやいた。

「ジュリアンじゃない……」

 そして、今度は、笑顔になって、もう一度繰り返した。

「そっか、ジュリアンじゃないんだ!」


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