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五章空虚な持論
会いたくはなかったが。だが、会わざるをえない相手でもある。
「そうですよ。で、用件は?」
「愛想がねぇな。まぁ、良い。と言うよりよ、」
わかってんだろ?そう、言葉を深く発する。
どうやら、避けられないらしい。
「てめぇみてぇな小物がかなう相手じゃねぇ。それに、俺に勝てると思うか?いや、逆に今分からせてやったほうがいいか・・・。場所を変えるぜ。文句ねぇな?」
はい、そう答えた。酷く素直に・・・。
その後、軽く担がれた僕は圧倒的な速度を体感しながら草原へと運ばれる。広々として、見晴らしがいい。それは、逃げ場の無さを証明していた。
「さて、もしもの為言うが・・・。死んでもしらねぇぞ。」
「それは、勿論。承知してますよ。覚悟の上です。」
杖を構え、睨みをきかせる。意味はないが、あくまで意識的な面での行為だ。一方狼さんは、構えを取らず、武器も持たず、こちらを見据えている。殺気を放つ事もしない。
「悪いが、杖なんか呪文の使えねぇ奴が持つもんじゃねぇぞ。」
言い切る狼さん。勝負は長引かないだろう。余裕を見せる相手には・・・。
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