イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第16話



雷門イレブンは一本道を進んでいた。ロボットの後には、何も障害物は無いが、いつ何が来るのか分からない為

全員無言で神経を集中させていた。

壁「ひいっ!」

突然照明が落ちた。

瞳「っ!」

そして、道の脇の扉が開いた。

瑠「…こっちに来いってことみたいですね。」

円「ああ。」

豪「行こう。」

豪炎寺の声に、皆は無言のまま頷いた。

―その道も一本道だった。行き止まりまで行くと、またも自動で扉が開く。

ガシャンと大きく音を立てて閉まった扉に、壁山が悲鳴をあげた。

豪「あまり声を出すな。」

壁「は、はいっス」

〈ビイイン〉

全「!」

真っ暗な部屋。そこに浮かびあがったのは…

瞳「お父さん!」

瑠・魁(大仏?!)

瑠(わあ、教科書で見た大仏みたい…)

魁「ってええ?!じゃあこの人が吉良星二郎??!」

瞳「ええ、そうよ。」

浮かび上がった吉良星二郎はバーチャルだ。そして、そのバーチャルを利用し、行うのは。

吉「日本国首脳陣の皆さま、お待たせいたしました。」

豪「待ってないと思うぞ。」

吹「ご、豪炎寺君^^;」

始まったのはプレゼンテーション。エイリア学園についておさらいの様に話した後、完璧な強さを持ったチームとして紹介したのは。

瞳「はっ!」

吉「ザ・ジェネシスです。」

映っていたのは赤い髪の少年。

魁渡は、顔をしかめた。

吉「彼らの力を見れば、財前総理、あなたは考えを変えるでしょう。必ず、ね…。」

そう言い残しバーチャル吉良はプレゼンテーションを終わりにした。

そして、閃光が扉から溢れる。その閃光の中から現れたのは

瞳「…研崎…。」

魁(気味悪っ!)

研「…付いてきて下さい。」

魁渡と瑠璃花は、列の最後尾に付いていった。



魁「瑠璃姉、ジェネシスにフォッガーはいないんだな。」

研崎に聞こえないよう、魁渡は小声で瑠璃花に言った。

瑠「うん、フォッガー達はここに居ないって。雷門イレブンに付いていけ、って言ってた。」

魁「言ってたって…やっぱり、さっきのフォッガーだったんだ…。」

ごめんね、と瑠璃花は呟く。風が吹いた。そう、その先は外だ。


外に出ると、いたのは吉良星二郎。縁側に立って、雷門イレブンを出迎えた。そして瞳子監督はいきなり、

瞳「ハイソルジャー計画はやめて!」

吉「まだ分からないのですか、瞳子。」

瑠璃花達は後ろで、隠れて聞いていた。試合が終わったらぶっ潰す、という計画だ。(考案者魁渡)

吉「同じ事をしているというのに。」

ジェミニストームやイプシロンと戦い強くなった雷門イレブンは、ジェネシスの強さを見せつける格好の相手。

そこまで育てたのは、瞳子監督。そんな仕事があるから、放っておいたのだと。

吉「さあ、試合の準備をしなさい。ジェネシスが待ってますよ。」

瑠「……。」

瑠(あいつが依頼主…お母さん達と、あんな優しい監督を…。)

瑠璃花は怒りを覚えた。

―そして、研崎が更衣室へ案内することに。

――一体、なぜここに来れたのだろう。

富士のふもとに研究所があるのは、ほんの一握りの人物にしか分からないはずなのに。

瑠「ん?!いや、依頼主が此処にいて、でも此処じゃなくて…あれ?」

近づくと、そんな呟きが聞こえる。あいつ、何の話をしてるんだ?


鬼「何の話をしてるんだ?」

瑠「いや、フォッガーが此処じゃないって言ってたんだけど、依頼主は此処に……えっ、鬼道君??!」

……漫画みたいだな。フォッガーって何だ?とりあえずここは…

鬼「…どうして此処に来たんだ?」

2人きりで、子供で、いくらエイリアに学校を壊されたとしても、ここまでするのは変だ。

すると、瑠璃花が少し俯いてから言った。

瑠「…吉良星二郎がここにいるから。」

鬼「!!!!!?」

瞳「ここが更衣室よ。」

瑠璃花は瞳子監督のもとに行き、ユニフォームを受け取った。

俺の頭の中には、さっきの言葉が、ずっと引っかかっていた。