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*106*
終章引きニート感情論
「ケフフ、さすがじゃの。あの程度は分かるか。しかしまぁ、短気は良くない。足元を掬われるぞ。」
「ふざけるな。アンタと話に来たわけじゃない。」
憤りを隠せない。苛立ちが募る。僕は、
「お前を殺しに来っ・・・!?」
歩いてくる影。初めて見た姿。探していた、姿。
片方は長身で運動をしているのか体の肉付きが良い男。
片方は小さな体躯で華奢な、長髪が目に付く女。
若々しい二人。同年代の二人。
一目で分かった。
「圭・・・?麗奈・・・?」
生気の無い瞳。虚ろで微かにこちらを捉えている。
二人同時にぎこちなく、口が動く。
「シンニュウシャヲ カクニンシマシタ。」
途端吐き気がした。僕は耐えきれず、嗚咽混じりに嘔吐してしまう。あれほどまでに、生きていてほしかった。現実で会いたかった姿が、これか。これなのか。
感情のない人形。そんな姿を見たくはなかった。これが、現実。僕の罪。
「シンニュウシャヲ ハイジョシマス。」
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