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五章空虚な持論
ある程度の情報を得た僕は府に落ちない事があった。
「あんな戦争を起こして置いて、いい国作りでも目標なのかな・・・?」
はじめはそんなはずがないと思ってみた。だが、実際はどうだろう?世界は統一され、戦争は皆無。不況と呼ばれるものは、言葉さえ知らない世代が出来ている。殺人なんて、しようものなら帝国に殺される。有名な貧民街の殺人鬼、“殺し屋リューグ”は別だが・・・。
全く、人類史上最も平和な世界を生きているのだろうか。いや、あのジジイは帝国の学者。それに、僕の仲間を・・・。
なんだか、眩しすぎて先の見えない迷路にでも入り込んでしまったみたいだ。または、不思議の国に迷い込んだ少女か?
あの物語、僕は秩序を乱し、自らの定義に捕らわれる主人公を愚かであるとか言ったような・・・。今になって、やっと気持ちが分かったよ。
たしかに、女王のナルシストとワガママも定義以前にうざかったよ・・・。主人公が正義を示したと考えれば、新しい観点で理解できそうだね。
なら、どうしようか?決まっている。自らを正義とし、挑むしかない。正論を振りかざすしかない。
でなければ、僕は哀れな犠牲者として二人を見てしまう。
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