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四章残された希望論
「それは、人間が本能と呼ぶものです。感情とは呼べないものです。」
「感情は本能とは異を唱えるものだ。なるほど、そうですか。しかし、そう線引きするのは難しいものですよ。氷見弥君。」
「・・・なぜですか?」
「理性とは感情ではなく、それを押さえるもの。そういった考えもあります。しかし、理性と感情は同居しうるものである。これが私の持論です。そして、それは本能にも表せる。本能と感情は共にあれるものである。逆説的に、同じかそれに準じることとは思いませんか?」
「理性と感情が対極でなく、同居するなら、本能も感情と同居でき、故に近しいものである。違うものでないなら、似ていると。それは些か強引ではありませんか?」
「いやいや、それは極論だよ。ただ、僕の意見は同居できるものが、対極であるはずはなく、同じベクトルのものではないか?そういっているんだよ。」
「たしかに、反対の反対は同じですね。つまり、本能と感情は似かよっている。なら、ここで話を戻しましょう。原初の生物は微生物であるはずです。いや、タンパク質でしたっけ。まぁ、それが防衛本能をもっていたとは思えませんが。」
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