二次創作小説(新・総合)
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- 自作逃走中ep3 豪華客船と怪盗と四季時計狂想曲
- 日時: 2023/01/16 22:59
- 名前: YUMA (ID: 3NeFJuEp)
ユマです。
いよいよ本格始動です。"いつもの奴"を。
ep3番外・体内マナとある死体の話>>244-247
0.プロローグ・豪華客船にて>>1-4
1.舞台とルールと参加者のみなさん>>21-28
2.オープニング・取材クルー現る>>34-39
3.ドラマパート1・黒いケースの眠れるお宝>>52-59
4.ミッション1・宝玉はどこにある?>>69-75
5.ミッション1・死季時計、起動セリ>>83-92
6.通達2・死季時計の惨状>>100-105
7.ドラマパート2・通報します>>109-117
8.ミッション2・警備員室の残影>>121-130
9.ミッション2・ベルフェゴール・デッキ>>135-140
10.ミッション2・戻る記憶>>145-151
11.通達3・ユマを信じるな!>>154-163
12.ドラマパート3・ホワイダニット>>169-179
13.ミッション3・復活したいなら>>183-194
14.ミッション3・最後のお宝>>197-201
15.ミッション3・復活ゲーム裏側編>>206-213
16.ミッション3・反撃開始>>216-223
17.通達4・船内、大パニック>>226-231
18.ドラマパート4・置き土産>>234-240
19.ミッション4・逃走者達、地獄を見る>>248-254
20.ミッション4・もう、黙ってて下さい>>256-267
21.通達5・例のやり方とセピアの秘密>>268-271
22.ドラマパートF・助ける価値、ありましたか?>>272-276
23.エピローグ・死季ノヲワリニ>>277-281
- Re: 自作逃走中ep3 豪華客船と怪盗と四季時計狂想曲 ( No.267 )
- 日時: 2022/08/09 14:17
- 名前: YUMA (ID: xLaEhu2C)
20.ミッション4・もう、黙ってて下さい・12
10月の蝕神シリーズ、好きですわよ。
古田晴翔(=先生さん)>
眼鏡の細身の身長180くらいのモデルさんみたいな身長、眼鏡と右目の泣きぼくろが似合う若い男で後述の八重(=女の子)の学校の副担任の先生。元は音楽教師でピアノ演奏が得意。誕生日は10/23で一人称は"俺"。
現在では蝕神の花嫁になった際に古田晴翔の名前を捨てており、神無月、又は神在月の花嫁を名乗っている。
厄介者の自分を受け入れた恩人、蝕神の事を"御神(おかみ)"と呼び、慕っている。海の同胞達には彼の倍くらい優しい&そのうちの1匹で最も間近な先輩花嫁でもある鮫とは親友。
晴翔も蝕神と同じく同胞達の言いたい事がなんとなく自分の中の陰の気で伝わるので時折神様も嫉妬してるのは秘密。
当初は青いブラウスとジーパンのシンプルな服装だったが、神無月の花嫁になってから着る様になった白や黒の服装も意外と似合ってる。
好きなモノはピアノの演奏と蝕神と海の同胞達。
嫌いなモノは自分自身と自分の過去全て、自分以外の全ての人間と自分に意地悪な事をした幻神、悪趣味な目線でベタベタしつこく自分に迫ったり、蝕神をよく馬鹿にする件で美神。基本的に蝕神以外の十二月神、実は仮にあちらの世界にも存在してるならユマ含めた絶対権利者全員含めて神様は信じてなくて大嫌い。
晴翔「美神様の件は御神も信用できる相手だからあまりキツい事は言えないけど、幻神様は、ちょっと。」
と、幻神の件はあからさまに嫌そうな顔の本人談。
ピアノが大好きで無口、優しくて大人しそうに見えるが、本性はドス黒で捻くれた思考で言動も強気で超辛辣。更に生前にやった事のせいでもう現世には戻れない人として破綻してる厄介者。海の同胞達に優しいのも"自分が周りに嫌われない為"の無意識な世渡りの術の1つ。
神様曰く"普段はキツい言動でツンケンしてて捻くれてて自分よりもピアノに夢中で可愛らしくない。恐らく、夜の閨での自分にしか見せない特別な姿やエッチな面を昼間だけでも妄想したくない、考えたくない、誰にも知られたくない反動なのかも"との事。
兄を溺愛する両親に差別されながら育った事、友人にも恩人にも恵まれず孤独だった事から周りを見る目が鋭い上、とても賢くて空気も読めるのだが、同時に他人の嘘や本音と建前にも敏感な為、花嫁になった現在ではそんな愛憎や理不尽や不条理や嘘で混乱してて凶暴な面を見せて必死でこれらを隠しているなど、人として中身がぐちゃぐちゃな心情を重々承知して接してくれる蝕神と海の同胞にしか心を開かない。(同胞達も大体人間だった頃は晴翔とほぼ同じかそれ以上に厄介者、破綻してる事を覚えているから)
なお、晴翔のケースに限らず歴代の神無月の花嫁は過去に訳ありか伴侶となった経緯が複雑、先述の両項目に該当する事があり、他の神々も花嫁も"仲良くしていいが、深入り厳禁"として扱っている。
彼の禁止ワードは過去に関する事情、クズ家族と八重(=女の子)に関する話題全て、蝕神と海の同胞達以外に自分の本名を呼ばれる事、蝕神と海の同胞達への侮辱発言全て。もしも該当ワードを言ってしまうとブチ切れて下手したら一日中口を閉ざす。
実は晴翔の場合は普通の人間と違い、祝福されなかった生い立ちや差別待遇、愛がない家族、虐げられた過去と歪な人間関係、後述の教え子の女の子との道ならぬ恋を全て踏まえてもあり得ないくらい陰の気が強すぎる人間。蝕神と違い制御不可、無自覚な所が多い。
それも、蝕神に常人ではあり得ない陰の気の強さを認められて本来なら自殺志願者で受け入れられずに処刑され、本当に死んで終わる所を特例で花嫁として受け入れられたレベル。
ちなみにコレが原因で蝕神も晴翔の付近にいる際の朝と昼間は彼の陰の気を幾らか吸い取って本気モードになれる位強烈。
ただ、蝕神が彼の嘘を陰の気から見切った事、過去事情に深入りし過ぎて花嫁にされた当初は精神的に荒れ果てていた時期があり、神様や同胞達にも容赦なく八つ当たりしていた。
晴翔はこの八つ当たりの件に今でも罪悪感を感じてて、"認識や考え方がどこまでも甘い見習い花嫁"なのを現在でも気にして、現世では興味のなかった事に色々と手を出したり、慣れない手腕で家事全般をこなしたり、本来なら魚嫌いだが必死に魚料理を食べようとしたり、自分を少しでも変えようと努力中。
夜の行為時は昼の姿とは正反対。お願いしたら恥ずかしさで身体が震えたり、蝕神をスケベで悪趣味なジジイ呼ばわりしながらも二つ返事で素直にエロい事をしてくれる。晴翔本人は無自覚だが"信用出来るか特別な関係だと、捨てられる恐怖で相手に対して依存し、尽くしてしまう"傾向がある。
更に蝕神曰く、"今まで家族に愛されなかった反動と、捨てないと分かっていても自分や同胞達に捨てられるトラウマ、他人への不信感と恐怖が残っているせいでここまで開けっ広げで本来なら恥じらいたいのに恥じらえない、声も抑えたいのに抑えない、あまりにも行為の際はこちらに従順で素直過ぎて時折怖い"と、晴翔が性的に自分へ依存気味なのを心配している。
制御不可の陰の気の悪影響を蝕神以上に受けており、晴翔は神様とは逆に満月の時期になると性的な意味でパーティータイムなだけでなく、蝕神との肉体関係に最適な身体に一時的に変わって神様を性的に徹底して搾り尽くすまで止まらなくなってしまう事、最も致命的なのは過去の暗い話題を無自覚で沢山掘り起こして精神的に荒れてた時期に戻ってしまうのが全てコンプレックス。
ただ、晴翔の陰の気の体質が具体的に判明した騒動がきっかけで最終的に晴翔は蝕神を信頼。満月時の自分の急激に変化した身体に本人は今も戸惑っているが"嫌わない、むしろお前の場合は嫌いな自分自身を理解して向き合う為にもっと見せろ"と言われてからはある程度前向きにこの体質を捉える様に。
余談だが3つ目の話の後は夜の行為時には時々恥じらったり昼間でも蝕神が強要すると呆れながらシてくれる様になったり、"満月時の体質をある程度受け止めた、御神との行為の積み重ねというよりかは俺の今の気持ちと思いが大きく変化している"と晴翔本人は推測している。
蝕神「まあ。アレが元で以前よりかは恋仲というか、正確に言えば儂に気を許してくれる様にはなったの。」
晴翔「チッ」
と、ご機嫌な神様&不機嫌な花嫁の本人談。
晴翔「後は、彼女の、諸星さんの事も」
諸星八重(=女の子)>
元々は晴翔の学校で担任していたクラスの女子生徒。当時高校2年。とても強気で気丈で頑固なおじさん臭い女の子。誕生日は8/10。諸星は母方の苗字で、最終的に父と祖父母に引き取られてからは父方の冴島(サエジマ)を名乗る。
娘のバイト代を全て盗んでまでホスト男に貢ぐ事と娘の八重に構って欲しい故にイタい事をやらかしたり、迷惑かける孤独が嫌いで娘の金は私の金主義、自分は働きたくないでござる、働いたら負け主義の年中無休の王子様お姫様妄想上等の馬鹿でクズな母親と二人暮らし。
晴翔に惹かれたのはなんとなく、自分と親絡みで嫌な思い出しかない似たモノ同士なのを直感で察していたのと、単純に彼のピアノの演奏が好きだったから。
ただ、晴翔に神名浜の都市伝説の事と神無月の王=蝕神の話を教えた事は今でもずっと後悔している。(母親を殺害しようとした事、自分との恋仲もあるが、元が何処にも居場所がない上家族からはATMとしてしか役に立たない厄介者として扱われていた、蝕神の花嫁になりたがっていたガチの自殺志願者という事までは把握出来ていなかったから)
で、先述の8月生まれで花嫁になれずに現世の神名浜に五体満足で返された後は全てがシンデレラの様な形勢逆転展開に。実はまともな父親とまともな父方の祖父母と再会、残りの高校生活の費用と後で超有名な名目大学に受かってその為の学費含めた費用も全て出してくれた。
クズ母親も生きてた&早くに証拠品諸々も埋められた現場から回収で晴翔をストーカーして自分に対して殺人未遂を犯す程精神的に追い詰めていた事、実は父親と祖父母は養育費諸々を沢山払っていたが全て馬鹿女は男に貢ぐ為に使ってて八重は養育費の件を全く知らなかった事が判明。
八重のバイト代を盗んだらしい大幅引き出しもクズBBAのスマホの履歴に残っていたので養育費はもちろん、ホスト男への慰謝料、盗まれたバイトのお金も何千円かの利子付きで無事返却、お父さんからこれからの将来の為にバイトは辞めて勉学に励む事、今まで頑張った稼ぎはもしもの時の為に使わないで貯金する様に勧められたそうな。
ヤバいクズぶりで母親は最終的に金銭的な意味でも人生的にも破滅。父親や祖父母や八重の先述の請求だけでなく、後日迷惑をかけた晴翔の家族からも大幅な額の慰謝料請求があったらしいが今度は借金してて払えないから全額踏み倒そうとして逃げた。
逃げた果てに貢いでたホスト男と共に車で事故って男は死亡、BBAは事故の数日後に発見された時には大雨でベタベタ、血でドロドロの両手足ほぼ腐りかけで失くして赤黒い芋虫に似た肉塊の塊みたいな状態でギリ生きてたらしい。
その後の事は祖父母曰く"知らないでいい、身勝手な事ばかりして来たから天罰が下った"との一点張りで八重は知らないが、3年後にストレスが溜まってた若い障害者の介護職員複数による入居者イジメ被害の被害者の1人として惨めに死んだそうな。
八重はあの日から晴翔と巻き込まれた神名浜へ5年間毎年8月の夏の晴れた夜になると訪問する様に。(9月や10月に行くとまた蝕神の元に連れて行かれて今度は確実に殺されると思ったから。)
最後の5年目は小説家になって自分の事を知ってもらうよりも、弁護士になって自分の様な劣悪な家庭事情を抱えた学生達を助けたいという予定変更した夢を叶えた事を晴翔に報告&就職先の都合でもう二度とここを訪れない誓いの為の訪問でもある。
八重「ただ、当時の事を知ってたおっさんにエンカウントしたの正直びっくりしたわよ。それと」
なお、一生八重は知らないで終わった事だがこのシンデレラな逆転スカッと展開は蝕神の花嫁になった晴翔が特別に3つだけお願い出来ると言われた際に
1.八重の命を助けて、おまけサービスで五体満足で神名浜に返す
2.八重の悪い因果を可能な限り全て消し去る。陰の神である蝕神は人の悪い因果を操る事が可能。消す事は朝飯前。
3.八重が晴翔の事を忘れてしまうくらいのこれからの幸せな人生の保証
で八重の為に願いを3つ全て使った事が原因。晴翔本人の一番の願いは蝕神の花嫁になった事と同胞達のおかげで実はもう全て叶っていたから。
ただ、問題は何十年後かの普通に、まっとうな人生を生きた八重の死後に発生するがそれはまた別の話。
晴翔「あの子の死んだ後の件は関係ないと御神に言われたけど、ねえ。」
八重「......ッ!」
無言で固まる八重曰く、"再会したあの日とあまり変わらない若い姿の元彼は神のジジイのせいか普通に会話してても誰も寄せ付けない、普通の人間の私なんかが近寄っていいのか分からない雰囲気だし色気付いてて良い匂いするわ誰にも絶対見せない顔が豊富で私が嫉妬するくらい綺麗になってて意味不明なんですけどッ。"との事。
では、感想OK。長くなりました。
- Re: 自作逃走中ep3 豪華客船と怪盗と四季時計狂想曲 ( No.268 )
- 日時: 2022/10/25 08:25
- 名前: YUMA (ID: DIeJh8tY)
21.通達5・例のやり方とセピアの秘密・1
まずは誰かのモノローグ?
私さ、昔から夢を見るんですよ。誰もいない、工事用の機材や無造作にガラクタが所々捨てられている空き地に幼い頃の私が荷物一式と共に置き去りにされている、あんまりにもリアル過ぎる夢。
「パパ、ママ、どこなの?」「返事してー!」重い荷物を全て抱えて探しても、泣きわめいても、行方が分からない両親。人気もない。
ただ背丈の高い草むらと、狭い道路と、今の時期が真夏なのかうるさいセミの鳴き声と、この野郎と叫びたいくらいの蒸し暑さと、自分の体から流れる汗が自分の涙と混ざってどちらなのか分からないくらいに多い事。
行方も手がかりも分からず、涙目で途方に暮れていた中で突発的に思い出したのは、自分が最初にこの場所で気がついた際に気付いた事。
??「そういえば、気がついた場所に何か紙袋があったなあ。」
思い出したら早かった。すぐに逆走してそれを発見しました。私宛のメッセージカードが添えられた紙袋"Dear Sepia."ってねー。
ただ、紙袋の中身が問題でしたね。思い出さなければ良かったわよ!
??=セピア(伊那谷)「!」
<夢の世界での子供の姿
だって、小型でしたけど手動スイッチがついた爆弾っぽい箱でした。
恐らくスイッチを入れたら、数分後に爆発するアレですよ。え、"恐らく"って何故って?その前後に毎回夢から覚めるんですよ。本当にその箱がどんなモノかは分かりません。爆発物なのか、ドッキリの罠なのか......
*ここから本題
30:12頃、
セピア(伊那谷)「けどね、今までの人生の中で私なりにその夢の事、思うモノもあるんですよ。」
急に怪盗とおまわりさんに夢の話をするうさんくさい秘書。
セピア(伊那谷)「私の生きる意味なんて、復讐以外ありませんでしたから。」
そこで怪盗が薄々感付いたのか、口を開く。
パステル(理)「......僕の予想が正しければ、なんだけど。ミス・セピア、いや、貴方の場合はこう言った方がいいかな。"セピア・クロックワーカー"」
セピア(伊那谷)「チッ。大当たり過ぎて虫唾が走ります。このおまわりワンワンを食肉加工して鍋にするより」
ガッ
ルージュ(鳴上)「ガ......!」
パステル(理)「ミスター・ルージュ!」
セピアによる、ルージュへの一方的なサンドバッグは続く。
ルージュ(鳴上)「ぐは、が、おま......ぎゃあああッ!」
セピアに何度も蹴られ、最後は男のアソコを全力で掴まれ、いわゆる半沢直樹の黒崎さんの名物、チン潰しで握りつぶされる。
セピア(伊那谷)「貴様を生きたまま内臓取り除いて丸焼きにするべきでしたね。デリカしくない怪盗」
まあいいや、と話を続けるセピア。彼女は数少ないクロックワーカーの一族の末裔だった事でロクでもない人生だった、と語る。
セピア(伊那谷)「周りから罵倒されて、クロックワーカーの悪餓鬼かといじめられて。裏切られて。約束を破られて。善意かけても踏みにじられる。叩かれ殴られ蹴られは日常茶飯事。最後の最後には両親もロクな仕事につけず、呑んだくれで実の父からはレイプされて。実の母はその様子を笑いながら撮影してて。体を売れと言われてとうとう腹が立って、あはは」
ルージュ(鳴上)「まさか......ブランが念のために調べてくれていたが本当なんだな。ミス・セピア、お前まさか」
パステル(理)「......!」
事前にルージュは部下から調査結果を聞いていた、パステルも事前に知っていたのか厳しい目付き。
セピア(伊那谷)「両親の首を寝てるスキをついて斧で叩き斬ってついでに死に顔見たくなくて顔面ぐちゃぐちゃにして殺してます。」
当時、小学生だったセピアは両親の殺害理由を"殺されると思ったから、酷くてクズな親、正当防衛、イジメてきたパパとママが悪いし"と言えばお巡りさん達に通るとまで。ただ、
セピア(伊那谷)「無罪放免されたのに親戚もゴミを見る目で見て施設と親戚中をたらい回しされ、ラストには誰も入ってこないような樹海の奥に捨てられましたよ?」
そして、色々あってそのまま施設で大人になったセピアは。
セピア(伊那谷)「大人になってこうなった原因の全てがクロックワーカーの......先祖の犯した罪にあると初めて知った際は正直なところどんな顔してたかしらねえ」
今までの虐げられ、憎まれ、捨てられた事が全て自分のルーツのせいと知り、歪んだ笑みで語る女。ただ、その目は暗い暗い闇。一ミリも笑ってなんていなかった。
逃走者5人、どうする?
- Re: 自作逃走中ep3 豪華客船と怪盗と四季時計狂想曲 ( No.269 )
- 日時: 2022/10/25 08:28
- 名前: YUMA (ID: DIeJh8tY)
21.通達5・例のやり方とセピアの秘密・2
30:00
逃走者達、安定の
杏「まだハンターが起動してるにしても」
竜司「やるしかねーよな。」
沖田「......罠かも、ですが。」
信長「まずは、時計じゃの」
剣崎「......」
残る5人は全員、通達案件へ参加。
スゥ「ユマ君、全員動くみたいだよ。覚悟しておいたらー?」
ユマ「うるさい」
更に実況はスゥが姿を見せて占拠しており、念のためにユマ以外は機材から離れている。
ユマ「貴様のウイルス対策は万全や。感染させたらシバくぞ」
あ、そうだ、と突然話を持ちかける敵。
スゥ「pixivでは匿名で言うと誰かからメッセージ来たらしいねえ。」
ユマ「あのさ、どこまでデリカシー無いんや?」
スゥは止まらない。
スゥ「挙げ句の果てには逃走中の続きを早くってリクエスト。待たせすぎだよ、不誠実な作者YUMA」
ユマ「......」
メッセージを一部、暴露しやがって。
スゥ「pixivの公募の締め切り都合があるとはいえ、ようやく落ち着いてコレを書けたんだっけ?」
五月蝿くて仕方ないが、3Fに着いた一番乗りの逃走者の姿がモニターに映る。
29:00、3F、VIPエスカレーター前。
竜司「コレが、ワンダークロック入ってるケースッスか。」
トクマ「うん。」
ジェネ「後はエスカレーターを上ってすぐオークションB会場が見える筈だ。」
何の問題もなく、作者2人は時計を手渡してくれました。更に、
信長「おーい、ワシもいるぞー!」
ノッブまで来た。
トクマ「竜司とノッブなら、さくらさんの件は説明しなくても分かるか。」
ここで、スゥの声が。
スゥ「この先で待ってまーす♪」
ジェネ「何処まで、人を馬鹿にして」
竜司と信長を先に向かわせたジェネとトクマは、
トクマ「ここからは」
ジェネ「祈るしか、ないのか。」
今の現状に苦悩する事と、祈る事しか出来ない。
ジェネ「あの件をどう使う気だろうな」
いよいよ会場へ!
- Re: 自作逃走中ep3 豪華客船と怪盗と四季時計狂想曲 ( No.270 )
- 日時: 2022/10/25 08:34
- 名前: YUMA (ID: IoNmRAUo)
21.通達5・例のやり方とセピアの秘密・3
まずは、さくら関与案件
オークションB会場内部。
ルージュ(鳴上)「まさか......」
パステル(理)「......!」
セピア(伊那谷)「匿名の方から聞きました。作者さん達、素直に時計を渡してくれて助かります。」
驚く怪盗とおまわりさん。
信長「そりゃ、船から出られるのが嘘だと思うじゃろうに。」
竜司「すんません、コレが例の時計」
そこに、スゥが現れた。
スゥ「ねえ、坂本君とノッブさん。この時計の裏側に小さな扉みたいなモノあるでしょ?開けてみてぇ。」
竜司「はぁ?」
信長「怪しいの。」
早く開けないとセピアに時計を渡せない、と聞いて仕方なく2人は裏側の扉を開ける。すると、
竜司「え、SUは、スゥだよな」
信長「......スゥ、お主」
スゥ「そこにある名前、私だけかな?分かってるよね、知らない名前だなんて言わせない。ふふ、うふふふ、あははははははは......」
扉の反対側に、"SU"と"YUMA"の名前が彫られていたのだ。
スゥ「コレの炉心というか。魔時計の理論開発したのは、私とユマ君なんだー。すごい?すごいでしょう?」
2人は厳しい顔で動じない。
スゥ「へ?」
信長「嘘じゃな。マスターはこういう時はこんな目立つ様なサインはせん!」
竜司「そうそう。俺らは分かるぞ。」
契約者2人は、手をサインに向けた。手の甲にSのマークが浮き上がるが、
竜司「反応、無いな」
信長「ならスゥの見解は嘘じゃな。」
ユマの名前のサインには、何も反応がなかった。
スゥ「ふーん、つまんない奴らだから」
パチン!
スゥが指パッチン。
スゥ「もういいや、乗客全員起床ー!」
及び、乗客達が血眼で起き上がり、
竜司「高巻!?」
信長「おき太もか......」
残り3人を見つけて捕まえる。
杏「え、な、嘘!?」
沖田「......乗客はまだ起きない筈なのに!」
剣崎「......くそぉ」
騒ぎを聞き付けたハンターが3人を即座に捕縛。
高巻杏、剣崎一真、沖田総司 確保
残り2人
信長「まさかじゃが、竜司」
竜司「の、クソ野郎!」
スゥ「残り3人も私のウイルス、後でくらいやがれですぅ。」
??「おい、スゥ」
ガシリ
信長「ユマ!」
ユマ「なんて事、してくれたん?って言うても聞かへんよね。考えあるんよ、今の、ウチにはね。」
待て、と首根っこ掴まれたスゥ。何か心当たりがある様だ。
スゥ「待て待て待て。今回の参加者鬼藤君がいた筈。レモンドール君の都合と全てを巻き込む被害、考えたらそ、そっちからレンタルが妥当な」
ユマ「アンタのせいで、プロテクトかけた高価な機材まで巻き込む事になりそうや。命で弁償して?」
嗚呼、気付いた?
ユマ「まあ、ウチはちゃちなプロテクトなんてかけてない。コレで故障したり破損したら実況席も機材も作ったり買った価値なんてあらへんわ。」
スゥ「ユマ、くん!?」
この為に、こっそりと鬼藤さんからダウンロードをしておいたんだ。使える中に本家サイドの諸刃の剣に似た性質の都合でユマが喰らえばマズイ技があった。
ボッ
<ユマの心臓から青い炎が
スゥ「おい、待て、やっぱり鬼藤君の技だろそれ!た、たしか近代日本文学のタイトル技」
"よだかの星"。"鬼藤"こと作者鬼藤樟葉の世界での青い炎の技だが、
ユマ「これが、鬼藤さんの言ってたユマの死の恐怖を越えた意志の具現化である"青い焔"か。本家だと確実に色々と壊れるか、クラッシュ確定だが。」
ユマの生命力を燃料に、意志を着火剤にして命をかけて死を代償に奇跡を再現する力。命を対価にした時点で解釈出来ないので、リスク前提でそのまま使うしかない。
ユマ「ユマも使えば死ななくても数日は動けないやろうなぁ。うふ、うふふふ。」
スゥ((((;゚Д゚)))))))
そうくると思ってなかったスゥは震えていた。
スゥ「で、データクラッシュするならまさか目のウイルス対策も」
ユマ「失せろ、スゥ。貴様の声とイヤミはもう聞き飽きた」
更に加えて、このスキルは一度心臓から炎が発生=発動するとユマが即死するまで止まらない。スゥ乙。
ユマ「ひひ、ひひひひ!はよ燃え尽きろスゥ!ウチは、怖くない。死ねないから、権利者、はっ、不死身やぁああああ!!」
スゥ「っああああ!」
スゥを自分ごと燃やし尽くすユマ。残ったのは、2人分の焼死体。というか生きてますよ。
竜司「じゃあ、コレで」
信長「危ないからの」
2人には会場から出る様に指示して、
ミッションクリア!
28:30
1:00
>残り時間の変更を確認
セピア(伊那谷)「遅い」
いよいよ、セピアさんへ
- Re: 自作逃走中ep3 豪華客船と怪盗と四季時計狂想曲 ( No.271 )
- 日時: 2022/10/25 08:37
- 名前: YUMA (ID: KP9MPHtc)
21.通達5・例のやり方とセピアの秘密・4
シビルとミス・セピア
*過去サイドです
隻腕の男は、狂った笑みで時計を眺めていた。
仮面の男(荒垣)「アハ、アハハ......ついに、ついに完成した......」
家族を失い、腕も奪われた時計職人が出来るただ1つの事は、時計を作る事。それも、逆立ちしても誰にも真似出来ない代物を作る事。
仮面の男(荒垣)「......お前に名を与えよう。......そうだ。......ワンダー、ワンダークロック。命を砕く、破壊時計。魂喰らう、憎しみ時計。全て終わる、終わりの時計、ワンダークロックーーーッ!」
再度、笑い転げる男。
仮面の男(荒垣)「俺の傑作、可愛い我が子......さあ、まずは父さんを......殺しなさい」
ワンダークロックの炉心。コレが一番、男=シビル・クロックワーカーにとって重要だった。時計から出た、謎の剣状のモノに心臓を貫かれたのだ。
仮面の男(荒垣)「......ぐふっ!嗚呼......そうだ、それでいい。お前を完全に完成させるのに大事な仕上げ作業だからねえ。お前は誰にも真似できない方法で作った時計だよ。この技術は誰にも渡さない!誰かに渡すぐらいならここで俺の、い......のち......ごと、燃やしてや......!」
ただ、その際にシビルも予期していなかった事が発生。
*ここから現在へ。
セピア(伊那谷)「元の動力源としてメイン炉心に自分の命をそのまま使ったが、それが元で本来ならそのまま消えてしまう筈の自分自身の魂が時計の炉心に置き換わってしまったなんてね。ご先祖様」
更にシビルの魂が人の命を喰らう魂喰いになってしまったので大気中のマナを食べるだけでは維持には足りず、人の命やマナや魂も食べないといけなくなった。
セピア(伊那谷)「それが何百年も続いた。被害者全てに共通の異常な体内マナ濃度の低さの原因も分かります」
ばたんっ。
ルージュ(鳴上)「アンタら」
パステル(理)「来たのか!」
ここで、ユマのクラッシュに影響されて最優先で回復した真司とさくらが。
さくら「ええ。」
真司「大体聞きました、ミス・セピア。アンタがクロックワーカーの子孫って事もな。復讐以外に何か、生きる希望なかったんですかね?」
すると。
セピア(伊那谷)「ふふ、ふふふ、ふふふっ、あははははははははは!」
仮面の男(荒垣)「......」
高笑いしたセピア。無言のシビル。
セピア(伊那谷)「おかしいですね?復讐以外の自分が、生きる理由があったんじゃないかと城戸さんは言ってましたけど、分からないですね。ええ、ハッタリなんかじゃない。マジで言ってます。」
真司とさくらを睨みつけ、
セピア(伊那谷)「色々な人から色々なモノを奪われた人間って、生きる理由がありますか?笑顔なんてとっくの昔に笑い方、忘れました。笑顔になれない人間は好かれないと言われますけど、笑顔が下手な人間は、笑う事が出来ない人間は、孤独に死ねって事ですか?」
さくら「なんて、冷たい」
さくらも、真司も、目の前の相手にはおぞましさしか無い。
セピア(伊那谷)「夢も希望もない人間は死んでるのと同じと言いますが、じゃあそんな奴ら全員死ねって、資源が無駄になる穀潰しはいなくなれ、って意味の最後通告ですか?」
真司「最後通告、はちょっと。」
セピアは壮絶な過去で、絶望していた。
セピア(伊那谷)「誰もが生まれてきて生きる意味を抱えていると言いますけど、私みたいに散々残酷な目にあった人間、復讐しか頭にない人間は権利者さん達がレアな運命を辿った可能性として記録を資料にして残す程度のケースでしかないんですか。私の人格は、私自身は最終的に全否定なの?ククッ、あはは、あはははははははははははははははははは!!」
狂った笑いだとその場にいたセピア以外の全員が言わずとも察した。だって、目の前の秘書の女性の目は虚ろで、笑っていなかったからだ。
セピア(伊那谷)「笑わせんじゃねえよ!ドラマやお芝居の見世物としか認識してないんだろうな、お前らは!!マジで笑顔の方法は忘れてんだ...狂った笑いでも笑顔とカウントしてたのかよ。悪趣味ですねえ。マジでキモイよなあ。」
御託はいい、とセピアは時計に近付く。手には、桜色の刃のナイフ。確か、魔道具を破壊する道具に関連したモノがあった筈。
さくら「そのナイフ、サクラニウムですかそれ!」
真司「やめろ、セピアさん駄目!壊したら」
セピア(伊那谷)「さあくたばれやご先祖様!アンタや事件起こした馬鹿共のせいで私の人生は楽しい事も何もなかった、ただ無駄な時間を、誰かの言う天命ってモノを消費するだけの、心がどんどん傷だらけでズタボロになって腐っていくぼんやりした人生だった!こうなった原因を追い求める、復讐以外何にも無い、生き方だったんだヨォおおおおおおおお!!」
ルージュ(鳴上)「な」
パステル(理)「やめろ、死ぬどころかそれは!」
仮面の男(荒垣)「......くくく。どうでもいいか」
その言葉と共に、セピアが何度もワンダークロックにナイフを突き立てる!
仮面の男(荒垣)「俺が消えても死んでもこの世界は、汚くて価値がない」
何度目かの破壊で炉心が壊れたのか、光が船全てを巻き込む。
セピア(伊那谷)「西堀さくら、城戸真司、ラストに一つ。ンな世界に、ヒーローなんていねえんだよ。ヒーローなんていたら、誰も争わなくて済むんだ。私の事だって即座に悲鳴に答えて助けてくれんだろうが!この上っ面だけの偽善者共!!」
真司と、さくらは何も言えなかった。
セピア(伊那谷)「もしかしたら、とっくの昔にめちゃくちゃな世界を見て絶望して世界や人々を救う意味、全て無くして現実逃避で引きこもって知らないうちに全世界、全人類にそっぽを向いたんじゃないかなあ?」
セピアが、光に消えていく。
仮面の男(荒垣)「ワンダークロック、癒され時計」
真司「え?」
その中で、声が聞こえる。
仮面の男(荒垣)「私がこんなに、憎悪で焼けても」
仮面が無い、シビルだ。
仮面の男(荒垣)「愛が残ると?希望があると?」
仮面ライダー龍騎も、
仮面の男(荒垣)「......狂った様に。......縋る様に。」
ボウケンピンクも身構えてしまうが。
仮面の男(荒垣)「信じているのかと、お前らに問う」
さくら「なんて、顔」
彼のその顔は
仮面の男(荒垣)「......ワンダークロック、消える時計」
憑き物が落ちた様に、
仮面の男(荒垣)「これにて、喜劇は終わるだろう」
全てから解放されたかの様に
仮面の男(荒垣)「正しい時刻を、示すだろう」
とても穏やかな
仮面の男(荒垣)「はじまりの音、響いた時に」
笑顔だった。
仮面の男(荒垣)「何があったか、お忘れなく」
彼の大嫌いな、笑顔だった。
次回予告
22.ドラマパートF・助ける価値、ありましたか?
>後日談と、全ての顛末。
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