二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ダンガンロンパC 紅に染まる希望の学園
- 日時: 2015/02/27 23:29
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: ltRlmf2I)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=27499
どもです、ランスロットです。
大体のコラボの内容が決まりましたので、本日付から書かせていただきます。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
超高校級の生徒様は既に募集済みなので、募集は致しません。どうかご了承をよろしくお願いいたします。
もしかしたら原作の、スーダン及びゼロ、Fおよびad libのネタバレが出てくるかもしれません。ですので、ネタバレが嫌な方はブラウザバックです。F、ad libならば検索すれば出てくるかと思われますのでそちらをご覧ください。
この作品のことがもっとご理解いただけるかと思います。
この作品に登場する生徒さん紹介をはさみ、本編へと参ります。
コラボなので(私が)足を引っ張ることもあるかもしれませんが、どうか温かい目で見てやってください。
ご意見・ご感想などがございましたらぜひお願いいたします。それではよろしくお願い申し上げます。
目次
キャラクター紹介 >>1
chapter00 〜アリエナイ日常、ありえない新生活〜
>>2 >>3 >>10-12 >>17 >>23 >>31-32
>>33 >>36-37
chapter1 〜イキノコレ〜
>>43 >>44-45 >>50 >>54 >>61 >>67 >>74 >>79
非日常編
>>86 >>92 >>102 >>109
学級裁判編
>>115 >>118 >>128 >>129 >>138←オシオキ編
>>143
chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 (非)日常編
>>152 >>159-160 >>161-163 >>175 >>181
>>185-186 >>189 >>190-191 >>199-200
chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 非日常編
>>211 >>214 >>217 >>220
chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 学級裁判編
>>226-227 >>228-229 >>238 >>242(おしおき編)
>>249 >>252
chapter3 〜望みのチェックメイト〜
>>261 >>266-268 >>273 >>279 >>282 >>287
>>290-291 >>294 >>297 >>303
chapter3 〜望みのチェックメイト〜 非日常編
>>314 >>317 >>320
chapter3 〜望みのチェックメイト〜 学級裁判編
>>323 >>328 >>333 >>336←オシオキ編
>>341 >>345
Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 (非)日常編
>>351 >>352-353 >>356 >>359 >>363 >>366
>>377 >>380 >>383-385 >>388 >>391-392 >>397
>>401-402 >>403
Chapter04 〜絶望に咲く一輪の花〜 非日常編
>>411-412 >>416 >>419-420
chapter01 裏話 >>148-149
chapter02 裏話 >>259
イメージCV >>94
更新一時停止のお知らせ >>349
コメント返信(基本的にどちらかが返信致します。)
YUMA 様 >>5 >>14 >>21-22 >>42 >>46 >>64 >>85 >>91 >>94 >>110 >>117 >>124 >>133 >>173-174 >>207 >>219 >>258 >>313 >>332 >>340 >>355 >>358 >>375 >>387 >>415
雨柳 様 >>7 >>21-22 >>30 >>35 >>42 >>49 >>53 >>85 >>91 >>97 >>110 >>121 >>131 >>140 >>151 >>167 >>207 >>258 >>281 >>313 >>349 >>375
レイナ 様 >>9 >>64 >>127 >>207 >>313 >>375
りゅーと 様 >>16 >>42 >>97 >>99 >>110 >>127 >>173-174 >>177 >>198 >>210 >>225 >>251 >>258 >>313 >>365 >>376
のりは 様 >>21-22 >>42 >>58 >>69 >>85 >>99 >>168 >>174 >>198 >>207 >>258 >>313 >>340 >>362 >>375-376 >>415
菜種 様 >>30 >>207 >>375
アヴリル 様 >>30 >>91 >>158 >>390
白悪魔 様 >>30 >>53 >>58 >>63 >>73 >>85 >>91 >>105 >>112 >>114 >>122 >>142 >>158 >>167 >>198 >>207 >>213 >>225 >>258 >>313 >>327 >>332 >>335 >>340 >>349 >>362 >>375 >>382
ソラ 様 >>58
ゆうたん 様 >>105 >>198 >>225 >>313 >>327
このみこ 様 >>173
バタフライ 様 >>179-180 >>225 >>313 >>375 >>418
IR 様 >>188
kuzan 様 >>313
菜葉 様 >>415
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85
- chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 ( No.186 )
- 日時: 2014/06/20 19:02
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: JiXa8bGk)
瀬川夏樹の演じる『登場人物』は、まるで本当に生きているような感触を俺は覚えた。
これが、『超高校級』の力———。改めて俺は彼の凄さを感じ取ることになった。
「まるで登場人物が本当に生きているかのようでした…。瀬川くん、凄いです」
「……瀬川の旦那……。俺……感動したよ……」
「何か感じ取れてもらえたのならそれで万々歳だよ」
「俺も度肝を抜かれたよ…。流石『超高校級の人形師』だな」
月樹野は感動で動けなくなっているようだし、鼎野に至っては号泣してしまっている。
かくいう俺も、しばらくここを動けそうになかった。それくらい…凄かったのだ。
瀬川は俺達の反応を見て、満足そうに向かいの椅子に座る。そして、こう語り始めた。
「この物語は、俺が小学生の頃に出会った『とある音楽家』をモチーフにして作った話なんだ。今まで同年代の仲間がいなくて、ずっと一人だった俺を救ってくれた。そんな人なんだ」
「瀬川にもそんな人がいたんだな…。なんかうらやましいよ。そういう人がいるのって」
「私も人とは常にふれあっていますけれど、同年代でこうしてお話しするのは初めてなんです。だから…凄く嬉しいんですよ」
瀬川を『孤独』から救ってくれた恩人…。どんな人なんだろうな。月樹野も瀬川のゆるんだ顔に穏やかに微笑んでいる。しかし、一人だけ沈んだ表情をしていた人物がいた。
「…どうした?鼎野」
「……いや、ちょっと昔を思い出してな」
「昔?鼎野にも瀬川と同じような恩人がいたのか?」
「そういうわけじゃないんだけど…。幼馴染的な人はいるかな」
沈んだ表情で、元気のない声でそう答える鼎野。話を聞いてみると、彼の扱う忍術はその『幼馴染』に教えてもらったものらしいということが分かった。
彼は———その『幼馴染』の安否が知りたいのだそうだ。しかし、自分など下っ端の存在。探してはいけないと理性が押さえつけるのだそうだ。
……そんなことない。そんなことないのに……。
「鼎野、お前は立派な希望ヶ峰学園の生徒じゃないか。なのにどうして…下っ端体質なんて言うんだよ」
「俺はさ、村人Aくらいが丁度いいんだよ。人形劇でも『主役』と『脇役』がいるだろ?幼馴染はその『主役』、俺はその『脇役』。主役と脇役は、交わりの先にはいけないんだよ」
「鼎野くん…」
小さな声で彼は話し続ける。まるで、自分が『この世界にいてはいけない』と考えるように。
———しかし、『役割』の大切さを何よりも知っている奴が、それを否定しにかかった。
「ちょっと待った。鼎野、少し勘違いしてないか?」
「……なんだよ。同情なら要らないぜ」
「同情じゃない、話を聞いてほしいんだよ。人形劇ってさ、『主役だけじゃ何も出来ない』んだよ。主役や悪役、脇役全員の『役割』が揃ってるから人形劇ってのは出来上がるんだ。そのどれが欠けたって劇は完成しないのさ」
「…………」
「鼎野がその幼馴染を『主役』に思うならさ、あんただって必要なんだよ。あんたがそう思ってるなら、その幼馴染との仲は結構いいんだろ?
だったら『自分は探しちゃダメ』とか言っちゃだめだ。『あんた』っていう名の劇を完成させるには、あんたも、その幼馴染も、必要なんだ」
「瀬川……。お前は……」
「少なくとも俺はそう思っただけ。……少なくとも、俺よりはあんたのほうが善人だと思うからさ」
そう言って、瀬川は力なく笑った。
「……ありがとう……。俺、信じてみるよ。瀬川のことも、黒夜のことも…。絶対にこんな学園生活、脱出して見せる!」
「だからって人を殺しちゃ駄目ですからね?」
「殺さねーよ。俺はどう足掻いたって『下っ端体質』なんだからさ」
結局鼎野の根っこにあるものは変わらなかったものの…。自分のやるべきことを見つけられたんだと俺は思った。
だって…あいつの顔、人形劇見るより立派になっていた気がしたから。
「……瀬川、片桐の旦那、ありがとな」
「お、おう」
———それにしても、なんでこいつは瀬川のことを『旦那』って呼ばなくなったんだ?
『心の許せる相手』が見つかった……ってことなのかな?真意はよく分からないけど…。今はそう思っておくことにしよう。
- Re: ダンガンロンパC 紅に染まる希望の学園 ( No.187 )
- 日時: 2014/06/20 20:46
- 名前: IR (ID: MMm5P7cR)
ランスロットの旦那!はじめましてIRと申すものや以後よろしく!
とりあえず、感想を
ここは、他のダンガンロンパの作品とは違う(みんなスタイル違うからそりゃそうか)楽しみがあって面白いですよ、あと俺も小説かいてるのでよかったら是非見てくださいね。
- Re: ダンガンロンパC 紅に染まる希望の学園 ( No.188 )
- 日時: 2014/06/21 20:27
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 5YaOdPeQ)
>>IR 様
どもです、こんばんは。ようこそダンガンロンパCへ!こちらこそよろしくお願い申し上げますね。
…一応申しておきますが、これは私だけで作成しているわけではありませんからね?
まぁ、人によって書くスタイルもお話のスタイルも違うので、様々な作風が生まれてくると思いますよ。
私やアルズさんも単独で作品を持っていますからね。
はい、時間のある時に拝見させていただきますね。
- chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 ( No.189 )
- 日時: 2014/06/21 21:36
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 5YaOdPeQ)
次の日も何も起きずに朝食会は終わった。……こう平和な日が何日も続いて、モノクマもコロシアイを諦めてくれればいいのだが、そうもいかない。
あいつはそういう奴じゃない。何年だって、何十年だって俺達を待つはずだ。
———こんなことを思っていても仕方がない。気分転換にどこかに行ってみようかな、と思ったその時、俺の扉が勢いよく開いた。
「片桐ィィィィィッィ!!!今からプールで泳ぎに行くぞぉぉぉぉぉぉ!!!」
「はぁ?!急にどうした、それにうるさい」
「お前は今日暇だと俺のカンが騒いだんだよっ!!いいから行くぞぉぉぉぉぉ!!」
「うわっ?!確かに暇だけど……って引っ張るなよ!!!」
俺の返事も待たず、浅峰は俺の首根っこをつかみプールまで直行してしまった。
……あいつの力が意外にも強く(体育委員だから当たり前か)、息切れを引き起こしそうになったのは黙っておこう。
「ここだっ!!」
「おー、だれかと思えば片桐か。お前さんも泳ぎに来たのか?」
「浅峰に無理やり連れてこられてな…」
「はっはっは、そりゃあ大変だったなぁ。ま、せっかくだし泳いで行けよ。鷹取もプールにいるだろうし」
「お前らよく一緒にいるよな。気が合うのか?」
「気が合うんじゃないっ!!互いの魅力に惹かれあうんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「そ、そうなのか…」
更衣室には、すでに水着姿になった寺阪がいた。話を聞いてみると、どうやら鷹取も一緒に来て、既にプールで泳ぎ始めているらしい。…仲、いいんだな。
どうやら水着はモノクマが様々なサイズのものを用意してくれていたらしい。…スクール水着だったけど。物凄く趣味悪かったけど。
渋々それに着替え、プールへと行ってみる。そこには…………。
バシャバシャバシャバシャ!!!
「…なんて泳ぎ方してるんだよ?!」
「んー?誰かほかに来たのかー?片桐かー?」
……鷹取が足を上にして泳いでいた。シンクロナイズドスイミングでも出来るんじゃないかというほどのバランス感覚だ。
どうやら彼女曰く『大きな魚を得るための秘術』だというが…。なぜそれをここで発揮する。
しばらく呆れていると、水着に着替えた浅峰と寺阪がプールにやってきた。
「……俺、泳げないわけじゃないけど泳ぐの苦手なんだよなぁ」
「何ぃ?!だとしたら死活問題だっ!!俺が泳げるようになるまで指導してやるっ!!!腹を括れ片桐ィィィィィィィィィィ!!!!」
「はぁーーーーーー?!」
…半ば無理やり水に落とされ、浅峰によるきっつーいきっつーいご指導が始まると思っていた。
だけど…あいつの教え方は妙に上手く、それほどきつく感じなかった。むしろ、彼に教えを乞うほど疲れが吹き飛び、自分でも早く泳げるような気がした。
———そんなこんなで、1時間くらい経ったのかな。泳ぎに自信のなかった俺は、しっかりと水を掻いて泳げるようになっていた。
これが『超高校級の体育委員』のなせる技なのか…?
「…凄い、本当に泳げるようになった!!ありがとう、浅峰!!」
「あ、ありが……え?」
「どうした?」
「い、いや…。そういう風にお礼を言われるのは初めてだったもんでな…。狼狽えてしまっただけだッ」
「……ん?お前、学園生活で他の人に運動を教えたりしなかったのか?」
ふと、浅峰の顔から暑さが消えたと感じる。何かあったのかな…。
すかさず彼にそのことを聞いてみる。すると、彼は覇気のない声でこう話し始めた。
「…俺は、自分でもこの性格で貫き通していいのかと悩むことがある。そのせいで中学生でも、人から避けられ続けてきたからな」
「(まぁ、あの熱血じゃ近寄りにくいよな…)」
「…そのおかげか、俺はずっと一人だった。希望ヶ峰学園に入ってもそれは変わらない。そう、自分に言い聞かせてた。
自分の発言で回りが引き、俺は孤独になっていったんだからな…」
「…………」
「そんな俺にも、ちゃんと声をかけてくれた奴がいた。それが…俺の一年先輩、『超高校級の放送委員』として活動していた『松崎紫水』という奴だった。
あいつは俺の性格にも引かないで、ちゃんと真摯に受け止めてくれていた。『それがおマエの魅力なら、引く必要ないだろ』とな…。それから、俺は自分を貫くことにした。
『こんな俺でも、分かってくれる奴がいる』それが、分かったからな」
…浅峰…。あいつ、自分の性格をちゃんとわかっていたんだな。それが変えることのできないものだってことも…。
浅峰は浅峰でいいんだよ。俺だってそう思う、変わる必要なんかないのさ。変わってしまったら…きっと自分が自分でなくなってしまうから。
「その先輩の言葉、俺も分かるよ。浅峰がどんな奴だってさ、今のお前が浅峰なんだろ?だから、浅峰は浅峰のままでいい。そのまっすぐなほどの暑苦しさが、お前の魅力なんだからさ」
「片桐…。お前、なんだか松崎先輩に似ているなっ」
「えっ えぇ?!」
なんかそんなことを言われてしまった。だけど…少しだけ浅峰の内面が分かった気がする。
あいつもあいつなりに苦労してるんだな。……浅峰の暑苦しさを貫く理由が、俺も少しだけ分かったような気がした。
———その後、さっきと同じようにプールを泳いでいた鷹取が床に頭をぶつけてしまい、浅峰の指導は終わってしまったんだけどな…。
- chapter02 〜明日の登らない丘へ〜 ( No.190 )
- 日時: 2014/06/22 12:58
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: S20ikyRd)
『希望ヶ峰学園 学園長がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』
———いつもの耳障りなアナウンスで、俺はいつも通り目が覚める。
もうこんな生活も1週間が経っているような気がした。既にこんな生活に慣れてしまっていた。
本来であれば慣れてはいけないのだが、こうも長く閉じ込められていると当然『慣れ』というものが生じてしまう。「このまま殺し合いが起きないのなら、ずっとこのままでも…」そんなことさえ頭に浮かんでしまう。
…ダメだダメだ、そんなことを考えるのは俺達をここに閉じ込めたあいつの思うつぼだ。闇からの誘惑を何とか払い、俺は食堂へと向かっていった。
「おはようございます、片桐さん。ここ数日は何も起こっていないですけれど…。このまま何も起きずにみんなで脱出できたらいいですよね」
「おはよう。あぁ、そうなれば俺も万々歳なんだけどな…。あいつのことだ、きっとまた何か仕掛けてくるに違いない」
「ディムにーちゃんが殺されちゃって、あの裁判やって、もう3日も経っちゃったんだもんな…。こう日にちが過ぎるとそれすらも薄れていっちゃいそうだよ」
「後味の悪いものを見せつけられてしまったからなっ…」
「……今日も、何も起きないことを祈るしかないな」
食堂でもいつも通りの早起きチームといつも通りの会話。…ただ、ディムの死から3日、みんなは少し不安になっていた。
『いつ殺し合いが起きるのだろう。自分はいつ死んでしまうのだろう』と。
そんなはなしを続けているうちに、今日も来ないメンバーを除く全員が食堂に揃う。
月樹野がいつも通り厨房から朝食を持ってきて、朝食会がスタートすると思ったその時だった。
『いつも通りじゃない展開』に俺達が巻き込まれてしまうのは。
『あーっ、あーっ。大丈夫?聞こえてるよね?
皆様、朝方から忙しいとは思いますが支給体育館までお集まりください。朝だからちょっとは待ってあげるけど、もし来ないつもりであればボクが引っぱたいてでも体育館に連れてきますからね!
以上、忘れないように集まってくださ〜い!』
ぷつり。
このアナウンスを聞いたのはいつ以来だろうか。いつもは流さないあいつのアナウンス。恐らく…また俺達を殺し合わせるための『動機』を発表するのだろう。
「もしかしなくても次の『動機』を発表するのかな…。行かない方が賢明だとは思うけど、行かなきゃモノクマになにをされるか分からないね」
「行かないも何も、行くしかないだろ?俺は先に行ってるぜ」
「動機…。モノクマ、どんな動機を持ってくるんだろうね」
きっとあいつはその動機でこの中の誰かが動くものだと確信しているに違いない。だけど…行かないわけにはいかない。
俺は気持ちを切り替え、意を決して体育館へと向かった。
「やぁやぁ、よく集まってくれました。ボクこの姿を見せるために待ってたんだよ〜?」
「……なんなんだよその服は!ミスマッチにも程があるだろ!!」
体育館にやって来た…のはいいものの、あいつは今回妙な服を着て教壇に座っていた。
左側の白い方には何故か真っ白なスーツ。そして包帯が巻かれたこれまた真っ白な羽が生えている。右側の黒い方には真黒なスーツ。そしてボロボロになった黒い羽根が生えていた。
口元は真っ白な包帯で覆われており、左右の目は赤と青。耳元には変な飾りがついていた。
……まるで『堕天使』を象徴しているかのように。しかし、あの不安定な図体には物凄くミスマッチ過ぎた。はっきり言って似合っていない。
「これ用意するのに3日もかかったんだよ〜。真っ白な包帯を用意するの手間がかかってさ。しかも巻き方が特殊だから面倒だったんだよね!」
「だよね!ではありません、元ネタの人に対して失礼です!」
「元ネタ?何それ、これはボクが考えたれっきとしたコスプレだよ〜?名付けて『DJ YOSHIKUMA』……」
「モデルになった本人に謝れ!!!」
『(そうだそうだ!謝れ謝れ!!)』
…隣で月樹野と寺阪が変な突っ込みをしていた。ディムの声も聞こえてきたような気がするのだが…気のせいか?いや、気のせいということにしておこう。
モノクマは彼らのツッコミを総スルーし、俺達のほうを向き直す。何度見てもミスマッチ過ぎる。
「…こほん。では本題に移ります」
「スルーしないで下さいよ!」
「本人にはあとで謝るから今は勘弁してよ…。でね、ディムクンの裁判から3日立ったわけだけど…。全然コロシアイ起きなくて、ボクツマンナ〜イ!!だから、次の動機を持ってきたんだよ」
「俺達はどんな動機にも揺るがされないぞ!!」
「そうだよ!私達の絆の力、舐めないでよね!!」
「うぷぷぷ、そんなことを言ってられるのも今のうちだよ?今回の動機は………これだよっ!!!」
大きな声でそう言ったかと思うと、モノクマの手から15通の封筒が現れる。
「これの中には、オマエラの『恥ずかしい過去』や『知られたくない秘密』が書かれているんだ。それじゃこれをくばりま〜す!!」
恥ずかしい過去?知られたくない秘密…?一体どういうことだ?
モノクマはその封筒を俺達の前に投げ捨てる。すかさず俺達は自分の名前が書かれた封筒を拾って中身を見てみる。
俺の封筒の中には紙が1枚入っていた。……そこには……こんなことが書かれてあった。
『片桐クンは、高校に入るまでトマトが食べられなかった』
…………は?
これが…恥ずかしい過去?って、俺のトマト嫌いどこから漁ってきた!!……違う違う、そういうことじゃなくて。
あまりにも拍子抜けした過去に、俺は言葉が出なかった。
……こんな動機で……殺人が起こるのか……?そうとすら思えてしまった。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85
この掲示板は過去ログ化されています。