複雑・ファジー小説

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【リレー企画】セイテンノカゲボウシ
日時: 2019/01/09 13:52
名前: マッシュりゅーむ (ID: DTf1FtK0)

こんにちは!マッシュりゅーむです。(正確にはおまさの中の人の友達です)「アイツに友達がいたのか!?」という疑問はさておき。
今回の作品は、リレー形式で進めていきたいと思います。リレーは初めてなので、皆様にご協力いただいて面白い物語になればいいと思っています。
ではでは、楽しんでいってくれたら幸いです!


注意:以下に注意してください。
・コメント等は差し控えてください。



…以上ッ!!

Re: 【リレー企画】セイテンノカゲボウシ ( No.79 )
日時: 2020/05/19 07:59
名前: おまさ (ID: r1bsVuJn)

 皆様、参照数5000突破ありがとうございます! そしておめでとうございます、マッシュ様、マルくん様。
 そして、なんだかんだ地味に世界紀行の方も参照数300突破しているという…。ありがとうございます!

 
 ここまで来れたのも、皆様のご愛読あってのことです。感謝、感謝です!
 
 

 今後も、このセイテンノカゲボウシ、ならびにEXも宜しくお願いします。
 では、本編をお楽しみ下さい。









…ていうかマルくん様、ロン●ヌスの槍は流石にまずいでしょうよ…。せめてカ●ウス辺りに……。


*****







 白い空間のなか、揺蕩う意識だけが漂っていた。
「ーー、」



 ふと、閉じていた目を開ける。今は体という枷から解放され、自我のみの自分には瞼なんてある筈がないのに。
 僅かに重い頭を上げ、周囲を見渡す。ーー否、この場合は『参照する』という言葉の方が正しいだろうか。
 少なくともここが何処なのか、何となく察していた。


 目前に幾つも浮かんでいるのは、水晶玉のような大きさで形の『風景』ーーー『記憶』と、そう呼称すべきか。
 水晶の内の一つ、先程の光景が映っている。





『デイズ!?』
 相棒ーーバーヘイトの、焦燥感のある声音。その直後自分は昏倒しーーその場には那由多の〈カゲ〉の奔流のみが残っていた。

 まるでかつての伝承のように。

 初代〈ミコ〉ヘデス・メーメル。かつて天蓋にその魔手を至らんとし、刹那射し込んだ光によって左目を灼かれた隻眼の魔女。
 先程の、〈カゲ〉の奔流が天へ迸る光景は、確かにかの隻眼の魔女の所業を彷彿とさせる。






「ーーっと」
 そんな感慨を中断し、意識のみで立ち上がり、背後の気配に向き直る。そして、その気配の主の元に跪いた。



 ーーそこには、男が立っている。

 背丈はかなり高く、190センチ超だろうか。優雅な金髪や豪奢な軍服風の装い、更に腰に携えた煌やかなサーベルは、いわゆる典型的な「貴族」のイメージ通りだ。
 ただ、厳密には彼は貴族ではない。彼はーーー、

















「ーーー殿下」


 ーーーアンベルク公国第85代目君主、ヴラディミール・フォン=センテ・アンベルクその人だ。

2





「ーーいやはや驚いた。よもや卿が、かの名高き『影の王』に相対するとは」

 
 ヴラディミール殿下は、さも興味深そうにそう宣った。殿下のそのお言葉を拝聴して、自分が顔をしかめるのが分かった。

「『影の王』…。この国の主である殿下を差し引いて王を騙るとは、度しがたい不遜な輩です」
 殿下は苦笑した。
「実質100年前に実権が議会と〈ミコ〉に移ったのは卿も知っておろう? 公国家なぞ、そこな民草に表向きの権威を振るっているだけよ」

 そう。
 100年前、公国家は国有権以外の一切の権限を公国議会に委ねた。……表向きは。
 事実、剥奪に近い。
 民主化が急速に進み、公国議会は民衆に対する実質的な権威を手に入れた。むしろ、絶大な宗教的信仰を恣にした〈カゲノミコ〉が率いる議会に、衆が靡かぬ訳がない。
 故に、現在アンベルク家は国民の血税に寄生することで存続しているのだ。



「君主制を悪とする思想は理解に苦しみます」

 自分の元いた世界では、世界的に民主主義の風潮が広がっていた。東西冷戦を切っ掛けに、某国の共産党を弾圧する方針は世界的なものとなっていたのだ。右翼の人間が国を治めているーーというのは、少々過言だが。







 かつて、紀元前欧州のかの地で400年間に渡って名を轟かせた大国があった。

 その国家は、当初は小さな王政国家であったもののすぐに共和制に移行した。しかし、ある一大戦争での大国への下剋上を果たし、広大な領土を手に入れたその国はすぐさま政治的に不安定になってしまった。一説には、政において一つの決断に時間を要する共和制では、広大な領土の各地で起こる問題に対し迅速に対応出来なかったとある。

 その状況を危惧してか、ある英雄はルビコンを渡って終身独裁官となり、事実上初代皇帝の座に就く。

 その英雄は第一に領地の拡大を止め、疲弊しきった国力を回復させ、優れた政治システムを導入することにより柔軟な対応を可能とし、ひいては帝国の発展に尽力。その後暗殺されたが、彼の築きあげた礎は次代の皇帝に継承された。
 かの帝国は『地中海の覇者』とまで呼ばれ、地中海を「我等がマーレ・ノルトリウム」とまで言わしめた帝国は、数世紀にわたる支配による平和ーーパックス・ロマーナを実現できたのである。





 四百年間の安寧を作り上げた民主主義国家は、今のところ存在しない。


「まぁそう湿気た顔をするでない。女子にしかめ面は似合わぬと、余は思うておる」
「…まさか口説いていらっしゃるんですか?」
「たわけ。卿さては分かって言っておるな?」

 軽口に、殿下も軽口で返す。このやり取りも、何だか久しぶりな気がした。



 ーーと、不意に殿下の姿に、砂嵐のような不自然なノイズが走った。それに殿下は不愉快そうに眉をひそめる。
「ほう…今日はここまで、ということか」
「申し訳、ございません。わたしの落ち度で…」
「卿の意識に接続している無粋は余ぞ。その無粋に配下を詰るほど、アンベルク家は堕ちてはいまいよ」


 砂嵐のような乱れは広がり、殿下の声はもうノイズによって半分ぶつ切れの状態だ。

「時間がない故に、単刀直入に訊く。心して答えよ。ーーー時にミユよ、卿を召喚したあの半人…川本江との進捗は?」

 その懐かしい呼び名に少し回想する。『佐々木ミユ』という異邦人の名を捨て、『デイズ』となった自分を。
 回想しようとして、今はそういう訳にもいかないと、思考を中断した。

 少なくともまだ、今はこれでいい。



「ある程度の信頼関係は築けたと。…あるいは単に、胸中を見透かされているか、それともはぐらかされた可能性もありますが」
 互いに爪を突き付け合い、牽制している可能性があると。それを聞いた殿下はしかし、くつくつと微かに笑ったようだった。



「それもまた一興よ。世というものは簡単に推し量る事なぞできぬ。だが、それでよい。だからこそ人はーー人の世は面白い」

 そう言って、殿下の姿は完全に消える。






「…そっか」
 ひとり、取り残され呟いた。
 この声は、他のだれかに届かなくてもいい。伝える必要もない。むしろ、口にする必要もない。
 だから、この声を出すのは単に。





そうして、ひとりの異邦人は泡沫の夢から弾かれてーー現実へと、意識が回帰する。
 


 


Re: 【リレー企画】セイテンノカゲボウシ ( No.80 )
日時: 2020/09/26 10:52
名前: マッシュりゅーむ (ID: W0MEbhZQ)

***



「……………ふむ、姿を見せない、か……。———ふふ、そこにいるのは気配があるから分かっているよ。安心したまえ、【ワタシ】は君に危害は加えない。だから出ておいで」
「———」

 何故か知らないが、どうやら私の姿が見えていないらしい。

 目の前で佇む『陰陽の魔王』を、呆然と眺める。

 それと同時に、私も。

 見えているはずなのに見えない。目で知覚した瞬間からその映像が消え去っていく。
 そんな、矛盾するような、不思議な感覚を味わっていた。

 だがもう、そんなことは、


———どうでもいい。


「………」
 自身が今、何をしたいのか、何をしようとしていたのか。
 こんな時、普段の自分は何を思ったのか、どんな行動に出るのか、どんな表情をするのか。
 その全てを思い出せないまま、腰の抜けたままの状態から、俯いたままの体勢から、動けない。

「………何か、喋ったらどうだい?ここに来たのは【ワタシ】に用があったからなのだろう?」

 そうだったっけ。そうなんだっけ。

 私は、するべき何かを、成し遂げなくてはならない何かを、持つことが出来ていたのだっけ。


———どうでもいい。


「ふむふむ。君は今の状況に否定的なんだね。伝わってくるよ、《カゲ》を通じて。今の君は酷く消極的だ。そうだね———ただひたすらに虚しい」

 ただひたすらに、虚しい。

 そうか、今の自分は虚しいのか。

 絶望しているのか。
 悲観しているのか。
 失望しているのか。
 絶念しているのか。

 諦め、たのか。

 何に?

 何に?何に?

 私は———

「———……」

 答えは、見つからない。

「……ん?んん?この感じ………あぁなるほど!時間軸のズレか!道理で君の姿が見えないと思ったよ。君は過去から来た人間なんだね」

 過去。かこ?

 という事は、これは未来の風景、光景、情景。

 この残酷で、冷酷で、無慈悲なものは、この世界の終着点。

 あぁ、そうか。

 私の前に道なんて、進むべきレールなんて———

「未来はあり得ないよね。あはは!だってもう———【ワタシ】が壊したから。未来は、来ないんだから」

———未来なんて、なかったんだ。

 そうかそうか。

 私は『何に』絶望しているんじゃないんだ。
 悲観しているんじゃないんだ。
 失望しているんじゃないんだ。
 絶念しているんじゃないんだ。

「抗った者は皆散っていった。そうでない人間も皆、君と同じように終わりを悟って逝っていったよ———」

 私は———






「———『全て』に絶望しながらね」












————————————————————————————————————————————






Re: 【リレー企画】セイテンノカゲボウシ ( No.81 )
日時: 2020/08/30 18:41
名前: おまさ (ID: Yo35knHD)

皆さん、お待たせ致しました。お待たせし過ぎたかもしれません(既視感)


セイテンノカゲボウシ、本編更新です。

何せすっごく久しぶりなので、数ヶ月前を思い出したりしながら書いてます。が、なんかどことなくジルクっぽくなってる気が……


……え?「今お前のターンじゃないだろ」だって?
まぁそうなんですが、marukun様から「先書いてー」と言われたのでご了承を。


リレーとは一体。


***********




















 ーー絶望。


 望みを絶つ、絶たれると書いて絶望だ。生を謳歌するために願望を消費するヒトは、望みがなければ「生き」られない。それを奪われる、躙られるということは、ヒトとしての尊厳を喪失したと同じなのだから。










 

ーー希望。


 それは生への必需品であり、生きとする諸有が本能的に執心し、なおかつ。
 果てのない貪欲さを以てしても実現し得ないものだ。
 そして、それでもなお求めてしまうものだ。
















 希望を抱き、それに向かって足掻きーーー絶望で、そんな泡沫から覚める。


 人は、その泡沫の夢から覚めるために絶望を必要とする。
























 ーーーー必要とするという意味では、「希望」も「絶望」も同義なのかもしれない。




(サトウ・レナ「陰海録」第五部序章より抜粋)



*****



1


 

 眼前に、親しい顔をした『死』が立っている。



 『死』は、やけに艶やかな気配を、恍惚とした雰囲気を、漂わせていた。



 覚悟を、矜恃を、希望を砕いた『死』は、今度は『命』をも砕かんと迫る。


「……ぁ、ぁぁぁー」
「哀れだね。理解は出来ないけれど、同情するよ」





 足音が迫る。それはしだいに大きくなって、悪魔的にそして蠱惑的に耳朶を擽る。あたかもおおきな蛇が獲物を嬲るような様だ。


 足は随分と前から竦んで動かない。目の焦点が最後に合ったのは一体どれくらい前だったか。
 それすらも分からずーーーー死ぬのだ。




「…ぁぁ、い……ぁ…、いぁ、ぃあぃあぃあぃあぃあああ……」
「じゃあね。ーーーー『調停者』さん?」
「ぁっぁぁぁ、ああぁあぁああ…! ぁあああっぁぁ、」




 僅かな衝撃のあと、くるくる、くるくると視界が回った。




















 ーーー首を刎ねられたと理解する前に脳が死んで、視界が暗くなる。


 意識と同時に『命』が潰えて、もう何も笑えな



2




 精神世界上での肉体だ。故に、『試練』の中で死んでも現実世界での死亡には直結しない。しかしながら、『試練』内での死亡は精神の「死」ーーー即ち、廃人になることを意味する。


 「死」んでいないものの自我を蝕まれ、言葉すら発せない哀れな姿。それは果たして「生きて」いると言えるのだろうか。





「きひ」

 狂笑……いや、虚笑が生まれた。
 死んだ、と思って気付いたらこれだ。今もまだ続く『試練』、その最中に空っぽの状態で放り出され、正気を保っているのはまず不可能。……削れるものもないくらいになってしまった方が楽だ。


 発狂している眼前、血の気も失せた顔がある。
 見れば、首元を一周するかのように痣のような跡が視認できた。誰かに縊殺されたことは一目瞭然だろう。


 ・・・・・・
 それだけならまだ良かった。

 屍の首に手を這わせてみれば、明らかにその形状は自分の掌のそれと一致するのだ。
 加えて両手(ギシュがあるので実質片手)には無数の引っ掻き傷。相手が死の間際まで必死に抵抗した痕だろう。




「ひは」




 自分が眼前の人間を死に至らしめたのだと。

 事実を噛み締めた瞬間、掌にあるはずもない感触ーー気道と脈、脛骨を縊る凄惨な感触が蘇り、えずく。何も入っていない胃からは胃液しか出てこない。食道と口腔を胃液で攪拌され、ひりひりとした痛みが喉に焼きつく。


「お、ぶぇっ! けほっ、け、へぇ……」


 吐瀉物が屍にかかる。死体を辱める罪悪感に苛まれる余裕すら今はなかった。



 ただ、怖い。悍しい。

 これが……こんなものが、約束された『未来』だというのか。
 では一体、私は何のためにこの世界に招かれたのだ。

 元の世界に未練などないし、そもそも何処に行こうとどうでもよかった。ただ、停滞しきった日々に別れを告げて、「やり直せる」ということに喜びを覚えたのだ。
 けれど。




 やり直せる、わけがなかった。











 考えてみれば笑えるくらい当然のことだ。今まで何も積み上げて来なかった人間が、何かを為せる道理なんて………そんな都合のいいこと、ある訳がない。
 今思えば多分私は元の世界で、自分が何も為せないことを環境のせいにしていたのだろう。今の社会が私に合っていないだけなんだーーと、そんな風に傲慢に思っていて。



 きっと自分1人だったら、まだマシだった。
 けれどこの世界に来て、守りたいものがたくさんできてしまった。それこそ、私の小さな掌から溢れ落ちてしまうくらいに。
 何もできない只人には抱えきれないくらいのものを、抱いてしまった。
 


 自分に持ち切れないほどの量の林檎を抱えれば当然、幾つか取り落としてしまうだろう。
 その、取り落とした結果がーーー眼前の光景ではないのか。
 
 


 トロッコ問題、という有名な哲学的命題がある。これはいわゆる「多くを救うために少数を犠牲にする」という考え方を問う問題だ。
 何かを成し遂げるのは代償を伴う。それが仮に魂の犠牲であっても、事の成就のためには許容するべきだ。


「……ぁ、………ぁ…ぁぁ……、」
 否定の言葉が、出てこない。誤謬を、無情を、無慈悲を糾弾することができない。
 当然だ。サトウ・レナは抜け殻なのだ。ーーー本当の意味での骸は、自分なのだ。



死体に刃を突き刺しても何にも反応しないように、心が死んだ私は叩きつけられた事実に何も反応できない。




 空っぽの死に損ないになった自分は今、どんな顔をしているのだろう。……いや、きっとどんな顔もしていないのだろう。ゾンビみたいに虚ろな表情をしているんだと、何故かすんなり腑に落ちた。
















そうして、自身が何もできないクズだと知ってーーー本当の意味で泡沫から覚める。






けれどこの時はまだ、世界の無慈悲と絶望を受け止めることしかできなかった。

Re: 【リレー企画】セイテンノカゲボウシ ( No.82 )
日時: 2020/11/03 00:22
名前: Marukun (ID: kf2NpNQU)

あるところに9歳の男の子がいました。

 彼に父親は「また帰ってくる。」そういい街へ置いて行きました。母親は自分を産んだ時に死んだと父親が言っていました。

 自分や、家族を養う為に精一杯の人々は誰も彼を助けようとはしませんでした。

 しかし心優しい青年が持っていたパンを渡し、「僕にはこれくらいしかできないけど教会か修道院に行くといい。きっと助けてくれるはずだ。」
 青年はそう言い立ち去りました。

 少年は与えられたパンを食べながら教会と呼ばれる場所へ歩き始めました。彼は途方もなく歩きました。なぜなら彼はこの街の外に住んでいたのでこの街の教会がどこにあるのかわからなかったのです。

 少年は歩きました。歩いて歩いて歩き続けました。しかし、どこに教会がありどんな見た目をしているのかわからずずっと歩いていました。
 そして少年の体に限界が訪れ、気を失ってしまいました。しかし、運が良かったのでしょう。倒れたのは教会の目の前でした。

 それから間も無く教会の目の前に倒れているのを修道女見習いに見つけられ、保護されました。



 それから数ヶ月が経ち、少年も体は元気になりましたが心は閉ざしたままでした。

 そんなある日のことでした。黒い格好をした集団が教会前に押し掛けました。彼らが言うには「この教会にいる子供一人を高値で買う」と言うことでした。

 しかしシスターは人身売買を快く思っておらず、拒み続けたが強引に押し切られてしまい黒服集団が中に入ってくると、リーダー格の男と少年の目が合う。
 「コイツにするぞ。」
 そう言い少年の頭に袋を被せ、肩に抱えるとそのまま立ち去って行きました。


 少年が協会の次に見た景色は真っ暗な部屋でした。

 その部屋の真ん中には不気味な色で光る球が浮いていました。そして少年は自分がこれからどうなるのか何となく察し始めていました。


 最初からこの世界に希望などなかったのだ。


 黒服の男たちに言われるがまま、浮く光球に手を乗せる。すると1人の男がなにやら喋り始める。

 自分は何かこの世界に残せたのだろうか。何か意味を為せたのだろうか。その答えは一切のNOだった。たとえ誰かの心に留まったとしても、いずれ記憶は薄れ消えてゆく。
 そんな世界が許されて良いのだろうか。




 その答えは分からぬまま少年の命は奪われた。




 「完成した。あのお方の元まで運ぶぞ。」











 何者をも殺す願いを叶える奇跡の遺物。これを見つけた時は私を勝利に導く物だと確信した。

 だから誰にも公言せず隠し通してきた。

 今は勢力的に圧倒的に不利だが戦況を覆す「コレ」は私を更に上へと押し上げてくれるだろう。


 だから今はもう少し待っていよう。時間はまだある。








 この世界が終わる時は近い。束の間の幸せを味合わせてあげよう。

Re: 【リレー企画】セイテンノカゲボウシ ( No.83 )
日時: 2021/04/10 20:04
名前: マッシュりゅーむ (ID: gG5ipZbC)

皆様お久しぶりです。マッシュりゅーむです。

最近は四月にもなり、暖かくなる――と思いきや気候に裏切られて全然春の日差しというものを感じられませんね。どうやら季節は私を祝福してはくれないようです。

まぁ、そんなことはさておき。早いもので、前回の更新からもう数か月も経ってしまいました。

今回はその件についてのお話です。

私とおまささん、マルくんさんは今、この作品の執筆に時間を割くほどの余裕がなく、そのせいで更新が止まってしまっていました。

そのことについてお二方と相談し、先日、私達はこの『セイテンノカゲボウシ』のリレー企画を止めさせてもらうことに決定いたしました。完結させることが出来ず、申し訳ございません。

思えば約一年半前に始めたこのリレー企画ですが、おかげさまで沢山の方々に読んでもらい、とても楽しものになりました。読んでくださった皆様方、本当にありがとうございます。そしてこんな形で終わってしまい、すみません。

追々おまささんもご自分の雑談スレッドに公表すると思いますが、他の私達の作品も活動を停止する方向でいます。

さて、最後になりますが、この『セイテンノカゲボウシ』の作品自体はこのサイトに残しておこうという話になっております。釈然としない終わり方をしてはおりますが、思い出として残しておこうとの考えです。

まだ読んでない方はこの機会に是非。リレー企画とは思えないフラグの多さと複雑さが味わえますよ(笑)。

以上です。これまでありがとうございました。

                        製作者一同代表 マッシュりゅーむ


















追記 必死にシリアスさを出そうとしましたが無理でした。おまささん、マルくんさん、スミマセン。(^○^)


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