イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第15話
瑠(行き止まりか…気のせいだったのかな…)
瑠璃花が足を止めて、考え込む。隠し扉の奥に来たものの、結局、その先は行き止まりだった。
瑠「…皆の所に戻ろ…。」
引き返そうと、振り向いた。その時。
?「ようやくここまで来たか…ずいぶん、時間がかかったものだ。」
瑠「!!あなたは…青いローブを着ていた…!」
いつの間にか背後に立っていたのは、2年前に会った男子。
瑠「…じゃあフォッガー2ね。」
フォ2「何が。」
瑠「あだな。名前教えてくれなかったから。」
そう言うと、フォッガー2は何かを思い出したように、なるほど、と呟いた。
瑠「でも、あなたがここにいるということは私達が此処に来たのは合っていたって事?」
フォ2「ふっ、もっと早かったら…な。」
瑠「……どういうこと?」
フォ2「あいつが申し込んだ勝負のことがあって此処に来たんだろうが、ここに私達の居場所はもう無い。」
瑠璃花が分からない、というように首をかしげた。
フォ2「期限は今日ギリギリだな。だが此処では、勝負はできない…。 雷門イレブンに連いていけ。途中で降りたら、日本を潰す。」
瑠「物騒な事さらりと言ったね。で、依頼主は吉良星二郎ね。」
瑠璃花の両親の敵。絶対に、一生かかっても許せない相手。
フォ2「どうでもいいことを…。」
瑠「じゃあ、どうしてあの霧を作ることを依頼したの!」
怒りがだんだん抑えられないものになる。怒ったような自分の声にはっとした。
フォ2「それはこれからでも分かる。世界はやがて…」
瑠「!?」
フォッガー2の雰囲気が、変わった。
フォ2「我々の思うがままになる…。」
瑠「ッ!!!!どういう…」
円「瑠璃花っ!!」
魁「瑠璃姉!」
瑠「!皆さん…!」
振り返ると、慌てて走って来た様子のキャラバンメンバーが。
そして、フォッガー2は消えていた。
土「誰と話してたんだ?」
秋「突然いなくなっちゃったから…。」
…言い訳なんて考えていなかった瑠璃花は慌てた。フォッガー2の事を話しても、ややこしい事になるだけ。
魁「まあ、気にしないで、早く行こうぜ。ロボット倒したから!」
瑠「!うん……。」
助け舟。魁渡には、分かっていたのかもしれない、と瑠璃花は思った。
円「……。」
~回想~
鬼道の作戦で、ロボットは倒せた。
円「やったぜ!よし、行こう…」
音「あれ?瑠璃花さんは?」
全「え?!」
辺りを見渡すと、確かに瑠璃花だけいない。
一「そういえば、さっき作戦考えてた時、道の奥じっと見てたな…」
魁「!…戻るぞ!」
円「ちょっ、魁渡!!?」
驚きながら魁渡に付いていくと、高い声の叫び声が聞こえた。
一「行き止まりだぞ?!」
豪「いいや、よく見ろ。」
魁「抜け道だ!開けた痕跡もある。」
とにかく、早く行かないと。そんな気持ちが全員にあった。
そしてキャプテンの円堂が先頭になり、曲がりくねった一本道を走っていく。
みえた行き止まり。そこにいたのは。
円(!黒いローブ!?)
――そのローブの男は。円堂にしか見えないように、「ふっ」と笑った。
円「!瑠璃花っ!」
まばたきをした直後、その男は消えていた。
~回想&第15話終わり~

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