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五章空虚な持論
ある一室。白黒の檜のテーブルと椅子しかない、白黒の部屋。向かい合う二人。
「カハハ・・・。」
「ケフフ・・・。」
「思いっきり変態みてーじゃねーか。」
男。狼は、冷めた口調で言い放つ。
「んで・・・。呼び出した理由は?虐殺でもしてほしいってか?」
「何故殺すことばかりを考える。そんなつまらんことじゃぁない。」
老人は微笑し、狼に目をやる。
「なぁに、一つ。お前と対極に位置する存在が興味深くての・・・。」
狼はため息をつく。ゆっくりと首を回し、老人を見据える。
「なかなか、研究熱心だな。戒学李さんよー。だがな、やめたほうがいい。単なる興味であいつに関わらねぇほうがいいぜ。てめぇ程度の人間じゃ、喰われんのが目に見えてる。」
狼は、老人、戒学李を見下し、あざけ笑う。そして、殺意をだし、言葉を繋ぐ。
「あいつは、俺の獲物だ。」
言い放つと席を立ち、退室する。
戒は、その背中を見つめる。そして、笑う。
「儂の策通り、踊ってもらうぞ。架狩狼。」
彼らは味方ではない。敵でもなく。駒同士でしかないのだ。
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