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引きニート感情論 完
作者: 火羅 ◆t2Fwfd0vJs  (総ページ数: 115ページ)
関連タグ: ドラクエ 二次創作 重なる世界続編 
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四章残された希望論

「これから、君の父が生涯を賭けた研究成果を実践します。そうすれば、君は全てを理解出来るはずです。」
「貴方は・・・?」
アオバの声はふるえている。落ち着いていた声が、ふるえている。なにが起こるかは分からない。でも、分かることはあった。
アオバか僕が、死ぬ。
死ぬ。死ぬ。死ぬ。

「止めてください・・・!研究成果なんかより・・・。」
「大丈夫です。君は死にません。」
僕が死にます。そう宣言しているようだった。そして、アオバを見ると異変はあった。
体が崩れている。ボロボロと皮膚が足から剥がれて落ち始めている。
「生物は、時を越えられません。あの方なら、越えられたのでしょうが・・・。もう、時間がない。」
アオバは僕に手を当て、僕を見る。揺れて潤んだ瞳で僕を見る。そして、瞳を閉じ、俯く。僕が最後に聞いた彼の言葉は、
「忘れない・・・。」
だった。

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