ポケモン二次創作  【虹色の天空】  豆電球 /作



第四十四章 ~必要とされない~



対峙を続けるギンガ達。数ではこちらが有利だが・・・
N「サイコキネシス!」
技の威力、瞬発力、此方の技をかわすフットワーク。どれをとっても最高の力を持つポケモン。
ミュウツーが、あちらに居る限り・・・此方に勝ち目は無い。
ポケモン達の回復道具は、既に底をついている。最早、負けるのは時間の問題であった。

ギンガ「―――っ!」
サカキ「思った通りだ・・・!これなら世界だって手に入る・・・」
サトル「くそっ!なんとかなんねえのか!?」
エンジュ「回復おわったよ~!いって、バクフーン!」
ギンガ「すまないエンジュちゃん。少し休んでてくれ。ティア、エンジュちゃんを。」
ティア「畏まりましたわ。さあ、エンジュさん。こちらに。」
あっという間に、神秘の守りのバリアが張り巡らされる。
ティア「これで暫くはエンジュさんは大丈夫ですわ。」
サトル「サンキュー、ティア。んじゃー、ギンガ。やるだけやるぞ。」
ギンガ「・・・ああ。クソ親父!俺らはまだ負けねえ!バクフーン!――・・・」
《バクフーンの、噴煙攻撃!》
サカキ「!N、ギンガにも、『お前と同じ』力がある。気を付けろ。」
N「・・・」
サカキ「N?」
N「失礼シマシタ。・・・ギンガ様ハ、力ヲ拒ンデイナイノデスネ。」
サカキ「・・・ああ。そうだ。俺の息子ながら、度胸はある。『リオンとは違って』な。」
ギンガ「おいクソ親父ぃぃ!リオンに、度胸が無いみたいな事言いやがってぇぇ!絶対ぶん殴る!」
サカキ「・・・度胸だけじゃなく、喧嘩も出来るようになったか。」
N「サカキ様。コノ方々ニ、私ガココニイル理由ヲ、言ッテモヨイデショウカ?」
サカキ「・・・?ミュウツーの攻撃を緩めない条件付なら、別に構わないが。」
N「アリガトウゴザイマス。――ギンガ様ノ「力」が、羨マシカッタノデス。必要トサレテイル事ガ。」
ギンガ「・・・?」

攻撃の手は緩めず、Nは語りだす。
N「私ハ、R.I.O.Nノ中デモ、リオン様ニトッテ最モ疎ク、必要ノ無イ存在デシタ。ナニセ、旅立ッタ理由ガ、私ヲ消失サセル為ダッタ程デシタカラ。」
ギンガ「・・・」
N「私ハ、リオン様ノ中ニ居テモ、必要トサレナイノデス・・・ソンナ事ガ、十年以上続イテ居ルノデスヨ・・・?コレデ、何トモナイ人ガイマスデショウカ?」
サカキ「・・・」
N「ダカラ、サカキ様ニ必要トサレタ事ガ、本当ニ嬉シカッタ・・・例エ、ソレガ悪事ニ利用サレテイルトシテモ。」
エンジュ「そんな!力をあくようしちゃいけないって、アタシに教えてくれたのは、お姉ちゃんなんだよ!?」
ティア「エンジュさん、今は少し黙りましょう。突破口が開けるかもしれません。」
N「ダカラ・・・ドンナニ汚イ事ニ利用サレヨウトモ、私ハサカキ様ノオ傍ニイマス!」
ギンガ「そんな事、リオンはちっとも望んでねえ!Nは、親父に利用されたんだ!」
N「言ッタデショウ?ドンナニ汚イ事ニ利用サレヨウト、私ハサカキ様ノオ傍ニイルト!」
サカキ「N・・・」
ティア「そんなのおかしいですわ!そんなの、認めてもらえなかったってだけで、非行に走るチンピラではないですかっ!貴女、本当に【伝エル者】の思念体なのですか?」
うわ~・・・さり気に、とんでもない事言ってくれたね、ティアさん。
N「・・・ッ五月蝿イッ・・・モウ、私ニ指図スルナッ!!サイコブレイク!」
サトル「おわわ!オーダイル、避けっ・・・」
《オーダイルは倒れた!ミュウツーとの勝負に負けた・・・》
ギンガ「サトルッ!!」
サトル「・・・気にすんな!気を抜くな!」
ギンガ「お前だけは、何があっても許さねえ!例え、リオンの思念体だとしても!」
サトル「ギンガ!避けろ!来るぞ!サイコブレイクが!」
エンジュ「お兄ちゃん!!」
ティア「バリアが、間に合わないっ!」
ギンガ「え・・・?」
サカキ「!!」

???「神速!」
物凄い勢いで、『何か』がギンガを庇った・・・と言うよりか、救い出した。

―――皆さんお分かりだろうか。
リオンの手持ちは、三体居る事を。ハクリュー、ダグトリオ。まだ、一匹出てきて居ないのだ。
そして、神速が普通に覚えられるポケモンと言えば・・・(ハクリューは別物として。)
他の地方では、炎の神とも呼ばれる・・・ウインディ。それを操りし、トレーナーと言えば!
ギンガ「―――っ!」
???「お待たせっ!やっと動けるようになったの!・・・ま、心は読めないけど。」
サトル「あ、あ・・・」
エンジュ「もしかして・・・」
ティア「もしかするとですわね・・・」
N「!!」
サカキ「・・・」
そう。今作に入ってから、一回もまともに登場した事の無かった、あの人。(20章辺りまでは出てたけど。)
この作品の中では一番の実力を持つ、リーグチャンピオン。(正体は、最初からバレバレだったけど。)

リオン「ここからは・・・私自身の戦いだから。後は任せて!」

白馬に乗った王子ならぬ、ウインディに乗った金の瞳の少女。
現在はお姫様ならぬ、銀の瞳の少年を護るようにウインディにまたがっている。
多分、この小説内で最も男らしい、リオンさん。主人公、帰って来ました!いよっしゃぁぁ!
一同「リオン(さん)(お姉ちゃん)!」
期待通り、悪をひん曲げてくれるのか・・・?