ポケモン二次創作 【虹色の天空】 豆電球 /作

第十五章 ~了解!~
所変わって、ジョウト地方のエンジュシティ。
キオンの夢にも出てきた鈴音の小道で、一人の男性がポケギアを使い、会話をしていた。
男性は、エンジュシティポケモンジムリーダー、マツバ。
マツバ「・・・そうか。まだ行方が分らないんだね。」
ミナキ『ああ。警察の話でも、全くといって良いほどに物的証拠が見つかって無いそうだ。』
彼は、マツバの友人でありスイクンハンター(自称)のミナキ。
話題の内容は、やはり「彼女」の事だ。
マツバ「・・・本当に、リオンちゃんはどこにいってしまったんだろう・・・」
マツバ『ん?その言い方では、彼女が誘拐されたって信じてないようだな。』
マツバ「当然。マツバ、君は信じるかい?「あの」リオンちゃんが、無抵抗で誘拐されるなんてさ。」
ミナキ『う・・・うむ。確かに・・・ありえんな。』
声のみでも、苦笑いをしているのが分かる。
彼は以前、リオンにかなり痛い目(どんな痛い目かは、お好きなようにご想像下さい)にあっているのだ。
マツバ「あの時のミナキは、本当に可哀想だったからな~」
ミナキ『そう思っていたなら、すぐにでも助けてくれよな・・・』
マツバ「そんな事したら、僕まで危ないじゃないか!命は、惜しいからね。」
ミナキ『よし。彼女を俺が発見したら、マツバがこんなこと言ってたぞ~、と教えてやろう。』
マツバ「あ。」
コレで五分五分だな。くつくつと、笑う。
騙された・・・まったく、やはりミナキの方が、年上なんだな。
マツバ「・・・で、本当に何も情報は無いのか?ミナキの事だ。何か掴んでいるんじゃないのか?」
ミナキ『!』
マツバ「ふっ、やっぱり隠してたか。」
ミナキ『ばれたか。マツバに隠し事は、リオンちゃんの鉄拳を喰らうよりも、ある意味恐ろしいからな。』
マツバ「だろ?」
参りました。電話先で、きっとホールドアップしているのであろう。一瞬、声が遠ざかる。
ミナキ『実はな。三週間ぐらい前だろうか。あの世界的に超有名なある博士から、俺に連絡が来た。』
マツバ「!その博士って・・・」
ミナキ『ああ。オーキド・ユキナリ博士だ。』
マツバ「・・・いけしゃあしゃあと・・・で、どんな内容だったんだ?」
ミナキ『正直言って、あまり期待しない方が良いぞ。博士も、人伝いに聞いたものらしいからな。』
マツバ「それでも構わない。少しでも、手がかりになるのなら!」
今は、どんな小さな事であろうと構わない。ほんの少しでも、リオンちゃんに繋がるのなら。
ミナキ『マツバ・・・よし、いいだろう。ただ、この話は信憑性が薄い。鵜呑みにするのは、よしたほうがいい。』
マツバ「了解。話してくれ。」
以下、回想シーン
三週間前、ある町のポケモンセンターにて
ジョーイ「ミナキさん、貴方宛にテレビ電話がかかって来ていますよ。」
ミナキ「あ、ありがとうございます。誰からです?」
ジョーイ「さあ。匿名をご希望されまして、私は残念ながら存じませんわ。」
ミナキ「?マツバじゃないよな。奴なら、直接ポケギアにかけてくるだろうし。」
不思議に思いながらも、備え付けのパソコンの前に座る。
元々、そろそろここを出るかと思っていたので、すぐに用件を終わらせるつもりだった。
あっちから、通信が入ったらしい。ジョーイさんが出て行った。
画面めいいっぱいに映し出された顔は・・・
オーキド『もしもし、ワシじゃ。さっき入ってきた情報なんじゃが・・・』
ミナキ「って、ええ!?オーキド博士!?」
オーキド『おお、スマンスマン。ワシとした事がつい先走ってしもうたわい。』
ミナキ「あ、あの・・・全然話についていけないんですが・・・」
オーキド『あー、スマンな。ミナキ君じゃな。マツバ君から、話は聞いておる。スイクンハンターじゃったっけか。かなり研究しておるとな。』
ミナキ「半分当たってますが、正確には私は、ジョウトの歴史について研究してます。」
オーキド『まあ、そうとも言えるとマツバ君が言っておったな。』
ミナキ「アイツ・・・」
オーキド『ああ、いかん。話が反れた。ワシが君に伝えたい情報の事なんじゃが・・・』
ミナキ「もしかして・・・彼女のことですか?」
オーキド『いかにも。一週間前に行方不明になってしまった、リオンちゃんの事じゃ。』
ミナキ「・・・それで、どんな内容ですか?」
オーキド『マサラタウンの、小さなトレーナー諸君からの、とある少年についての目撃証言じゃ。』
ミナキ「・・・少年?」
オーキド『ああ。話を聞けば聞くほど、彼女みたいだと思ってしまってな。』
ミナキ「それで?特徴はなんですか?」
オーキド『漆黒の髪、彼女と同じ型のポケモン図鑑、そして・・・』
ミナキ「それだけで十分怪しいじゃないですか!」
オーキド『待て、まだ続きがある。そして、彼は「はやて」という名のウインディを連れていたらしい。』
ミナキ「もう決定じゃないですか?」
オーキド『・・・いや。彼には、彼女とは決定的に違うものがある。リオンちゃんは、金色の瞳。しかし、彼は翠色の瞳だったそうだ。いくらなんでも、瞳の色まではたやすく変えられないだろう?』
ミナキ「確かに。しかし、もしかすると彼は何らかの繋がりがあるかも知れませんね。」
オーキド『そこで、君に頼みがある。カントーに行って、その少年について調査してほしい。少年の名前は、キオンというらしい。』
ミナキ「・・・分かりました。喜んでお引き受けします。と、いうよりも・・・」
オーキド『何じゃ?』
ミナキ「スイクン追っかけてたら、カントーに来ちゃってたんですよね~☆」
オーキド『・・・じゃあ、頼んでも良いかな?』
マツバ「了解。」
回想シーン終了
マツバ「・・・」
ミナキ『と、言う訳で俺は今カントーのとある町に居る。お前も来るか?』
マツバ「・・・いや、すまないが僕は無理だ。ジムを空けるわけにも行かない。あと、確かめたい事があるから。」
ミナキ『・・・分かった。キオンとやらについて、何か分かったら、すぐに連絡する。じゃあな。』
プツン
マツバ「キオン・・・」

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