イナイレ*最強姉弟参上?!*

作者/ 伊莉寿



第14話 前半終了!



瑠璃花の予感は外れたも同然だ。

不動はオフサイドトラップをしただけだったからである。案外、スケールが小さい事に驚いた。

テ「オフサイドトラップ、初めて見たかも…」

魁「そんな言葉自体知らなかったぜ。」

2人の言葉に、瑠璃花は心の中で頷く。

不動が攻め上がる。技術は高く、相手を次々かわしていく。

円「飛鷹!来るぞ!!」

飛鷹はぎこちない動きでブロックに向かうが、不動は全く相手にせずループシュート。円堂が追い付かず追加点かと思われたが、綱海がブロックして外に出す。

魁「あいつ、サッカー自体慣れてないな。」

テ「でも此処に居る訳だから、何かすごいんじゃない?」

瑠(……不動さん、鬼道さん…)

不動は完全に鬼道達を見下している。彼等は仲良くなれる。そう思っている。

でも、それは何時になるだろう…瑠璃花は不安になって来た。

試合再開、ボールはBチーム。パスは繋がり、前線の豪炎寺に渡った。

豪「爆熱ストーム!!!」

円「正義の鉄拳G2!!」

秋「豪炎寺君と円堂君の直接対決!」

魁「豪炎寺のキック力はこの中でもずば抜けてるな…」

マネージャー達がはらはらしながら結果を見守る中、魁渡は豪炎寺のキック力に感心していた。

結果、豪炎寺の勝利。瑠璃花は忘れず笛を鳴らす。

1-2でBチームがリード。円堂が反撃だ、と声をかけた。

……反撃の時は直ぐにきた。染岡のワイバーンクラッシュで、Aチームが同点に追いつく。

瑠「後何分で終わりですか?」

秋「あら。もう終わりよ。」

……瑠璃花は思った。

必殺技に心の中ではしゃいだりしてホイッスルを忘れたり、開始時刻を忘れてる自分は、審判やってちゃダメだ、と。

瑠「(;_;)」

秋・音「瑠璃花ちゃん??!!」

ホイッスルを鳴らした。前半終了。


瑠璃花は1人になるために校舎の近くに来た。水道で顔を洗って気を引き締めて古株さんに審判を頼もう、と思っていた。

瑠「!」

見た事のない女子と父親らしき人がいた。どうやら選考試合を見ているようだ。ベンチに座らないなんて珍しい、と彼女は思った。

すると女子が気付き微笑んできた。父親も会釈する。

瑠「…貴女は?」

冬「久道冬花。」

綺麗な声で冬花は名乗る。

冬「皆…サッカー楽しそうにやってる。」

瑠「私もそう思う。」

冬「友達に…なってくれる?」

冬花がそう言うと、瑠璃花が頷く。不思議な子…それが冬花の第一印象。


ティアラが急に消えた瑠璃花を探して校舎を見上げると、瑠璃花と女の子が一緒に居た。

テ「誰?」

魁渡も首をかしげる。見た事が無い。やがて瑠璃花が降りてきた。

テ「誰だったの?」

瑠「久道冬花って女の子。選考試合を見に来たんだって。所で古株さん何処?」

ティアラが鉄棒の辺りに居る彼を指さすと、瑠璃花がお礼を言って走って行った。

テ「…元気だね。」

魁「同感!」

ティアラが冬花を見た。

テ(なんだか、不思議な子だな…)

瑠璃花同様、ティアラも彼女を見てそう思った。